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2018年 02月 21日

ブックツリー「哲学読書室」に権安理さんの選書リストが追加されました

オンライン書店「honto」のブックツリー「哲学読書室」に、『公共的なるもの――アーレントと戦後日本』(作品社、2018年1月)の著者でいらっしゃる権安理さんによるコメント付き選書リスト「そしてもう一度、公共(性)を考える!」が追加されました。リンク先にてご覧いただけます。


◎哲学読書室

星野太(ほしの・ふとし:1983-)さん選書「崇高が分かれば西洋が分かる
國分功一郎(こくぶん・こういちろう:1974-)さん選書「意志について考える。そこから中動態の哲学へ!
近藤和敬(こんどう・かずのり:1979-)さん選書「20世紀フランスの哲学地図を書き換える
上尾真道(うえお・まさみち:1979-)さん選書「心のケアを問う哲学。精神医療とフランス現代思想
篠原雅武(しのはら・まさたけ:1975-)さん選書「じつは私たちは、様々な人と会話しながら考えている
渡辺洋平(わたなべ・ようへい:1985-)さん選書「今、哲学を(再)開始するために
西兼志(にし・けんじ:1972-)さん選書「〈アイドル〉を通してメディア文化を考える
岡本健(おかもと・たけし:1983-)さん選書「ゾンビを/で哲学してみる!?
金澤忠信(かなざわ・ただのぶ:1970-)さん選書「19世紀末の歴史的文脈のなかでソシュールを読み直す
藤井俊之(ふじい・としゆき:1979-)さん選書「ナルシシズムの時代に自らを省みることの困難について
吉松覚(よしまつ・さとる:1987-)さん選書「ラディカル無神論をめぐる思想的布置
高桑和巳(たかくわ・かずみ:1972-)さん選書「死刑を考えなおす、何度でも
杉田俊介(すぎた・しゅんすけ:1975-)さん選書「運命論から『ジョジョの奇妙な冒険』を読む
河野真太郎(こうの・しんたろう:1974-)さん選書「労働のいまと〈戦闘美少女〉の現在
岡嶋隆佑(おかじま・りゅうすけ:1987-)さん選書「「実在」とは何か:21世紀哲学の諸潮流
吉田奈緒子(よしだ・なおこ:1968-)さん選書「お金に人生を明け渡したくない人へ
明石健五(あかし・けんご:1965-)さん選書「今を生きのびるための読書
相澤真一(あいざわ・しんいち:1979-)さん/磯直樹(いそ・なおき:1979-)さん選書「現代イギリスの文化と不平等を明視する
権安理(ごん・あんり:1971-)さん選書「そしてもう一度、公共(性)を考える!

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# by urag | 2018-02-21 14:20 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
2018年 02月 20日

『多様体 第1号 特集:人民/群衆』特典およびイベント情報

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『多様体 第1号 特集:人民/群衆』は2月16日(金)に取次搬入いたしました。書店さんの店頭に並び始めているようです。全国のおよそ100店ほどで販売されておりますが、どの書店さんで扱われているかは、地域をご指定のうえ、メール、電話、FAX、当ブログコメント欄、ツイッターなどでお気軽にお問い合わせください。

ツイッターでは、東京堂書店神田神保町本店さんやMARUZEN&ジュンク堂書店渋谷店さんなどで入荷情報が発信されています。また、リブロ営業本部さんにもツイートしていただきました。さらに、青山ブックセンター本店さん、ジュンク堂書店ロフト名古屋店さんにも。皆様ありがとうございます。

同書には2種類の購入特典があります。

1)限定小冊子「多様体 第零号:死なない蛸」文庫判61頁・・・八重洲ブックセンター本店で『多様体 第1号』をお買い上げのお客様に。同冊子は萩原朔太郎の詩と散文詩71篇をリミックスし、月曜社・小林浩による跋文「シグマの崩壊」を掲載したものです。もともとは2016年夏に八重洲ブックセンター本店人文書売場で行われた「月曜社フェア」の購入特典として配布されました。

2)限定小冊子「『多様体』(月曜社)創刊記念 編集人・小林浩さんインタビュー」A5判2段組8頁・・・代官山蔦屋書店または同店ウェブサイトで『多様体 第1号』をお買い上げか、下記イベントにご参加のお客様に。同冊子は創刊にあたり、代官山蔦屋書店人文担当・宮台由美子さんからの質問に月曜社・小林浩が答えたものです。第1号の「編集後記」と一緒にお読みいただければ幸いです。

また、同誌の関連イベントは以下の通りです。


日時:2018年02月28日(水) 18:00~18:30
場所:蔦屋書店1号館 1階 ブックフロア
定員:10名

参加条件:代官山 蔦屋書店にて、以下のいずれかをご予約、ご購入の先着10名様がご参加いただけます。
1.『多様体』(月曜社刊 2,700円/税込)
2.事前にご参加ご予約をいただいた上、当店にて(1,000円/税込)以上の書籍または雑誌のご購入
※ご購入のレシートを確認の上、参加券をお渡しいたします。こちらは代官山 蔦屋書店 店頭とお電話での受付のみ(03-3770-2525 代官山 蔦屋書店 人文フロア)です。

内容:新たに創刊された思想雑誌『多様体』(月曜社)の刊行を記念し、編集人・小林浩さんと棚をめぐりながら本のお話を聞くイベントです。当日は関連ブックフェアの棚を中心に、人文書の目利きによる棚の見方、本のお話、版元営業マンのノウハウをご披露頂きます。イベントにお申し込みまたは当店で『多様体』(月曜社)をお買い上げのお客様には、代官山蔦屋書店限定小冊子「『多様体』(月曜社)創刊記念 編集人小林浩インタビュー」をプレゼントいたします。

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# by urag | 2018-02-20 12:45 | イベント告知 | Trackback | Comments(0)
2018年 02月 18日

注目新刊:スピノザ新訳『知性改善論/神、人間とそのさいわいについての短論文』みすず書房、ほか

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知性改善論/神、人間とそのさいわいについての短論文』スピノザ著、佐藤一郎訳、みすず書房、2018年2月、本体7,800円、A5判上製584頁、ISBN978-4-622-08348-1
音楽言語の技法』オリヴィエ・メシアン著、細野孝興訳、ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス出版部、2018年1月、本体7,000円、A4判並製128頁、ISBN
978-4-636-95138-7
『青色本』を掘り崩す――ウィトゲンシュタインの誤診』永井均著、講談社学術文庫、2018年2月、本体1,130円、A6判並製320頁、ISBN978-4-06-292449-8
国家の神話』エルンスト・カッシーラー著、宮田光雄訳、講談社学術文庫、2018年2月、本体1,830円、A6判並製624頁、ISBN978-4-06-292461-0
顔氏家訓』顔之推著、林田愼之助訳、講談社学術文庫、2018年2月、本体930円、A6判並製256頁、ISBN978-4-06-292477-1

