2024年 09月 16日
★注目新刊単行本と注目新書既刊を列記します。 『終わるまではすべてが永遠――崩壊を巡るいくつかの欠片』木澤佐登志(著)、青土社、2024年9月、本体2,600円、46判並製++頁、ISBN978-4-7917-7659-7 『アメリカの罠――トランプ2.0の衝撃』イアン・ブレマー/ポール・ダンス/ポール・クルーグマン/ジム・ロジャーズ/ジョン・ボルトン/ジャック・アタリ/ジェフリー・サックス/ユヴァル・ノア・ハラリ(著)、大野和基(編)、文春新書、2024年8月、本体900円、新書判192頁、ISBN978-4-16-661465-3 『無支配の哲学――権力の脱構成』栗原康(著)、角川新書、2024年8月、本体1,200円、新書判408頁、ISBN978-4-04-082513-7 『生きることは頼ること――「自己責任」から「弱い責任」へ』戸谷洋志(著)、講談社現代新書、2024年8月、本体900円、新書判208頁、ISBN978-4-06-536989-0 『意識の脳科学――「デジタル不老不死」の扉を開く』渡辺正峰(著)、講談社現代新書、2024年6月、本体1,200円、新書判392頁、ISBN978-4-06-536111-5 ★『終わるまではすべてが永遠』は、文筆家の木澤佐登志(きざわ・さとし, 1988-)さんが、2019年から2023年にかけて「現代思想」「ユリイカ」「文藝」ほかの各媒体に発表してきた13本の論考に加筆修正を行い、書き下ろしの「はじめに」と「おわりに」を加えたもの。「加速する世界の憂鬱」「生まれてこないほうがよかった――ではどこへ?」「現実としてのことではないどこか」の3部構成です。カウンターカルチャーの遺産と可能性、反出生主義、Qアノンやヴェイパーウェイヴなどが論じられます。目次詳細は書名のリンク先をご覧ください。「私たちは、世界は、壊れながら生きる。崩壊こそが生の本質だから。しかし壊れることで、私たちは〈外〉へと向かい、同時に〈外〉をこちら側へ呼び寄せる。そのとき、「ここ」は「ここではないどこか」に変容するだろう。/私は歓待する。壊れた生を」(319頁)。 ★『アメリカの罠』は、大野和基さんによる識者インタヴューの最新刊。米国大統領にトランプが再選された場合、米国や世界、そして日本はどうなるか、という主題を8人が分析しています。8人というのは国際政治学者のイアン・ブレマー、トランプ政権で人事管理庁の首席補佐官を務めた法律家のポール・ダンス、経済学者のポール・クルーグマン、投資家のジム・ロジャーズ、トランプ政権で国家安全保障担当大統領補佐官を務めたジョン・ボルトン、フランスの思想家ジャック・アタリ、経済学者のジェフリー・サックス、イスラエルの歴史学者ユヴァル・ノア・ハラリ、といった面々。 ★トランプが「打倒」を目標に掲げている「ディープ・ステート」に言及しているのは、ブレマー、ダンス、ハラリ。特に、シンクタンク「ヘリテージ財団」による2025年政権移行のための「プロジェクト2025」を7月まで指揮していたダンス(Paul Dans)は、「ディープ・ステート(闇の政府)」「行政国家(第四の府)」について熱心に説明しています。陰謀論として笑うのは簡単ですが、この厄介なマジックワードに見え隠れする政治闘争の特徴を注意深く観察する必要があります。 ★ダンスはこう述べます。「どれほど素晴らしいアイデアや政策でも、直接かかわる人が実行して初めて現実になるのです。もし直接かかわる人が保守派の思想に合わない人であれば、その素晴らしいアイデアや政策は実現しません。/政権が始まってから動き始めたら遅すぎるのです。/今度トランプが返り咲いたら前回のようなことが起こらないために、より一貫して保守的な思想を持つ人々が政権に入るようにする。/それが「プロジェクト2025」です。大統領就任一日目から起動できるように準備をするための新しいパラダイムです」(41頁)。 ★「間違いなく「闇の政府」は存在します。〔…〕「闇の政府」はお金持ちで権力のある利益団体によって、政府内に入れられた高官から始まっています。そういう人は大統領を通して国民を導く実際の方向よりも、その団体に利益をもたらすために仕事をします。議員などとして議会の内側に入る人もいれば、議会の外側にある利益団体にいる場合もあれば、メディアや学界にもいます」(42頁)。「彼らは自分たちが与えられている権力を使って、水面下で操作するのです」(43頁)。 ★「行政のすべての権限は大統領に帰属しています。/ところが、実際には、我々が「行政国家(administrative state)」と呼んでいる「第四の府」によって侵害されています。その第四の府は、メディアや国の方向を本質的に牛耳ろうとしているビッグビジネスなど外部の利益のネットワークから成り立っています。/すなわち、保守派の大統領が選出されても、国を動かすメカニズムは必ずしも大統領の掌中に入っていないわけです」(44頁)。これらの説明はよその国の話にすぎない、と聞き流すのは賢明ではないかもしれません。 ★『無支配の哲学』は、アナキズム研究者の栗原康(くりはら・やすし, 1979-)さんの単著『何ものにも縛られないための政治学――権力の脱構成』(KADOKAWA、2018年)の改題改訂新書化です。「この世界の内側にいながらにして、この世界ではありえないものになっていく。あたらしいトポスをうちたてるのではない。トポスからトポスへ移行するあいだ、その境界こそがユートピアなのだ、革命なのだ」(399~400頁)。「よし、終わりにしよう。危機が煽られるたびにうちたてられる巨大な権力。もう従えない、がまんできない、逃げだしたい。宣言しよう。ここに積み上がった石は、ひとつのこらず崩れ落ちる。離脱とは、もうひとつの生をいきることにほかならない。ここが新天地じゃなかったら、どこにも新天地なんてないんだよ。フリーダム!」(401頁)。 ★『生きることは頼ること』は、哲学者の戸谷洋志(とや・ひろし, 1988-)さんが、ハンス・ヨナス、エヴァ・フェダー・キテイ、ジュディス・バトラーを手がかりにして「「利他」の礎となる「弱い責任」の理論を構築」(帯文より)しよう試みた一冊。「本書は、「強い責任」とは異なる、もう一つの責任のあり方として、「弱い責任」という概念を提案する。〔…〕強い責任とは、自律性を偏重する近代的な人間観を前提とする、「強い」主体による責任を意味する。それに対して弱い責任は、人間が他者に頼らざるをえない「弱い」主体であることを前提とした、責任の概念である。/私たちの社会は、責任について語るとき、強い責任を過剰に重視している。しかし、強い責任は弱い責任によって補完されなければならず、そうでなければ社会は健全に機能しない」(20頁)。 ★「自己責任論が蔓延する現代社会において、私たちは、未来をリスクに満ちたものだと見なしている。もちろんそれは事実だろう。しかし、そのようにリスクばかりを前景化することは、傷つきやすさを抱えた他者を、特に子どもたちを、ただいたずらに脅かし、その可能性をかえって閉塞させることになるのではないだろうか。それに対して、弱い責任における保証と信頼の実践は、そうした脅威を和らげ、子どもたちの可能性を開くものとして機能するのではないだろうか。/どんな未来が待ち受けているのだとしても、「私」は大丈夫であり、その未来を生き抜くことができる――そう子供たちが信じられる世界を維持することが、大人の責任である。そしてその責任は、責任の主体同士の連帯によって、大人たちが互いに連携し、互いに頼り合うことによって、はじめて成立するのである」(201~202頁)。 ★『意識の脳科学』は、東大大学院准教授で神経科学者の渡辺正峰(わたなべ・まさたか, 1970-;正式な表記では「渡邉」)さんの『脳の意識 機械の意識――脳神経科学の挑戦』(中公新書、2017年)に続く2冊目の新書。カバー表4紹介文に曰く「意識のアップロードを可能にする秘策とは? 永遠の命を得た意識は、何を感じ、何を思うのか? 科学者人生を懸けた渾身の書」と。全16章構成で、「アップロード後の世界はどうなるか」「死を介さない意識のアップロードは可能か」「侵襲ブレイン・マシン・インターフェース」「いざ、意識のアップロード!」「意識の「生成プロセス仮説」」「AIに意識は宿るか」「意識のアップロードに向けての課題」「20年後のデジタル不老不死」など眼を惹く内容が続きます。 ★このほか最近では以下の新刊近刊との出会いがありました。 『吉本隆明全集(35)2004-2007』吉本隆明(著)、晶文社、2024年9月、本体7,100円、A5判変型上製696頁、ISBN978-4-7949-7135-7 『完訳 ビーグル号航海記(下)』チャールズ・R・ダーウィン(著)、荒俣宏(訳)、平凡社ライブラリー、2024年9月、本体2,000円、B6変型判並製548頁、ISBN978-4-582-76973-9 『ダーウィンの隠された素顔――人間の動物性とは何か』ピエール・ジュヴァンタン(著)、杉村昌昭(訳)、法政大学出版局、本体3,600円、四六判上製310頁、ISBN978-4-588-01177-1 『植民地朝鮮と〈近代の超克〉――戦時期帝国日本の思想史的一断面』閔東曄(著)、法政大学出版局、2024年9月、本体5,000円、A5判上製354頁、ISBN978-4-588-15139-2 『季刊 農業と経済 2024年夏号(90巻3号)』英明企画編集、2024年8月、本体1,700円、A5判並製224頁、ISBN978-4-909151-62-9 ★『吉本隆明全集(35)2004-2007』はまもなく発売。晶文社版全集第36回配本です。版元紹介文によれば「単行本未収録19篇。古代から近代初期までの古典から選ばれた言葉に批評を付した『思想のアンソロジー』、拉致問題や先の見えない不況など国内外の問題を語る『「ならずもの国家」異論』、生涯のうちで一番多感な想像上の「中学生」に向けて書かれた『中学生のための社会科』などを収める」。目次詳細は書名のリンク先でご確認いただけます。付属の「月報36」は、翻訳者の末次エリザベートさんによる「越えられない存在」と、写真家の島尾伸三さんによる「吉本隆明さんのこと」を収録。