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2018年 12月 31日

月曜社の出版物【2018】

弊社は2018年12月7日で創業満18周年を迎え、19年目の営業へと入りました。今年一年の皆様のご愛顧に深く御礼申し上げます。来年もどうぞよろしくお願いいたします。

◎2018年の発行/発売実績

自社発行
01月31日:ヴィンフリート・メニングハウス『生のなかば』本体2,500円、叢書・エクリチュールの冒険10【独文/詩論】
02月16日:『多様体 第1号:人民/群衆』本体2,500円【思想誌】
03月16日:佐藤真理恵『仮象のオリュンポス』本体3,400円、シリーズ・古典転生本巻16【表象文化論】
04月05日:ジャン=リュック・ナンシー『ミューズたち』本体2,700円、芸術論叢書5【芸術論】
04月24日:岡田聡/野内聡編『交域する哲学』本体3,500円【哲学】
05月22日:荒木優太『仮説的偶然文学論』本体2,000円、哲学への扉1【日文/批評】
06月27日:岡田温司『アガンベンの身振り』本体1,500円、哲学への扉2【人文/哲学】
08月16日:ステファヌ・マラルメ『詩集』本体2,200円、叢書・エクリチュールの冒険11【仏文/詩】
08月20日:エドワード・ブルワー=リットン『来るべき種族』本体2,400円、叢書・エクリチュールの冒険12【英文/小説】
10月01日:AYUO『OUTSIDE SOCIETY』本体2,000円【音楽】
10月05日:東琢磨/川本隆史/仙波希望編『忘却の記憶 広島』本体2,400円【歴史】
12月17日:『森山大道写真集成(1)にっぽん劇場写真帖』本体6,000円【写真】

自社重版
03月07日:ドリーン・マッシー『空間のために』2刷【社会】
04月13日:アガンベン『アウシュヴィッツの残りのもの』8刷【哲学】

発売元請負
04月23日:表象文化論学会『表象12:展示空間のシアトリカリティ』本体2,000円【人文・思想】

製作請負
11月21日:日本ヤスパース協会『コムニカチオン 第25号』【哲学】

以上、自社本12点、重版2点、発売元請負1点、製作請負1点でした。19期目も出版事業に微力を尽くします。どうぞよろしくお願いいたします。

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by urag | 2018-12-31 23:52 | ご挨拶 | Trackback | Comments(0)
2018年 12月 24日

注目新刊:フランチェスコ・コロンナ『ヒュプネロートマキア・ポリフィリ』八坂書房、ほか

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ヒュプネロートマキア・ポリフィリ――全訳・ポリフィルス狂恋夢』フランチェスコ・コロンナ著、大橋喜之訳、八坂書房、2018年12月、本体6,900円、A5判上製858頁、ISBN978-4-89694-255-2
西欧中世宝石誌の世界――アルベルトゥス・マグヌス『鉱物書』を読む』大槻真一郎著、澤元亙編、八坂書房、2018年8月、本体3,500円、A5判上製304頁、ISBN978-4-89694-252-1
ゾシモスのヴィジョン――古代ギリシアの錬金術師による夢見の指南書』C・G・ユング著、老松克博訳、竜王文庫、2018年10月、本体1,800円、A5判並製140頁、ISBN978-4-89741-560-4

★『ヒュプネロートマキア・ポリフィリ』は1499年に刊行された幻想的な夢物語の初完訳。著者はドメニコ会士のフランチェスコ・コロンナとされていますが、詳細はよく分かっていません。今回の完訳書では、木版画172点をすべて掲載するほか、参考図版として1546年の仏訳初版本で増補された図版も抜粋して収録しています。さらに付録として、ピッコローミニ『フォルトゥナの夢』(1444年)、バンデッロ『巷談話集』(Ⅱ~Ⅳ)、ヴェルヴィル「『ポリフィロの夢』秘文字集成」(1600年仏語版扉絵解説)、ベラダン『ラブレーの鑰』第2章「ヒュプネロートマキア・ポリフィリ」が訳出されています。伝説的な奇書の翻訳を手掛けたのは昨春、魔術書の古典『ピカトリクス――中世星辰魔術集成』の訳書を八坂書房より上梓された大橋喜之さん。大橋さんのブログ「ヘルモゲネスを探して」では錬金術書の数々が試訳されています。

