ウラゲツ☆ブログ

urag.exblog.jp
ブログトップ
2018年 04月 03日

注目新刊:『百科全書の時空』、首都大人文研『人文学報』

a0018105_19151598.jpg


★飯田賢穂さん(共訳:ルソー『化学教程』)
★淵田仁さん(共訳:ルソー『化学教程』)
先月発売された、逸見龍生/小関武史編『百科全書の時空――典拠・生成・転位』(法政大学出版局、2018年3月)で、飯田さんが第13章「自然法は拘束力をもつか──ルソー『ジュネーヴ草稿』葉紙63裏面に書かれたディドロ執筆項目「自然法」批判」を担当され、淵田さんが第14章「『百科全書』項目の構造および典拠研究の概要」を担当されています。本書全体の目次詳細は書名のリンク先で公開されています。

+++

昨年五月に首都大学東京で行った拙講演を元にした駄文「人文書出版と業界再編――出版社と書店は生き残れるか」が「人文学報」514-15号に掲載されました。畏れ多いラインナップに紛れ込んでおり、驚くばかりです。目次を以下に列記しておきます。なおすべてのテクストは下記号数のリンク先でPDFで読むことができます。拙文はともかくとして、読み応え充分の素晴らしい誌面です。(拙文「人文書出版と業界再編」についてはPDFのほかに抜刷がありますので、私宛にEメール(月曜社ウェブサイトにて公開)ないしツイッターのDMをいただければ国内無料にてお送りします。)

◎「人文学報」no.514-15:フランス文学、首都大学東京人文科学研究科、2018年3月、ISSN0836-8729

目次:
研究集会
はじめに|藤原真実
仮想討論会としてのフランス文学|藤原真実
18世紀の小説と思想論争|ジュヌヴィエーヴ・アルティガス=ムナン
18世紀の思想論争をめぐって:バルザック作品からのアプローチ|大須賀沙織
思想論争の系列的構造|シルヴァン・ムナン
『コリドン』から『ソドムとゴモラ』へ:親近それとも対立?|吉川一義

講演会
人文書出版と業界再編:出版社と書店は生き残れるか|小林浩

ジョゼフ・コーエン/ラファエル・ザグリ=オルリ来日講演
ジュダイズムはヒューマニズムか?|ジョゼフ・コーエン/ラファエル・ザグリ=オルリ
哲学が別の仕方で方向づけられるとき:芸術を前提する真理は正義を前提する/真理は正義を前提する芸術を前提する|ジョゼフ・コーエン/ラファエル・ザグリ=オルリ
「脱構築」について語られていること:ジャック・デリダ『グラマトロジーについて』ヘブライ語訳序文|ジョゼフ・コーエン/ラファエル・ザグリ=オルリ

Catastrophe and cyclical time in Ancient thought|グロワザール・ジョスラン
ギュイヨン夫人とバルザックにおける幼子イエスの信心|大須賀沙織
アウシュヴィッツ以後の脱構築|ジャック・デリダ/ミハル・ベン=ナフタリ
注釈|ジャン=リュック ナンシー
ウエルベック批評の十年|サミュエル・エスティエ
ヘラクレスに象徴されるルイ14世|榎本恵子

a0018105_19165696.jpg

+++

【4月6日追記】拙文「人文書出版と業界再編」のダウンロード数が666回に達したとのことでぎょっとしております。抜刷はもはや手元に残りそうにありません。多数の方々にご高覧いただき、恐縮しております。ありがとうございます。

a0018105_18381728.png


+++

[PR]

# by urag | 2018-04-03 19:20 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
2018年 04月 02日

4月下旬新刊:岡田聡/野内聡編『交域する哲学』

■2018年4月27日取次搬入予定 *人文/哲学

交域する哲学
岡田聡/野内聡編
月曜社 2018年4月 本体:3,500円 A5判[216mm×156mm×22mm]上製304頁 ISBN: 978-4-86503-061-7

アマゾン・ジャパンにて予約受付中

諸領域へと横断的に関わりつつ、現実の理論的、実践的な諸問題に取り組む哲学的な格闘としての「交域する」ことは、生きた「哲学する」ことがとる必然的形態である。知の「交差=越境」をめぐる16篇の清冽なインターヴェンション。

はじめに――「交域」に関連して|佐藤真理人
存在と永遠:スピノザにおける自然と様態の存在論|赤木真通
判断保留と哲学者の実践:ピュロン主義と現象学|岩内章太郎
ミルチャ・エリアーデの「新しいヒューマニズム」と軍団運動:「精神の革命」と「新しい人間」|大谷崇
ブルンナー、バルト、ヤスパース:ヤスパースの「自然神学」とその「限界」|岡田聡
民藝の美学的根拠:柳宗悦とカント『判断力批判』|大沢啓徳
スピノザの自然権思想とその成立背景|河合孝昭
理性としての懐疑:懐疑論再考|佐藤真理人
労働するとは別様に:生政治的生産の時代における人間活動|澤里岳史
実存と偶然と必然と|高橋章仁
〈リアル〉とは何か:フッサールの「実在性」概念と超越論的観念論の帰趨|田口茂
悲劇的な知とは何か:ヤスパースの悲劇論から|田辺秋守
伝達可能性と快|野内聡
前期ハイデガーにおける普遍性の問題|橋詰史晶
ベルクソン哲学における直観理論の生成と深化|増田靖彦
実存的哲学と実存論的哲学:アルフォンス・ド・ヴァーレンスのハイデガー批判を通じて|峰尾公也
高等教育における「文系廃止論」と「哲学」:人文科学に関する批判的議論の哲学的意義|和田義浩
おわりに|岡田聡

+++

◎本書を扱ってくださる書店様(4月11日現在)

ジュンク堂書店仙台TR店
ジュンク堂書店郡山店
ジュンク堂書店柏モディ店
ジュンク堂書店大宮高島屋店
丸善丸広百貨店飯能店
ジュンク堂書店立川店
BOOKS隆文堂(西国分寺)
東京堂書店神田神保町店
代官山蔦屋書店
八重洲ブックセンター本店
丸善丸の内本店
丸善日本橋店
MARUZEN&ジュンク堂書店渋谷店
紀伊國屋書店新宿本店
東京大学生協駒場書籍部
東京大学生協本郷書籍部
ジュンク堂書店吉祥寺店
ジュンク堂書店藤沢店
丸善ラゾーナ川崎店
丸善津田沼店
丸善松本店
丸善岐阜店
ジュンク堂書店新潟店
ジュンク堂書店名古屋店
ジュンク堂書店ロフト名古屋店
ジュンク堂書店京都店
丸善京都本店
同志社大学生協今出川店
ジュンク堂書店奈良店
ジュンク堂書店大阪本店
ジュンク堂書店天満橋店
MARUZEN&ジュンク堂書店梅田店
ジュンク堂書店西宮店
ジュンク堂書店三宮店
ジュンク堂書店姫路店
丸善岡山シンフォニービル店
丸善広島店
ジュンク堂書店広島駅前店
ジュンク堂書店福岡店

+++

[PR]

# by urag | 2018-04-02 15:41 | 近刊情報 | Trackback | Comments(0)
2018年 04月 01日

注目新刊:「中世思想原典集成」第II期刊行開始、ほか

a0018105_00172427.jpg


中世思想原典集成[第Ⅱ期]1 トマス・アクィナス 真理論 上』上智大学中世思想研究所編訳/監修、山本耕平訳、平凡社、2018年3月、本体15,000円、A5判上製954頁、ISBN978-4-582-73434-8
中世思想原典集成[第Ⅱ期]2 トマス・アクィナス 真理論 下』上智大学中世思想研究所編訳/監修、山本耕平訳、平凡社、2018年3月、本体15,000円、A5判上製1010頁、ISBN978-4-582-73435-5
吉本隆明全集15[1974-1978]』吉本隆明著、晶文社、2018年4月、本体6,500円、A5判変型上製646頁、ISBN978-4-7949-7115-9
ルトワックの“クーデター入門”』エドワード・ルトワック著、奥山真司監訳、芙蓉書房出版、2018年3月、本体2,500円、4-6判並製336頁、ISBN978-4-8295-0727-8

