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2020年 12月 31日

月曜社最新情報まとめ(ブログの最新エントリーは当記事の次からです)

◆公式ウェブサイト・オリジナルコンテンツ
◎2011年6月28日~:ルソー「化学教程」翻訳プロジェクト。

◆最新刊と近刊(書籍の発売日は、取次への搬入日であり、書店店頭発売日ではありません)
◎2019年11月13日発売:カール・ヤスパース『ニーチェ』本体8,400円、シリーズ・古典転生、第20回配本(本巻19)。
◎2019年11月1日発売:ラシード・ブージェドラ『ジブラルタルの征服』本体3,000円、叢書・エクリチュールの冒険、第14回配本。
◎2019年10月3日発売:ジョルジョ・アガンベン『書斎の自画像』本体2,700円、シリーズ〈哲学への扉〉第5回配本。
◎2019年10月3日発売:水野浩二『倫理と歴史』本体2,200円、シリーズ〈哲学への扉〉第4回配本。
◎2019年9月19日発売:『森山大道写真集成(2)狩人』本体5,000円。
◎2019年9月12日発売:山下純照/西洋比較演劇研究会編『西洋演劇論アンソロジー』本体3,600円。
◎2019年8月7日発売:久保明教『ブルーノ・ラトゥールの取説』本体1,800円、シリーズ〈哲学への扉〉第3回配本。
◎2019年8月7日発売:新井俊春『名人農家が教える有機栽培の技術』本体2,700円。
◎2019年5月23日発売:『森山大道写真集成(4)光と影』本体6,000円。
◎2019年5月14日発売:ジョージ・ラミング『私の肌の砦のなかで』本体3,800円、叢書・エクリチュールの冒険第13回配本。
 中村隆之氏書評「外界を隔つ「私の肌の砦」――カリブ文学を代表する作家の〈原点〉」(「週刊読書人」2019年8月30日号)
◎2019年4月26日発売:『表象13:ファッション批評の可能性』本体2,000円。
◎2019年3月22日発売:ロザリンド・E・クラウス『視覚的無意識』本体4,500円。
 志賀信夫氏書評「テキストの迷宮が絵画とは何かを問いかける」(「週刊読書人」2019年5月31日号)
 暮沢剛巳氏書評「グリーンバーグのモダニズム美術論の批判的克服、ある種の「親殺し」の書――ようやく実現した待望の邦訳の出版を素直に喜びたい」(「図書新聞」2019年6月15日号)
 沢山遼氏書評「モダニズムの視覚と欲望とは」(「美術手帖」2019年8月号「BOOK」欄)
◎2019年3月6日発売:筧菜奈子『ジャクソン・ポロック研究』本体4,000円、シリーズ・古典転生第19回配本、本巻18。
 中島水緒氏短評(「美術手帖」2019年6月号「BOOK」欄)
 大島徹也氏書評「ポロック芸術の再解釈を果敢に試みる――ポロックの装飾性の研究はさらなる発展の可能性を感じさせる」(「図書新聞」2019年6月29日号)
 黒岩恭介氏書評「整理された良質の研究書――ポロックの様式展開を考える上で、重要な問題提起を含む」(「週刊読書人」2019年7月19日号)
◎2019年2月22日発売:ハナ・ロスチャイルド『パノニカ――ジャズ男爵夫人の謎を追う』本体2,700円。
 宮下志朗氏短評(「読売新聞」2019年5月5日付書評欄)
◎2019年2月20日発売:十和田市現代美術館編『毛利悠子 ただし抵抗はあるものとする』本体2,200円。
◎2019年2月18日発売:須藤温子『エリアス・カネッティ――生涯と著作』本体3,500円、シリーズ・古典転生第18回配本、本巻17。
 古矢晋一氏書評「死者たちの群衆の後に唯一者として「生き残る」――カネッティは実に多彩な思想的、芸術的問題と格闘していた」(「図書新聞」2019年6月22日号)
◎2019年2月1日発売:松江泰治『JP-34』本体3600円。
◎2018年12月17日発売:『森山大道写真集成(1)にっぽん劇場写真帖』本体6,000円。

◆重版情報
◎2019年5月10日:甲斐義明編訳『写真の理論』2刷。
◎2019年7月26日:ロザリンド・E・クラウス『視覚的無意識』2刷。
◎2019年9月4日:久保明教『ブルーノ・ラトゥールの取説』2刷。
◎2019年10月10日:森山大道『犬と網タイツ』3刷。

◆販売情報(重版・品切・サイン本、等々)
◎品切重版検討中:『ミクロコスモス第1集』2刷、ユンガー『パリ日記』2刷、ギルロイ『ブラック・アトランティック』4刷、バトラー『権力の心的な生』新版。
◎品切重版未定:『舞台芸術05』『舞台芸術08』『表象01』『表象02』『表象04』『表象05』『表象08』『表象09』、毛利嘉孝『文化=政治』、クリフォード『ルーツ』、スピヴァク『ポストコロニアル理性批判』、ハーマッハー『他自律』、ブレイエ『初期ストア哲学における非物体的なものの理論』、片山廣子『燈火節:随筆小説集成』『新編燈火節』、竹内てるよ『静かなる夜明け』、ブランショ『書物の不在 初版朱色本』『書物の不在 第二版鉄色本』『謎の男トマ 初版本』、高柳昌行『汎音楽論集』、大里俊晴『マイナー音楽のために』、大竹伸朗『ネオンと絵具箱』、森山大道写真集『新宿』『新宿+』『大阪+』『オン・ザ・ロード』『何かへの旅』、森山大道フォトボックス『NOVEMBRE』、やなぎみわ作品集『WHITE CASKET』、川田喜久治写真集『地図』、遠藤水城編『曽根裕|Perfect Moment』、熊木裕高写真集『吠えない犬』、瀬戸正人写真集『picnic』、菱田雄介写真集『ある日、』。※書店からの返品で在庫がまれに生じる場合があります。直接、弊社までお電話かメールなどでお尋ね下さい。