★『知性改善論/神、人間とそのさいわいについての短論文』は『スピノザ エチカ抄』(みすず書房、2007年)につづく、佐藤一郎さんによるスピノザ新訳第二弾。カヴァー表4紹介文に曰く「後年の主著『エチカ』へと至る哲学の根本動機と独自の方法論が記述される二篇を、ラテン語刊本およびオランダ語写本から半世紀ぶりに新訳。最新の研究を踏まえた精細な訳注と解題を付した待望の一巻」。目次詳細は書名のリンク先でご確認ください。近年では吉田量彦さんによる『神学・政治論』(上下巻、光文社古典新訳文庫、2014年)も刊行されており、スピノザの新訳が増えつつあります。さらに國分功一郎さんの『中動態の世界』が広く読まれることによってデビュー作『スピノザの方法』が再び注目される機運も高まっています。なお『知性改善論』と『短論文』はともに畠中尚志訳が岩波文庫から出ており、後者は品切中ですが、前者は今なお手頃な値段で入手できます。みすず書房版は高額ではありますけれども、この値段でも版元や訳者が「儲かる」とまではいかないだろうと思われます。売れないという意味ではなくて、みすず書房のように多数の専門書を毎月何点も出版している会社で経営が維持できているというのは、本当にたいへんなことなのです。

★メシアン『音楽言語の技法』は『Technique de mon langage musical』(Leduc, 1944;『わが音楽語法』平尾貴四男訳、教育出版、1954年)の新訳です。旧訳は半世紀以上前のもののため、猛烈に高額な古書となっている様子。今回の新訳も早速版元品切になっているようですが、書店店頭にはまだありますし、このまま品切というわけではないと思われます。とはいえ早めに購入しておくのが良いでしょうね。目次詳細は書名のリンク先をご覧ください。平尾はるな〔平尾貴四男氏の四女〕さん、藤井一興さん、小鍛冶邦隆さんらによる「日本語版への序文」3本が巻頭に掲載されています。メシアンは序論で本書について、「私の音楽言語の技法、つまり音楽言語の3つの観点、リズム、旋律、和声を考察するものであり、作曲法概論ではない」(6頁)と明記しています。「この著書の目的は、〔・・・〕私が暗闇の中で希求した一条の光へと彼ら〔生徒たち〕をゆっくり導いていくことである」(同)とも。

★講談社学術文庫の今月新刊より3点を挙げると、まず、永井均『『青色本』を掘り崩す』はナカニシヤ出版から2012年に刊行された単行本の文庫化。文庫化にあたり、正副題が入れ替わっています。巻頭の「はじめに」に曰く、本書はウィトゲンシュタイン『青色本』後半部を「解読し論評したもの」。すなわち『青色本』の永井さん自身による新訳と論評で構成されています。『青色本』には「すでに大森正蔵氏〔『ウィトゲンシュタイン全集6』所収、大修館書店、1975年;ちくま学芸文庫、2010年〕と黒崎宏氏〔『『論考』『青色本』読解』所収、産業図書、2001年〕の二種類の邦訳があるが、この翻訳によって著者の意図がより明確になるように努めたつもりである」(6頁)と。永井さんはウィトゲンシュタインのことを「画期的な病人」と評するのですが、その真意はぜひ本書を手に取ってご堪能下さい。

★カッシーラー『国家の神話』の親本は創文社より1960年に刊行されたもの。帯文に曰く「古代ギリシアからナチズムまで――〈闘争〉の三千年史を描く不滅の金字塔! 全面改訂を施した決定版」と。目次詳細は書名のリンク先でご確認いただけます。原書は『The Myth of the State』(Yale University Press, 1946)で、底本は1950年の第3版です。創文社さんは2020年で解散予定。名著の数々はいったいどうなってしまうのでしょう。今回のように文庫化や再刊が進むことを念願せずにはいられません。

★『顔氏家訓』は文庫版オリジナルの新訳。同作を扱った複数の既刊書では抄訳や語釈はあるものの全篇の現代語訳は初めてのようです。まえがきによれば同作は、六世紀末に表わされた家訓書であり、宋の晁公武の『群斎読書志』では「立身、治家の法を述べ、時俗のあやまりを正して、これをもって子孫に教う」と説明されています。訳者は顔之推と本書について、こう述べています。「祖国の滅亡という悲劇を目の当たりにした後、北方異民族に拉致され、その王朝に漢民族官僚として仕えて生涯を閉じている。〔・・・今日読んでみても〕不思議とそんな遠い時代の文章とは思えないリアリティがある。〔・・・〕内容の鮮度は抜群に高い。これが古典の魅力というものであろう」(3~4頁)。

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★また、ここ最近では以下の新刊との出会いがありました。

利己的な遺伝子 40周年記念版』リチャード・ドーキンス著、日髙敏隆/岸由二/羽田節子/垂水雄二訳、紀伊國屋書店、2018年2月、本体2,700円、A5判上製584頁、ISBN978-4-314-01153-2
外の世界』ホルヘ・フランコ著、田村さと子訳、作品社、2018年2月、本体2,800円、四六判上製358頁、ISBN978-4-86182-678-8

★『利己的な遺伝子 40周年記念版』は、ドーキンスによる「40周年記念版へのあとがき」を付して2016年に出版された『The Selfish Gene』(Oxford University Press)の翻訳です。これまで紀伊國屋書店さんでは1976年初版本を1980年に『生物=生存機械論』として出版し、89年の第二版を91年に『利己的な遺伝子』として、2006年の30周年記念版を同年に同書増補新装版として刊行されてきました。凡例によれば、30周年記念版と40周年記念版の違いは、原書においては著者による「40周年記念版へのあとがき」が付されたことのみであり原文に改訂はない、と。訳書においてはこの新たなあとがきを訳出するとともに、岸由二さんによる「40周年記念版への訳者あとがき」を付し、訳文においては「時代的に古くなった本文中の表現・表記を修正した」とのことです。目次詳細は書名のリンク先をご覧ください。紀伊國屋書店さんでは本書の刊行記念リーフレットを作成されており、佐倉統さんによる書評「世界を変えた一冊」と、橘玲さんと吉川浩満さんによる対談「『利己的な遺伝子』をめぐる10冊」が掲載されています。この豪華なリーフレットの書評対談とはそれぞれのリンク先でご覧いただけます。

★『外の世界』はコロンビアの小説家ホルヘ・フランコ(Jorge Franco Ramos, 1962-)の小説『El mundo de afuera』(Alfaguara, 2014)の翻訳。フランコの既訳書はいずれも今回の訳者である田村さと子さんにより、2003年に『ロサリオの鋏』、2012年の『パライソ・トラベル』がともに河出書房新社から刊行されています。3冊目となる本書の訳者あとがきで田村さんは「本書は、構成の巧妙さという点で、これまでのフランコ作品の中で抜きんでている」とお書きになっておられます。「ストーリーの進行とともに、次第に増していく緊張感とリズム。だが、流動的で自然な中で交わされる軽妙な会話は象徴的な豊かさ、ユーモアに満ちている。その物語性は総合的に完成されており、アンティミズムや夢想、詩情あふれるニュアンスに満ちた文体で70年代初めのメデジン〔コロンビア西部の県都〕を見事に描き出している、と言えよう」。

