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カテゴリ:近刊情報( 233 )


2018年 07月 26日

月曜社8月近刊案内:ブルワー=リットン『来るべき種族』

2018年8月21日取次搬入予定:イギリス文学/SF

来るべき種族[きたるべきしゅぞく]
エドワード・ブルワーリットン著 小澤正人訳
月曜社 2018年8月 本体:2,400円 46判並製304頁 ISBN: 978-4-86503-063-1

アマゾン・ジャパンにて予約受付中

地球内部に住む地底人の先進的な文明社会ヴリル=ヤとの接触をつぶさに描いた19世紀後半の古典的小説。卓越した道徳と科学力、超エネルギー「ヴリル」と自動人形の活用により、格差と差別だけでなく、労働や戦争からも解放された未知の種族をめぐるこの異世界譚は、後世の作家やオカルティストたちに影響を与え続けている。神秘思想、心霊主義、ユートピア思想、SFなどの系譜に本作を位置づける訳者解説を付す。2007年刊行の私家版に改訂を加えた決定版。【叢書・エクリチュールの冒険:第12回配本】

エドワード・ブルワー゠リットン(Edward Bulwer-Lytton, 1803–1873):イギリスの政治家・小説家・劇作家。初代リットン男爵。ダービー内閣での植民地大臣(1858-1859)。社交界小説、政治小説、犯罪小説、オカルト小説など多様な分野で活躍したヴィクトリア朝の流行作家。日本でも明治時代に多くの作品が翻訳された。著書に、『ペラム』(1828年)、『ポール・クリフォード』(1830年)、『ポンペイ最後の日』(1832年)、『アーネスト・マルトラヴァーズ』(1837年)、『ザノーニ』(1842年)、『不思議な物語』(1862年)、そして本作『来るべき種族(The Coming Race)』(1871年)など。

小澤正人(おざわ・まさと、1953-):東京学芸大学大学院修士課程修了。現在、愛知県立大学外国語学部英米学科教授。論文に「『ヴィルヘルム・シュトーリッツの秘密』と『透明人間』」、「H. G. Wells のSFとユートピア批判」、「H・G・ウェルズの『モダン・ユートピア』とユートピア思想」など。翻訳に、ダニエル・ピック『戦争の機械――近代における殺戮の合理化』(法政大学出版局、1998年)がある。

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by urag | 2018-07-26 09:41 | 近刊情報 | Trackback | Comments(0)
2018年 07月 17日

8月上旬発売予定新刊:マラルメ『詩集』柏倉康夫訳

2018年8月10日取次搬入予定 *外国文学・フランス詩

詩集
ステファヌ・マラルメ著 柏倉康夫訳
月曜社 2018年8月 本体:2,200円 B6変型判並製176頁 ISBN: 978-4-86503-056-3

アマゾン・ジャパンにて予約受付中


ステファヌ・マラルメの死の一年後に刊行された『詩集』(エドモン・ドゥマン書店、1899年刊)収録の全49篇の詩と、マラルメ自身による書誌解題の新訳。「ユリイカ」誌連載、青土社電子版、限定私家版を経て、最新改訂普及版がここに成る。『詩集』の初版本や石版刷、組見本、マラルメの肖像、名刺や封筒に書かれた四行詩など、訳者秘蔵品を含む貴重な写真8点を併載。多年に及ぶ研究の画期を為す「理解可能なマラルメ」の提示。【叢書・エクリチュールの冒険:第11回配本】


ステファヌ・マラルメ(Stéphane Mallarmé, 1842-1898):19世紀のフランス象徴詩を代表する詩人。若くしてボードレールとエドガー・アラン・ポーに魅せられて詩作をはじめ、地方の高等中学校の英語教師をしながら創作に没頭するが、「詩とは何か」という根源的な問いに苦しみ、精神的・肉体的な危機に見舞われた。1871年パリに出て以後は交友関係も広がり、「牧神の午後」や「エロディアード」など代表作となる絶唱を生み出した。ローマ通りのアパルトマンの食堂兼サロンに、毎週火曜日に内外の文学者、画家、音楽家たちが集うようになり、マラルメの談話は彼らに多大な感銘を与えた。その芸術論は今日なお広い分野で影響を及ぼしている。