★なお、19世紀フランスの小説家シャルル・ノディエが『ヒュプネロートマキア・ポリフィリ』をめぐる愛書家の物語を書いたのが、「フランシスクス・コロンナ」(1843年)です。仏語からの日本語訳は、篠田知和基訳『炉辺夜話集』(牧神社、1978年)に収められており、さらには、仏語を英訳した私家版からの日本語への重訳として『フランチェスコ・コロンナ「ポリフィーロの夢」』(谷口伊兵衛訳、而立書房、2015年)が刊行されています。この而立書房版には『ヒュプネロートマキア・ポリフィリ』のあらすじが掲載されています。訳者あとがきには当時の情報として、『ヒュプネロートマキア・ポリフィリ』がありな書房より日向太郎訳で全訳予定だとの言及があります。さらに言うと現在もウィキペディアの「高山宏」さんの項目では『完訳 ポリフィロス狂恋夢』(東洋書林、2018年以降予定)と記載されています。本作がなぜこれほどまでに愛され、出版を目指されるのか。書物史において内容的にも造本的にも記念碑的なものだったと知るためには、ウィキペディアの「ヒュプネロトマキア・ポリフィリ」の項をご覧になるのが手っ取り早いと思います。

★八坂書房さんでは今夏、アルベルトゥス・マグヌス『鉱物書』と彼に帰せられる偽書『秘密の書』の、故・大槻真一郎さんによる訳解書を出版されています。本書は、コスモス・ライブラリー版「ヒーリング錬金術」シリーズの既刊書4点中の3点、すなわち、オルフェウス『リティカ』やマルボドゥス『石について』などの鉱物論を扱った『中世宝石讃歌と錬金術――神秘的医薬の展開』(2017年8月)、ビンゲンのヒルデガルトを読み解く『ヒルデガルトの宝石論――神秘の宝石療法』(2017年11月)、偽アリストテレス『鉱物書』を読む『アラビアの鉱物書――鉱物の神秘的薬効』(2018年3月)に続く、大槻さんの連作の最後のものです。科学文化史の一隅を照射する先達の地道な研鑽に深い敬意を覚えます。ちなみに朝倉書店の「科学史ライブラリー」では、アルベルトゥス・マグヌス『鉱物論』(沓掛俊夫訳、2004年)の全訳が刊行されています。

★『ゾシモスのヴィジョン』は、『Von den Wurzeln des Bewusstseins : Studien über den Archetypus』(Rascher, 1954)所収の論考「Die Visionen des Zosimos」の全訳。訳者による序「ユングとゾシモス」にはこう書かれています。「本書は、分析心理学と呼ばれる壮大な深層心理学の体系を打ち立てたカール・グスタフ・ユング(1875~1961年)が、古代ギリシアの著名な錬金術師パノポリスのゾシモス(3世紀)の見た夢ないしはヴィジョンを素材として、時や場所に縛られることなく万人の心のなかで働き続けている癒しや救いのメカニズムを描き出したものである。慣れない読者は、いきなり「錬金術」と聞いても戸惑われると思うが、あとであらためて説明するように、錬金術師たちは内なる癒しや救いのプロセスを観察してその本質に迫る専門家だった」(3頁)。目次は以下の通りです。

ユングとゾシモス――訳者による序(老松克博)
ゾシモスのヴィジョン
 第1部 テクスト
 第2部 注解
  第1章 ゾシモスの解釈についての全般的見解
  第2章 犠牲の行為
  第3章 人格化
  第4章 石の象徴学
  第5章 水の象徴学
  第6章 このヴィジョンの起源
  原註・訳註
ゾシモスの夢見の術を盗み取る――「夢うつつ法」が開く世界(老松克博)
訳者あとがき

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★続いてここ最近では次の新刊や近刊との出会いがありました。

TANKURI――創造性を撃つ』中村恭子+郡司ペギオ幸夫著、水声社、2018年12月、本体4,000円、B5判上製フルカラー198頁、ISBN978-4-8010-0389-7
吉本隆明全集18[1980-1982]』吉本隆明著、晶文社、2019年1月、本体6,800円、A5判変型上製672頁、ISBN978-4-7949-7118-0
(あまり)病気をしない暮らし』仲野徹著、晶文社、2018年12月、本体1,600円、四六判並製304頁、ISBN978-4-7949-7065-7
江戸の古本屋――近世書肆のしごと』橋口侯之介著、平凡社、2018年12月、本体3,800円、4-6判上製336頁、ISBN978-4-582-46822-9