★『中世思想原典集成[第Ⅱ期]』が刊行開始となりました。第1回配本は『トマス・アクィナス 真理論』上下巻です。2巻合計で税込32,400円というしんどさですが、合わせて2000頁近い大冊です。現在は版元品切となっている第Ⅰ期第14巻の「トマス・アクィナス」はこれまた850頁以上の大部で1993年に刊行され当時消費税3%の折に税込6800円(本体6,602円)で、2009年までに4刷を数えていました(本体価格は10,000円に上昇)。高額な神学書が4刷というだけでもすごいことです。今般完訳された、若き日のトマスによる連続討論集『真理論〔Quaestiones disputatae de veritate〕』全29問は、かつて抄訳では花井一典(はない・かずのり:1950-2010)訳が1990年に哲学書房の「中世哲学叢書」第2巻『真理論』として、第1問「真理について」のみ訳出されていました(なお花井訳では『ペトルス・ロンバルドゥス命題集註解』第1巻第19篇第5問の翻訳も併載されていました)。今回の新訳はもともと訳者の山本さんが聖カタリナ女子大学の各種紀要に2002年から2012年にかけて発表した訳文に加筆訂正したもの。上下巻の目次を列記しておきます。

◆上巻
総序(稲垣良典)
真理論(山本耕平訳)
第一問題 真理について
第二問題 神の知について
第三問題 イデアについて
第四問題 言葉について
第五問題 摂理について
第六問題 予定について
第七問題 生命〔いのち〕の書について
第八問題 天使の認識について
第九問題 天使の知の伝達について
第一〇問題 精神について
第一一問題 教師について
第一二問題 予言について
第一三問題 脱魂について

◆下巻
第一四問題 信仰について
第一五問題 上位の理性と下位の理性について
第一六問題 良知について
第一七問題 良心について
第一八問題 無垢の状態での最初の人間の認識について
第一九問題 死後の魂の認識について
第二〇問題 キリストの魂の知について
第二一問題 善きものについて
第二二問題 善きものへの欲求について
第二三問題 神の意志について
第二四問題 自由決定力について
第二五問題 感能について
第二六問題 魂の情念について
第二七問題 恩寵について
第二八問題 罪人の義化について
第二九問題 キリストの恩寵について
索引(聖句引照索引、人名・固有名索引)

★総序で稲垣さんはこうお書きになっておられます。「トマスが本書で論じている問題の多くはすでに全訳されている『神学大全』においても考察の対象となっており、読者はそれらの箇所を比較検討することによって絶えざる「運動の内に」あったトマスの知的探求に親密に触れることができるであろう。そして、そのことによって「神とは何であるか」という問いを中心に置いてトマスがその全生涯を懸けて行ったとされる知的探求は、現代のわれわれにとって何か縁遠い、重大な関心の対象とはなりえないものではなく、実は人間が人間として善く生きるために必要な知恵の探究であることが明らかになることを期待したい」(25頁)。ちなみに稲垣さんは自らの著書である、講談社「人類の知的遺産」シリーズ第20巻『トマス・アクィナス』(1979年)において、『真理論』第一問第一項をお訳しになったことがおありです。

★第Ⅱ期では月報は付属しないようです。今後の続刊予定は、第3巻が『カンタベリーのアンセルムス著作集・書簡集』(矢内義顕監修)、第4巻および第5巻が『ニコラウス・クザーヌス著作集』上下巻(八巻和彦監修)となる、と予告されています。前者は第Ⅰ期第7巻『前期スコラ学』(『モノロギオン』『プロスロギオン』『言の受肉に関する書簡(初稿)』『哲学論考断片(ランベス写本五九)』『瞑想』)に続く主要著作と書簡集・伝記の新訳で、後者は第Ⅰ期第17巻『中世末期の神秘思想』(『創造についての対話』『知恵に関する無学者の対話』『信仰の平和』『テオリアの最高段階について』)に収録されていない著作約20篇を全新訳する、とのことです。第Ⅰ期全21巻は目下のところ版元品切。再刊は困難なのかもしれませんが、類例のない一大コーパスなのでぜひ定期的には復刊していただきたいところです。

★『吉本隆明全集15[1974-1978]』はまもなく発売(4月6日取次搬入)となる第16回配本。帯文に曰く「著者の古典思想家論の集大成ともいえる『最後の親鸞』、その後の宗教論の礎となった『論註と喩』、ならびに『野性時代』連作の開始期の詩篇を収録」と。目次詳細は書名のリンク先をご覧下さい。当時の様々な文章も収録されており、たとえば1977年8月13日付の「北日本新聞」に掲載されたエッセイ「戦争の夏の日」では敗戦戦後の著者が魚津市で経験した日常を垣間見ることができます。敗戦直後のことはこう振り返られています。「わたしが世界がひっくり返るほどの事態を感じているのに、なぜ空はこのように晴れ、北陸の海はこのように静かに、水はこのように暖かいのだろう。工場は昨日とおなじようになぜ在るのだろう。こういう疑問が頭の中をいつも渦巻いていた。私はこのときに感じたすべての疑問を、じぶんなりに解決しようとして生きてきたのではなかったか。その事をよく知るということがその事の解決であるということはありうる」(489頁)。

★このほか『映画芸術』1978年10月号に寄せた「宇宙フィクションについて」では著者が当時見たSF映画について論評しているのですが、次のようなくだりに出会うといささか驚きます。「わたしはここで観てきた宇宙もの映画を、出来ばえの順に、あるいは面白かった順に、あるいは感銘した順に並べてみたくなった。第1位『さらば宇宙戦艦ヤマト』、第2位『未知との遭遇』、第3位『惑星ソラリス』、第4位『スター・ウォーズ』、第5位『2001年宇宙の旅』」。これがもし並べ替えのクイズだったら、吉本マニア以外は正答を予想しがたいように思います。なぜこの順番なのでしょうか。おおよそ映画評論家の平均的文法とは無縁の視角がそこにはあります。その理由となる論評は同エッセイに書かれているので、ご興味のある方はぜひ本書現物をご覧ください。ちなみに小学生だった自分に当時尋ねたとしたら、タルコフスキーとキューブリックはまだ見ていなかったので、面白かった順番は吉本と同じように、『さらば宇宙戦艦ヤマト』『未知との遭遇』『スター・ウォーズ』の順で答えたかもしれません。この三本を一つの雑談の中で話せる大人など、子供にすぎない私にとってはいませんでしたが、いい歳になった今、そんな大人がいたのかもしれないことに気づいて驚きます。こんなおじさんが親戚にいたら面白かったかもなあと思うのです。

★付属の「月報16」は、佐々木幹郎「吉本さんとの出会い」、三砂ちづる「引き継ぐ課題」、ハルノ宵子「片棒」を掲載。次回配本は6月下旬、第16巻の予定とのことです。

★『ルトワックの“クーデター入門”』は、2016年に刊行された『Coup d'État: A Practical Handbook』の最新改訂版(Revised Edition)の全訳。原著初版は1968年に刊行されており、遠藤浩訳『クーデター入門――その攻防の技術』(徳間書店、1970年)が当時出版されています。実践論であるがゆえに危険視されかねない特異な一書であるものの、米国では1979年の旧改訂版以降はハーヴァード大学出版(!)から出版されています(初版も名門アルフレッド・クノプフ社から)。初版では英国の政治学者サミュエル・E・ファイナーによる序文が載っていますが、旧改訂版以降は米国の歴史学者ウォルター・ラカーによる序文に代わっています。最新改訂版は「2016年版へのまえがき」が追加され、そこでの記述を読む限りでは本書に細かい書き換えがあったことが窺われます(クノプフ版の著者まえがきはパリの五月革命への言及から始まっていますが、これもおそらくは旧改訂版から現在のヴァージョンに置き換えられたのだと思われます)。また、こうも書かれています。「初版が出てからほぼ50年がたつが、その間に私は本書がいくつかのクーデターで実際に使われたという報告を聞いたことがある」(9頁)。目次構成は初版より変わっていません。詳細は書名のリンク先をご覧ください。