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# by urag | 2018-02-18 18:16 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
2018年 02月 12日

注目文庫新刊、新書、既刊書、近刊書など:ちくま学芸文庫、ほか

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グローバル・シティ――ニューヨーク・ロンドン・東京から世界を読む』サスキア・サッセン著、伊豫谷登士翁監訳、大井由紀/髙橋華生子訳、ちくま学芸文庫、2018年2月、本体1,900円、768頁、ISBN978-4-480-09842-9
専制国家史論――中国史から世界史へ』足立啓二著、ちくま学芸文庫、2018年2月、本体1,200円、320頁、ISBN978-4-480-09843-6
紀貫之』大岡信著、ちくま学芸文庫、2018年2月、本体1,100円、288頁、ISBN978-4-480-09845-0
草莽論――その精神史的自己検証』村上一郎著、ちくま学芸文庫、2018年2月、本体1,200円、336頁、ISBN978-4-480-09846-7
リヴァイアサン2』ホッブズ著、角田安正訳、光文社古典新訳文庫、2018年2月、本体1,160円、392頁、ISBN978-4-334-75731-9
闘争領域の拡大』ミシェル・ウエルベック著、中村佳子訳、河出文庫、2018年2月、本体880円、216頁、ISBN978-4-309-46462-6
世界の未来――ギャンブル化する民主主義、帝国化する資本』エマニュエル・トッド/ ピエール・ロザンヴァロン/ヴォルフガング・シュトレーク/ジェームズ・ホリフィールド著、朝日新書、2018年2月、本体778円、200頁、ISBN978-4-02-273752-6
マルクス 資本論の哲学』熊野純彦著、岩波新書、2018年1月、本体880円、288頁、ISBN978-4-00-431696-1
メイキング・オブ・勉強の哲学』千葉雅也著、文藝春秋、2018年1月、本体1,200円、四六判上製208頁、ISBN978-4-16-390787-1
古代文芸論集』ロンギノス/ディオニュシオス著、戸高和弘/木曽明子訳、京都大学学術出版会、2018年1月、本体4,600円、四六変上製580頁、ISBN978-4-8140-0097-5
赤の書[図版版]』C・G・ユング著、創元社、2018年1月、本体5,000円、A5判並製224頁、ISBN978-4-422-11675-4

★まずちくま学芸文庫の2月新刊から4点。『グローバル・シティ』はサッセンの初の文庫化。原書は2001年の第二版で訳書親本は2008年刊。文庫化にあたり、監訳者と訳者の大井さんの連名による新たな訳者あとがきが付されています。足立啓二『専制国家史論』の親本は1998年に柏書房より刊行。「文庫版あとがき」によれば、「再版に際しての修正は、文字の誤りなど表記の訂正にとどめた。ただし参照の便宜を考え、雑誌類に掲載された論文が著書に収録されている場合は、注に書名を併記するよう努めた」と。大岡信『紀貫之』は、ちくま文庫(1989年)からのスイッチ。巻末には堀江敏幸さんによる解説「水底という「鏡」に映す自画像」が収められています。村上一郎『草莽論』は大和書房より1972年に刊行された単行本の文庫化で、国文社版『村上一郎著作集(3)思想論Ⅰ』(1977年)を適宜参照したとのことです。巻末に桶谷秀昭さんによる「村上一郎『草莽論』解説」が付されています。昨秋文庫化された『幕末――非命の維新者』(中公文庫)とともにひもとくのが良いかと思われます。

★ホッブズ『リヴァイアサン2』は第二部「国家について」の新訳。同原著には第三部、第四部までありますが、今回の新訳は第二部までで完結。『闘争領域の拡大』はウエルベックの処女小説(1994年)であり、訳本は2004年に角川書店より刊行。文庫化にあたり加筆修正され「文庫版訳者あとがき」が付されています。

★『世界の未来』の未来は、朝日新聞が昨年行った識者4名へのインタヴューを1冊にまとめたもの。エマニュエル・トッド「世界の未来――私たちはどこに行くのか」、ピエール・ロザンヴァロン「民主主義の希望――ポピュリズムと21世紀の民主主義」、ヴォルフガング・シュトレーク「資本主義の限界――グローバリゼーションと国際国家システムの危機」、ジェームズ・ホリフィールド「分断の克服――移民政策に失敗した国は、21世紀の負け組になる」を収録。

★熊野純彦『マルクス 資本論の哲学』は、2013年の大著『マルクス資本論の思考』に続くマルクス読解書。目次詳細は書名のリンク先をご覧ください。リンク先では本書の「まえがき――世界革命と世界革命とのあいだで」を立ち読みすることができます。

★千葉雅也『メイキング・オブ・勉強の哲学』は売上6万部を突破したという『勉強の哲学』の続編。メイキングが1冊になるというのは人文書では異例のことかと思いますが、本書の発売によって『勉強の哲学』の売れ行きがさらに伸びているとも耳にしています。『メイキング』第四章「欠如のページをめくること」において、「頭のなかで考えがこんがらがっている状態というのは、考えに対して距離がなくなり、近づきすぎている状態ではないでしょうか。とすればその解消とは、考えに対して距離をとることです」(143頁)と千葉さんは書きます。「不安の時代に対処するセルフヘルプのひとつの方法」を提示する本書は学生だけでなくビジネスマンにも訴求するのではないでしょうか。

★『古代文芸論集』は、ロンギノス「崇高について」(戸高和弘訳)と、ディオニュシオスの6篇の修辞学論をまとめたもの。6篇というのは「模倣論」木曽明子訳、「トゥキュディデス論」木曽明子訳、「デイナルコス論」木曽明子訳、「アンマイオスへの第一書簡」戸高和弘訳、「ポンペイオス・ゲミノスへの書簡」戸高和弘訳、「アンマイオスへの第二書簡」戸高和弘訳。「崇高について」の末尾で論じられる当時の社会情勢はどこか現代世界が抱える問題群と似ている気がします。

★ユング『赤の書[図版版]』は、テキスト版(2014年)と対になるものです。2010年に刊行された大判の元版は4万円を超える本ですが、テキスト版と図版版は両方買っても1万円ちょっとです。図版版はそれ自体が魔術的な物質性を備えており、たとえ文字が読めなくても、立ち昇ってくる息吹が見る者にインスピレーションを与えると思います。オールカラーでとても美しいです。