次回配本は第36巻(2007-2012)で、2025年1月発売予定とのことです。 ★『完訳 ビーグル号航海記(下)』は先月刊行の上巻に続く発売。下巻には第12章「中央チリ」から第21章「モーリシャス島からイングランドへ」までを収録。巻末には、ダーウィン関連略年譜、図版出典、索引三種(地名、人名、生物名)、「サンゴ礁と火山の分布図」を配し、単行本版あとがき「ダーウィン初期の出版事情について」のほか、平凡社ライブラリー版あとがき「「死の進化論」だったかもしれない‥‥ビーグル号航海」が加わっています。今回の版では、訂正や補足などの手直しをし、読みやすい文章になるよう手を入れた、とのこと。また「19世紀当時の博物航海記録から見つけた興味深い絵図も合計20枚ほど追加で」掲載したとあります。 ★法政大学出版局の最新刊より2点。『ダーウィンの隠された素顔』は、フランスの動物行動学者で生態学者のピエール・ジュヴァンタン(Pierre Jouventin, 1942-)による『La face cachée de Darwin : L'animalité de l'homme』(Libre et Solidaire, 2014)の全訳。帯文に曰く「社会ダーウィニズムの過ちを糺し、人間が生まれもった協同・利他的本能もよって競争原理を補完する方途を示す、アクチュアルなダーウィン論」と。 ★ジュヴァンタンはこう書きます。「大半の生物学者はダーウィニズムのなかに事実だけしか見ようとせず、また大半の人文科学の研究者はそこに思想だけしか見ようとしないため、ダーウィニズムの社会的含意が否定されてしまっている」(8頁)。「自然科学と人間科学は、人間本性の動物性を冷静に議論しようと望むなら、相互に補い合わなくてはならない。競争と協同を和解させ、われわれを取り巻く混乱と蒙昧から、少なくとも個人的に身を解き放たねばならない」(269頁)。ジュヴァンタンの訳書は『ペンギンは何を語り合っているか――彼らの行動と進化の研究』(青柳昌宏訳、どうぶつ社、1996年;著者名表記はジュバンタン)に続く久しぶりの2冊目です。 ★『植民地朝鮮と〈近代の超克〉』は、「1930~40年代の植民地朝鮮/帝国日本における〈近代の超克〉をめぐる思想空間を、「転換期」の歴史意識に注目しながら横断的に捉え直そうとする試み」(序章、3頁)。「植民地朝鮮/帝国日本における東亜協同体論や「世界史の哲学」をめぐる議論を、その関係性に注目しながら横断的に読み直してゆく」(14頁)。帯文に曰く「抵抗か協力かという二元論的な枠組みを問いに付し、帝国主義の構造を再考する画期的な試み」。著者の都留文科大学准教授の閔東曄(민동엽/ミン・ドンヨプ)さんにとって本書が初の単独著となります。 ★『季刊 農業と経済 2024年夏号(90巻3号)』の特集は「「地場」化する酒類の未来――日本酒、ビールの今をめぐる楽しいウンチク」。「日本の酒の未来を占う」「原料生産と製造との関係変化」「酒とともに文化と風土を発信・輸出する」「酒を基軸にした地域振興」の4部構成で、14本の論考と6本のコラム、1本の座談会が掲載されています。目次詳細は誌名のリンク先でご確認いただけます。特集頁扉の紹介文に曰く「酒類をめぐる消費と生産の動向を踏まえて、米や麦など原料生産との関係、製品のみならず文化の輸出も企図する傾向、ツーリズムを含む地域振興との関連等の視角から日本の酒類を特徴づけてその未来を展望」するとのことです。
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by urag
| 2024-09-16 13:39
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2024年 09月 08日
★まもなく発売となる注目新刊を列記します。 『ザッハー=マゾッホ集成(Ⅰ)エロス』ザッハー=マゾッホ(著)、平野嘉彦/中澤英雄/西成彦(訳)、西成彦(解説)、人文書院、2024年9月、本体10,000円、四六判上製556頁、ISBN978-4-409-13042-1 『ザッハー=マゾッホ集成(Ⅱ)フォークロア』ザッハー=マゾッホ(著)、中澤英雄(訳・解説)、人文書院、2024年9月、本体10,000円、四六判上製512頁、ISBN978-4-409-13043-8 『ザッハー=マゾッホ集成(Ⅲ)カルト』ザッハー=マゾッホ(著)、平野嘉彦(訳・解説)、人文書院、2024年9月、本体10,000円、四六判上製436頁、ISBN978-4-409-13044-5 『この生――世俗的信と精神的自由』マーティン・ヘグルンド(著)、宮﨑裕助/木内久美子/小田透(訳)、名古屋大学出版会、2024年9月、本体5,800円、A5判上製388頁、ISBN978-4-8158-1160-0 『なぜEBMは神格化されたのか――誰も教えなかったエビデンスに基づく医学の歴史』大脇幸志郎(著)、ライフサイエンス出版、2024年9月、本体5,200円、四六判並製620頁、ISBN978-4-89775-484-0 