★今回新訳が出た最新改訂版(2016年版)では様々な情報のアップデートがありますが、一方で変わらないものもあります。新旧の状況が交差するのが次のような一節です。「個人の間をつなぐソーシャル・メディアや、より全般的にはインターネットの利用が広がっているにもかかわらず(ファイヤー・ウォールで完全にブロックされている場合は除く)、マスメディアの統制というのは、われわれがクーデター後に権威を確立する際の最も重要な武器であり続けている。したがって、主なマスメディアを抑えることは、われわれにとって死活的に重要な課題となる」(191頁)。この指摘が政府転覆を試みる側にとってだけでなく、政府側にとっても重要であることは言うまでもありません。SNSを含むメディアの掌握は力を求める者にとって欠かせないものであり、それらは「よく見かける」評論家たちの勤勉な工作によっても乗っ取られうるのだということによくよく注意しなければならないと感じます。

+++

★『中世思想原典集成[第Ⅱ期]』を刊行された平凡社さんでは以下の新刊も発売されています。

ザビエルの夢を紡ぐ――近代宣教師たちの日本語文学』郭南燕著、平凡社、2018年3月、本体4,000円、4-6判上製304頁、ISBN978-4-582-70358-0
周作人読書雑記2』周作人著、中島長文訳注、東洋文庫:平凡社、2018年3月、本体3,300円、B6変判函入436頁、ISBN978-4-582-80888-9
ジュニア地図帳 こども世界の旅 新訂第7版』高木実構成/文、花沢真一郎イラスト、平凡社、2018年3月、本体2,500円、A4判上製72頁、ISBN978-4-582-40743-3
ジュニア地図帳 こども日本の旅 新訂第7版』高木実構成/文、花沢真一郎イラスト、平凡社、2018年3月、本体2,500円、A4判上製72頁、ISBN978-4-582-40742-6
ジュニア地図帳 こども歴史の旅 新訂第4版』高木実構成/文、花沢真一郎ほかイラスト、平凡社、2018年3月、本体2,500円、A4判上製72頁、ISBN978-4-582-40744-0

★『ザビエルの夢を紡ぐ』はザビエルら5人の宣教師が日本文化に与えた様々な影響を考察したもの。著者の郭南燕(かく・なんえん:1962-)さんは上海生まれ、ご専門は日本文学、多言語多文化交流とのことで、著書に『志賀直哉で「世界文学」を読み解く』(作品社、2016年)があります。今回の新著は昨秋上梓された編著書『キリシタンが拓いた日本語文学――多言語多文化交流の淵源』(明石書店、2017年)に続き、「日本語文学」研究における宣教師の著作群の価値を明らかにすることが試みられています。目次を列記しておきます。

序章 日本へのザビエルの贈りもの
第1章 日本に情熱を燃やしたザビエル
第2章 ザビエルの予言へ呼応する近代宣教師たち
第3章 日本人に一生を捧げたヴィリオン神父
第4章 日本人を虜にしたカンドウ神父
第5章 私的な宣教者――ホイヴェルス神父
第6章 型破りの布教――ネラン神父
終章 日本人とともに日本文化を創る試み
あとがき
引用文献一覧
索引

★『周作人読書雑記2』は全5巻の第2回配本。東洋文庫第888巻です。第2巻は「民俗、故郷紹興周辺、その他の書をめぐる雑記」(帯文より)とのことで、「民俗」「越に関する書」「自然・動植物・医学」「絵画・工芸・金石」の4部構成。『遠野物語』『小さき者の声』など柳田國男の著作や、ファーブル『昆虫記』、『蘭学事始』などをめぐるエッセイ、全94篇が収められています。次回配本はふた月空いて6月、『周作人読書雑記3』とのことです。

★『ジュニア地図帳〔アトラス〕』新訂版3点「こども世界の旅」「こども日本の旅」「こども歴史の旅」は80年代後半に出版されて以来ロングセラーとなっている定番本の最新版。20代、30代の親御さんの中には子供の頃接したことがあるという方もいらっしゃるかもしれません。懐かしさを感じさせるイラストに変わらない味わいを覚えます。

+++

[PR]

# by urag | 2018-04-01 23:59 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
2018年 03月 30日

取次搬入日決定及び書影公開:ナンシー『ミューズたち』

ジャン=リュック・ナンシーの『ミューズたち』の取次搬入日が決定しました。日販、大阪屋栗田、トーハン、いずれも4月5日(木)です。ネットかリアルかを問わず、書店さんでの扱いは6日以降に、順次発売開始となるかと思われます。書影も公開いたします。46判より左右が短い、縦長のスリムな造本です。

シリーズ「芸術論叢書」
1)イヴ=アラン・ボワ/ロザリンド・クラウス『アンフォルム――無形なものの事典』
2)リピット水田堯『原子の光(影の光学)』
3)ベルント・シュティーグラー『写真の映像――写真をめぐる隠喩のアルバム』
4)ジョルジュ・バタイユ『マネ』
5)ジャン=リュック・ナンシー『ミューズたち』

a0018105_17102097.jpg


+++

[PR]

# by urag | 2018-03-30 17:11 | 販売情報 | Trackback | Comments(0)
2018年 03月 26日

ブックツリー「哲学読書室」に津崎良典さんの選書リストが追加されました

オンライン書店「honto」のブックツリー「哲学読書室」に、『デカルトの憂鬱――マイナスの感情を確実に乗り越える方法』(扶桑社、2018年1月)の著者、津崎良典さんによるコメント付き選書リスト「哲学書の修辞学のために」が追加されました。リンク先にてご覧いただけます。


◎哲学読書室

星野太(ほしの・ふとし:1983-)さん選書「崇高が分かれば西洋が分かる
國分功一郎(こくぶん・こういちろう:1974-)さん選書「意志について考える。そこから中動態の哲学へ!
近藤和敬(こんどう・かずのり:1979-)さん選書「20世紀フランスの哲学地図を書き換える
上尾真道(うえお・まさみち:1979-)さん選書「心のケアを問う哲学。精神医療とフランス現代思想
篠原雅武(しのはら・まさたけ:1975-)さん選書「じつは私たちは、様々な人と会話しながら考えている
渡辺洋平(わたなべ・ようへい:1985-)さん選書「今、哲学を(再)開始するために
西兼志(にし・けんじ:1972-)さん選書「〈アイドル〉を通してメディア文化を考える
岡本健(おかもと・たけし:1983-)さん選書「ゾンビを/で哲学してみる!?
金澤忠信(かなざわ・ただのぶ:1970-)さん選書「19世紀末の歴史的文脈のなかでソシュールを読み直す
藤井俊之(ふじい・としゆき:1979-)さん選書「ナルシシズムの時代に自らを省みることの困難について
吉松覚(よしまつ・さとる:1987-)さん選書「ラディカル無神論をめぐる思想的布置
高桑和巳(たかくわ・かずみ:1972-)さん選書「死刑を考えなおす、何度でも
杉田俊介(すぎた・しゅんすけ:1975-)さん選書「運命論から『ジョジョの奇妙な冒険』を読む
河野真太郎(こうの・しんたろう:1974-)さん選書「労働のいまと〈戦闘美少女〉の現在
岡嶋隆佑(おかじま・りゅうすけ:1987-)さん選書「「実在」とは何か:21世紀哲学の諸潮流
吉田奈緒子(よしだ・なおこ:1968-)さん選書「お金に人生を明け渡したくない人へ
明石健五(あかし・けんご:1965-)さん選書「今を生きのびるための読書
相澤真一(あいざわ・しんいち:1979-)さん/磯直樹(いそ・なおき:1979-)さん選書「現代イギリスの文化と不平等を明視する
権安理(ごん・あんり:1971-)さん選書「そしてもう一度、公共(性)を考える!
百木漠(ももき・ばく:1982-)さん選書「アーレントとマルクスから「労働と全体主義」を考える
津崎良典(つざき・よしのり:1977-)さん選書「哲学書の修辞学のために