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★最近では以下の新刊との出会いがありました。

資本主義リアリズム』マーク・フィッシャー著、セバスチャン・ブロイ/河南瑠莉訳、堀之内出版、2018年2月、本体2,000円、四六判並製212頁、ISBN978-4-909237-35-4
私はすでに死んでいる――ゆがんだ〈自己〉を生みだす脳』アニル・アナンサスワーミー著、藤井留美訳、紀伊國屋書店、2018年2月、本体2,200円、46判上製352頁、ISBN978-4-314-01156-3
お隣りのイスラーム――日本に暮らすムスリムに会いにいく』森まゆみ著、紀伊國屋書店、2018年2月、本体1,700円、46判並製292頁、ISBN978-4-314-01155-6
ゲームの規則Ⅲ 縫糸』ミシェル・レリス著、千葉文夫訳、平凡社、2018年2月、本体3,600円、4-6判上製384頁、ISBN978-4-582-33325-1
古代中国の社――土地神信仰成立史』エドゥアール・シャヴァンヌ著、菊地章太訳注、東洋文庫(平凡社)、2018年2月、本体3,100円、B6変判上製函入294頁、ISBN978-4-582-80887-2
裁判の原点――社会を動かす法学入門』大屋雄裕著、河出ブックス(河出書房新社)、2018年1月、本体1,500円、B6判並製248頁、ISBN978-4-309-62509-6

★フィッシャー『資本主義リアリズム』は発売済。『Capitalist Realism: Is there no alternative?』(Zero Books, 2009)の翻訳にしてフィッシャーの初訳本です。訳者によれば「マークの考える「資本主義リアリズム」は端的にいえば、ネオリベラル資本主義が唯一の持続可能な政治経済システムであると了解し、その地平の彼方を求める、いや想像することさえもが不可能になってしまった、つまるところは「この道しかない」ということが謎の常識と化してしまった世界を指し示している。こうした「現実主義」に疑問符をつけることが本書の出発点である」。帯にはジジェクの言葉が載っています。「「はっきり言わせてもらおう。たまらなく読みやすいこのフィッシャーの著書ほど、われわれの苦境を的確に捉えた分析はない」。フィッシャーは1年ほど前に逝去。「どんな希望も、どんな前向きな状態でさえも危険な錯覚だと信じてしまう」(19頁)リアリズムなるものに抗するための、燃え上がる紙つぶてです。

★アナンサスワーミー『私はすでに死んでいる』はまもなく発売。『The Man Who Wasn't There: Investigations into the Strange New Science of the Self』(Dutton, 2015)の翻訳。帯文に曰く「あっけなく崩壊する自己とは何なのか。「自分は死んでいる」と思いこむコタール症候群、自分の身体の一部を切断したくてたまらなくなる身体完全同一性障害、何ごとにも感情がわかず現実感を持てない離人症――当事者や研究者へのインタビューをはじめドッペルゲンガー実験や違法手術の現場も取材し、不思議な病の実相と自己意識の謎に、神経科学の視点から迫る」。著者はインド系アメリカ人の科学ジャーナリストで、英『ニューサイエンティスト』誌の編集コンサルタントを務めておられます。『宇宙を解く壮大な10の実験』(松浦俊輔訳、河出書房新社、2010年)に続く2冊目の訳書です。目次詳細は書名のリンク先でご確認いただけます。解説は昨夏に『私家版 精神医学事典』(河出書房新社、2017年8月)を上梓された精神科医の春日武彦さんがお書きになっておられます。

★森まゆみ『お隣りのイスラーム』はまもなく発売。副題にある通り、様々な国から日本に来て活躍しているイスラム教徒13人に取材し、その肉声から豊かなイスラム文化をかいま見せる好著です。インドネシア人の舞踏家、バングラデシュ人のハラルフード店店主、シリア人のアレッポ石鹸販売会社代表、ウイグル料理店オーナー、等々、登場する人物のお名前と出身国は書名のリンク先でご覧になれます。日々の報道によって陰惨な事件の側面ばかりが目に入ってくる昨今、こうした人肌の温かみを感じさせる本が生まれたことを喜びたいです。

★レリス『ゲームの規則Ⅲ 縫糸』はまもなく発売。『La Règle du jeu, III. Fibrilles』(Gallimard, 1966)の翻訳。訳者あとがきに曰く「執筆期間は1955年11月から1965年9月までの10年間に及び、完成までにかなり長い年月を要しているのは『ゲームの規則』のほかの巻にも共通する点だが、とくにこの第Ⅲ巻の場合は、執筆を始めて一年半後に著者自身が自殺未遂事件を引き起こしたこともあって、その前後の紆余曲折をそのまま反映したものになっている」と。レリスはこう書いています。「バルビツール睡眠薬の壜の中身を嚥み込んだ瞬間ははっきり覚えていたが、そのあとの展開についての記憶はなんとも頼りない。わかっていたのは、この行為に及んだあとカンヌ行きの列車に飛び乗って、ピカソとその伴侶ジャクリーヌに会いにゆこうとしたのは、二人に別れを告げるためであり、また自分の胸のうちを明かして」云々(136頁)と。最終巻である第Ⅳ巻『囁音』(谷昌親訳)も今月末に発売予定とのことです。

★シャヴァンヌ『古代中国の社』は発売済。東洋文庫第887番。1900年にパリで開催された第一回国際宗教史会議で発表された「古代中国の宗教における土地神」を大幅増補し改題した1910年の決定稿「Le dieu du sol dans la Chine antique」を訳出したもの。原書では『泰山』の補遺として納められていますが、同じ訳者によるその抄訳(菊地章太訳、アシアーナ叢書:勉誠出版、2001年)では訳出されていませんでした。訳者解説によれば「土地神としての社の崇拝は、先祖をまつる宗廟の崇拝とならんで、古代における国家祭祀の中心的位置を占めてきた。その実態を解明した本論文は中国宗教史の黎明期に照明をあてたものとして評判が高い」と。東洋文庫の次回配本は月内にもう一点、柳本芸『漢京識略――近世末ソウルの街案内』(吉田光男訳註)が発売されるようです。

★大屋雄裕『裁判の原点』は発売済。序文「裁判は正義の実現手段ではない」に曰く「本書では、裁判という制度をその現実の姿において描き出すこと、立法・行政のような他の国家機能との関係でそれがどのような特徴と権限を与えられており、どのような制約の下にあるかを位置付けることによって、たとえば社会を動かすためにあり得る選択肢の一つとして何をそこに期待すべきなのかという議論を試みたい。それは同時に、裁判が本来そのようなものであることを予定されている姿、いわば裁判の原点を確認することにもなるだろう」(4~5頁)。目次詳細は書名のリンク先をご覧ください。章題はすべて「~ではない」もしくは「~はない」と畳みかけており、一般的な幻想や期待、印象といったものが再審されています。「自分が正しいと考える意見に賛同する人を獲得し、その実現を図るという機能的な意味での政治を考えたとき、その中心的な舞台はやはり制度的な政治なのだ、立法活動と議会であって裁判と裁判所ではないのだということを、あらためて正面から考えるべきではないでしょうか」(205頁)という著者の指摘は至極真っ当だと感じます。