★『TANKURI』はまもなく発売。今年刊行された思想書の中でもっとも美しい一冊だと断言しても良いと思います。郡司さんは巻頭の「本書について」でこう書いています。「本書は、日本画家である中村恭子の作品を題材にしながら、創造とは何か、藝術とは何かについて郡司と中村が論じた、或る種の理論書である。多くの場合、中村の製作段階から郡司と中村は議論しており、中村の制作順序を示す本書の章立ては、そのまま理論の進化・深化を進めるものになっている」(7頁)。目次詳細は書名のリンク先でご確認いただけます。周知の通り、郡司さんの『いきものとなまものの哲学』(青土社、2014年)のカバー装画は中村さんによるものでした。今回の合作は「画集であり理論書でもある」(186頁)ユニークな書。「藝術は、これからの科学や工学の基礎さえ与えるものなのである」(同頁)という郡司さんの言葉が印象的です。なお郡司さんは2019年1月12日発売予定ので著書『天然知能』を講談社選書メチエより上梓されるご予定です。

★『吉本隆明全集18[1980-1982]』は来月上旬発売予定の第19回配本。全6部構成で、Ⅰ部が『空虚としての主題』(1982年)、Ⅱ部が『源氏物語論』(1982年)、Ⅲ部は1981年発表の詩15篇、Ⅳ部は「アジア的ということ」(1980~83年)、Ⅴ部は1981年の主要な評論・講演・エッセイ、Ⅵ部はアンケートや推薦文、あとがきなどを収録しています。付属する月報19は、山本かずこ「「吉本隆明」に憧れる」、安藤礼二「「母型」を求め続けた人」、ハルノ宵子「花見と海と忘年会」を収録。ハルノさんのエッセイでは晶文社の現社長との出会いの縁が明かされています。次回配本は4月刊予定、第19巻とのことです。

★『(あまり)病気をしない暮らし』は発売済。積水ハウス総合住宅研究所が運営する体験型施設「住ムフムラボ」の公式サイトで連載されたコラムに、大幅加筆改稿したもの。章立ては書名のリンク先でご確認いただけます。昨秋に上梓された『こわいもの知らずの病理学講義』の「二匹目のドジョウを狙っております」と冗談めかしておられますけれども、今回も軽妙な筆致で病気、食事、ダイエット、遺伝、飲酒、がん予防、風邪、等々を解説し、読者の蒙を啓いて下さいます。今の季節はちょうどインフルエンザや風邪が流行っていますが、本書にはこんな一節があります。「副作用もなく、風邪が一日早く治るという夢のような方法〔…〕それは、お医者さんに誠意をもって共感してもらう、ということ」(262頁)。何ですって、と驚いてしまうのですが、色んな研究成果をさらっと教えて下さるのが本書の良いところです。

★『江戸の古本屋』は発売済。「日本古書通信」の連載「江戸の古本屋」(2007年12月号~2012年6月号を改稿したもの。「本書の目的は、江戸時代の本屋の実態を明らかにし、書籍の幅広い流通形態を見ることにある。そこに古本の占める業務の割合が大きいことを示そうと思う。また、そのためにどのような仕組みがあったかを明らかにする。書籍業界の特殊性が浮き彫りにされるからだ。その最も基本的な姿が、本屋は出版、新刊販売、問屋業務だけでなく、古本も扱う奥行きの深さにある」(25頁)。「終章でも述べるとおり、江戸的な本屋は明治二十年頃を境に事実上滅んでしまう。とくに出版部門ではがらりと担い手が変わった。そこに見られたのは、江戸時代の本屋があまりにも自己発展してしまい、近代の出版界におけるいわゆるグローバリズムに乗り損ねる姿だった。〔…〕明治二十年にあったのは、それまで書物にかかわってきた人間のメンタリティが崩れてしまったことに原因があったと私は考えている。それと同じ事がこれから起きないように、歴史を顧みることがきわめて大切だと本書に思いをこめた次第である」(8~9頁)。著者の橋口侯之介(はしぐち・こうのすけ:1947-)さんは神保町の誠心堂書店店主。本書の目次詳細を以下に転記しておきます。

まえがき
序章 江戸時代の本屋というもの
第1章 本屋の日記から――風月庄左衛門の『日暦』
 1 同業者集団の意義
 2 古本の業務
 3 風月庄左衛門の出版
 4 江戸の本屋・松沢老泉の日記
第2章 本屋仲間と古本
 1 同業者仲間の意義
 2 本屋仲間の成立へ
 3 仲間における古本部門
 4 江戸時代古書市の利用規程
 5 もう一つの古本流通――売子・セドリ・貸本屋
第3章 江戸時代の書籍流通
 1 本屋の特殊な業務
 2 本屋間の独特の精算法――本替・入銀
 3 私家版と本屋
 4 唐本の流通
 5 草紙屋
 6 地方の本屋――博多と名古屋の事例
第4章 経師の役割――書物の担い手として
終章 書物の明治二十年問題
 1 明治初期の古本屋
 2 出版業界の激動――明治二十年問題とは