+++



[PR]

# by urag | 2018-03-26 11:45 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
2018年 03月 25日

注目新刊:『ドゥルーズ 思考のパッション』『ドゥルーズ=ガタリにおける政治と国家』ほか

a0018105_16475331.jpg


ドゥルーズ 思考のパッション』ピエール・モンテベロ著、大山載吉/原一樹訳、河出書房新社、2018年3月、本体4,300円、46判上製400頁、ISBN978-4-309-24527-0
ドゥルーズ=ガタリにおける政治と国家――国家・戦争・資本主義』ギヨーム・シベルタン=ブラン著、上尾真道/堀千晶訳、書肆心水、2018年3月、本体3,900円、四六判上製352頁、ISBN978-4-906917-77-8
リズムの哲学ノート』山崎正和著、中央公論新社、2018年3月、本体2,200円、四六判上製272頁、ISBN978-4-12-005066-4
中国名詩集』井波律子著、岩波現代文庫、2018年3月、本体1,340円、A6判並製480頁、ISBN978-4-00-602297-6

★今月はドゥルーズ研究書の重要作が立て続けに発売となっています。モンテベロ『ドゥルーズ 思考のパッション』は哲学書出版の名門ヴランから2008年に刊行された『Deleuze : La passion de la pensée』(Vrin, 2008)の全訳で、シベルタン=ブラン『ドゥルーズ=ガタリにおける政治と国家』はこれまた学術書出版の雄であるPUFから2013年に刊行された『Politique et État chez Deleuze et Guattari : Essai sur le matérialisme historico-machinique』(PUF, 2013)の全訳です。前者の目次詳細は以下に掲げます。後者は版元さんのそれはウェブサイトでご覧になれます。

書誌
イントロダクション
第一章 内在のパラドックス:存在と思考、ヌースとピュシス(作用:可逆性)
第二章 一義性のパラドックス:一と多、存在と意味(作用:離接的総合)
第三章 共立性のパラドックス(「超越論的経験論」、「非人称的超越論的領野」、「処女解体」「共立平面」)
第四章 自然のパラドックス:形式と実質、内容と表現(操作:二重分節)
第五章 器官なき身体(CsO)のパラドックス:生と死、苦行(精神/身体)、そして生産(生殖質/神霊〔ヌーメン〕)(中立化の実践)
第六章 美学のパラドックス:肉と宇宙〔コスモス〕(操作:図像)
第七章 即自的現われのパラドックス(操作:存在と現われ、光と意識との交差配列)
結論 哲学的絶対と諸々の錯覚

訳者あとがき
人名索引

★ピエール・モンテベロ(Pierre Montebello, 1956-)はフランスの哲学者で、何冊かのドゥルーズ論のほかにメーヌ・ド・ビランやニーチェに関する著書があります。ギヨーム・シベルタン=ブラン(Guillaume Sibertin-Blanc, 1977-)もフランスの哲学者で、ドゥルーズ/ガタリ論のほかに近現代の政治哲学を扱う著書を上梓しており、「アクチュエル・マルクス」誌の編集委員を務めています。二人とも訳書が出るのは今回が初めてですが、今後日本でも注目度が増すのは間違いありません。

★モンテベロは本書のイントロダクションの冒頭でこう切り出します。「ドゥルーズの哲学は、まず何よりもパラドックスの哲学としてその姿を現す」と。「哲学が哲学であるためには、いつも良識に用心しなければならないのである。というのも、良識は「本質的に分配、配分するものであり」、「諸事物を区別」するものであるからだ。それゆえ、良識の本質を表す定式は、「一方と他方」というものになるだろう。良識の関心はいつも、真実無比の方向を見つけることなのだ」(9頁)。上に列記した目次からも分かる通り、モンテベロは様々なパラドックスを論じていきます。その中の一つが第二章で扱われる「一義性のパラドックス」で、イントロダクションでは次のように説明されています。

★「多は第一のものである、多は原子論的である、多はモナド的なものである、多は物質的である、多は算術的である…と肯定する伝統もあれば、〈一〉は多を支配し、抑制し、組織し、取り囲む原理であると断言する伝統もある。要するに、一元論なのか、多元論なのか。世界はアナーキーな散乱状態なのか、君主による統一状態なのか。カオスなのか、コスモスなのか。必要になるのは、別の問いの立て方を発明することである。すなわち、これらの堅固な対立に浸透するのに十分なほどのしなやかさを備え、同時に二つの方向を掴むための操作を発明しなければならないということだ。それは、「〈一〉‐多」、「ノマド的散乱と戴冠せるアナーキー」、「カオスモス」といった、現実のなかに二つの方向を同時に織り上げる離接的総合という操作ということになるだろう。このようにして、一義性のパラドックスは、あらゆる哲学史を、つまり〈一〉と多の歴史を横断する対立から生じ、まさに離接的総合という操作によってこの対立の歴史を中立化するのである。離接的総合が施されたとき、〈一〉はもはや多の対立物ではなくなる。それどころか、〈一〉の指導原理を持たない固有の総合を産出するのは多の離接作用ということになるのである。つまり離接的総合は、それによって〈一〉が多とアレンジメントを形成する操作なのであり、型紙もモデルもなく、中心もモチーフもないままに、バラバラのピースが結びつくパッチワークのようなものである。/かくして、一義性は存在と意味、〈一〉と多という二つの面を備えた「存在論的命題」ということになる」(22~23頁)。

★モンテベロはドゥルーズの読解を通じ、哲学が「思考による解放の企み、運動の再開」(345頁)を望んでおり、「思考が思考しうるもの、それを思考は全ての閉鎖に抗して、〈開かれ〉として思考せねばならない」(350頁)と結論しています。訳者の大山さんは本書を「第一級のドゥルーズ研究書」として高く評価されています。

★シベルタン=ブランの訳書巻頭の「導入」も、モンテベロの本と同様に非常に印象的です。曰く「ドゥルーズ=ガタリの政治思想はひどくないがしろにされている。ときにいわゆるミクロ政治的アプローチのために後回しにされている。ときに言及されたかと思えば、フーコー、ネグリ、ランシエールなど同時代の思想家のために頼まれてもいない思弁を補う役を担わされている。別のときには奇妙な外挿法ではぐらかされている。ドゥルーズの著作の形而上的、ノエシス的、存在論的言表に政治的含意が読み取られる一方で、近代政治思想の集中と分裂の中心をなす鍵シニフィアンについての二人の命題は、いっさい考慮に入れられないのだ。もちろん彼らに公正であろうとすれば、言説の取り締まりを訴えて、もろもろの言表を言説的国境へと追い払い、「形而上学」、「美学」、「政治」のおのおのの管轄へと帰そうとすることなどあってはならない。彼らこそ、いつもそれらの輪郭を攪乱しようとしてきたのだから」(11頁)。

