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URGT-B(ウラゲツブログ)

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2004年 12月 09日

日販VSトーハン、小社の場合は

業界紙「新文化」によれば、4月1日から9月30日までの中間決算で、経常利益額において日販が創業以来初めてトーハンを上回ったとのことです。人文系出版社にとって売上高が大きいのは、ここ十年ほどの推移の中で見ると、トーハンではなく日販です。なぜかと言いますと、トーハンより日販のほうが、人文書を置くような大型書店との取引を拡大してきたからです。

近年では、ジュンク堂やブックファーストの伸張の賜物でしょうか、出版社によっては月次で、第三勢力である大阪屋がトーハンを売上で追い抜くこともしばしばです。ヴィレッジヴァンガードや青山BCも大阪屋に帳合変更した口ですし、新規店開発ということでは、大阪屋の成長率が大きい印象があります。

人文書業界では日販VSトーハンは、今後も日販に軍配が上がり続けるのではないかと思われます。今注目なのは、トーハンVS大阪屋がどういう展開になるかということです。新刊配本数では、すでに大阪屋がトーハンを追い抜いている出版社もあるようですから。

# by urag | 2004-12-09 20:01 | 雑談 | Comments(0)
2004年 12月 08日

お知らせ――リブロ池袋店主催の「編集者が語る人文書の現在」

小社の得意先のひとつであるリブロ池袋本店さんで、12月6日から26日まで、「人文会フェア」が開かれています。版元スタッフの直筆POP付推薦本や、「出版社も出したくない在庫僅少本」を置くコーナーもあるとのことです。このフェアに連動して、以下のトークセッションが行われます。

◎リブロ池袋本店「人文会フェア」関連企画トークセッション

「編集者が語る人文書の現在」
パネリスト:岩川哲司(筑摩書房)、羽鳥和芳(東京大学出版会)、松井純(平凡社)、尾方邦雄(みすず書房)
司会:西谷能英(未來社)
内容:各社の編集者が集い、パネルディスカッションを展開。編集の現場が考える「人文書」の可能性とは?

日時:12月16日(木)19時から21時まで
場所:池袋西武イルムス館8階 コミュニティ・カレッジ3.4番教室
入場:無料 (ただしチケットが必要です。リブロ池袋店B1F注文カウンターにて予約受付中。電話予約もOK。 )
問合せ先:リブロ池袋店、電話03-5949-2933                 

パネリストの皆さんはこの業界では名前を知らぬ者はいない有名な編集者ばかりです。どんな話が聞けるのか、とても楽しみですね! 人文系出版社に就職したい学生さんや転職希望の社会人の方にもお奨めしたいイベントです。

# by urag | 2004-12-08 11:27 | 雑談 | Comments(0)
2004年 12月 07日

お知らせ――大阪カロにて来週「書店員ナイト」

小社の美術系の書籍を扱っていただいている、大阪のカロ・ブックショップ・アンド・カフェで、来週月曜日、同店主催の恒例の「書店員ナイト」が開催されます。以下は、ご案内文の転載です。

◎年忘れ!「書店員ナイト」

12月13日(月)20:00から2時間程度
会費:500円(1ドリンク付)
会場:Calo Bookshop and Cafe
特にお申し込みは必要ありませんので、当日直接Caloにお越しください。

「本に関わるお仕事の方や関心をお持ちの方ならどなたでもご参加いただける、関係者の交流を深めるゆるやかな会、3回目の開催です。

特に、書店・出版・取次の各業態間の交流、大型書店・大手出版社などのメジャー系と、独立系書店・古書店・ミニコミ発行者などのインディーズ系書店の情報交換の場を提供したいと考えています。

もちろん、本屋さんや出版社にお勤めの方だけでなく、どんな業界なの?と興味をお持ちの一般の方の参加も歓迎します。

討論会など堅苦しいことやきっちりした進行はしませんので、集まられた方どうし、前向きに楽しくおしゃべりしていただき、来年のお仕事に繋がるようなお友達をつくっていただく場になれば、と考えています。

忘年会や年末進行などお忙しい時期とは存じますが、万事お繰りあわせ、お誘いあわせの上、ぜひご参加ください。特に、これまで参加の少ない版元・取次の皆さんのご参加をお待ちしております」。

# by urag | 2004-12-07 14:50 | 雑談 | Comments(0)
2004年 12月 06日

「White Casket」が紹介されました

「White Casket」が紹介されました_a0018105_1772868.jpg

クリックすると大きな画像がご覧になれます。

本日(12月6日)発売の「STUDIO VOICE」2005年1月号は、特集名が「INDISPENSABLE BOOKS 2005 最終ブックリスト320――今手にするべき書籍、完全カタログ!」となっていて、思想、映画、マルチメディア、物語、アート、オタク&マニア、建築、デザイン、グラフィック・デザイン、インテリア・デザイン、プロダクト/インダストリアル・デザイン、写真、ファッション、音楽、といった分野のお奨め本320点が紹介されています。