『皇帝たちの都ローマ――都市に刻まれた権力者像』青柳正規(著)、ちくま学芸文庫、2024年9月、本体1,600円、文庫判464頁、ISBN978-4-480-51250-5 『「物質」の蜂起をめざして――レーニン、〈力〉の思想』白井聡(著)、ちくま学芸文庫、2024年9月、本体1,800円、文庫判560頁、ISBN978-4-480-51253-6 『改稿 日本文法の話〔第三版〕』阪倉篤義(著)、ちくま学芸文庫、2024年9月、本体1,400円、文庫判416頁、ISBN978-4-480-51258-1 『モラル・エコノミー ――インセンティブか善き市民か』サミュエル・ボウルズ(著)、植村博恭/磯谷明徳/遠山弘徳(訳)、ちくま学芸文庫、2024年9月、本体1,500円、文庫判432頁、ISBN978-4-480-51259-8 ★『ザッハー=マゾッホ集成』全3巻が今月、3巻同時発売となります。「エロス」「フォークロア」「カルト」の3巻構成で、第Ⅰ巻「エロス」には『毛皮のヴィーナス[決定版]』(第3版、1878年)の初訳を含む全4作品を収録。第Ⅱ巻「フォークロア」は『ハサラ・ラバ――未来をのぞく夜』を含む全4作品を収録。第Ⅲ巻「カルト」には『漂泊者』を含む5篇の小説と、「ガリツィアにおけるユダヤ教の二つの宗派」を含む2篇の論考を収録。かつて桃源社版『マゾッホ選集』(全4巻別巻1、1976~1978年)が存在し、一部が文庫化されましたが、近年は品切が目立っています。今回の人文書院版集成は新しい読者との出会いの機会を作ってくれそうです。間村俊一さんによる美麗な装幀も読者を惹きつけることでしょう。 ★平野嘉彦さんによる「刊行の言葉」を引きます。「マゾッホの多くの作品は、彼の故郷であったオーストリア領ガリツィア、現在はポーランド東南部からウクライナ西部にかけてひろがっている、この地方の自然、風土、社会を主題にしている。そうした作品は、かつてわずかながら日本語に訳されもしたが、ドイツ系、ポーランド系、ウクライナ系、ユダヤ系など、さまざまなエスニシティが葛藤をはらみつつ共生する、複数の言語、宗教を擁するこの地域の特性を紹介するには、十分とはいえなかった。〔…〕「エロス」、「フォークロア」、「カルト」の三巻からなる『ザッハー=マゾッホ集成』は、多岐にわたる詳細な注解も相俟って、その作品の文化史的、思想史的な理解をも可能にするものと自負している」。 ★人文書院版集成全3巻の収録作品は版元さんのサイトで確認できますが、すでに絶版になっている桃源社版選集の収録作品を以下に列記しておきます。 『マゾッホ選集(1)毛皮を着たヴィーナス』(種村季弘訳、桃源社、1976年10月)収録作「毛皮を着たヴィーナス」→河出文庫『毛皮を着たヴィーナス』1983年4月、2004年6月新装版。 『マゾッホ選集(2)残酷な女たち 他』(飯吉光夫/福井信雄訳、桃源社、1977年3月)収録作「残酷な女たち」福井信雄訳、「風紀委員会」福井信雄訳、「醜の美学」飯吉光夫訳→河出文庫『残酷な女たち』2004年5月※福井信雄氏は池田信雄氏名義に。 『マゾッホ選集(3)ガリチア物語』(高本研一訳、桃源社、1976年11月)収録作「ガリチア物語」 『マゾッホ選集(4)密使 他』(種村季弘訳、桃源社、1977年9月)収録作「密使」「コロメアのドン・ジュアン」 『マゾッホ選集(別巻)ザッヘル=マゾッホの世界』(種村季弘著、桃源社、1978年7月)→筑摩叢書、1984年;平凡社ライブラリー、2004年。 ★『この生』は、スウェーデン生まれの哲学者で米国で教鞭を執っているマーティン・ヘグルンド(Martin Hägglund, 1976-)の著書『This Life: Secular Faith and Spiritual Freedom』(Anchor Books, 2019)の全訳。「ハイデガーやデリダの難解さを脱し、アーレントとは別の仕方で、グローバル資本主義下の人間の条件を洞察、それを超え出るヴィジョンを提起する」(帯文より)。「本書は、宗教的な読者と世俗的な読者の双方に向けて書かれている。〔…〕私たちは、永遠の不在を嘆く代わりに、有限の生を、何かが賭けられていることの条件、誰もが自由な生をおくるための条件とみなすことで、有限な生へのコミットメントを認めるべきである」(序章、10頁)。 ★「私が主張したいのは、資本主義的価値尺度にたいするマルクスの批判を展開することにより、価値を価値転換することが必要になるということである。問題となる価値転換には、私たちが自分の生を営むあり方について理論的にだけでなく実践的に変革することが必要になる。〔…〕私はマルクスが共産主義と呼んだものを参考にしつつ、民主社会主義の新たな展望の概要を示す。〔…〕私は、資本主義と自由主義をそれぞれの観点から批判することをつうじて、民主社会主義の一般原理を明確にし、その具体的な意味合いを詳述する」(20~21頁)。 ★「私たちが生きている時代は、社会的不平等、気候変動、グローバルな不正義といった問題が、宗教的なかたちをとった権威の復活と絡み合っており、そうした宗教的な権威がこれらの問題の究極的な重要性を否定するにいたっている。