★幸いなことに日本ではこうしたシベルタン=ブランの指摘に呼応するかのように昨年末、佐藤嘉幸/廣瀬純『三つの革命――ドゥルーズ=ガタリの政治哲学』(講談社選書メチエ、2017年12月)が上梓されています。同書第二部第一章には『ドゥルーズ=ガタリにおける政治と国家』への言及があります(153頁、注2)。シベルタン=ブランと佐藤さんとの間にはエティエンヌ・バリバールがいることにも留意すべきかと思います。『ドゥルーズ=ガタリにおける政治と国家』の訳者解説では第六章「マイノリティへの生成変化、革命的なものへの生成変化」と結論がバリバールの『大衆の恐怖』(1997年)や『暴力と市民性』(2010年)での議論を踏まえていると指摘されています。また、バリバールは佐藤さんの指導教官であり、彼のもとで佐藤さんは『権力と抵抗――フーコー・ドゥルーズ・デリダ・アルチュセール』(人文書院、2008年)の元となる博士論文を書いておられます。

★シベルタン=ブランは『ドゥルーズ=ガタリにおける政治と国家』の元となる博士論文を、バリバールと同じくアルチュセールの弟子にあたるピエール・マシュレーのもとで書いており、その成果は本書とそれに先行する『ドゥルーズと『アンチ・オイディプス』――欲望の生産』(2010年)として出版されています。マシュレーへと捧げられた『ドゥルーズ=ガタリにおける政治と国家』が提案する『資本主義と分裂症』の読み筋を導くのは「政治空間における暴力の場をめぐる問い」(17頁)であり、「よりはっきり述べるなら、政治的衝突が暴力の非政治的次元へ転落し、葛藤の可能性じたいが抹消されるような、極限化への上昇の道をめぐる問いである」(同)とシベルタン=ブランは述べます。それは国家や戦争や資本主義による極限的暴力の上昇に抗するドゥルーズ=ガタリの思想に、多元的なマクロ政治学を見る読み筋であると見て良いものかと思われます。本書の結論が「ミクロ政治は起こらなかった」と題されているのはそうした背景によるものでしょうか。

★『リズムの哲学ノート』は、『アステイオン』第78~85号(2013年5月~2016年11月)での連載に大幅な加筆を施したもの。目次詳細は以下の通り。

第一章 リズムはどこにあるか
第二章 リズムと持続
第三章 リズムと身体
第四章 リズムと認識
第五章 リズムと自然科学――近代科学が哲学に教えるもの
第六章 リズムと「私」
第七章 リズムと自由――あるいは哲学と常識
あとがき
参考文献
人名・書名索引

★著者にとって「リズムの哲学」という主題は、約30年前の著書『演技する精神』で最初にとりあげて以来、「おりに触れて言及しつつも、正面からは書くことのなかった」主題(「あとがき」より)だといいます。「リズムは不思議な現象であって、力の流動とそれを断ち切る拍子とが共存して、しかも流動は拍子によって力を撓められ、逆にその推進力を強くするという性質を持っている。〔・・・〕このリズムの構造を諸現実の根底に据えることによって、私は長く哲学を苦しめてきた病弊と闘えると予想してきた。その病弊とは〔・・・〕「一元論的二項対立」と呼ぶべきものである。古代の形相と質料、近代の主観と客観、意識と外界、精神と物質など〔・・・〕善といえば悪、光といえば闇、神といえば悪魔というように、一元論は必ずその反対物を呼び起こすのである。/私はこのジレンマを解決するには、最初から内に反対物を含みこみ、反対物によって活力を強められるような現象を発見し、これを森羅万象の根源に置くほかはないと漠然と考えていた。そしてそういう現象がたぶんリズムだろうということも、これまた漠然と胸中の一隅に暖めてきた」(同、252~253頁)。

★「日本語には主体の受動性、非主体性を暗示する表現がとくに多い。リズムの哲学は文明論的にいえば、本来、日本でこそ生まれてしかるべき哲学だったといいたくなる」(255頁)。本書は著者にとって「画期的な一冊」であり、代表作である『近代の擁護』において文明の近代化を支持したいわば「近代の擁護者」が書いた「ポスト・モダン」の哲学だと言明されています。

★『中国名詩集』は2010年に岩波書店から刊行された単行本の文庫化。「本書は、唐詩以降を中心としつつ、前漢の高祖劉邦から現代の毛沢東まで、中国の名詩137首を選んで紹介したもの」(「まえがき」より)。目次構成は以下の通り。

まえがき
第一章 春夏秋冬
第二章 自然をうたう
第三章 季節の暮らし
第四章 身体の哀歓
第五章 家族の絆
第六章 それぞれの人生
第七章 生き物へのまなざし
第八章 なじみの道具たち
第九章 文化の香り
第十章 歴史彷徨
第十一章 英雄の歌
あとがき
中国古典詩の底力――岩波現代文庫版のあとがき
時代別作者名一覧
作者の生没年、字号、本籍地一覧
人名索引
詩句索引
詩人別詩題索引
詩題索引
標題句索引

★文庫化にあたり「原本に大きな手直しを加えなかったが、第九章の『水滸伝』(第90回)からの引用(318~319頁)については、拙訳(『水滸伝』第5巻、講談社学術文庫)と入れ替えた」とのことです。同現代文庫の既刊書2点、2017年11月刊『中国名言集 一日一言』、2018年1月刊『三国志名言集』と併せて手元に置きたい一冊です。

+++

★このほか、以下の新刊との出会いがありました。

現代アートとは何か』小崎哲哉著、河出書房新社、2018年3月、本体2,700円、46変形判並製448頁、ISBN978-4-309-27929-9
最終獄中通信』大道寺将司著、河出書房新社、2018年3月、本体1,900円、46判並製320頁、ISBN978-4-309-02659-6
一九五〇年代、批評の政治学』佐藤泉著、中公叢書、2018年3月、本体2,000円、四六判並製336頁、ISBN978-4-12-005068-8
[増補新版]抵抗者たち――反ナチス運動の記録』池田浩士著、共和国、2018年3月、本体2,500円、四六判並製344頁、ISBN978-4-907986-39-1
ジュディス・バトラー――生と哲学を賭けた闘い』藤高和輝著、以文社、2018年3月、本体3,500円、四六判上製352頁、ISBN978-4-7531-0345-4
vanitas No. 005 特集=ファッション・デザイン・アート』蘆田裕史/水野大二郎責任編集、アダチプレス、2018年3月、本体1,800円、四六判変型並製176頁、ISBN978-4-908251-06-1

★『現代アートとは何か』はウェブマガジン「ニューズウィーク日本版」での不定期連載「現代アートのプレイヤーたち」(2015年10月~2017年7月)に加筆修正を施し、構成を若干変えたもの。帯文に曰く「政治、経済、そして美そのもの――アートジャーナリズムの第一人者による、まったく新しい《現代アート》入門」と。著者の小崎哲哉 (おざき・てつや:1955-)さんは『03』『ART iT』『Realtokyo』編集長を経て、現在「Realkyoto」編集長や京都造形芸術大学大学院学術研究センター客員研究員をつとめる編集者で、編著書に『百年の愚行』などがあります。浅田彰さんによる推薦文は書名のリンク先でご覧になれます。主要目次は以下の通り。

序章 ヴェネツィア・ビエンナーレ――水の都に集まる紳士と淑女
Ⅰ マーケット――獰猛な巨竜の戦場
Ⅱ ミュージアム――アートの殿堂の内憂外患
Ⅲ クリティック――批評と理論の危機
Ⅳ キュレーター――歴史と同時代のバランス
Ⅴ アーティスト――アート史の参照は必要か?
Ⅵ オーディエンス――能動的な解釈者とは?
Ⅶ 現代アートの動機
Ⅷ 現代アート採点法
Ⅸ 絵画と写真の危機
終章 現代アートの現状と未来
あとがき
主要人名・グループ名索引
図版クレジット
註・出典

★終章の後半部に「日本のアートシーンの問題点」と題されたパートがあります。ここの節題に特に注目しておきたいと思います。同様の問題意識を持っている方々には本書の切先を想像していただけるかと思います。「怠慢にして「へたれ」なジャーナリズム」「教育の劣化と「絵画バカ」の悪影響」「ポピュリズムとエリーティズム」「自治体の不勉強と不見識」。これに続く最終パートは「日本の未来、アートの未来」と題されており、次の二節から成ります。「女性や若年層、若い作家の搾取」「男尊女卑の業界構造」。現代アートのゴシップにもセオリーにも疎いかもしれない日本の状況に対して著者が抱いている危機感に学ぶ点は多いのではないでしょうか。