小社が6月に発売した、やなぎみわ作品集『White Casket』を、飯沢耕太郎さんが、「写真表現の原点を思い知らせてくれる今年注目の9冊」のうちの1冊として、紹介してくださいました。飯沢先生、ありがとうございます。

こうした年末年始恒例のブックガイド系では、12月17日発売予定の、「美術手帖」1月号の特集「これだけはおさえておきたいっ!! アートブックガイド2005」で、某先生が『マルチチュードの文法』を取り上げてくださると伺っています。

小社の本が載っていてもいなくても、こうしたブックガイドは気になるし、世相や業界地図が垣間見えて面白いので購読しています。(H)

# by urag | 2004-12-06 17:24 | Comments(0)
2004年 12月 02日

デリダ追悼号、デリダ訳書近刊予定

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画像をクリックして拡大してご覧になると、寄稿者名もよく見えます。

『現代思想』12月号は、緊急特集「ジャック・デリダ」となっており、小社がお世話になっている研究者の方々も寄稿していらっしゃいます。巻末の著作目録を作成されたのは、宮崎裕助さん。小社がアガンベン『アウシュヴィッツの残りのもの』2刷への投げ込みとして小部数作成したリーフレット「月曜社通信」に掲載されている、A・ガルシア・デュットマンのアガンベン論を翻訳してくださったのは宮崎さんです。

ちなみにこのデリダ著作目録には、『条件なき大学』が小社より刊行予定であることまでは掲載されていません。この目録に掲載されている近刊予定は以下の通りでした。

『死を与える』廣瀬浩司・林好雄訳、ちくま学芸文庫 (12月10日発売)
『ヴェール』エレーヌ・シクスー共著、郷原佳以訳、岩波書店
『触れるもの、ジャン=リュック・ナンシー』青土社
『アデュー』藤本一勇訳、岩波書店
『エコノミメーシス』湯浅博雄・小森謙一郎訳、未來社

さらに、これ以外の近刊予定がデリダが亡くなった際に2ちゃんねるに書き込まれていました。いくつかはすでに版元が公的にアナウンスした情報ではありますが、そうでないものも含まれていますから、あくまでも予定とはいえそこまで知っているとなると、業界関係者でしょうね。過去に版元より公開されていた情報を参照し、少々補足しながらその書き込みを転記しますと、以下の通りになります。

『名を救って/名にはふれずに(Sauf le nom)』小林康夫訳、未來社
『哲学の余白』高橋允昭ほか訳、法政大学出版局
『宗教について』ジャンニ・ヴァッティモ共編著、湯浅博雄・廣瀬浩二訳、未来社
『マルクスの亡霊たち』増田一夫訳、藤原書店
『テレビのエコーグラフィー』西垣通翻訳監修、NTT出版
『フッサール哲学における発生の問題』高橋哲哉・檜垣立哉ほか訳、サイエンス社
『哲学の権利/法から哲学へ』みすず書房
『時間を与える――贋金』みすず書房
『割礼告白』鵜飼哲ほか訳、みすず書房
『信と知』湯浅博雄訳、未来社
『海域』若森栄樹訳、書肆心水
『条件なき大学』月曜社

また、これ以外に「予告」がアナウンスされたことのある書目は、私の知る限りでは以下の通りでした。その後の消息は未詳です。

『散種』法政大学出版局(叢書ウニベルシタスの近刊予定に掲載)
『葉書』水声社(「インターコミュニケーション」誌に抄訳が連載された際に告知)
『浮薄の考古学』白水社(自社広告の投げ込みに掲載)

あるいはこれら以外にも中絶した企画は相当数あることでしょう。なお、著作目録では、日本語訳論文のすべてを網羅するわけにはいかなかったようですね。ちょっぴり残念です。

さて、『現代思想』に長原豊さんとの対談が掲載されている鵜飼哲さんは、「インターコミュニケーション」誌の最新号(51号・特集=VISUAL HISTORY)でも、デリダとサイードをめぐって佐藤真さんと対談されていますし、「未来」誌の12月号でも、デリダへの追悼文を寄せられています。まさに出ずっぱりな感じですね。

鵜飼さんは『弔鐘』の翻訳連載を第二期~第三期「批評空間」でおやりになっていました。おそらくこの本はどこかの版元でいずれ出版されることでしょう。

# by urag | 2004-12-02 17:41 | 雑談 | Comments(10)