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# by urag | 2018-02-12 23:54 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
2018年 02月 08日

「みすず」読書アンケート、紀伊國屋じんぶん大賞、和辻哲郎文化賞、新書大賞、ほか

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月刊誌「みすず」667号(2018年1/2月号)の読書アンケート特集で、弊社より昨夏に刊行したジャコブ・ロゴザンスキー『我と肉――自我分析への序論』を、廣瀬浩司さんと十川幸司さんが取り上げて下さいました。廣瀬さん曰く「多かれ少なかれハイデガーからの近さと遠さで規定されてきた、フランス現象学の総括の書」(44頁)、十川さん曰く「今年最もインパクトを受けた本」(97頁)と。

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また、今月19日(月)に贈賞式が行なわれる「紀伊國屋じんぶん大賞2018」の記念小冊子ができあがり、紀伊國屋書店さんの店頭で配布開始となっています。「キノベス!2018」とのカップリングの豪華なフルカラー冊子です。一年前に刊行した、星野太さんの『崇高の修辞学』が12位にランクインしており、未來社社長で詩人・批評家の西谷能英さんのコメントが掲載されています。同コメントは紀伊國屋書店さんのウェブサイトでも読むことができます。

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弊社より先月末、W・メニングハウスの訳書『生のなかば――ヘルダーリン詩学にまつわる試論』を上梓された竹峰義和(たけみね・よしかず:1974-:東京大学大学院総合文化研究科准教授)さんが、一昨年のご高著『〈救済〉のメーディウム――ベンヤミン、アドルノ、クルーゲ』(東京大学出版会、2016年)により、第30回「和辻哲郎文化賞」学術部門を受賞されました。竹峰さんの「受賞の言葉」や、選考委員の野家啓一さん、関根清三さん、黒住真さんの選評はこちらで読めます。

なお、先の「みすず」誌では杉橋陽一さんが竹峰さんの共訳書、ミリアム・ブラトゥ・ハンセン『映画と経験――クラカウアー、ベンヤミン、アドルノ』(法政大学出版局、2017年)や、昨年末の訳書であるテオドール・W・アドルノ『模範像なしに――美学小論集』(みすず書房、2017年)などを挙げて「ハンセンの訳書といい、アドルノの訳書といい、エネルギッシュかつ緻密な竹峰義和の仕事ぶりに感嘆する」と絶賛されています。弊社よりまもなく発売となる「多様体」第1号でも竹峰さんの翻訳によるハンス・カイザー『アクロアシス――世界の調和学についての教え 第一章~第四章』をお読みいただけます。

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弊社よりジュディス・バトラーの訳書『自分自身を説明すること』『権力の心的な生』を上梓された佐藤嘉幸さんと清水知子さんがバトラーの近著『Notes toward a performative theory of assembly』(Harvard University Press, 2015)の訳書『アセンブリ――行為遂行性・複数性・政治』を青土社さんから先月刊行されました。目次詳細は書名のリンク先をご覧ください。佐藤さんによる巻末解説「アセンブリ、不安定性(プレカリティ)、行為遂行性(パフォーマティヴィティ)」によれば、本書は「2010年のチュニジア・ジャスミン革命、2011年のエジプト革命に始まる「アラブの春」、同じく2011年に始まるオキュパイ運動の影響下で、アクティヴィストらとの対話を背景として書かれたもの」とのことです。

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青土社さんの「現代思想」2月臨時増刊号は総特集「ハイデガー――黒ノート・存在と時間・技術への問い」と銘打たれており、M・ハイデガーの未訳論考「エルンスト・ユンガーへ」(山本與志隆訳)のほか、弊社でお世話になっている著訳者三氏の論考を読むことができます。初期ハイデガー論である『存在とロゴス』を上梓された阿部将伸さんによる論考「「様態的存在論」をめぐって――初期ハイデガーにおけるナトルプ批判とアリストテレス解釈」、ジョン・サリス『翻訳について』の訳者・西山達也さんによる「翻訳不可能なリズムをめぐって――ハイデガーによるアリストテレス読解の一側面」、ポール・ド・マン『盲目と洞察』の共訳者・宮﨑裕助さんにとよる「プロト脱構築について――ルター、ハイデガー、デリダ」などです。目次詳細は誌名のリンク先でご確認ください。

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「新書大賞2018」に今年も投票させていただきました。ベスト20は、まもなく発売となる「中央公論」2018年3月号に掲載されています。毎度のことですが、ベスト20と重複する私の選書はありませんでした。私は以下の書目を選んでコメントしています。141頁掲載。

『アナキズム入門』森元斎著、ちくま新書
『僕らの社会主義』國分功一郎/山崎亮著、ちくま新書
『フリーメイソン』橋爪大三郎著、小学館新書
『人類の未来』チョムスキーほか著、NHK出版新書
『バルカン』マーク・マゾワー著、中公新書

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# by urag | 2018-02-08 12:27 | 広告・書評 | Trackback | Comments(0)
2018年 02月 04日

注目新刊:長田真作『すてきなロウソク』共和国、ほか

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すてきなロウソク』長田真作著、共和国、2018年1月、本体1,700円、B5変型判上製64頁、ISBN978-4-907986-44-5
ハンス・ヨナスを読む』戸谷洋志著、堀之内出版、2018年1月、本体1,800円、四六判並製232頁、ISBN 978-4-909237-34-7
国民票決と国民発案――ワイマール憲法の解釈および直接民主制論に関する一考察』カール・シュミット著、仲正昌樹監訳・解説、松島裕一訳、作品社、2018年1月、本体2,000円、46判上製128頁、ISBN978-4-86182-679-5
公共的なるもの――アーレントと戦後日本』権安理著、作品社、2018年1月、本体2,800円、46判上製336頁、ISBN978-4-86182-671-9

★『すてきなロウソク』は長田真作(ながた・しんさく:1989-)さんの10作目となる絵本。デビューは一昨年の2016年で、昨年は7冊も上梓されており、たいへんなスピードです。今回の『すてきなロウソク』は黒インク(著者)とUVニス(デザイナー)のみで繊細な表現を試みたもので、その内容は極めて寓話的です。主人公やロウソクを何の象徴と見るか、またラッパの音の意味をどうとるかで解釈が変わってきそうです。版元さんのプレスリリースによれば「作者はこの作品のモティーフとして、自身の出生地である広島県呉市の現代史を重ね合わせている」とのことです。児童書というよりかは大人もゆっくりひもといてみたい作品。絵本はもはや絵本売場に留めておくべきではなく、他の各売場でも併売して大人との出会いを作った方がいいと感じます。ジャンルの壁を乗り越えて自身の作りたい本を作っておられる共和国さんの「自由」さが素敵です。