★『最終獄中通信』は帯文に曰く「死刑確定から30年、2017年5月に獄死した連続企業爆破の被告の書簡を集成。最晩年の胸中を結晶させた60の俳句も収録」と。梁石日さんが推薦文を寄せておられます。「獄中で悔い、詫び続けた大道寺将司の思念は、彼だから切り拓くことができた倫理の新しい領域に私たちを導くだろう」。1997年から2017年までの書簡(折々に俳句が挟み込まれています)に加え「大道寺将司が語る確定死刑囚のすべて」と題した5篇のテキスト、俳句の自選集、年譜と続き、そして巻末解説は太田昌国さんが寄稿されています。本書以前の書簡は『明けの星を見上げて』(れんが書房、1984年)と、『死刑確定中』(太田出版、1997年)で読むことができます。

★『一九五〇年代、批評の政治学』は巻頭の「はじめに」によれば「この本では、1950年代に活躍した三人の批評家、竹内好、花田清輝、谷川雁を軸にして、この時代独特の問題意識について再考したいと思う。なぜ50年代なのか。一つにはこの時代が、戦後史の落丁のページとなっているように感じられるからである」(3頁)と。目次は以下の通りです。

はじめに
第一章 竹内好
第二章 花田清輝
第三章 谷川雁
第四章 近代の超克
おわりに

★著者の佐藤泉(さとう・いずみ:1963-;青山学院大学文学部教授)さんは「あとがき」ではこう書いておられます。「本書では三人の批評家を取り上げた。彼らは共闘関係にあったわけでなく、それ以前にあまり仲が良かったわけでもなさそうだ。それでも時代を共有していた三人の間には共鳴しあう問題意識と思考のスタイルとがある。50年代は「転形期」であり、戦後史の方向がいくつもの可能性に向けて開かれていた時期である。彼らには共通して「今」が歴史の岐路だという感覚があった。そして「今」をそれが存在しているのと別のやり方で描こうとする熱望があった。それは、彼らが過去の歴史の中にも数々の可能性の分岐を見ていたことと不可分である。歴史に学ぶということは、まず第一に失敗から学ぶことであり、それを行ってきた戦後思想に対し私たちは敬意を惜しむべきではないのだが、ただ、歴史の「有効性」がそれにつきるわけではない。私たちは起こり得たけれど実際には怒らなかったこと、歴史の方向が定まる間際の時に、人々が見ていた夢にもまた学ぶことができる」(325~326頁)。

★またこうも書かれています。「彼らに共通する関心についてさらにもう一つ上げるとすれば、戦後社会を担うべき人々の力量を重視していたという点かと思う。50年代は戦争の時代と戦後の時代を蝶番のようにつないでいる。この転換期に民衆の力の行方を注視していた彼らは、自らも民衆の一人として、人々の力が戦時体制に吸収されるのを目撃し、またその力が民主主義の要求に結びついていく様も目撃した。民衆は固定した実体ではない。その力は、その都度別個の出来事を引き起こすのであり、歴史の中の流動的なコンテクストにおいてそのたびに再評価されるべきものだ。民衆の未来は確実に保証されているものではないが、しかしだからこそ、未来は失われているわけでもない。排外主義を主張するものも、平等を要求するものも含めて「ポピュリズム」が世界政治の潮流として注目されるようになったころ、私はいつも彼らの民衆論を思い浮かべることになった」(326頁)。転形期における民衆と批評、それは極めて現代的な主題ではないでしょうか。

★『[増補新版]抵抗者たち』は初版(TBSブリタニカ、1980年)と、写真および新たな「あとがき」を加えたその再刊(軌跡社、1990年)に続く、増補新版です。投げ込みの「共和国急使」第20号によれば、〈20世紀再考〉をテーマに過去の名著の復刊を試みる、その第一弾が本書であるそうです。目次詳細は書名のリンク先でご確認いただけます。「共和国版あとがき」によれば、「新しく書き下ろした長い「後章」〔「解放ののちに──自由と共生への遠い道」〕を加え」たとのことです。「旧版の記述に含まれる数字その他の誤りを正し、論旨を変えない範囲でいくつかの加筆や修正をほどこすという通例の補正に加えて、この大幅な加筆と追補を行なった結果、『抵抗者たち』は、長い年月を経ていま新たに、これまでとはまた別の一冊として小さな歩みを再開することになったわけです」。この最新版のあとがきで池田さんは、世の中のありようや出来事という現実のほかに人間が持っているもうひとつの現実、すなわちフィクションの世界(曰く「詩や小説、絵画や彫刻、演劇、映画、音楽、舞踏、さらには思想表象など、人間が行なうあらゆる表現活動とその成果」)を読み解くことの重要性について言及しておられます。

★「虚構が現実の先取りをする、ということが起こり得るだけではありません。私たちが日常を生きるなかで現実としてとらえていない現実を、虚構作品が描き出すこともあり得る、ということです。〔・・・〕人間の想像力こそが、もう一つの現実を思い描きそれの実現に向かって歩むための、少なくとも決定的に重要な源泉なのだと、私は思います。〔・・・〕ナチズムの権力掌握を人々が阻止できなかったのも、未来に対する想像力はおろか、いま眼前には見えない現実に対する想像力も放棄してしまったからでした。想像力を放棄した私たちは、目の前の「現実」のなかで確かな事実として姿を現わす強い政治家に、自分たちのすべてを委ねたのです」(340頁)。書名のリンク先にある「版元から一言」にはこんな言葉があります。「遠い過去のエピソードとしてではなく、やがて訪れる未来のこととして考えるとき、この本は、とてもかけがえのないものとして読者のわたしたちに迫ってくるはずです。〔・・・〕自由が権力によって奪われてゆくこの日本の政治文化状況のなかでは、むしろいっそうアクチュアルですらあります」。

★『ジュディス・バトラー』は藤高和輝(ふじたか・かずき:1986-;大阪大学等非常勤講師)さんが昨年大阪大学大学院人間科学研究科に提出した博士論文に加筆修正したもの。目次詳細は書名のリンク先でご覧になれます。序論で藤高さんはこう述べておられます。「バトラーは単に「哲学者」であるのではない。その由縁は、彼女が哲学だけでなくフェミニズム理論やゲイ&レズビアン・スタディーズ、社会学、人類学、精神分析など多様な学問分野を横断することによって自身の理論を構築したという方法論的な意味に尽きるのではなく、哲学という制度の外部に排除された「生」を哲学の内部に翻訳し、それを通して哲学の境界線に変容を促し、それを押し広げようとする、まさにその実践にこそある。このようなバトラーの営みを、本書ではヘーゲルの言葉をもじって「生と哲学を賭けた闘い」と呼ぶことにしたい。〔・・・〕本書はバトラーの「生と哲学を賭けた闘い」のドキュメントである」(15~16頁)。帯文にある「共にとり乱しながら思考すること」というのは本書の結論部の題名でもあります。

★ファッションの批評誌『vanitas』の第5号は特集「ファッション・デザイン・アート」。目次詳細や立ち読みは書名のリンク先をご覧ください。蘆田さんは「introduction」で次のように紹介しておられます。「今号では、ファッション・デザイン・アートがそれぞれ独立したジャンルであることを前提としながらも、現在において各分野がどのような関係を結びつつあるのか、多様な側面からの検証を試みます。インタビューでは、東京藝大で美学を学んだファッションデザイナーの小野智海氏、ファッションデザイナーやスタイリストとのコラボレーションも多い演劇作家の藤田貴大氏、Google の「プロジェクト・ジャカード」の開発にも携わるデザイナー/アーティストの福原志保氏の三者に話を聞いています。論文では、先述のファッションとアートをめぐる展覧会の意義を明らかにする利根川由奈氏、バイオファッションという新しい動向を探る高橋洋介・川崎和也両氏のテクストを掲載しています。その他、書籍紹介や展覧会紹介などでも本特集と共鳴するテーマを忍ばせています」。同誌の取扱書店はこちらで公開されています。