◆出版=書店業界情報:リンクまとめ
◎業界紙系:「新文化 ニュースフラッシュ」「文化通信
◎一般紙系:Yahoo!ニュース「出版業界」「電子書籍」「アマゾン
◎話題系:フレッシュアイニュース「出版不況」「電子書籍」「書店経営
◎新刊書店系:日書連 全国書店新聞
◎雑談&裏話:5ちゃんねる 一般書籍

※このブログの最新記事は当エントリーより下段をご覧ください。 
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# by urag | 2020-12-31 23:59 | ご挨拶 | Trackback(1) | Comments(21)
2019年 12月 06日

取次搬入日決定:『森山大道写真集成(3)写真よさようなら』

『森山大道写真集成(3)写真よさようなら』は昨日5日に日販・楽天BNへ搬入済で、本日6日トーハンにも搬入いたしました。書店さんの店頭には週明けから順次届く予定です。どうぞよろしくお願いいたします。

# by urag | 2019-12-06 16:42 | 森山大道 | Trackback | Comments(0)
2019年 12月 01日

注目新刊:『ライプニッツ著作集 第I期 新装版』全10巻完結、ほか

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ライプニッツ著作集 第I期 新装版[1]論理学』G・W・ライプニッツ著、澤口昭聿訳、工作舎、2019年11月、本体10,000円、A5判上製416頁+手稿8頁、ISBN978-4-87502-514-6
私たちが、地球に住めなくなる前に――宇宙物理学者からみた人類の未来』マーティン・リース著、塩原通緒訳、作品社、2019年11月、本体2,200円、四六判並製256頁、ISBN978-4-86182-777-8
源氏物語といけばな――源氏流いけばなの軌跡』岩坪健著、平凡社、2019年11月、本体1,000円、A5判並製96頁、ISBN978-4-582-36460-6
江戸水没――寛政改革の水害対策』渡辺浩一著、平凡社、2019年11月、本体1,000円、A5判並製84頁、ISBN978-4-582-36461-3
弔いにみる世界の死生観』小西賢吾/山田孝子編、英明企画編集、2019年11月、本体1,000円、A5判並製176頁、ISBN978-4-909151-05-6
松本悲歌 普及版』松本圭二著、航思社、2019年12月、本体2,800円、A5判並製168頁、ISBN978-4-906738-41-0
完全版 韓国・フェミニズム・日本』斎藤真理子責任編集、河出書房新社、2019年12月、本体1,600円、A5判並製192頁、ISBN978-4-309-02837-8
都市と文明――文化・技術革新・都市秩序 第1分冊』ピーター・ホール著、佐々木雅幸監訳、藤原書店、2019年11月、本体6,500円、A5上製672頁+口絵16頁、ISBN978-4-86578-249-3
ベルク「風土学」とは何か――近代「知性」の超克』オギュスタン・ベルク/川勝平太著、藤原書店、2019年11月、本体3,000円、四六変型上製296頁、ISBN978-4-86578-248-6
大陸主義アメリカの外交理念』チャールズ・A・ビーアド著、開米潤訳、藤原書店、2019年11月、本体2,800円、四六上製264頁、ISBN978-4-86578-247-9
崩壊した「中国システム」とEUシステム――主権・民主主義・健全な経済政策』荻野文隆編、藤原書店、本体3,600円、四六判上製408頁、ISBN978-4-86578-235-6

★『ライプニッツ著作集 第I期 新装版[1]論理学』は『ライプニッツ著作集 第I期 新装版』全10巻の最終回配本。第I期全10巻と第II期全3巻が美本で購入できるタイミングというのがまさしく「今」であることを銘記したいと思います。第I期第1巻では「結合法論(抄)」「普遍的記号法の原理」「普遍的計算の試論」「概念と真理の解析についての一般的研究」などを収録。目次は書名のリンク先でご確認いただけます。帯文はこうです。「アルス・コンビナトリアとは? 普遍学構想の原点」。

★『私たちが、地球に住めなくなる前に』は、英国の宇宙物理学者、天文学者のマーティン・リース(Martin Rees, 1942-)の著書『On the Future: Prospects for Humanity』(Princeton University Press, 2018)の訳書。帯文にはロジャー・ペンローズ、イーロン・マスク、エリック・シュミットの各氏の推薦文が掲出されています。人類の未来をめぐり「希望と恐れと推測」(12頁)を提示する本書は、12年前に訳出された『今世紀で人類は終わる?』(堀千恵子訳、草思社、2007年;原著『Our Final Century?』2003年)のアップデート版と見て良いようです。

★『源氏物語といけばな』『江戸水没』は「ブックレット〈書物をひらく〉」の第20巻と第21巻。『源氏物語といけばな』は、『源氏物語』54帖にちなんで54通りの活け方を秘伝したという、18世紀後半の江戸に始まった源氏流いけばなを紹介するもの。『江戸水没』は、18世紀半ば以降の100年間に江戸を襲った水害とその対策をめぐり、人為的自然・自然現象・人間、の三者の関係を考察した災害歴史学の試み。後者は特に、台風19号の記憶も新しい現在、注目を浴びるのではないかと思われます。

★『弔いにみる世界の死生観』はシリーズ「比較文化学への誘い」の第5弾。「日本、ヨーロッパ、アフリカ、インド、中央アジア、東南アジア、ミクロネシア、極北地域などの各地について仏教、イスラーム、キリスト教等の教義に基づく弔いのありようと死生観・来世観を比較して観察」(版元紹介文より)し、その共通性と差異を考察したアンソロジー。3篇の座談会と4篇の論考をまとめています。目次詳細は書名のリンク先をご覧ください。