その結果、進歩の可能性への世俗的信から撤退することで、道徳的で精神的な生を維持するための宗教的な「充足感」の必要を主張することが支配的な趨勢となっている。本書が探求するのは、そのような政治神学のあらゆる形態にたいして戦いを挑むことである。〔…〕永遠にたいする宗教的信仰の衰退は、けっして嘆くべきことではない。それはむしろこの生それ自体を目的とする世俗的信を明確にして強化する機会をもたらすのである」(21~22頁)。 ★『なぜEBMは神格化されたのか』は、「国内外の膨大な文献を根拠にEBM誕生の歴史的背景やEBMを考案した人物たちの意図を紐解く超大作」(帯文より)。EBMとは「エビデンスに基づく医療(Evidence-Based Medicine)」のこと。本書は「臨床医学における実証的アプローチの発展と行き詰まり」「臨床の科学を夢見た人々」「噂に基づくEBM」の三部構成。目次詳細は書名のリンク先でご確認いただけます。まえがきと序がリンク先で立ち読み可能。医師の大脇幸志郎(おおわき・こうしろう, 1983-)さんは出版社勤務や医療情報サイト運営のご経験がおありとのことです。 ★ちくま学芸文庫の9月新刊は4点。『皇帝たちの都ローマ』は、古代ギリシャ・ローマ考古学者の青柳正規(あおやぎ・まさのり, 1944-)さんの著書(中公新書、1992年)の文庫化。帯文に曰く「凱旋門、神殿、コロッセウム、浴場、水路……都市から見る帝国の興亡」。文庫版解説「都市ローマでの古代との対話」は法政大学名誉教授の陣内秀信さんによるもの。陣内さんは「ローマという都市の見え方が驚くほど変わり、「古代との対話」がより深く何倍も楽しいものになる」と評しておられます。青柳さんは「文庫版あとがき」で「本書の改訂版を出版するにあたって〔後略〕」とお書きになっているので、改訂はあったものと思われます。 ★『「物質」の蜂起をめざして』は、政治学者で京都精華大学准教授の白井聡(しらい・さとし, 1977-)さんの著書(作品社、2010年;増補新版2015年)の文庫化。帯文に曰く「今こそレーニンに帰るときだ。没後100年、その真価に迫る」。文庫版解説「〈戦後日本〉の救済者」は京都大学大学院教授の細見和之さんによるもの。白井さんは「文庫版あとがき」でこう書いています。「執拗な思考だけが呼び戻されるに値する。近代資本主義社会が継続している限り、レーニンは何度でも甦る」(535頁)。本文改訂については特筆されていません。 ★『改稿 日本文法の話〔第三版〕』は、国語学者の阪倉篤義(さかくら・あつよし, 1917-1994)さんの著書(教育出版、1989年)の文庫化。巻末特記によれば、文庫化にあたり「明らかな誤りは適宜訂正し」「図版は一部差し替えた」とのことです。「日常のことばへの関心と正確な認識を得ることが文法学習の意義であると訴え、長年にわたり多くの読者に親しまれてきた定評ある概説書」(カバー表4紹介文より)。文庫版解説は青山学院大学名誉教授の近藤泰弘さんによる「日本語のもうひとつの側面を明らかにする文法書」。 ★『モラル・エコノミー』は、米国の経済学者サミュエル・ボウルズ(Samuel Bowles, 1939-)の著書(NTT出版、2017年)の文庫化。原著は『The Moral Economy: Why Good Incentives Are No Substitute for Good Citizens』(Yale University Press, 2016)です。帯文に曰く「社会実験と行動科学を武器に、あるべき社会を探る」と。文庫版解説は明治学院大学教授の亀田達也さんによるもの。亀田さんは「本書は、ポストコロナ社会における「秩序のゆらぎ」を考えるうえで、最重要の著作の一つである」と評しておられます。ボウルズの訳書が文庫化されるのはこれが初めてです。 ★このほか最近では以下の新刊との出会いがありました。 『第三風景宣言』ジル・クレマン(著)、笠間直穂子(訳)、共和国、2024年8月、本体1,800円、四六変形判並製168頁、ISBN978-4-907986-26-1 『敗北後の思想――ブロッホ、グラムシ、ライヒ』植村邦彦(著)、人文書院、2024年8月、本体2,400円、四六判並製214頁、ISBN978-4-409-04128-4 『アーレントと黒人問題』キャスリン・T・ガインズ(著)、百木漠/大形綾/橋爪大輝(訳)、人文書院、2024年8月、本体4,500円、四六判並製328頁、ISBN978-4-409-03133-9 『韓国ドラマの想像力――社会学と文化研究からのアプローチ』平田由紀江/森類臣/山中千恵(著)、人文書院、2024年8月、本体2,200円、四六判並製206頁、ISBN978-4-409-24164-6 ★『第三風景宣言』はフランスの景観デザイナーで作庭家のジル・クレマン(Gilles Clément, 1943-)の著書『Manifeste du Tiers-paysage』(Éditions du commun, 2020)の訳書。ただし、アレクシ・ペルネによる序文は割愛されています。