+++

[PR]

# by urag | 2018-03-25 16:34 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
2018年 03月 22日

本棚会議vol.1@ジュンク堂書店池袋本店、2018年4月13日開催


日時:2018年4月13日(金)19:00~
場所:ジュンク堂書店池袋本店(TEL:03-5956-6111)4階人文書売場カウンター前

※入場料無料。事前のご予約をお受けしております。状況により、当日参加も可ですが、ご予約されていない方はお入り頂けない場合もございますのでご了承くださいませ。当日の受付は開演時間の15分前からとなっております。

内容:この春、ジュンク堂書店池袋本店4階人文書フロアにて、売場の本棚の間で本についての話を聞く「本棚会議」シリーズを始めます。講師の方のお話を聞きつつ、時には棚を周りながら売場で話を聞くこの企画、より近い距離で講師の方のお話を聞いたり、書店という空間を見て頂きたいと思います。
 その第1回として、月曜社の編集者小林浩さんをお迎えします。今年3月に刊行された月曜社の新雑誌『多様体』。数々の哲学・文学に関する書籍を刊行してきた月曜社から、いまこの時期に雑誌を刊行された意義とは何なのでしょうか。また、哲学・思想・文学から書籍業界論まで網羅する『多様体』とは一体どのような雑誌なのか?『多様体』誕生の背景となった『エピステーメー』以降の哲学雑誌の系譜を交えながら、小林さんにお話を伺います。

講師紹介:小林浩(こばやし・ひろし)1968年生まれ。月曜社取締役。早稲田大学第一文学部を卒業後、未來社、哲学書房、作品社を経て、2000年12月に月曜社設立に参画。編集・営業の両面で人文書出版に携わる。手掛けている書籍として、アガンベン、ヴィルノ、ネグリ、カッチャーリなどイタリア現代思想の訳書のほか、「暴力論叢書」「シリーズ古典転生」「叢書エクリチュールの冒険」「芸術論叢書」などのシリーズがある。ウラゲツ☆ブログでは、自社他社を問わない新刊紹介のほか、出版業界の動向へのコメントを続けている。
ウラゲツ☆ブログ http://urag.exblog.jp
ツイッター @uragetsu

+++

[PR]

# by urag | 2018-03-22 16:21 | イベント告知 | Trackback | Comments(0)
2018年 03月 18日

注目新刊:『ラカン『精神分析の四基本概念』解説』、『ラカンの哲学』、ほか

a0018105_22460233.jpg


ラカン『精神分析の四基本概念』解説』荒谷大輔/小長野航太/桑田光平/池松辰男著、せりか書房、2018年2月、本体4,300円、A5判上製250頁、ISBN978-4-7967-0370-3
ラカンの哲学――哲学の実践としての精神分析』荒谷大輔著、講談社選書メチエ、2018年3月、本体1,750円、四六判並製272頁、ISBN978-4-06-258674-0
額の星/無数の太陽』レーモン・ルーセル著、國分俊宏/新島進訳、平凡社ライブラリー、2018年3月、本体1,600円、B6変判並製430頁、ISBN978-4-582-76865-7

★今月は、松本卓也さんの『享楽社会論――現代ラカン派の展開』(人文書院、2018年3月)が刊行されましたが、ほかにも『ラカン『精神分析の四基本概念』解説』(2月28日取次搬入、書店店頭発売は実質3月)や『ラカンの哲学』が刊行され、賑わいを見せています。どちらにも荒谷大輔(あらや・だいすけ:1974-:江戸川大学教授)が関わっておられ、せりか書房さんのラカン読解本では2013年の『ラカン『アンコール』解説』にも共著者として参加されています。『ラカン『精神分析の四基本概念』解説』は言うまでもなくラカンのセミネール第11巻『精神分析の四基本概念』(小出浩之/新宮一成/鈴木国文/小川豊昭訳、岩波書店、2000年)の読解本。4つの基本概念「無意識」「反復」「転移」「欲動」が説明されたこの講義は「後期ラカンの重要概念「対象a」や「享楽」を理解するための鍵」(帯文より)であり、これを読解本では「真の意味でのラカンの入門書」(「はじめに」)として読むことが試みられています。目次詳細と執筆担当は以下の通り。

はじめに
Ⅰ講 破門|荒谷大輔
Ⅱ講 フロイトの無意識と我々の無意識|荒谷大輔
Ⅲ講 確信の主体について|荒谷大輔
Ⅳ講 シニフィアンの網目について|小長野航太
Ⅴ講 テュケーとオートマトン|小長野航太
Ⅵ講 目と眼差しの分裂|桑田光平
Ⅶ講 アナモルフォーズ|桑田光平
Ⅷ講 線と光|池松辰男
Ⅸ講 「絵とは何か」|池松辰男
Ⅹ講 分析家の現前|荒谷大輔
Ⅺ講 分析と真理、あるいは無意識の閉鎖|荒谷大輔
Ⅻ講 シニフィアンの列の中の性|荒谷大輔
XⅢ講 欲動の分解|小長野航太
XⅣ講 部分欲動とその回路|小長野航太
XV講 愛からリビードへ|小長野航太
XⅥ講 主体と大他者――疎外|荒谷大輔
XⅦ講 主体と大他者(Ⅱ)――アファニシス|荒谷大輔
XⅧ講 知っていると想定された主体、最初の双数体、そして善について|小長野航太
XⅨ講 解釈から転移へ|小長野航太
XX講 君の中に、君以上のものを|荒谷大輔

キーワード別:縦読みガイド

★「縦読みガイド」というのは「主題ごとの参照箇所の一覧」で、「断片化された議論の文脈を各自で綜合した後、もとの語りの場面に戻れば、そこでラカンが企図していたことが何だったのかわかるはずである」とのことです。「ラカンの語りの断片性を補うために、最重要となるキーワードに限定して、辿るべき本書の項目を一覧で示し」たもの、とも説明されています。

★『ラカンの哲学』は荒谷さんの単独著。目次詳細は書名のリンク先でご確認いただけます。「難解晦渋で容易に人を寄せつけないその思想は、しかし「哲学」として読むことで明確に理解できる」(カヴァー裏紹介文)という謳い文句がそそります。巻頭の序「精神分析の哲学、哲学の精神分析」にはこう書かれています。「ジャック・ラカン(1901-81)ほど、読まれるべきで実際にはほとんど読まれていない「哲学者」はいないのではないか。この嘆きを読者と共有することを拒む壁は少なくとも二つある。ひとつは、難解なラカンのテクストに時間をかけて読む価値はあるのかという疑問。もうひとつは、そもそもラカンは哲学者ではないという認識である。/この二つの壁を取り払い、読者をラカンの実際のテクストに誘うのが本書の目的である。〔・・・〕初期から最晩年にかけてのラカンのテクストをたどりつつ、哲学としてのラカンの価値を示すのが本書の企図である」(9頁)。

★『額の星/無数の太陽』は人文書院で2001年に刊行された、ルーセルの戯曲2作を収めた単行本のライブラリー化。巻末に加えられた「平凡社ライブラリー版 訳者あとがき」によれば、「訳文に若干の修正を施し、また人文書院版に付されていた「「額の星/無数の太陽」小事典」、解題にあたる「星と太陽、双子の戯曲」も最小限の加筆をしたうえで再録した」とのことです。平凡社ライブラリーではこれまでにルーセルの散文作品を2点刊行しています。2004年に岡谷公二訳『ロクス・ソルス』、2007年に同じく岡谷訳で『アフリカの印象』。いずれも現在品切ですが、これをきっかけに重版に掛かるのではないかと期待できます。