★『松本悲歌 普及版』は詩人でフィルム・アーキヴィストの松本圭二(まつもと・けいじ:1965-)さんの最新詩作品。「萩原朔太郎賞受賞以後の到達点」と帯文にあります。受賞は2006年であり、本書の巻頭には「松本悲歌/2006-2019/松本圭二」とシンプルに記されているほかは、まえがきもあとがきもありません。周知の通り、航思社さんでは松本さんの詩作品、小説、批評・エッセイなどを集成した「松本圭二セレクション」全9巻(2017年~2018年)を刊行されており、その継続的伴走には目を瞠るものがあります。

★『完全版 韓国・フェミニズム・日本』は、「文藝」2019年秋季号での特集を増補し単行本化した決定版。新たにイ・ラン、ユン・イヒョン、パク・ミンジョンらの小説や、ファン・ジョンウン、チェ・ウニョンらの書き下ろしエッセイ、さらに倉本さおり、豊﨑由美、ひらりさ、MOMENT JOONらによるエッセイと、江南亜美子の論考、責任編集を担当する斎藤真理子によるブックリスト、などが追加されています(以上敬称略)。ブックガイド、キーワード集、文学マップなども充実。来春には『日韓小説集(仮)』の発売も控えているそうです。

★藤原書店さんの11月新刊は4点。『都市と文明』は英国の都市計画家、地理学者のピーター・ホール(Sir Peter Geoffrey Hall, 1932-2014)の大著『Cities in Civilization: Culture, Technology, and Urban Order』London: Weidenfeld & Nicolson; New York: Pantheon Books, 1998)の訳書。全3分冊で、第Ⅰ分冊には第Ⅰ部「文化の坩堝としての都市」の第8章「創造性の鍵」までを収録。巻頭の「日本の読者へ」は、2004年2月8日の来日講演を要約したもの。大家でありながら、ホールの訳書は意外にも本書が初めてのようです。

★『ベルク「風土学」とは何か』は、フランスの地理学者オギュスタン・ベルク(Augustin Berque, 1942-)さんが2018年にコスモス国際賞を受賞した際の記念講演「持続可能性の風土学的基盤」と、静岡県知事の川勝平太(かわかつ・へいた:1948-)さんとの対談「翻訳と通態の存在論」を中心として、ベルクさんによるはしがきと序論、川勝さんによる書き下ろし論考とあとがきを加えて編まれた一冊。目次詳細は書名のリンク先でご確認いただけます。

★『大陸主義アメリカの外交理念』はアメリカの歴史家チャールズ・A・ビーアド(Charles Austin Beard, 1874-1948)の著書『A Foreign Policy for America』(Knopf, 1940)の全訳。「外交政策の性格」「アメリカの大陸主義」「アメリカの帝国主義」「国際主義の政策」「アメリカの大陸主義の粘り強さ」の全5章。アメリカの大陸主義(Continental Americanism)とは「南北アメリカ大陸に利害関係を集中させること」(26頁)であり、帝国主義や国際主義に抗する不介入的平和主義として著者は評価しています。

★『崩壊した「中国システム」とEUシステム』はフランスの政治家フランソワ・アスリノ(François Asselineau, 1957-)氏の来日(2018年10月)の記録をまとめたもの。「EU離脱を目指すフランスの政治運動の理念と分析を通して、フランスとヨーロッパさらには日本の現状と未来を展望することができる分析を提供」(399頁)すべく編まれたもの。アスリノ氏へのインタヴューや講演のほか、政治家や学者・識者らとの対談が収められています。目次詳細は書名のリンク先でご確認いただけます。

★11月新刊の投げ込み冊子である月刊「機」2019年11月号(332号)によれば、藤原書店さんはいよいよ来月、ブルデューの『世界の悲惨』(全3巻)の第1分冊と、バディウの主著『存在と出来事』(藤本一勇訳)を刊行するとのことです。『存在と出来事』の個人完訳にはただただ驚くばかりで、理系出身の藤本さんならではの労作ではないかと想像します。たいへん楽しみです。

+++


# by urag | 2019-12-01 23:41 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
2019年 11月 29日

取次搬入日決定:『KIMI SAKAI twinkle』

榊貴美さんの初作品集『KIMI SAKAI twinkle』の取次搬入日が決まりました。トーハンは本日11月29日(金)、日販と楽天ブックスネットワークは12月2日(月)です。書店さんの店頭に並び始めるのは来週後半以降になるかと思われます。どこの書店さんに並んでいるかについては地域をご指定のうえ、お尋ねいただけると幸いです。

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# by urag | 2019-11-29 17:09 | 販売情報 | Trackback | Comments(0)
2019年 11月 24日