★「江戸時代の本屋が出版から、卸、販売、古本売買、貸本など本に関する幅広い業務をこなしていたことは、作るところから売り買いまで本屋と顧客の間が直結していて、それぞれが本に対する意識を共有していた。大量生産は出版社と読者の間に取次、書店が入り込むことで、この直接的な意識共有を分断してしまった。出版を担うものは「売れ行き」という数字でしか読者を知らない。このような精神面での変化も見逃してはならないだろう。本をつくる、売る、読む、伝えるという全体像がばらばらになって専門化した結果、それぞれの個々は全体を再構成できなくなってしまったのではないか?「本とは何か」という本質が見えなくなってしまった。来るべき出版像は再び大変動を余儀なくされるだろう。その時、もう一度、「本とは何か」を追究すべきである」(327頁)。

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by urag | 2018-12-24 12:43 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
2018年 12月 18日

注目新刊:ヴィーコ『新しい学の諸原理[1725年版]』上村忠男訳、ほか

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★上村忠男さん(訳書:アガンベン『到来する共同体』、編訳書:パーチ『関係主義的現象学への道』、スパヴェンタほか『ヘーゲル弁証法とイタリア哲学』、共訳書:アガンベン『アウシュヴィッツの残りのもの』『涜神』、スピヴァク『ポストコロニアル理性批判』)
京都大学学術出版会の「近代社会思想コレクション」の第25弾として、ヴィーコ『新しい学の諸原理[1725年版]』の全訳を上梓されました。2018年はヴィーコ生誕350年で、上村さんは今年5月に、1744年版『新しい学』(全3巻、法政大学出版局、2007~2008年)の訳書を中公文庫より上下巻で再刊されています。ヴィーコの『新しい学』は三つの版があり、第一版が今回訳出された1725年の『諸国民の自然本性についての新しい学の諸原理――それをつうじて万民の自然法のいま一つ別の体系の諸原理が見いだされる』であり、それを全面的に書き直した第二版が1730年の第二版『諸国民の共通の自然本性についての新しい学の諸原理の五つの巻』で、文庫化されたのがそのさらなる増補改訂版である1744年の第三版『諸国民の共通の自然本性についての新しい学の諸原理』です。つまりこの第三版といういわば決定版と、ヴィーコ自身が『最初の新しい学』と呼ぶ第一版は基本的に別物であるため、今回の全訳の意義は大きいと言えるのではないでしょうか。目次詳細は書名のリンク先でご確認いただけます。

新しい学の諸原理[1725年版]
ヴィーコ著 上村忠男訳 
京都大学学術出版会 2018年12月 本体4,800円 四六上製578頁 ISBN978-4-8140-0186-6

★中山元さん(訳書:ブランショ『書物の不在』)
光文社古典新訳文庫より今月、ハイデガー『存在と時間5』を上梓されました。全8巻のうちの第5巻で、第一部第一篇第六章第三九節から第四四節までが収められています。

存在と時間5
ハイデガー著、中山元訳
光文社古典新訳文庫 2018年12月 本体1,240円 403頁 ISBN978-4-334-75391-7

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by urag | 2018-12-18 18:31 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
2018年 12月 18日

「intoxicate」137号(2018年12月)にAYUO『OUTSIDE SOCIETY』の書評

タワーレコードのフリーマガジン「intoxicate」137号(2018年12月10日発行)のOCHANOMA REVIEW「BOOK」欄に、弊社10月刊、AYUO『OUTSIDE SOCIETY』の書評「稀有な体験を糧に唯一無二の視点からの優れた音楽論」が掲載されました。評者は松山晋也さんです。「とにかく理屈抜きに面白い。体験してきた内容があまりにもレアであり、語り口が真正直すぎるから」。「大推薦」と評していただきました。

by urag | 2018-12-18 16:40 | 広告・書評 | Trackback | Comments(0)
2018年 12月 18日

月刊「ムー」誌2019年1月号に、『来るべき種族』の特集記事

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月刊「ムー」誌2019年1月号に2色刷り特集記事「地底世界の奇書『来るべき種族』解読:ナチス・ドイツを動かしたヴリル伝説の聖典」(文:宇佐和通、イラストレーション:不二本蒼生)が掲載され、弊社8月刊、ブルワー=リットン『来るべき種族』が取り上げられました。訳者の小澤正人さんへのインタビューも含まれています。15頁にわたる特集記事です。目次は以下の通り。