★『ハンス・ヨナスを読む』は戸谷洋志(とや・ひろし:1988-)さんによる『Jポップで考える哲学――自分を問い直すための15曲』(講談社文庫、2016年9月)に続く単独著第二弾です。ハンス・ヨナス(Hans Jonas, 1903-1993)はドイツ出身の哲学者。『責任という原理――科学技術文明のための倫理学の試み』(加藤尚武監訳、東信堂、2000年;新装版2010年)や『グノーシスと古代末期の精神』(二分冊、大貫隆訳、ぷねうま舎、2015年)、『生命の哲学――有機体と自由』(細見和之ほか訳、法政大学出版局、2008年;新装版2014年)、『ハンス・ヨナス「回想記」』(盛永審一郎ほか訳、東信堂、2010年)等々ありますが、入門書は本書が初めて。目次詳細は書名のリンク先をご覧下さい。年々注目が高まりつつある哲学者であるだけに、時宜を得た出版ではないでしょうか。「複雑に錯綜したヨナスのテクストを読み解きながら、これから彼を知ろうとする読者に一つの明瞭な手引きを提供すること、それによって、ヨナスの眼を借りながら、留まることのない科学技術文明の激動を、未来への責任を、世界を、新しい光のもとで眺める可能性を開くこと、それがこの本の目的です」(8頁)と戸谷さんはお書きになっています。

★『国民票決と国民発案』は『Volksentscheid und Volksbegehren: Ein Beitrag zur Auslegung der Weimarer Verfassung und zur Lehre von der unmittelbaren Demokratie』(Gruyter, 1927)の初訳。1926年12月11日にシュミットがベルリン法律家協会で行った講演が元になっており、「直接民主制の問題を扱った〔本書の〕最終部分は、講演のときよりも詳細に論じている」(「はじめに」より)と。帯文に曰く「ナチスの桂冠法学者が、ヒトラー政権樹立前、「世界で最も民主的」といわれたワイマール憲法を素材に、民主主義、議会と立憲主義などを論じる」。目次詳細は書名のリンク先をご覧下さい。監訳者解説「シュミット理論の魔(魅)力」で仲正さんはこう書いておられます。「九十年前のドイツで書かれたシュミットのテクストを、現代の日本の政治状況に直接的に重ね合わせることには慎重にならねばならないが、少なくとも、民衆の圧倒的な情熱に過度の期待を寄せる「直接民主主義」が、予想外の危険を秘めていることは読み取れるだろう。このテクストを通して読めば分かるように、魔性の法学者カール・シュミットは、少なくとも本人の理解では、“立憲民主主義者”だったのである」(125頁)。

★『公共的なるもの』は、権安理(ごん・あんり:1971-)さんの博士論文(早稲田大学大学院社会科学研究科)に大幅な加筆修正を程と越したもの。目次詳細は書名のリンク先をご覧ください。本書は「戦後日本という具体的な歴史の内に、〈公共的なるもの〉の概念を再構成する」こと(7頁)を目的としており、「はじめに」で著者はこう述べておられます。「アーレントは〔『人間の条件』で〕次のようにいっているが、この「世界」を「間もしくは空間」と読み替えてもよいだろう。「『public』という用語は、世界それ自体を意味する。世界が我われ全員に共通するものとなり、我われが私的に所有する場所と区別される限りにおいて」。〔・・・家とも職場・学校とも異なる〕第三のものが場所として考えられるとき、あるいは場所として顕在化するとき、それは公共空間や公共的領域、公共圏として見出されることになる。またあるいは私的で個別的な見方とは異なる視座から何らかの事象や物事が考えられ、その結果として何かが作られるとき、それは公共的な性質、つまりは公共性を持つということになる」(6頁)。

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# by urag | 2018-02-04 15:55 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
2018年 01月 29日

月曜社2018年2月下旬発売予定:佐藤真理恵『仮象のオリュンポス』

◆2017年2月26日3月9日取次搬入予定【人文・表象文化論】

仮象のオリュンポスーー古代ギリシアにおけるプロソポンの概念とイメージ変奏
佐藤真理恵著
月曜社 2018年2月→3月 本体3,400円 A5判上製250頁 ISBN: 978-4-86503-057-0

アマゾン・ジャパンにて予約受付中

古代ギリシアにおいて「顔」であると同時に「仮面」を意味する特異な言葉「プロソポン」をめぐり、その概念系とイメージの諸相を、古典文献や陶器画などの綿密な比較分析を通じてアナクロニックに横断し博捜する、新鋭によるたぐいまれなる成果。【シリーズ・古典転生:第17回配本・本巻第16巻】

プロソポンという主題は、古来よりきわめて多彩な変奏を伴って扱われてきた。そのなかでも、本書での考察がとりわけ光を当てたプロソポンの基調をなす「主旋律」とは、〈あらわれ〉の問題、あるいはより正確を期すならば、「〈あらわれ〉方」の問題である。表面がその「裏」や「内奥」を仄めかすものであることはいうまでもないし、いずれを語るにも表面から出発せざるをえない。プロソポンもまたそのような「表面」ではあるが、プロソポンをめぐる古代ギリシアの表象における真髄は、表層の深淵や彼岸を自覚しながらも、その〈あらわれ〉に目を凝らし、そこに積極的な価値を見出しえていたという点ではないだろうか。すなわち、〈あらわれ〉に、半透明のメディウムに、視覚の薄皮に、邂逅に、出来事に「あえて踏みとどまる」という身振りこそが、問われるべきものなのである。(本書より)

目次
序章
第一章 プロソポンの基本概念と隣接概念
 第一節 プロスとオープス
  語の成り立ちと語義
  基本概念――プロスの側から
  基本概念――オープスの側から
 第二節 プロソポンとプロソペイオン
  プロソポン――顔/仮面
  プロソペイオン
  プロソポン/プロソペイオン
 第三節 「プロソポンの下/背後」をめぐる言説――モルモリュケイオン、カルディア、ヒュポクリテス
  モルモリュケイオン――「裏返してそれをよく調べてみるがいい」
  カルディア――「うわべ」と「心」
  ヒュポクリテス――「返答する者」から「偽善者」へ
第二章 プロソポン――〈あらわれ〉の方へ
 第一節 饒舌なる表面
  半透明のメディウム
  「顔の言語」
  パイドラーのヴェール
 第二節 皺・痕跡・面影
  エトスとエートス
  古代ギリシア演劇における仮面
 第三節 視覚の表皮、事物の皮膜――デモクリトスにおけるエイドラ
  エイドラ
  デモクリトスの視覚論におけるエイドラ
  砂上の尻跡
  半物質的薄皮
第三章 対‐面 としてのプロソポン
 第一節 古代ギリシア陶器画における正面観図像
  カノン=プロフィール図像
  カノンからの逸脱=正面観図像
  先行研究における正面観図像の分類
  正面性・顔面性・他者性
  アポストロフェー
  (補遺)盲目の仮面、あるいは仮面の盲目性――正面観図像をめぐる疑問点と課題
 第二節 プロソポンは「鏡」か?――カタ・プロソポン
  カタ・プロソポン
  鏡、あるいは瞳=人見
  疑似眼球としての杯――古代ギリシア陶器における瞳=人見
  到来する「顔」
第四章 アプロソポス――別様の「顔」の形象のために
 第一節 美少年カルミデスの謎
  アプロソポスの基本的な語義
  「顔のない」美少年
  アプロソポス――美-醜のカテゴリー
 第二節 テオプラストスの「鉄面皮」
  問われる「破廉恥さ」
  「カメレオン的人間」
 第三節 非人称
  パッレーシア
  プロソポンと属性
  ウーティス――名無しの仮面
結び
あとがき
関連略年表
用語集
参考文献
索引