注目新刊:宇野邦一さん個人訳「ベケット没後30年小説三部作」完結、ほか

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くたばれインターネット』ジャレット・コベック著、浅倉卓弥訳、ele-king books:Pヴァイン、2019年11月、本体2,600円、ISBN978-4-909483-43-0
名づけられないもの』サミュエル・ベケット著、宇野邦一訳、河出書房新社、2019年11月、本体2,800円、46判上製262頁、ISBN978-4-309-20787-2
呪われた詩人たち』ポール・ヴェルレーヌ著、倉片健作訳、ルリユール叢書:幻戯書房、2019年11月、本体3,200円、四六変上製280頁、ISBN978-4-86488-184-5
アムール・ジョーヌ』トリスタン・コルビエール著、小澤真訳、ルリユール叢書:幻戯書房、2019年11月、本体5,600円、四六変上製544頁、ISBN978-4-86488-185-2
『アレ Vol.7:休――rest, break, in-active』アレ★Club、2019年11月、本体1,400円、A5判並製272頁、ISDN278-4-572741-07-0
東アジアのイノベーション――企業成長を支え、起業を生む〈エコシステム〉』木村公一朗編、作品社、2019年11月、本体2,600円、ISBN978-4-86182-783-9
アルジェリア、シャラ通りの小さな書店』カウテル・アディミ著、平田紀之訳、作品社、2019年11月、本体2,200円、46判上製248頁、ISBN978-4-86182-784-6
小尾俊人日誌 1965-1985』小尾俊人著、中央公論新社、2019年11月、本体3,200円、四六判上製304頁、ISBN978-4-12-005251-4
歴史探究のヨーロッパ――修道制を駆逐する啓蒙主義』佐藤彰一著、中公新書、2019年11月、本体900円、新書判288頁、ISBN978-4-12-102567-8
スピノザ――〈触発の思考〉』浅野俊哉著、明石書店、2019年11月、本体3,000円、4-6判上製384頁、ISBN978-4-7503-4911-4
北斎――十八世紀の日本美術』エドモン・ド・ゴンクール著、隠岐由紀子訳、東洋文庫:平凡社、2019年11月、本体3,200円、B6変判上製函入372頁、ISBN978-4-582-80897-1

★『くたばれインターネット』は、トルコ系移民の子孫だというアメリカの作家ジャレット・コベック(Jarett Kobek)が自ら立ち上げた出版社「We Heard You Like Books」で2016年に出版した『i hate the internet』の翻訳。「ツイッター時代のヴォネガット」と「タイムズ」誌で賞賛されたベストセラーです。政治家、アーティスト、作家、実業家、等々、あらゆるセレブたち(巨大ネット通販の創業者を含む)をこき下ろしつつ、小説という一般概念なぞぶっ壊しかねないテンションで疾走する、ネット時代の自称「ひどい小説」。

★「ネットというものは、文化のような顔をしてやってきた技術革新の生み出した、知性の封建制度以外の何ものでもない」(33頁)。「今やアメリカ文学の担う役割というものは奴隷労働者を搾取することである。あなたが今お読みになっているこの本がまさにその好例となる」(32頁)。「無関係なごわごわとした手触りの悪い中身が次から次へと現れてくるコンピューターネットワークの姿をまねたひどい小説を書くしかない」(34頁)。「ガーディアン」紙が「文化的な診断による怒りのコメディ」と評したのは的確であるように思われます。

★『名づけられないもの』は宇野邦一さんによる「ベケット没後30年個人訳小説三部作」の第3弾完結編。「『モロイ』、『マロウン死す』に続いてベケットが欠いた作品『名づけられないもの』は、前の二作にもまして法外な作品である。もはや「あらすじ」を言うことなどほとんど不可能、無意味であり、どういう作品なのか、はたして小説であるのか、それだって明言することは難しい」と宇野さんは訳者あとがきで書いておられます。原著は『L'Innommable』(Minuit, 1953/2004)で、既訳には安藤元雄訳と岩崎力訳があります。

★「もうあなたに言ったとおり、私は進退窮まっていますが、この最後の仕事にいちばんこだわっています。ここからぬけ出ようとしても、出られないでいます」とベケットはジェローム・ランドン宛ての1951年9月10日付の手紙に書いたといいます。「言葉があるかぎりそれを言わなくてはならない〔…〕奇妙な罰、奇妙な過失〔…〕言葉は私をたぶん私の物語の限界まで連れて行った、私の物語に向けて開く扉の前に」(237頁)。同書の「栞」の中で詩人の吉増剛造さんは「“巨大な吐息”なのだ、ベケットは」と綴っておられます。

★『呪われた詩人たち』は、幻戯書房のシリーズ「ルリユール叢書」の第3回配本。「コルビエール、ランボー、マラルメらを世に知らしめ、同時代人の蒙を開き、次代に甚大な影響をもたらした詩人ヴェルレーヌによる画期的評論」(帯文より)。原著『Les Poètes maudits』は初版が1884年、新版が1888年に刊行。既存の抄訳には鈴木信太郎訳『呪はれた詩人達』(創元社、1951年)などがありますが、初版の「緒言」を併せて訳出した全訳は本書が初めてです。論じられている対象は、上記3名のほか、デボルド=ヴァルモール、ヴィリエ・ド・リラダン、哀れなルリアンの計6名。最後のルリアンというのはほかならぬヴェルレーヌ自身のこと。

★『アムール・ジョーヌ』は同じくルリユール叢書第3回配本の2点目。「中原中也の愛した呪われた詩人コルビエールと海の男の子守唄……。中也はコルビエールに何を見たのか。解答は、その詩のなかに。あの名高き『黄色い恋』の、全訳完全版」(帯文より)。トリスタン・コルビエール(Tristan Corbière, 1845–1875)はフランスの詩人で、本書の原著『Les Amours jaunes』(1873年)は29歳で夭折した彼が自費出版したただひとつの詩集です。既存の抄訳には中原中也訳や篠田一士訳などがあります。なお今回の完訳版では「アルモールの海岸」の章でロマナン版(1935年)掲載の挿絵の数々を収めています。

★『アレ Vol.7』は本日11月24日に第29回「文学フリマ東京」にて発売開始。特集は「休」。発行元紹介文によれば「寝る」や「暇を持て余す」といった静的なものから「レジャー」や「アクティビティ」といった動的なものまで包含する「休む・休み」という行為・概念について、様々な角度から考察を試み」るもの。巻頭を飾るのは國分功一郎さんへのインタビュー「これからの「休み」を哲学する」(8~33頁)。特集頁掉尾を飾る佐藤克文さんへのインタビュー「「バイオロギング」から見えてくる動物の休息」(170~196頁)も要注目です。

★『東アジアのイノベーション』は、巻末謝辞によればJETROアジア経済研究所で2017年4月から2019年3月まで実施した「アジアの企業とイノベーション」研究会の成果。「本書では、東アジアのなかでも起業の話題が増えたシンガポールや台湾、中国を対象に、起業を通じたイノベーションを支える環境がどのように発展してきたのかを紹介する」(ii頁)。主要目次は以下の通り。