Chapter 01 ユートピア小説『来るべき種族』とは?
 地底の超文明を描いたユートピア小説
 ブルワー=リットンとはどんな人物なのか?
 古代ギリシアの端を発するユートピア小説の長い歴史
 想像力の喚起こそがユートピア小説の存在意義
Chapter 02 “ヴリル”とはいったい何だったのか?
 地底人の操る謎のパワー、ヴリルの正体とは……
 ヴリルは目に見えない神秘の力の総称だった
Chapter 03 アドルフ・ヒトラーはヴリルに魅せられた?
 アーリア人はユートピアの住民の末裔だったのか?
 ヒトラーに負のイメージを与えられた“優生学”
 ネガティブな優生学を基にしたホロコースト
 ヴリル=ヤの築いた文明とアーリア人至上主義の関係
Chapter 04 ナチス・ドイツが陥ったオカルト主義の罠
 ヒトラーとトゥーレ協会、エッカートとの出会い
 著名オカルティストが呪われたヒトラーを救った
Chapter 05 ヒトラーの呪縛とトランスヒューマニズム
 脳裏に残る万能の言葉それが“ヴリル”だった
 人種選別を目的としたナチス優生学が生んだもの

なお、同特集の冒頭部分が月刊ムー公式ウェブ「ムー PLUS」に「ナチスを動かしたヴリル伝説の聖典「来るべき種族」解読」と題して掲載されています。創刊40周年を迎えるという伝統ある同誌に弊社本を大々的に取り上げていただくことになろうとは感慨深いものがあります。

また『来るべき種族』については、「S-Fマガジン」2018年12月号「OVERSEAS」欄にて、冬木糸一さんが注目書の一冊として取り上げて下さっています。「ヴリルに含まれる超自然的、オカルト的な要素は後にブラヴァツキー夫人に影響を与えるなどどの歴史的意義もさることながら、異なる文明との接触譚、異種族との恋愛譚として今読んでもなかなかおもしろい」と評していただきました。

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by urag | 2018-12-18 15:53 | 広告・書評 | Trackback | Comments(0)
2018年 12月 17日

ナツメ書店(福岡)さんで弊社本を扱っていただいています

福岡のナツメ書店さんではながらく弊社刊のガシェ『いまだない世界を求めて』と、ドアノー『不完全なレンズで』を販売していただいています。特定の本を幾度となく補充して平積みでじっくり売ってくださるブレないスタンスには驚嘆するばかりです。現在の店舗は築100年の元時計店を改装したもので、カフェを併設。JR香椎線「西戸崎駅」より徒歩5分です。

ナツメ書店さんは一般社団法人リノベーションまちづくりセンターの書店事業として2014年12月に北九州市小倉北区魚町3-3-12 中屋ビル1F-4に所在する店舗6坪で書籍販売をスタートし、その後昨春(2017年3月末)に閉店。昨秋(2017年10月)より福岡市東区西戸崎1-6-21に移転しリニューアルオープンされました。現在は個人経営のブックカフェです。

お近くへお越しの折はどうぞお立ち寄りください。

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by urag | 2018-12-17 10:46 | 販売情報 | Trackback | Comments(0)
2018年 12月 16日

注目新刊:ヴィトゲンシュタイン『小学生のための正書法辞典』講談社学術文庫、ほか

★皆様いかがお過ごしでしょうか。私は風邪をひきました。今回の新刊ご紹介はそんなわけで書名を列記するものの、数点について追記するのみで失礼いたします。まずは、最近出会った新刊から。

秘教講義 1』ルドルフ・シュタイナー著、高橋巖訳、春秋社、2018年11月、本体4,800円、四六判上製592頁、ISBN978-4-393-32547-6
秘教講義 2』ルドルフ・シュタイナー著、高橋巖訳、春秋社、2018年12月、本体4,800円、四六判上製488頁、ISBN978-4-393-32548-3
朝鮮文化史――歴史の幕あけから現代まで』キース・プラット著、宋恵媛訳、人文書院、2018年12月、本体6,200円、4-6判上製488頁、ISBN978-4-409-51079-7
薩長同盟論――幕末史の再構築』町田明広著、人文書院、2018年12月、本体2,200円、4-6判並製270頁、ISBN978-4-409-52074-1
大政翼賛会のメディアミックス――「翼賛一家」と参加するファシズム』大塚英志著、平凡社、2018年12月、本体2,500円、4-6判並製304頁、ISBN978-4-582-45453-6
ぼくの伯父さん――長谷川四郎物語』福島紀幸著、河出書房新社、2018年12月、本体4,400円、46変形判上製568頁、ISBN978-4-309-02748-7
トランスヒューマニズム――人間強化の欲望から不死の夢まで』マーク・オコネル著、松浦俊輔訳、作品社、2018年11月、本体2,400円、46判並製299+xi頁、ISBN978-4-86182-721-1

