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URGT-B(ウラゲツブログ)

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2004年 12月 31日

映画「デリダ」の坂本龍一によるサントラ

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右の画像が、ドキュメンタリー映画「デリダ」(2002年、カービー・ディック+エイミー・Z・コフマン監督作品)のサウンドトラックを担当した坂本龍一のCD「Derrida」輸入版です。

映画の方は2004年はじめにビデオとDVDが発売されていることは皆様ご存知の通りですが、それぞれフォーマットがアメリカ合衆国およびカナダ専用のため、日本用のフォーマットに変換してダビングするとか、リージョンフリーの再生デッキを買うとか、もしくはリージョンフリー化ソフトをインストールするとか、いろいろと面倒です。

しかし音楽CDの場合はそういう面倒はないし、坂本龍一のサントラは独立して楽しめるので、おすすめです。静かな夜にリラックスして聞きたいアンビエントな曲(というか、音の群れ)ばかり、29曲入っています。昨夏の発売でしたが、聴く分には、ゆっくり過ごしたいお正月向きでしょうか。私は特に、最後の"jd022"が好きです。我が家のおチビさんは全曲が「コワイ」と言っています。まあ確かに幽霊が出てきそうな暗いトーンではあります。教授が今まで作曲してきた映画音楽やCM曲等とはかなり印象が違います。〈現代音楽〉っぽい感じ、と表現したら(シロウトすぎますが)ニュアンスが伝わるでしょうか。アマゾン・ジャパンなどでこの輸入版が手に入ります。

なお、このアルバム「Derrida」に収録されている29曲というのは、"jd001"から"jd029"までの無機的な名前のトラック群なのです(ただし曲順は番号通りではありません)が、二年前の2002年3月に国内でワーナーから発売されたアルバム「Minha vida como um filme」の時は、"jd022"までしか収録していませんでした。そのかわり、映画『アレクセイと泉』のサントラ5曲が併録されています。こちらのCDもアマゾン・ジャパンなどで入手可能です。

左はオマケに並べてみましたが、1993年にDes FemmesからLa Bibliotheque des Voixシリーズのひとつとして発行された、デリダの「シルコンフェッション」の朗読カセットテープ全4巻です。今はなき哲学者の渋みのある肉声が聞けます。デリダ関連のコロックによく関わってこられたマリー-ルイーズ・マレさんもこの企画には一枚噛んだようですね。買ったのはずいぶん昔のことなのでよく覚えていないのですが、たしかアラパージュあたりで注文した気がします。当時はまだアマゾンがフランスに進出していなかった記憶があります。

2004年も今日で終わりです。読者の皆様には、今年一年温かいご支援をいただき、まことにありがとうございました。来年はいっそうがんばります。どうかよろしくお願いいたします。(H)

# by urag | 2004-12-31 23:30 | 雑談 | Comments(0)
2004年 12月 30日

デリダの死後に刊行された訳書たち

デリダの死後に刊行された訳書たち_a0018105_23135895.jpg

上の画像をクリックすると表紙の細かい文字が読み取れるくらいの大きな画像が見れます。
毎度手振れ画像ばかりでごめんなさい。

10月9日にジャック・デリダが死んでからあとに日本で刊行された翻訳書を並べてみました。

『死を与える』廣瀬浩司+林好雄=訳、ちくま学芸文庫、本体価格1400円、奥付記載の発行日:2004年12月10日、ISBN4-480-08882-2
目次:死を与える(廣瀬浩司=訳)・・・p.9/秘密の文学――不可能な父子関係(林好雄=訳)・・・p.273/訳者解説(廣瀬浩司)・・・p.367.
原典:"Donner la mort", 1999, Galilee.

『デリダとの対話――脱構築入門』ジョン・D・カプート編、高橋透+黒田晴之+衣笠正晃+胡屋武志=訳、法政大学出版局(叢書・ウニベルシタス810)、本体価格4200円、奥付記載の発行日:2004年12月25日、ISBN4-588-00810-2
目次:第一部「ヴィラノヴァ大学の円卓会議――ジャック・デリダとの対話」・・・p.1/第二部「注釈――脱構築を一言で」・・・p.43/訳者あとがき・・・p.315.
※巻末に詳細な「デリダ邦訳文献表ならびに日本語によるデリダ文献表(邦訳を含む)」、「参考文献案内」あり。「参考文献案内」はカプートによる、デリダを読む人のための「読書案内」であり、初心者には一読の価値がある。
原典:"Deconstruction in the nutshell", 1997, Fordham University Press.

『アデュー――エマニュエル・レヴィナスへ』藤本一勇=訳、岩波書店、本体価格2500円、奥付記載の発行日:2004年12月17日、ISBN4-00-022026-8
目次:アデュー・・・p.1/迎え入れの言葉・・・p.23/訳者あとがき・・・p.221.
原典:"Adieu: a Emmanuel Levinas", 1997, Galilee.