はじめに
序章 東アジア経済の変化:イノベーションの新たな担い手|木村公一朗・牧兼充
 コラム(1)韓国のスタートアップ|安倍誠
第1章 大学の起業家育成:シンガポール国立大学の事例|福島路
 コラム(2)タイのエコシステムの現状と今後の展望|越陽二郎
第2章 「シリコンバレー志向型政策」の展開:台湾の事例|川上桃子
 コラム(3)シリコンバレーとアジアをつなぐ移民起業家たち|川上桃子
第3章 ベンチャーキャピタル:中国の事例|丁可
 コラム(4)中国「政府引導基金」の実態|丁可
第4章 コワーキングスペース:中国「衆創空間」の事例|伊藤亜聖
 コラム(5)中国のスタートアップの特許|木村公一朗
第5章 大学のスタートアップ支援:中国・清華大学の事例|周少丹・林幸秀
 コラム(6)日本のエコシステムとディープテック|伊藤毅
第6章 オープンソースとマスイノベーション:メイカー向けハードウェア・スタートアップの事例|高須正和
 コラム(7)スタートアップ・コミュニティにおける成功者の役割|福嶋路
第7章 シェアリング・エコノミー:中国の事例|丸川知雄
 コラム(8)スター・サイエンティストが拓く日本のエコシステム|牧兼充
終章 起業を通じたイノベーションの今後|木村公一朗
謝辞
エコシステムの構成要素
索引

★『アルジェリア、シャラ通りの小さな書店』は、アルジェリア出身でパリ在住の作家カウテル・アディミ(Kaouther Adimi, 1986-)による長篇小説第3作『Nos Richesses』(Seuil, 2017)の全訳。訳者あとがきによれば本書は「1930年代半ばにアルジェに書店兼出版社を開き、以後30年以上にわたり多くの優れた文学書を世に出した実在の伝説的出版人の波乱に満ちた半生を描く」もの。伝説の出版人というのは、エドモン・シャルロ(Edmond Charlot, 1915-2004)のこと。カミュ、グルニエ、ヴェルコール、サン=テグジュペリ、ジャン・ジオノ、アンリ・ボスコ、等々、多くの作家が登場します。

★『小尾俊人日誌 1965-1985』は、みすず書房創業者で編集者の小尾俊人(おび・としと:1922-2011)さんの日誌150冊からその核心部分を翻刻したもの。思想史家の市村弘正(いちむら・ひろまさ:1945-)さんと、みすず書房の編集者をお務めだった加藤敬事(かとう・けいじ:1940-)さんが編纂され、「まえおき」「おわりに」、そして解説対談「『小尾俊人日誌』の時代」を担当されています。丸山眞男さんや藤田省三さんらとの浅からぬ関係など、戦後思想史の貴重な証言となっており、業界人必読です。

★『歴史探究のヨーロッパ』は、2014年刊『禁欲のヨーロッパ』、2016年刊『贖罪のヨーロッパ』、2017年刊『剣と清貧のヨーロッパ』、2018年『宣教のヨーロッパ』と続いてきた西洋中世史家の佐藤彰一(さとう・しょういち:1945-)さんによる、西欧の修道院および修道制の歴史をめぐる一連の著書の第5作。「人文主義から啓蒙主義へ、キリスト教文明の転機」と帯文にあります。「方法的懐疑の思想が知識人の世界を席巻し、それが導きの糸となって、啓蒙思想の君臨が始まる。啓蒙思想は考証学的歴史を駆逐し、考証を欠いた歴史、というより正確には歴史人類学、歴史社会学を前面に押し出すことになった。啓蒙史学と呼ばれる潮流から生まれたモンテスキューの『法の精神』やルソーの『社会契約論』はそうした一例であるし、その延長線上にあるマルクス主義歴史学と称されるものも同じである」(239~240頁)。主要目次は以下の通り。

はじめに
第一章 人文主義と宗教論争
第二章 ブールジュ学派の射程――歴史と法学
第三章 サン・モール会の誕生と発展
第四章 ジャン・マビヨンとその時代
第五章 修史事業の展開
第六章 デカルトかライプニッツか
第七章 考証学(エリュデシオン)の挫折
第八章 啓蒙と功利主義の展開と修道制
終章 ヨーロッパ修道制の歴史的意義
あとがき
参考文献
索引(事項・人名)

★『スピノザ――〈触発の思考〉』はまもなく発売。『スピノザ――共同性のポリティクス』(洛北出版、2006年)につぐ、浅野俊哉(あさの・としや:1962-)さんによるスピノザ論の第二書。『思想』誌やお勤め先の関東学院大学法学部の各種紀要に2007年から2019年にわたって発表されてきた7篇の論考に巻頭の「はじめに」を加えて収録。目次詳細は書名のリンク先をご覧ください。思想史上の「異物」としてのスピノザが後世にもたらした触発=変様(アフェクチオ)を辿る力作。

★『北斎』はフランスの作家で評論家のエドモン・ド・ゴンクール(Edmond de Goncourt, 1822-1896)による最晩年の著書『Hokousaï : l'art japonais au XVIIIe siècle』(1896年)の全訳。帯文に曰く「今では世界的に著名な北斎を、1世紀以上前に評価し愛して書かれた名著」と。全60章。第1章の書き出しはこうです。「地球上には、過去に決別したあらゆる才能に対する不公平な評価というものが存在する!」(21頁)。本書と双璧を成すゴンクールの『歌麿』は同じく隠岐由紀子(おき・ゆきこ:1949-)さんによって東洋文庫より2005年に刊行されています。

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# by urag | 2019-11-24 23:46 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
2019年 11月 20日