佐藤真理恵(さとう・まりえ)1981年生まれ。国際基督教大学教養学部卒業。シエナ大学古典世界・人類学研究所(イタリア政府給費)およびクレタ大学大学院古典文献学科(ギリシャ政府給費)留学。京都大学博士(人間・環境学)。京都教育大学、京都造形芸術大学非常勤講師。共著書に『芸術理論古典文献アンソロジー西洋篇』(幻冬舎、2014年)、共訳書にロベルト・エスポジト『三人称の哲学―生の政治と非人称の思想』(講談社、2011年)など。

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# by urag | 2018-01-29 15:11 | 近刊情報 | Trackback | Comments(0)
2018年 01月 28日

注目新刊:『敗走と捕虜のサルトル』藤原書店、ほか

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★ここ最近で出会った新刊を列記いたします。インフルエンザに罹患中でして皆様もどうぞご自愛ください。

敗走と捕虜のサルトル――戯曲『バリオナ』「敗走・捕虜日記」「マチューの日記」』ジャン=ポール・サルトル著、石崎晴己編訳解説、藤原書店、2018年1月、本体3,600円、四六判上製360頁、ISBN978-4-86578-160-1
知の総合をめざして――歴史学者シャルチエとの対話』ピエール・ブルデュー著、加藤晴久/倉方健作編訳解説、藤原書店、2018年1月、本体3,600円、四六判上製246頁、ISBN978-4-86578-157-1
金時鐘コレクション(Ⅱ)幻の詩集、復元にむけて:詩集『日本風土記』『日本風土記 Ⅱ』金時鐘著、宇野田尚哉/浅見洋子解説、浅見洋子解題、藤原書店、2018年1月、本体2,800円、四六変判上製400頁、ISBN978-4-86578-148-9
室伏鴻集成』室伏鴻著、河出書房新社、2018年1月、本体6,000円、46変形判上製456頁、ISBN978-4-309-27913-8
周作人読書雑記1』周作人著、中島長文訳注、東洋文庫(平凡社)、2018年1月、本体3,300円、B6変判上製函入448頁、ISBN978-4-582-80886-5
収容所のプルースト』ジョゼフ・チャプスキ著、岩津航訳、共和国、2018年1月、本体2,500円、四六変型判上製228頁、ISBN978-4-907986-42-1
デカルトの憂鬱――マイナスの感情を確実に乗り越える方法』津崎良典著、扶桑社、2018年1月、本体1,600円、四六判並製373+iv頁、ISBN978-4-594-07894-2
現代思想2018年2月号 特集=保守とリベラル:ねじれる対立軸』青土社、2018年1月、本体1,400円、A5判並製232頁、ISBN978-4-7917-1358-5

★藤原書店さんの今月新刊より3点。まず『敗走と捕虜のサルトル』は、帯文の文言を借りると、捕虜収容所内で執筆され上演されたという実質的処女戯曲『バリオナ――苦しみと希望の劇』と、敗走・捕虜生活を日記の体裁で記述した「敗走・捕虜日記」「マチューの日記」の、いずれも初訳となる3編を収録した日本語版オリジナル編集の1冊。石崎さんは長篇解説「『バリオナ』論」で「その基本的コンセプトからして、その二年半後に上演された、職業的劇作家としての処女戯曲『蠅』にそのままつながる重要な作品である。ということは、サルトルの劇作活動の全体をある程度定義する作品ということにもなろう」(149頁)と記しておられます。

★『知の総合をめざして』も日本語版オリジナル編集本で、第Ⅰ部「社会学者と歴史学者」がブルデューとシャルチエの対談(原著2010年刊)の全訳で、第Ⅱ部「社会学のための弁明」に収められているのが、ブルデューの「講義についての講義」(コレージュ・ド・フランス就任講義、1982年4月)、「社会学の擁護」(CNRS:国立科学研究センター・ゴールドメダル受賞講演、1993年12月)、「参与的客観化」(英王立人類学研究所・ハクスレー記念メダル受賞講演、2000年12月)の3編。今月藤原書店さんから刊行されているブルデューの新刊にはもう一冊あります。ブルデュー/パスロン/ド=サン=マルタン『教師と学生のコミュニケーション 〈新版〉』(安田尚訳)で、新版にあたり大幅改訳が施され、苅谷剛彦さんが序文をお書きになっておられるとのことです。
 
★『金時鐘コレクション』は全12巻予定。金時鐘(きむ・しじょん:1929-)さんの初めての著作集ではないでしょうか。第1回配本が詩集2点を収録した第2巻です。『日本風土記』は1957年刊の第二詩集。『日本風土記Ⅱ』は第三詩集として刊行されるはずだった幻の散逸詩集を復元したもの。巻末には金さんによる「立ち消えになった『日本風土記Ⅱ』のいきさつについて――あとがきにかえて」と、インタビュー「至純な歳月を生きて――『日本風土記』から『日本風土記Ⅱ』のころ」が収められています。月報あり。

★このほか藤原書店さんの1月新刊には、チャールズ・A・ビーアド『「戦争責任」はどこにあるのか――アメリカ外交政策の検証 1924-40』(開米潤/丸茂恭子訳)があります。帯文に曰く「大好評を博した『ルーズベルトの責任』(全2巻)の姉妹版」で、初訳とのことです。

★『室伏鴻集成』は、舞踏家の室伏鴻(むろぶし・こう:1847-2015)さんのテクストを集成したもの。巻頭に土方巽(ひじかた・たつみ:1928-1986)さんによる「木乃伊の舞踏――室伏鴻」が置かれ、続いて室伏さんによる1970年代、80年代、90年代、00年代、10年代の諸テクストと、2014年と2015年の日記、細川周平さんによるインタヴューと山崎広太さんによるインタヴューが各1篇収められています。編者は中原蒼二さん、鈴木創士さん、渡辺喜美子さんの三氏。付属する栞では、麿赤兒さん、笠井叡さん、石井達朗さん、鴻英良さん、宇野邦一さん、丹生谷貴志さん、細川周平さん、安藤礼二さんが寄稿されています。