★シュタイナー『秘教講義』は第1巻が『霊学自由大学第一学級のための秘教講義』(全19講:ドルナハ:1924年2月15日~8月2日)で、巻頭には第2講から第19講までの美麗な黒板絵をカラーで収録しています。第2巻は『霊学自由大学第一学級のための秘教再講義』(全7講:ドルナハ:1924年9月6日~20日)と、各都市で行われた『霊学自由大学第一学級のための秘教講義』(2講:プラハ:1924年4月3日~5日、1講:ベルン:1924年4月17日、1講:ロンドン:1924年8月27日)を収め、付録として1923年と1924年の「クリスマス会議」より3講義と、訳者の高橋さんによる「「シュタイナー秘教講義」の読み方(第1講を例に)」が配されています。解説は飯塚立人さんがお書きになっています。「本書は人智学の奥義書である。ここにはシュタイナー最晩年の秘教学級〔…〕の講義が収められている。この秘教講義は、長らく非公開であった。それはシュタイナーが、許可した人しかこの学級に参加させず、参加者にはマントラ以外のノートを八日以内に破棄するように指示した、いわば忘却されることを前提とした、その場限りの講義であったからである。シュタイナーは、マントラが外部の人の手に渡ると、その効力は失われる、と述べている」(解説、445頁)。

★「なぜそのように特別な配慮がなされてきたのか。それはこの第一学級の秘教講義が、まず人間の魂の権力衝動との対峙を、必須の課題としているからである。そして秘教学級は、徹底した内面へのひとり旅であり、その旅は境域における守護霊との対話を通して導かれていくからである」(同、447頁)。「暗い霊界の原野を前にして、存在の深淵の縁(ふち)に立ちながら、霊界の使者は力強い創造の言葉を発する。「見よ、われこそは認識のただひとつの門である。」」(ドルハナ講義第1講、15頁)。

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★次にここ最近で注目している新刊を列記します。

新版 アリストテレス全集(20)著作断片集2』國方栄二訳、2018年11月、本体6,000円、A5判上製函入512頁、ISBN978-4-00-092790-1
人間知性研究』デイヴィッド・ヒューム著、神野慧一郎/中才敏郎訳、近代社会思想コレクション24:京都大学学術出版会、2018年12月、本体3,600円、四六判上製374頁、ISBN978-4-8140-0178-1
小学生のための正書法辞典』ルートヴィヒ・ヴィトゲンシュタイン著、丘沢静也/荻原耕平訳、講談社学術文庫、2018年12月、本体1,110円、280頁、ISBN978-4-06-514094-9
漂巽紀畧 全現代語訳』ジョン万次郎述、河田小龍記、北代淳二監修、谷村鯛夢訳、講談社学術文庫、2018年12月、本体800円、178頁、ISBN978-4-06-514262-2
靖献遺言』浅見絅斎著、近藤啓吾訳注、講談社学術文庫、2018年12月、本体1,790円、560頁、ISBN978-4-06-514027-7
物語批判序説』蓮實重彦著、講談社文芸文庫、2018年12月、本体2,100円、352頁、ISBN978-4-06-514065-9
ラフォルグ抄』ジュール・ラフォルグ著、吉田健一訳、講談社文芸文庫、2018年12月、: 本体2,100円、368頁、ISBN978-4-06-514038-3
マルクス・ガブリエル 欲望の時代を哲学する』丸山俊一/NHK「欲望の時代の哲学」制作班著、NHK出版新書、2018年12月、本体820円、240頁、ISBN978-4-14-088569-7
オカルティズム――非理性のヨーロッパ』大野英士著、講談社選書メチエ、2018年12月、本体1,900円、320頁、ISBN978-4-06-514260-8
記憶術全史――ムネモシュネの饗宴』桑木野幸司著、2018年12月、本体2,000円、352頁、ISBN978-4-06-514026-0

★『新版 アリストテレス全集(20)著作断片集2』は全20巻+別巻のうちの第18回配本。収録作品は書名のリンク先でご確認いただけます。そのほとんどは他の著者が伝えている断片です。散逸したか詳細不明となっている著作へのアリストテレス自身の言及も収めます。そうした著作のひとつ『哲学について』をめぐってはフィロンが『世界の永遠性について』の中で、アリストテレスの発言として次のような言葉を伝えています。「昔は、大風やとてつもない嵐が来たり、時の経過やしかるべき手入れを怠ったりすると、自分の家が倒れやしないかと心配したものだが、今は、議論で全宇宙を破滅させる人間のおかげで、もっと大きな恐怖がのしかかっている」(164頁)。付属ずる月報18によれば、次回配本は来春、第11巻『動物の発生について』。本巻で残る1冊、第14巻『形而上学』も来年刊行とのことです。別巻『総索引』には「用語集」も収録されると再告知されています。