ブックツリー「哲学読書室」に築地正明さんの選書リストが追加されました

オンライン書店「honto」のブックツリー「哲学読書室」に、『わたしたちがこの世界を信じる理由――『シネマ』からのドゥルーズ入門』(河出書房新社、2019年11月)の著者、築地正明さんによるコメント付き選書リストが掲載されました。以下のリンク先一覧からご覧になれます。

◎哲学読書室
1)星野太(ほしの・ふとし:1983-)さん選書「崇高が分かれば西洋が分かる
2)國分功一郎(こくぶん・こういちろう:1974-)さん選書「意志について考える。そこから中動態の哲学へ!
3)近藤和敬(こんどう・かずのり:1979-)さん選書「20世紀フランスの哲学地図を書き換える
4)上尾真道(うえお・まさみち:1979-)さん選書「心のケアを問う哲学。精神医療とフランス現代思想
5)篠原雅武(しのはら・まさたけ:1975-)さん選書「じつは私たちは、様々な人と会話しながら考えている
6)渡辺洋平(わたなべ・ようへい:1985-)さん選書「今、哲学を(再)開始するために
7)西兼志(にし・けんじ:1972-)さん選書「〈アイドル〉を通してメディア文化を考える
8)岡本健(おかもと・たけし:1983-)さん選書「ゾンビを/で哲学してみる!?
9)金澤忠信(かなざわ・ただのぶ:1970-)さん選書「19世紀末の歴史的文脈のなかでソシュールを読み直す
10)藤井俊之(ふじい・としゆき:1979-)さん選書「ナルシシズムの時代に自らを省みることの困難について
11)吉松覚(よしまつ・さとる:1987-)さん選書「ラディカル無神論をめぐる思想的布置
12)高桑和巳(たかくわ・かずみ:1972-)さん選書「死刑を考えなおす、何度でも
13)杉田俊介(すぎた・しゅんすけ:1975-)さん選書「運命論から『ジョジョの奇妙な冒険』を読む
14)河野真太郎(こうの・しんたろう:1974-)さん選書「労働のいまと〈戦闘美少女〉の現在
15)岡嶋隆佑(おかじま・りゅうすけ:1987-)さん選書「「実在」とは何か:21世紀哲学の諸潮流
16)吉田奈緒子(よしだ・なおこ:1968-)さん選書「お金に人生を明け渡したくない人へ
17)明石健五(あかし・けんご:1965-)さん選書「今を生きのびるための読書
18)相澤真一(あいざわ・しんいち:1979-)さん/磯直樹(いそ・なおき:1979-)さん選書「現代イギリスの文化と不平等を明視する
19)早尾貴紀(はやお・たかのり:1973-)さん/洪貴義(ほん・きうい:1965-)さん選書「反時代的〈人文学〉のススメ
20)権安理(ごん・あんり:1971-)さん選書「そしてもう一度、公共(性)を考える!
21)河南瑠莉(かわなみ・るり:1990-)さん選書「後期資本主義時代の文化を知る。欲望がクリエイティビティを吞みこむとき
22)百木漠(ももき・ばく:1982-)さん選書「アーレントとマルクスから「労働と全体主義」を考える
23)津崎良典(つざき・よしのり:1977-)さん選書「哲学書の修辞学のために
24)堀千晶(ほり・ちあき:1981-)さん選書「批判・暴力・臨床:ドゥルーズから「古典」への漂流
25)坂本尚志(さかもと・たかし:1976-)さん選書「フランスの哲学教育から教養の今と未来を考える
26)奥野克巳(おくの・かつみ:1962-)さん選書「文化相対主義を考え直すために多自然主義を知る
27)藤野寛(ふじの・ひろし:1956-)さん選書「友情という承認の形――アリストテレスと21世紀が出会う
28)市田良彦(いちだ・よしひこ : 1957-)さん選書「壊れた脳が歪んだ身体を哲学する
29)森茂起(もりしげゆき:1955-)さん選書「精神分析の辺域への旅:トラウマ・解離・生命・身体
30)荒木優太(あらき・ゆうた:1987-)さん選書「「偶然」にかけられた魔術を解く
31)小倉拓也(おぐら・たくや:1985-)さん選書「大文字の「生」ではなく、「人生」の哲学のための五冊
32)渡名喜庸哲(となき・ようてつ:1980-)さん選書「『ドローンの哲学』からさらに思考を広げるために
33)真柴隆弘(ましば・たかひろ:1963-)さん選書「AIの危うさと不可能性について考察する5冊
34)福尾匠(ふくお・たくみ:1992-)さん選書「眼は拘束された光である──ドゥルーズ『シネマ』に反射する5冊
35)的場昭弘(まとば・あきひろ:1952-)さん選書「マルクス生誕200年:ソ連、中国の呪縛から離れたマルクスを読む。
36)小林えみ(こばやし・えみ:1978-)さん選書「『nyx』5号をより楽しく読むための5冊
37)小林浩(こばやし・ひろし:1968-)選書「書架(もしくは頭蓋)の暗闇に巣食うものたち
38)鈴木智之(すずき・ともゆき:1962-)さん選書「記憶と歴史――過去とのつながりを考えるための5冊
39)山井敏章(やまい・としあき:1954-)さん選書「資本主義史研究の新たなジンテーゼ?
40)伊藤嘉高(いとう・ひろたか:1980-)さん選書「なぜ、いま、アクターネットワーク理論なのか
41)早尾貴紀(はやお・たかのり:1973-)さん選書「映画論で見る表象の権力と対抗文化
42)門林岳史(かどばやし・たけし:1974-)さん選書「ポストヒューマンに抗して──状況に置かれた知
43)松山洋平(まつやま・ようへい:1984-)さん選書「イスラムがもっと「わからなく」なる、ナマモノ5選
44)森田裕之(もりた・ひろゆき:1967-)さん選書「ドゥルーズ『差異と反復』へ、そしてその先へ
45)久保田晃弘 (くぼた・あきひろ:1960-)さん選書「新たなる思考のためのメタファーはどこにあるのか?
46)亀井大輔(かめい・だいすけ:1973-)さん選書「「歴史の思考」へと誘う5冊
47)須藤温子(すとう・はるこ:1972-)さん選書「やわらかな思考、奇想の知へようこそ!
48)斎藤幸平(さいとう・こうへい:1987-)さん選書「マルクスと環境危機とエコ社会主義
49)木澤佐登志(きざわ・さとし:1988-)さん選書「いまさら〈近代〉について考えるための5冊
50)筧菜奈子(かけい・ななこ:1986-)さん選書「抽象絵画を理解するにうってつけの5冊
51)西山雄二(にしやま・ゆうじ:1971-)さん選書「フランスにおける動物論の展開
52)山下壮起(やました・そうき:1981-)さん選書「アフリカ的霊性からヒップホップを考える
53)綿野恵太(わたの・けいた:1988-)さん選書「「ポリティカル・コレクトネス」を再考するための5冊
54)久保明教(くぼ・あきのり:1978-)さん選書「文系的思考をその根っこから科学技術へと開くために
55)築地正明(つきじ・まさあき:1981-)さん選書「信仰について考える。ベルクソンとドゥルーズと共に