★『周作人読書雑記1』は全5巻予定の第1巻。周作人(Zhou Zuoren, 1885-1967)は魯迅の弟。帯文に曰く「古代から現代まで、中国、日本、ヨーロッパの書物を縦横に読み抜いた記録を集成。中国で最重要の知日家の書斎を読む」と。第1巻では、わたしの雑学、読書論、禁書、書誌、科挙、歴史・地理、神話伝説・宗教、の7部門に合計107篇を収録。1951年に、字典編纂について「営業本位の書店のやれる事ではない」(186頁)ときっぱり書いていることにある種の感慨を覚えます。東洋文庫次回配本は2月、柳本芸『漢京識略――近世末ソウルの街案内』と、エドゥアール・シャヴァンヌ『古代中国の社――土地神信仰成立史』が予告されています。

★『収容所のプルースト』は共和国さんのシリーズ「境界の文学」の一冊。著者のジョゼフ・チャプスキ(Józef Czapski, 1896-1993)はポーランドの画家。ソ連の捕虜収容所に連行された彼は、零下40度の極寒と厳しい監視下で、1940年から1941年にかけての冬にプルースト『失われた時を求めて』をめぐる連続講義を行ったといいます。その口述筆記をもとに、解放後の1944年にフランス語で作成したタイプ原稿が本書の元になっています。1943年に日刊紙に一部が掲載され、全文のポーランド語訳が1948年に「クルトゥーラ」誌に掲載。フランス語の全文が単行本『Proust contre la déchéance〔堕落に抗するプルースト〕』として刊行されたのは1987年で、今回の日本語初訳本では2012年に再刊された版を使用しているとのことです。収容所での講義の折の苛烈な記憶については1944年に書かれた著者による序文に書かれており、胸打たれます。

★『デカルトの憂鬱』は筑波大学人文社会系准教授の津崎良典(つざき・よしのり:1977-)さんの初めての単独著。帯文には「外山滋比古氏激賞」とあり、「いわば“外交的なコミュ障”だったデカルトは「初志貫徹」と「臨機応変」を両立せよ! と説く――本書は、私たちに降りかかる様々なマイナスの状況といかに対峙すべきか、「デカルトは〇〇する」という身近な切り口から解き明かしていく。〔・・・〕毎日の生活で困ったこと、立ち止まって考えてみたいことがあったら、本書の出番!」とも謳われています。帯文だけでなく著者略歴に至るまで編集者の強力な「推し」が溢れており、それに負けることなく著者の工夫が随所に光っています。広く読まれていく予感がします。

★『現代思想2018年2月号 特集=保守とリベラル:ねじれる対立軸』は、二つの討議、宇野重規×大澤真幸「転倒する保守とリベラル――その空虚さをいかに超えるか」、荻上チキ×立岩真也×岸政彦「事実への信仰――ディティールで現実に介入する」を始め、論壇への鋭い眼差しを感じさせる特集号。目次詳細は誌名のリンク先をご覧ください。3月号の特集は「ロジスティクスの思想」とのこと。これも期待大です。

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# by urag | 2018-01-28 21:28 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
2018年 01月 26日

取次搬入日確定&書影公開:メニングハウス『生のなかば』

「叢書・エクリチュールの冒険」第10回配本となる、ヴィンフリート・メニングハウス『生のなかば』(竹峰義和訳、月曜社、2018年1月、本体2,500円、46判並製224頁、ISBN978-4-86503-054-9)の取次搬入日が決定しました。日販および大阪屋栗田には1月30日(火)に搬入いたします。トーハンは1月31日(水)です。どうぞよろしくお願いいたします。書店さんの店頭に並び始めるのは、2月になってから順次となりそうです。書影を以下に公開いたします。

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# by urag | 2018-01-26 15:16 | 近刊情報 | Trackback | Comments(0)
2018年 01月 22日

ブックツリー「哲学読書室」に早尾貴紀さんと洪貴義さんによる選書リストが追加されました

オンライン書店「honto」のブックツリー「哲学読書室」に、ダバシ『ポスト・オリエンタリズム』(作品社、2017年12月)の共訳者でいらっしゃる早尾貴紀さんと洪貴義さんによるコメント付き選書リスト「反時代的〈人文学〉のススメ」が追加されました。リンク先にてご覧いただけます。


◎哲学読書室

星野太(ほしの・ふとし:1983-)さん選書「崇高が分かれば西洋が分かる
國分功一郎(こくぶん・こういちろう:1974-)さん選書「意志について考える。そこから中動態の哲学へ!
近藤和敬(こんどう・かずのり:1979-)さん選書「20世紀フランスの哲学地図を書き換える
上尾真道(うえお・まさみち:1979-)さん選書「心のケアを問う哲学。精神医療とフランス現代思想
篠原雅武(しのはら・まさたけ:1975-)さん選書「じつは私たちは、様々な人と会話しながら考えている
渡辺洋平(わたなべ・ようへい:1985-)さん選書「今、哲学を(再)開始するために
西兼志(にし・けんじ:1972-)さん選書「〈アイドル〉を通してメディア文化を考える
岡本健(おかもと・たけし:1983-)さん選書「ゾンビを/で哲学してみる!?
金澤忠信(かなざわ・ただのぶ:1970-)さん選書「19世紀末の歴史的文脈のなかでソシュールを読み直す
藤井俊之(ふじい・としゆき:1979-)さん選書「ナルシシズムの時代に自らを省みることの困難について
吉松覚(よしまつ・さとる:1987-)さん選書「ラディカル無神論をめぐる思想的布置
高桑和巳(たかくわ・かずみ:1972-)さん選書「死刑を考えなおす、何度でも
杉田俊介(すぎた・しゅんすけ:1975-)さん選書「運命論から『ジョジョの奇妙な冒険』を読む
河野真太郎(こうの・しんたろう:1974-)さん選書「労働のいまと〈戦闘美少女〉の現在
岡嶋隆佑(おかじま・りゅうすけ:1987-)さん選書「「実在」とは何か:21世紀哲学の諸潮流
吉田奈緒子(よしだ・なおこ:1968-)さん選書「お金に人生を明け渡したくない人へ
明石健五(あかし・けんご:1965-)さん選書「今を生きのびるための読書
相澤真一(あいざわ・しんいち:1979-)さん/磯直樹(いそ・なおき:1979-)さん選書「現代イギリスの文化と不平等を明視する
早尾貴紀(はやお・たかのり:1973-)さん/洪貴義(ほん・きうい:1965-)さん選書「反時代的〈人文学〉のススメ

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# by urag | 2018-01-22 11:01 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)