原著はもともと初版が2004年に、改訂版が2014年に刊行されています。底本となる2020年版は最新版です。題名はシェイエス(本訳書の表記ではシエース)の『第三身分とは何か』にちなんでいます。「生物多様性を目的とした空間設計の指標として、世界各国で参照される実践のためのマニフェストの日本語版、ついに刊行」(表紙表1紹介文より)。 ★初版1000部は表紙も本文も化粧断ちをしていないアンカットの状態のため、地と小口が袋状になっています。見た目の荒々しさは新鮮で、近年まれに見る造本です。読むためにはペーパーナイフが必要ですが、切らずに所蔵したい読者のために、PDF版が頒価1000円でウェブストア「共和国ANNEX」にて販売予定とのことです。 ★人文書院の8月新刊より3点。『アーレントと黒人問題』は、米国の哲学者キャスリン・T・ガインズ(Kathryn T. Gines, 1978-;2017年よりKathryn Sophia Belleに改名)の著書『Hannah Arendt and the Negro Question』(Indiana University Press, 2014)の訳書。「本書の目的は、アーレントの黒人問題にまつわる問題だらけの主張や想定や見落としを見て見ぬふりすることなく、括弧にくくることもなしに、彼女の鋭い哲学的・政治的洞察を認定していくことにある」(序論、18頁)。なお「本書の題名はリチャード・バーンスタインの『ハンナ・アーレントとユダヤ人問題』に倣ったもの」(同、17頁)とのこと。 ★バーンスタインの『Hannah Arendt and the Jewish Question』(MIT Press, 1996)は未訳。ガインズが第1章から第3章にかけて分析しているアーレントの論考「リトルロックについて考える」(1959年)は『責任と判断』(中山元訳、ちくま学芸文庫、2016年)で読むことができます。 ★『韓国ドラマの想像力』は、日本女子大学教授の平田由紀江さんと、摂南大学准教授の森類臣さんと、京都産業大学教授の山中千恵さんの三氏による共著。「2010年代以降にヒットした韓国ドラマを、経済格差、教育、国家権力、軍事、フェミニズムなど、多様な視点から社会学的に読み解く。ドラマ案内、韓国研究入門としても最適な一冊」。「境界を越える想像力」「格差をめぐる想像力」「権力を問い直す想像力」「“つながり”への想像力」の四部構成。目次詳細は書名のリンク先でご確認いただけます。 ★『敗北後の思想』は、関西大学名誉教授の植村邦彦(うえむら・くにひこ, 1952-)さんによる書き下ろし。エルンスト・ブロッホ、アントニオ・グラムシ、ヴィルヘルム・ライヒ、E・P・トムスン、ディディエ・エリボン、デヴィッド・グレーバーらを読み解き、「20世紀のマルクス主義者たちの「敗北後の思想」がどのようなものものだったのかを見直す」(「はじめに」より)もの。「歴史的考察が現代日本の私たちの実践にとっても参考になると信じている」(「あとがき」より)とのことです。目次詳細は書名のリンク先をご覧ください。
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by urag
| 2024-09-08 21:26
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2024年 09月 01日
★まず、注目新刊既刊書を列記します。諸事情が重なり未購入のため、書誌情報を挙げるに留めます。 『水晶宮としての世界――資本とグローバル化の哲学のために』ペーター・スローターダイク(著)、高田珠樹(訳)、青土社、2024年8月、本体6,200円、46判512頁、ISBN978-4-7917-7666-5 『泥棒!――アナキズムと哲学』カトリーヌ・マラブー(著)、伊藤潤一郎/吉松覚/横田祐美子(訳)、青土社、2024年7月、本体4,200円、46判488頁、ISBN978-4-7917-7650-4 『大地に住む――ニコラ・トリュオングとの対談録』ブリュノ・ラトゥール(著)、荒金直人(訳)、以文社、2024年7月、本体2,400円、四六判上製176頁、ISBN978-4-7531-0389-8 『私たちはどこにいるのか――惑星地球のロックダウンを知るためのレッスン』ブルーノ・ラトゥール(著)、川村久美子(訳)、新評論、2024年7月、本体2,200円、四六判上製232頁、ISBN978-4-7948-1269-8 『芸術と宇宙技芸』ユク・ホイ(著)、伊勢康平(訳)、春秋社、2024年7月、本体4,500円、4-6判528頁、ISBN978-4-393-34123-0 『喜劇全集(1)』アリストパネス(著)、戸部順一(訳)、西洋古典叢書:京都大学学術出版会、2024年7月、本体4,500円、四六変判上製566頁、ISBN 978-4-8140-0484-3 『道徳教育』エミール デュルケム(著)、古川敦(訳)、丸善プラネット、2024年7月、本体4,600円、A5判408頁、ISBN978-4-86345-566-5 『真理と政治/政治における嘘』ハンナ・アーレント(著)、引田隆也/山田正行(訳)、國分功一郎(解説)、みすず書房、2024年7月、本体2,800円、四六判200頁、ISBN978-4-622-09711-2 『デカルト小品集――「真理の探求」「ビュルマンとの対話」ほか』山田弘明/吉田健太郎(編訳)、知泉学術叢書;知泉書館、2024年6月、本体4,000円、新書判上製372頁、ISBN978-4-86285-411-7 『エビデンスを嫌う人たち――科学否定論者は何を考え、どう説得できるのか?』