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# by urag | 2019-11-20 18:05 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
2019年 11月 17日

注目新刊:ハラリ第3作『21 Lessons』河出書房新社、ほか

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21 Lessons――21世紀の人類のための21の思考』ユヴァル・ノア・ハラリ著、柴田裕之訳、河出書房新社、2019年11月、本体2,400円、46判上製472頁、ISBN978-4-309-22788-7
オリジン・ストーリー ――138億年全史』デイヴィッド・クリスチャン著、柴田裕之訳、筑摩書房、2019年11月、本体2,200円、四六判並製416頁、ISBN978-4-480-85818-4
美味しい進化――食べ物と人類はどう進化してきたか』ジョナサン・シルバータウン著、熊井ひろ美訳、インターシフト発行、合同出版発売、2019年11月、本体2,400円、四六判上製336頁、ISBN978-4-7726-9566-4
河内音頭』鷲巣功著、ele-king books: Pヴァイン、2019年11月、本体3,000円、四六判上製304頁、ISBN978-4-909483-44-7
『テクストとしての都市 メキシコDF』柳原孝敦著、東京外国語大学出版会、2019年11月、本体1,900円、四六判変形並製272頁、ISBN978-4-904575-78-9

★『21 Lessons〔トゥエンティワン・レッスンズ〕』はまもなく発売。2014年『サピエンス全史』(邦訳上下巻、2016年)、2016年『ホモ・デウス』(邦訳上下巻、2018年)に続く、歴史学者ハラリ(Yuval Noah Harari, 1976-)の第3作『21 Lessons for the 21st Century』(Spiegel & Grau / Jonathan Cape, 2018)の全訳です。訳者あとがきによれば「原著刊行後に著者が行なった改訂や、日本語版用の加筆・変更を反映している」とのこと。「最初の拙著『サピエンス全史――文明の構造と人類の幸福』では、人間の過去を見渡し、ヒトという取るに足りない霊長類が地球という惑星の支配者となる過程を詳しく考察した。/第二作の『ホモ・デウス――テクノロジーとサピエンスの未来』では、生命の遠い将来を探究し、人間がいずれ神となる可能性や、知能と意識が最終的にどのような運命をたどるかについて、入念に考察した。/本書では、「今、ここ」にズームインしたいと思っている」(はじめに、7~8頁)。はじめに全文、推薦文、関連動画などをまとめた特設サイトが公開されています。目次は書名のリンク先でご確認いただけます。本書が扱う21の主題は以下の通り。幻滅、雇用、自由、平等、コミュニティ、文明、ナショナリズム、宗教、移民、テロ、戦争、謙虚さ、神、世俗主義、無知、正義、ポスト・トゥルース、SF、教育、意味、瞑想。

★『オリジン・ストーリー』は発売済。『Origin Story: A Big History of Everything』(Little, Brown and Company, 2018)の訳書。ユヴァル・ノア・ハラリの訳書も手掛ける翻訳家の柴田裕之(しばた・やすし)さんによるもので、世界29カ国語に翻訳が決定しているというベストセラーの日本上陸です。まえがき全文、目次、推薦文、関連動画、関連イベントなどを紹介した特設ページが公開されています。「私たち現代人は慢性的な分裂と意味の欠如の状態に陥ることを運命づけられてはいない〔…〕。現代という創造的な大嵐の中で、新しいグローバルなオリジン・ストーリーが現れつつある。〔…〕入念に吟味された情報と知識から成るグローバルな遺産を拠り所にしており、世界中の人間の社会と文化を受け容れる、初めてのオリジン・ストーリーだ〔…〕。その創出は集団的でグローバルな事業であり、それはブエノスアイレスでも北京でも、ラゴスでもロンドンでも通用する物語であるべきだ」(まえがき、10頁)。著者のデイヴィッド・クリスチャン(David Christian, 1946-)はマッコーリー大学教授の歴史学者。同大学のビッグヒストリー研究所所長を務めています。