月刊誌『現代思想』でのデリダ追悼号(12月号)については先般ご紹介しましたが、岩波書店の月刊誌『思想』の2005年1月号が「デリダへ」と題した特集号になっています。詳細目次は、上の画像をクリックしますと大きな画像がご覧になれますので、そちらでご確認ください。

特集号ではありませんが、PR誌『未来』の1月号に、デリダとの共著もあるカトリーヌ・マラブー女史による追悼文「ジャック・デリダの死」が西山雄二さんの訳で掲載されています。もともとは「キャンゼーヌ・リテレール」誌に発表されたものです。なお、マラブーがデリダの指導のもと提出した博士論文「ヘーゲルの未来」は、同じく西山さんの訳で、未来社さんから刊行予定だそうです。同社からはマラブー編による『デリダと肯定の思考』という優れたアンソロジーの日本語訳が刊行されているのは皆さんご存知の通りです。

画像は載せませんでしたが、月刊誌『新潮』の創刊一二○○号記念特別号(2005年1月号)には、「「本質」と「宿命」─ジャック・デリダによる「文学の批評」」と題された、蓮實重彦さんによるテクストが掲載されています。こちらも皆さんご承知のことと思います。

# by urag | 2004-12-30 23:13 | 雑談 | Comments(0)
2004年 12月 29日

スーザン・ソンタグ白血病で死去、71歳

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上の画像をクリックすると表紙の細かい文字が読み取れるくらいの大きな画像が見れます。

現代アメリカを代表する作家であるスーザン・ソンタグ(1933年生まれ)さんが昨日の朝方、28日午前7:10、白血病により71歳で亡くなったと伝えられています。ご冥福をお祈りいたします。

季刊誌「インターコミュニケーション」では、今夏のリニューアル号(第50号)からソンタグさんの連載「消し尽くされない言葉」が始まっていました。プレ・リニューアル号(第49号)に掲載された論文を含め、これらは遠からず1冊に纏められ、刊行されるものと推察できます。

第49号掲載:「UNEXTINGUISHED 消し尽くされぬもの――ヴィクトル・セルジュをめぐって」木幡和枝=訳、146-172頁。

第50号掲載:「世界の同時代性を生きる」木幡和枝=訳、186-191頁。

第51号掲載:「二重の宿命――アンナ・バンティ『アルテミシア』について」木幡和枝=訳、192-207頁。

# by urag | 2004-12-29 12:17 | 雑談 | Comments(0)
2004年 12月 28日

仕事おさめ

世間では今日で事納めの会社が多いんじゃないでしょうか。アクセス数の変化から推察するに、お勤め先からこのブログを見ていただいている方がそれなりの数、いらっしゃるように思います。この一年間いつも温かく見守っていただき、ありがとうございます。来年もどうかよろしくお願いいたします。

# by urag | 2004-12-28 17:11 | ご挨拶 | Comments(0)
2004年 12月 27日

森山大道さん関連イベント3本

新春恒例の、青山ブックセンター本店特設会場における「洋書ビッグバーゲン2005」に連動して、森山大道さんのトークセッションが開催されます。

◎森山大道「写真集について語る」聞き手:大田通貴(蒼穹舎)
日時:2005年1月9日(日)14:00~(開場13:45~)
会場:青山ブックセンター本店特設会場
参加方法:洋書バーゲン期間中(2005年1月7日10:00開場)、会場内にて森山大道さんの稀少本又は既刊本をお買い上げのお客様先着30名様に参加整理券を配布いたします。

続いて、1月20日に平凡社さんより刊行される新刊写真集『森山・新宿・荒木』を記念して、森山大道さんと荒木経惟さんの作品展「コンタクト・新宿・トリミング」が、2005年1月20日(木)から3月6日(日)にかけて、表参道のナディッフで開催され、会期中にギャラリー・トークも以下の通り催されます。

◎第1回=森山大道:1月30日[日]16:00~ 
(第2回=荒木経惟:2月5日[土]18:00~)

「コンタクト・新宿・トリミング」について――ふたりの写真家、森山大道と荒木経惟によるインスタレーションを展示。『森山・新宿・荒木』展のために昨夏、新宿で撮られた膨大なフィルムのなかから、森山のコンタクト・シート、荒木のトリミングしたポジ・フィルムなどを素材に構成される、とのことです。

また、東京オペラシティアートギャラリーでは、 2005年1月15日(土)から3月21日(月)まで、「森山・新宿・荒木」展が、ナンジョウ アンド アソシエイツさんの企画により開催され、2月27日には以下の通りトークショーが行われます。

◎「森山・新宿・荒木」展 開催記念トークショー
日時:2005年2月27日[日]14:00~16:00(開場13:30)
会場:東京オペラシティ リサイタルホール(東京オペラシティビルB1F)
出演:森山大道、荒木経惟、飯沢耕太郎(写真評論家)
定員:230名(全席自由)
料金(税込):一般1,200円(東京オペラシティArts友の会会員1,000円)
チケット発売日:一般 1月28日[金](Arts友の会優先 1月26日[水])
チケットのお申し込み:東京オペラシティチケットセンター 03-5353-9999
(電話:10:00~18:00 カウンター:11:00~19:00/月曜定休)
*チケットの購入は、お1人様2枚まで。
*未就学児の入場はご遠慮ください。
主催:東京オペラシティ文化財団
お問い合わせ:東京オペラシティアートギャラリー 03-5353-0756

写真集『森山・新宿・荒木』――写真:森山大道、荒木経惟/テキスト:森山大道+荒木経惟(対談)、エルヴェ・シャンデス、ジェローム・サンス、北澤ひろみ、堀元彰 ※和英併記/体裁:A4判、304頁/発行・発売:平凡社/定価:3,675円(税込)/2005年1月20日発売予定。

# by urag | 2004-12-27 17:50 | Comments(0)