+++

★また、最近では以下の新刊との出会いがありました。

青猫以後』松本圭二著、航思社、2018年3月、本体3,400円、四六判上製仮フランス装天アンカット296頁、ISBN978-4-906738-28-1
アストロノート』松本圭二著、航思社、2018年3月、本体3,000円、四六判上製仮フランス装天アンカット208頁、ISBN978-4-906738-29-8
電波詩集』松本圭二著、航思社、2018年3月、本体2,800円、四六判上製仮フランス装天アンカット128頁、ISBN978-4-906738-30-4

★航思社さんの「松本圭二セレクション」の第4巻~6巻が同時発売。2006年度の萩原朔太郎章受賞作である第4詩集『アストロノート』(『重力』編集会議、2006年)を、著者の本来の意向だったという3巻本に分冊して刊行、と。3冊を揃えて初めて帯文の背が「朔太郎賞受賞作の」「本当の」「かたち」と一続きで読めるようになります。この作品が全国の一般書店へ配本されるのは今回が初めてとのことです。付属する栞のそれぞれに掲載されたテクストを下段に列記しておきます。なお初版『アストロノート』出版への陰影に富んだ戦いの記録は第5巻の栞に書き留められています(前橋文学館特別企画展図録『松本圭二 LET'S GET LOST』から転載したもの)。妥協を許さない著者とのかくも密接な伴走は、版元さんの強い執念を感じさせます。驚くべき3冊です。

第4巻栞:阿部嘉昭「書き捨てて、残光に「域」をつくる」、松本圭二「著者解題 『青猫以後』ノート」
第5巻栞:井土紀州「ONCE かつて…」、松本圭二「著者解題 宇宙の誕生」、松本圭二「著者解題 初版『アストロノート』ノート」
第6巻栞:中原昌也「正直に言おう、自慢ではないが」、松本圭二「著者解題 予言の書」

+++

[PR]

# by urag | 2018-03-18 22:37 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
2018年 03月 17日

3月25日イベント:芸術(アート)としての精神医療 vol.1 ウリ『コレクティフ』

弊社出版物でお世話になっている著訳者の方々の最近のご活躍をご紹介します

★上尾真道さん(共訳:ウリ『コレクティフ』)
芸術(アート)としての精神医療 vol.1 ジャン・ウリ著『コレクティフ-サン・タンヌ病院におけるセミネール』(月曜社)

2017年の冬に本邦初訳となった待望の書籍『コレクティフ――サン・タンヌ病院におけるセミネール』(月曜社)。著者は、ラ・ボルド病院院長にして、精神科医であり思想家のジャン・ウリ(1924-2014)です。本書で幾度となく登場する「コレクティフ=人びとが集まること、動くこと」ということば。~~人びとが集団を形作りながら個々の特異性を尊重するための、「ほんのちょっとしたこと」とは何か。~~今回の「芸術としての精神医療」では、現代日本における「インティマシーとローカルスタンダード」から思索を続ける哲学者・鞍田崇氏を導き手に、本書翻訳をされた上尾真道氏とラ・ボルド病院に逗留した写真家・田村尚子氏を迎え、様々な映像や資料と共に、この「コレクティフ」を紐解き、現代社会へのつながりを探ってみたいと思います。

対話する人:
上尾真道(『コレクティフ』共同翻訳者、精神分析学)
田村尚子(写真家、ヴュッター公園代表、『ソローニュの森』著者)
ナビゲーター:鞍田崇(哲学者、明治大学理工学部准教授)
会期:3月25日(日)17 時半 開場• 18時開始 終了予定19時半 
会場:MEDIA SHOP GALLERY(京都市中京区河原町通三条下る大黒町44 VOXビル1F)
入場料:1,000円
主催:ヴュッター公園
共催:MEDIA SHOP
お問い合わせ先:ヴュッター公園 info@vutterkohen.com

★星野太さん(著書:『崇高の修辞学』)
現代詩手帖』2018年3月号「特集=詩と哲学――新たなヴィジョンへ」で、佐藤雄一さんと「超越性、文体、メディウム」と題した対談を行っておられます。同誌編集部から提示された三冊の哲学書。國分功一郎さんの『中動態の世界』(医学書院)、千葉雅也さんの『勉強の哲学』(文藝春秋)、星野太さんの『崇高の修辞学』(月曜社)をめぐるお話しから始まり、星野さんはこう発言されています。「この三冊は、哲学の問題をほかならぬ言語への問いとして捉えている点では共通していると思います。ある意味では素朴な前提ではあるけれども、三者とも言語が思考や行為を規定するという考え方を強く共有している。今回これを死の問題と結びつけてもらえるのは個人的にもうれしいことです」(10頁)。なお同号では千葉さんの詩「始まりについて」も掲載されています。

a0018105_18281803.jpg


+++

[PR]

# by urag | 2018-03-17 18:30 | イベント告知 | Trackback | Comments(0)
2018年 03月 16日

ブックツリー「哲学読書室」に百木漠さんの選書リストが追加されました

オンライン書店「honto」のブックツリー「哲学読書室」に、『アーレントのマルクスーー労働と全体主義』(人文書院、2018年3月)を上梓された百木漠さんによるコメント付き選書リスト「アーレントとマルクスから「労働と全体主義」を考える」が追加されました。リンク先にてご覧いただけます。


◎哲学読書室

星野太(ほしの・ふとし:1983-)さん選書「崇高が分かれば西洋が分かる
國分功一郎(こくぶん・こういちろう:1974-)さん選書「意志について考える。そこから中動態の哲学へ!
近藤和敬(こんどう・かずのり:1979-)さん選書「20世紀フランスの哲学地図を書き換える
上尾真道(うえお・まさみち:1979-)さん選書「心のケアを問う哲学。精神医療とフランス現代思想
篠原雅武(しのはら・まさたけ:1975-)さん選書「じつは私たちは、様々な人と会話しながら考えている
渡辺洋平(わたなべ・ようへい:1985-)さん選書「今、哲学を(再)開始するために
西兼志(にし・けんじ:1972-)さん選書「〈アイドル〉を通してメディア文化を考える
岡本健(おかもと・たけし:1983-)さん選書「ゾンビを/で哲学してみる!?
金澤忠信(かなざわ・ただのぶ:1970-)さん選書「19世紀末の歴史的文脈のなかでソシュールを読み直す
藤井俊之(ふじい・としゆき:1979-)さん選書「ナルシシズムの時代に自らを省みることの困難について
吉松覚(よしまつ・さとる:1987-)さん選書「ラディカル無神論をめぐる思想的布置
高桑和巳(たかくわ・かずみ:1972-)さん選書「死刑を考えなおす、何度でも
杉田俊介(すぎた・しゅんすけ:1975-)さん選書「運命論から『ジョジョの奇妙な冒険』を読む
河野真太郎(こうの・しんたろう:1974-)さん選書「労働のいまと〈戦闘美少女〉の現在
岡嶋隆佑(おかじま・りゅうすけ:1987-)さん選書「「実在」とは何か:21世紀哲学の諸潮流
吉田奈緒子(よしだ・なおこ:1968-)さん選書「お金に人生を明け渡したくない人へ
明石健五(あかし・けんご:1965-)さん選書「今を生きのびるための読書
相澤真一(あいざわ・しんいち:1979-)さん/磯直樹(いそ・なおき:1979-)さん選書「現代イギリスの文化と不平等を明視する
権安理(ごん・あんり:1971-)さん選書「そしてもう一度、公共(性)を考える!
百木漠(ももき・ばく:1982-)さん選書「アーレントとマルクスから「労働と全体主義」を考える

+++


[PR]

# by urag | 2018-03-16 16:37 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)