★『小学生のための正書法辞典』はヴィトゲンシュタインが生前刊行した二冊のうちの一冊の初訳。もう一冊は『論理哲学論考』ですが、この主著が刊行されるまでに紆余曲折を経たのに比べて、『小学生のための正書法辞典』は比較的スムースに出版できたようです。その経緯や、教師としてのヴィトゲンシュタインの工夫は、巻頭の丘沢さんによる解説に詳しいです。またこの解説では、現代社会から見てほとんどアウトな体罰教師ぶりや、アスペルガー症候群の観点から見たこの哲学者像についても語られます。後者は福本修さんの論考「「心の理論」仮説と『哲学探究』――アスペルガー症候群〔から/を〕見たウィトゲンシュタイン」(『imago』1996年10月号「特集=自閉症」所収、144~163頁)を参考にされています。単語帳という簡素な体裁の本書を文庫で出版するというのは、なかなかハードルが高かったろうと想像します。

★ちなみに講談社さんは「講談社学術文庫大文字版オンデマンド」を既刊書600点以上で開始されました。同文庫は1976年創刊で、総刊行点数約2600点に上ります。投げ込みチラシには真っ先に天野貞祐訳『純粋理性批判』が記載されていて驚愕したのですが、ウェブにはまだ掲出されていないようです。書目は毎月追加されるようなので、推移を注視したいと思います。

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by urag | 2018-12-16 17:56 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
2018年 12月 13日

『現代詩手帖』2018年12月号のアンケート「今年度の収穫」に弊社本2点

『現代詩手帖』2018年12月号のアンケート「今年度の収穫」で、詩人の石田瑞穂さんが弊社の今年の新刊、ナンシーの芸術論『ミューズたち』と、メニングハウスのヘルダーリン論『生のなかば』を挙げて下さいました(155頁)。この二冊を挙げていただくのはとても嬉しいです。ありがとうございます。

by urag | 2018-12-13 16:31 | 広告・書評 | Trackback | Comments(0)
2018年 12月 13日

ブックツリー「哲学読書室」に2本の選書リスト追加

オンライン書店「honto」のブックツリー「哲学読書室」に、堀之内出版編集担当の小林えみさんの選書リスト「『nyx』5号をより楽しく読むための5冊」と、拙選書リスト「書架(もしくは頭蓋)の暗闇に巣食うものたち」が追加されました。以下のリンク先一覧からご覧になれます。