★『美味しい進化』はまもなく発売。『Dinner with Darwin: FOOD, DRINK, AND EVOLUTION』(The University of Chicago Press, 2017)の訳書。目次、第1章、解説は、書名のリンク先で立ち読みできます。帯文に曰く「進化美食学をご一緒に」。「さまざまな食べ物は進化の産物であるだけではなく、長い歴史の中で人間が選択・改良し進化させてきた賜物でもある。一方で、私たち自身も食べ物によって、脳や遺伝子が変わっている。人間が食べ物を変え、食べ物が人間を変えた――本書はそんな壮大な進化の物語を、料理の起源から未来の食べ物まで、知的栄養に富んだディナーとともに供してくれる」(巻末解説より)。著者のジョナサン・シルバータウン(Jonathan Silvertown)はエディンバラ大学教授。専門は進化生態学。著書の既訳に、『植物の個体群生態学 第2版』(河野昭一/大原雅/高田壮則訳、東海大学出版会、1992年)、『なぜ老いるのか、なぜ死ぬのか、進化論でわかる』(寺町朋子訳、インターシフト、2016年)があります。

★『河内音頭』は書き下ろし。帯文(表4)に曰く「洋楽で育った著者が「音頭」に衝撃を受けて40年。日本の音楽文化論に一石を投じる快著、ついに登場」。目次詳細は書名のリンク先でご確認いただけます。「わたしにとっては、北米黒人達の生み出す音楽は圧倒的だった。〔…〕わたし達にはとても敵わないところに彼らの世界はあった。それを安易に真似して、表ヅラを誤魔化して過ぎていくこの国の音楽は、まったく情けなかった」(あとがき、287頁)。「それをひっくり返してくれたのが河内音頭だ。いきなりの実演で触れたこの生々しさ、独創性、真実味、説得力、そして同時代的な感性。これら全てがわたしの、それまでの、いい加減な音楽体験、知識、判断をぶっ飛ばした」(同頁)。河内音頭とその歴史、文化的背景をめぐる長年の体験と考察が本書に凝縮されています。鷲巣功(わしず・いさお:1954-)さんはライター、ラジオDJ、イベント制作、CDプロデュースなど多彩なご活躍で知られています。首都圏河内音頭推進協議会の議長をお務めです。

★『テクストとしての都市 メキシコDF』はシリーズ「テクストとしての都市」の第1弾。「文献を通じ、想像力を通じ、他者の記憶を通じ、都市の迷路に分け入り、過去を幻視しつつ、都市の現在を時空を超えて語る、渾身の紀行文学的都市論の誕生」(版元紹介文要旨)。写真や地図など、図版多数。カバーにはブックカフェ「ペンドゥロ」(「振り子」の意)の写真があしらわれています。同店については最終章「書店と図書館」に言及があります。巻頭のプロローグ「コンデサ」も、本屋(ロサリオ・カステリャーノス書店)での店員とのやりとりを記したもの。「本は世界であり、書店は世界である」(263頁)。執筆前の本書のことを「メキシコ市をめぐる集合的記憶の本」と表現した、著者の柳原孝敦(やなぎはら・たかあつ:1963-)さんは、東京外国語大学教授を経て現在、東京大学大学院人文社会系研究科教授。ご専門は専門は、スペイン語圏文学・思想文化論です。

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# by urag | 2019-11-17 19:12 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
2019年 11月 15日

保管:2018年10月既刊情報

◎2018年10月5日発売:東琢磨ほか編『忘却の記憶 広島』本体2,400円。
 好井裕明氏書評「読み応えのあるヒロシマ論――「記憶」の「劣化」を防ぐために」(「週刊読書人」12月8日号)
 渡邊英理氏書評「「忘却の口」=他なる記憶の穴へとはいりこむ――「信頼」への「信頼」を忘れていたかもしれないことに、わたしたちは本書を通じて気づくことができる」(「図書新聞」2019年1月19日号)
◎2018年10月1日発売:AYUO『OUTSIDE SOCIETY』本体2,000円。
 松山晋也氏書評「稀有な体験を糧に唯一無二の視点からの優れた音楽論」(「intoxicate」#137(2018 December)O-CHA-NO-MA REVIEW「BOOK」欄)



# by urag | 2019-11-15 00:23 | 販売情報 | Trackback | Comments(0)
2019年 11月 15日

トーク・イベント:岡田温司「知識人と書斎――アガンベン自伝に見る書斎のかたち」

弊社10月新刊、ジョルジョ・アガンベン『書斎の自画像』の刊行を記念し、訳者の岡田温司さんが、誠品生活日本橋店にてお話しをして下さることになりました。参加無料です。ご予約は催事名のリンク先で承っております。

◎『書斎の自画像』刊行記念トークショー「知識人と書斎――アガンベン自伝に見る書斎のかたち

講師:岡田温司(おかだ・あつし:京都大学大学院教授)
進行:小林浩(こばやし・ひろし:月曜社取締役)
日時:2019年12月8日(日) 15:00 〜 16:30 ※開場14:30~
場所:コレド室町テラス2階 誠品生活日本橋 FORUM
ご参加:無料。椅子席 30名(事前にご予約が必要です)

内容:世界的に著名なイタリアの哲学者ジョルジョ・アガンベン(1942-)の自伝的エッセイ集『書斎の自画像』が月曜社より刊行され、11月度の誠品選書に選ばれました。様々な知識人や書物との出会いを率直に語った同書をひもときつつ、訳者の岡田さんがアガンベンとの出会いや彼の思想の魅力、20世紀の知識人像とこんにちの変化、などについて語ります。

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# by urag | 2019-11-15 00:08 | イベント告知 | Trackback | Comments(0)
2019年 11月 11日

取次搬入日決定:ヤスパース『ニーチェ』

「シリーズ・古典転生」第20回配本(本巻19)の、カール・ヤスパース『ニーチェ――彼の〈哲学すること〉の理解への導き』(佐藤真理人訳)の取次搬入日が決定しました。日販、トーハン、楽天ブックスネットワーク、いずれも13日(水)です。書店さんの店頭に並び始めるのは15日以降になるかと思われます。どうぞよろしくお願いいたします。
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# by urag | 2019-11-11 21:33 | 販売情報 | Trackback | Comments(0)