リー・マッキンタイア(著)、西尾義人(訳)、国書刊行会、2024年5月、本体2,400円、四六判432頁、ISBN978-4-336-07619-9 『批評の「風景」――ジョン・バージャー選集』ジョン・バージャー(著)、トム・オヴァートン(編)、山田美明(訳)、草思社、2024年1月、本体3,500円、四六判472頁、ISBN978-4-7942-2695-2 ★ドイツの哲学者スローターダイク(Peter Sloterdijk, 1947-)の訳書は『方法としての演技――ニーチェの唯物論』(森田数実ほか訳、論創社、2011年5月)以来13年ぶり。フランスの科学社会学者ラトゥール(Bruno Latour, 1947-2022)は近年訳書が立て続けに刊行されていますが、7月には2点出ました。対談相手のフランス人ジャーナリストであるニコラ・トリュオング(Nicolas Truong, 1967-)にはアラン・バディウとの共著『愛の世紀』(市川崇訳、水声社、2012年)があります。 ★香港出身の哲学者ユク・ホイ(許煜)の訳書はこれで3冊目。古代ギリシアの劇作家アリストパネスの新訳は、岩波書店版『ギリシア喜劇全集』(全9巻別巻1)の第1巻~第4巻(2008~2009年、現在品切)以来で、全3巻予定。フランスの社会学者デュルケム(Émile Durkheim, 1858~1917)の晩年講義の新訳は、既訳『道徳教育論』(麻生誠/山村健訳、明治図書出版、全2巻1964年;講談社学術文庫、全1巻2010年、現在品切、電子書籍あり)以来。 米国の哲学者マッキンタイア(Lee Cameron McIntyre, 1962-)の訳書は3冊目。 ★英国の作家バージャー(John Peter Berger, 1926-2017)は、日本ではむしろ美術評論の訳書が多く、『ピカソ――その成功と失敗』(奥村三舟訳、雄渾社、1966年)、『芸術と革命』(奥村三舟訳、雄渾社、1970年)、『イメージ――視覚とメディア』(伊藤俊治訳、PARCO出版、1986年;ちくま学芸文庫、2013年)、『見るということ』(笠原美智子訳、白水社、1993年;ちくま学芸文庫、2005年)などがあります。 ★このほか最近では以下の新刊との出会いがありました。 『現代思想2024年10月臨時増刊号 総特集=ダニエル・C・デネット――1942-2024 意識と進化の哲学』青土社、2024年8月、本体2,200円、A5判並製278頁、ISBN978-4-7917-1470-4 『現代思想2024年9月号 特集=読むことの現在』青土社、2024年8月、本体1,600円、A5判並製230頁、ISBN978-4-7917-1469-8 『柚木沙弥郎 旅の手帖――中世美術に憧れて』柚木沙弥郎(著)、2024年8月、本体2,800円、4-6判232頁、ISBN978-4-582-83970-8 『尹致昊日記(6)1903–1906年』尹致昊(著)、木下隆男(訳注)、東洋文庫:平凡社、2024年8月、本体4,400円、B6変判上製函入480頁、ISBN978-4-582-80920-6 『13歳からの環境学――未来世代からの叫び』古庄弘枝(著)、藤原書店、2024年8月、本体2,200円、A5判並製216頁、ISBN978-4-86578-433-6 『「天皇学」入門ゼミナール』所功(著)、藤原書店、2024年8月、本体1,800円、四六変判並製416頁、ISBN978-4-86578-431-2 『玉井義臣の全仕事 あしなが運動六十年(3)あしなが育英会の誕生と発展 1994-2024』玉井義臣(著)、藤原書店、2024年8月、本体8,000円、A5判上製568頁+カラー口絵4頁、ISBN978-4-86578-432-9 ★月刊誌「現代思想」の9月通常号と10月臨時増刊号。9月通常号の特集は「読むことの現在」。2本の討議、市川沙央×頭木弘樹「合理的調整としての読書バリアフリー」、石岡良治×宮﨑裕助「読むことを避けてしまう時代で、それでも本を読むということ」のほか、アダム・タカハシ、田中純、沼野充義、桑木野幸司、三宅香帆、永田希、などの各氏をはじめとする論考16本を収録。10月臨時増刊号は今春逝去した米国の哲学者デネット(Daniel Clement Dennett III, 1942-2024)の追悼特集号。 ★青土社ではデネットの訳書はこれまでに、『解明される意識』(原著1991年;山口泰司訳、1998年)、『ダーウィンの危険な思想――生命の意味と進化』(原著1995年;山口泰司ほか訳、2001年;新装版2023年11月)、『解明される宗教──進化論的アプローチ』(原著2006年;阿部文彦訳、2010年)、『思考の技法──直観ポンプと77の思考術』(原著2013年;阿部文彦ほか訳、2015年)、『心の進化を解明する――バクテリアからバッハへ』(原著2017年;木島泰三訳、2018年)、『自由意志対話――自由・責任・報い』(グレッグ・D・カルーゾー共著、原著2021年;木島泰三訳、2022年)などを刊行しています。 ★平凡社の8月新刊より2点。『柚木沙弥郎 旅の手帖』は、今年1月に逝去した染色家柚木沙弥郎(ゆのき・さみろう, 1922-2024)さんによる1967年3月から6月までのヨーロッパ旅行記。同社では『柚木沙弥郎自選作品集 旅の歓び、旅の色彩』も同月に発売しています。『尹致昊日記(6)1903–1906年』は全11巻中の第6巻。帯文に曰く「日露戦争勃発と共に中央政界復帰、外務次官として日韓保護条約締結を迎える。以後、官界を持して民間人として実力養成運動に専念。訳者解説に百五人事件の背景・裁判の経過を詳説」と。東洋文庫次回配本は10月、『パットゥパーットゥ――古代タミルの「十の長詩」』(高橋孝信訳)。 ★藤原書店の8月新刊は3点。『13歳からの環境学』は、ノンフィクションライターの古庄弘枝(こしょう・ひろえ)さんによる書き下ろし。「電磁放射線/化学物質/遺伝子組み換え/感染症/地球温暖化」(帯文より)をめぐり、対話形式で若い世代に向けて環境問題を総合的に解説しています。『「天皇学」入門ゼミナール』は、京都産業大学名誉教授の所功(ところ・いさお, 1941-)さんによる「「天皇学」の根幹をなす「天皇史」に関心を持つ方々のためのゼミナール」(7頁)。「天皇学」とは藤原書店社主の藤原良雄さんによるネーミングとのこと。『玉井義臣の全仕事 あしなが運動六十年(3)』は、全4巻別巻1の第2回配本。付属する「月報2」には、田中澄江、宇井純、菊地良一の各氏とあしなが奨学生・卒業生、遺児の母親、と言った方々が寄稿されています。 #
by urag
| 2024-09-01 17:31
| ENCOUNTER(本のコンシェルジュ)
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2024年 08月 26日
2023年08月04日発売:『表象17:映像と時間――ホー・ツーニェンをめぐって』本体2,000円。 2023年08月01日発売:アレクサンドル・ヴヴェヂェンスキィ『ヴヴェヂェンスキィ全集』本体6,400円。 2023年07月28日発売:ジャン-リュック・ナンシー『否認された共同体』本体3,600円、叢書・エクリチュールの冒険第23回配本。 2023年07月28日発売:ステファヌ・マラルメ『散文詩篇』本体2,000円、叢書・エクリチュールの冒険第22回配本。 2023年06月12日発売:『多様体5:記憶/未来』本体3,000円。 2023年06月12日発売:ベンジャミン・ピケット『ヘンリー・カウ――世界とは問題である』本体6,000円。 2023年06月08日発売:フリードリヒ・シラー『シラー詩集』第1部:本体4000円、第2部:本体4,400円。 ◎重版出来: 2024年06月19日:小田原・山本編『この国の芸術』2刷(2023年11月初刷) 2024年07月24日:マルム『パイプライン爆破法』2刷(2021年12月初刷) 2024年08月01日:モリス『小さな芸術』2刷(2022年11月初刷) #
by urag
| 2024-08-26 12:32
| 販売情報
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2024年 08月 26日
2023年08月04日発売:『表象17:映像と時間――ホー・ツーニェンをめぐって』本体2,000円。 2023年08月01日発売:アレクサンドル・ヴヴェヂェンスキィ『ヴヴェヂェンスキィ全集』本体6,400円。 2023年07月28日発売:ジャン-リュック・ナンシー『否認された共同体』本体3,600円、叢書・エクリチュールの冒険第23回配本。 2023年07月28日発売:ステファヌ・マラルメ『散文詩篇』本体2,000円、叢書・エクリチュールの冒険第22回配本。 2023年06月12日発売:『多様体5:記憶/未来』本体3,000円。 2023年06月12日発売:ベンジャミン・ピケット『ヘンリー・カウ――世界とは問題である』本体6,000円。 2023年06月08日発売:フリードリヒ・シラー『シラー詩集』第1部:本体4000円、第2部:本体4,400円。 ◎重版出来: 2023年03月20日:星野太『崇高の修辞学』4刷(2017年2月初刷) 2023年03月29日:ジョルジョ・アガンベン『創造とアナーキー』2刷(2022年5月初刷) #
by urag
| 2024-08-26 12:32
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