◎哲学読書室

1)星野太(ほしの・ふとし:1983-)さん選書「崇高が分かれば西洋が分かる
2)國分功一郎(こくぶん・こういちろう:1974-)さん選書「意志について考える。そこから中動態の哲学へ!
3)近藤和敬(こんどう・かずのり:1979-)さん選書「20世紀フランスの哲学地図を書き換える
4)上尾真道(うえお・まさみち:1979-)さん選書「心のケアを問う哲学。精神医療とフランス現代思想
5)篠原雅武(しのはら・まさたけ:1975-)さん選書「じつは私たちは、様々な人と会話しながら考えている
6)渡辺洋平(わたなべ・ようへい:1985-)さん選書「今、哲学を(再)開始するために
7)西兼志(にし・けんじ:1972-)さん選書「〈アイドル〉を通してメディア文化を考える
8)岡本健(おかもと・たけし:1983-)さん選書「ゾンビを/で哲学してみる!?
9)金澤忠信(かなざわ・ただのぶ:1970-)さん選書「19世紀末の歴史的文脈のなかでソシュールを読み直す
10)藤井俊之(ふじい・としゆき:1979-)さん選書「ナルシシズムの時代に自らを省みることの困難について
11)吉松覚(よしまつ・さとる:1987-)さん選書「ラディカル無神論をめぐる思想的布置
12)高桑和巳(たかくわ・かずみ:1972-)さん選書「死刑を考えなおす、何度でも
13)杉田俊介(すぎた・しゅんすけ:1975-)さん選書「運命論から『ジョジョの奇妙な冒険』を読む
14)河野真太郎(こうの・しんたろう:1974-)さん選書「労働のいまと〈戦闘美少女〉の現在
15)岡嶋隆佑(おかじま・りゅうすけ:1987-)さん選書「「実在」とは何か:21世紀哲学の諸潮流
16)吉田奈緒子(よしだ・なおこ:1968-)さん選書「お金に人生を明け渡したくない人へ
17)明石健五(あかし・けんご:1965-)さん選書「今を生きのびるための読書
18)相澤真一(あいざわ・しんいち:1979-)さん/磯直樹(いそ・なおき:1979-)さん選書「現代イギリスの文化と不平等を明視する
19)早尾貴紀(はやお・たかのり:1973-)さん/洪貴義(ほん・きうい:1965-)さん選書「反時代的〈人文学〉のススメ
20)権安理(ごん・あんり:1971-)さん選書「そしてもう一度、公共(性)を考える!
21)河南瑠莉(かわなみ・るり:1990-)さん選書「後期資本主義時代の文化を知る。欲望がクリエイティビティを吞みこむとき
22)百木漠(ももき・ばく:1982-)さん選書「アーレントとマルクスから「労働と全体主義」を考える
23)津崎良典(つざき・よしのり:1977-)さん選書「哲学書の修辞学のために
24)堀千晶(ほり・ちあき:1981-)さん選書「批判・暴力・臨床:ドゥルーズから「古典」への漂流
25)坂本尚志(さかもと・たかし:1976-)さん選書「フランスの哲学教育から教養の今と未来を考える
26)奥野克巳(おくの・かつみ:1962-)さん選書「文化相対主義を考え直すために多自然主義を知る
27)藤野寛(ふじの・ひろし:1956-)さん選書「友情という承認の形――アリストテレスと21世紀が出会う
28)市田良彦(いちだ・よしひこ : 1957-)さん選書「壊れた脳が歪んだ身体を哲学する
29)森茂起(もりしげゆき:1955-)さん選書「精神分析の辺域への旅:トラウマ・解離・生命・身体
30)荒木優太(あらき・ゆうた:1987-)さん選書「「偶然」にかけられた魔術を解く
31)小倉拓也(おぐら・たくや:1985-)さん選書「大文字の「生」ではなく、「人生」の哲学のための五冊
32)渡名喜庸哲(となき・ようてつ:1980-)さん選書「『ドローンの哲学』からさらに思考を広げるために
33)真柴隆弘(ましば・たかひろ:1963-)さん選書「AIの危うさと不可能性について考察する5冊
34)福尾匠(ふくお・たくみ:1992-)さん選書「眼は拘束された光である──ドゥルーズ『シネマ』に反射する5冊
35)的場昭弘(まとば・あきひろ:1952-)さん選書「マルクス生誕200年:ソ連、中国の呪縛から離れたマルクスを読む。
36)小林えみ(こばやし・えみ:1978-:堀之内出版編集担当)さん選書「『nyx』5号をより楽しく読むための5冊
37)小林浩(こばやし・ひろし:1968-:月曜社取締役)選書「書架(もしくは頭蓋)の暗闇に巣食うものたち

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by urag | 2018-12-13 15:46 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
2018年 12月 12日

「週刊読書人」に『忘却の記憶 広島』の書評

「週刊読書人」12月8日号に弊社10月刊『忘却の記憶 広島』の書評「読み応えのあるヒロシマ論――「記憶」の「劣化」を防ぐために」が掲載されました。評者は好井裕明さんです。

「本書が意識的に語りだろうとする「記憶」の「ケア」という発想や実践が、とても興味深い。これまでのように直接被爆体験者の絶対性や神聖さ、真正性だけに頼っていても「被爆の記憶」の「鮮度」は保てないのだ。未発掘の資料を探求し分析したり、過去の作品を新たに読み解き、現在的な意義を確認する営みから新たな知見を創造し、その知見をもとに「記憶」に拡がっている細かい傷や裂け目が「修復」され、〝被爆をめぐる新たな意味〟を注入されることで「記憶」の〝瑞々しさ〟が回復し、「被爆の記憶」は現在や将来にとって意義あるものとして新たに息を吹き返す。その場合、従来絶対視され神聖化されていた人物や活動、実践もすべて、読み直しの対象となるだろう。本書に収められた戦後広島での「陳情書」分析や平和活動家森瀧市郎の戦前までさかのぼる思想的背景の解読、原爆資料館の蝋人形展示の変遷を読み直す論考などは、「被爆の記憶」を「ケア」する見事な実践なのである」と評していただきました。全文は記事名のリンク先からお読みいただけます。


by urag | 2018-12-12 13:27 | 広告・書評 | Trackback | Comments(0)