柏倉康夫(かしわくら・やすお、1939-):東京大学文学部フランス文学科卒業。NHKパリ特派員、解説主幹の後、京都大学文学研究科教授を経て、放送大学教授、副学長、図書館長、現在同大学名誉教授。京都大学博士(文学)。フランス国家功労勲章叙勲。ジャーナリズムでの仕事のかたわら、原典批判に基づくマラルメ研究を続けてきた。マラルメに関する著訳書に、『マラルメ探し』、『生成するマラルメ』(以上、青土社)、『マラルメの火曜会』(丸善出版)、ネクトゥ編『牧神の午後~マラルメ、ドビュッシー、ニジンスキー~』(平凡社)、J・L・ステンメッツ『マラルメ伝』(共訳、筑摩書房)、『マラルメの「大鴉」』(臨川書店)、モレル編『S・マラルメ:賽の一振りは断じて偶然を廃することはないだろう』、G・ミラン『マラルメの火曜会~神話と現実~』(以上、行路社)など。

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by urag | 2018-07-17 10:41 | 近刊情報 | Trackback | Comments(4)
2018年 06月 07日

6月末刊行予定:岡田温司『アガンベンの身振り』、シリーズ〈哲学への扉〉第2弾

2018年6月27日取次搬入予定26日取次搬入 *人文/哲学思想

アガンベンの身振り
岡田温司著
月曜社 2018年6月 本体:1,500円 B6変型判[180mm×114mm×12mm]並製176頁 ISBN 978-4-86503-058-7

アマゾン・ジャパンにて予約受付中

国境を越えて活躍するイタリアの哲学者、ジョルジョ・アガンベンとは何者か。20年にわたる〈ホモ・サケル〉計画が完結し――正確に言えば〈放棄〉され――、近年には初の自伝『書斎の自画像』が出版された。これらを機に、〈ホモ・サケル〉全4巻9分冊とはいったい何だったのかをあらためて振り返り、その他の著作も再読することによって、自伝におけるアガンベンの告白「わたしはエピゴーネンである」の真意を探るとともに、ドイツの哲学者(ハイデガー、ベンヤミン)やフランスの哲学者(フーコー、ドゥルーズ、デリダ)たちとの、屈折した特異な関係にも迫る。新シリーズ〈哲学への扉〉第2弾!

目次:
「ホモ・サケル」計画とは何か?
アガンベンはハイデガーをどのように読んでいるのか?
 はじめに
 1.「現存在」と「声」
 2.「芸術作品の根源」と「リズム」
 3.「存在の考古学」あるいは「様態論的存在論」
 4.人間/動物の彼岸へ――「無為」と「放下」
アガンベンの身振り――ハイデガーとベンヤミンのあいだで
 インファンティアと「言語活動の経験/実験」
 言語と政治の閾で――1980年代のアガンベン
 言語、暴力、共同体――ベンヤミンとハイデガーの出会いとすれ違い
 「~でないもののように(ホース・メー)」と「今の時Jetzt-Zeit」
 人類学機械とその停止
アガンベンとフランス現代思想
 はじめに
 「グラマトロジー」批判
 「決定不可能性」をめぐって
 「潜勢力」と「内在性」
 「生政治」と「生権力」
 「統治性」と「オイコノミア」
 おわりに
「人間とは映画を見に行く動物のことである」――アガンベンと映画
跋文
アガンベンの著作

岡田温司(おかだ・あつし:1954-)京都大学大学院教授。専門は西洋美術史。近年の著書に『アガンベン読解』(平凡社、2011年)、『イタリアン・セオリー』(中公叢書、2014年)、『イメージの根源へ――思考のイメージ論的転回』(人文書院、2014年)、『映画は絵画のように――静止・運動・時間』(岩波書店、2015年)、『天使とは何か――キューピッド、キリスト、悪魔』(中公新書、2016年)、『映画とキリスト』(みすず書房、2017年)など。

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by urag | 2018-06-07 09:59 | 近刊情報 | Trackback | Comments(0)
2018年 05月 07日

月曜社5月新刊:荒木優太『仮説的偶然文学論』

◆月曜社2018年5月新刊:人文/文芸/思想・批評:5月14日受注締切/5月22日取次搬入予定

仮説的偶然文学論――〈触れ‐合うこと〉の主題系
荒木優太著
月曜社 2018年5月 本体:2,000円 B6変判[180mm×114mm×23mm]並製336頁 ISBN: 978-4-86503-059-4


なぜ「たまたま」や「ひょんなこと」や「奇跡」で小説を組み立ててはいけないのか。昭和10年代、中河与一の偶然文学論は近代文学伝統のリアリズムに対して果敢に挑戦した。本当にリアルなのは偶然の方なのだ。が、その偶然なるものは、どんな〈触れ‐合い〉を排除することで成り立っているのか。中河、国木田独歩、寺田寅彦、葉山嘉樹のテクストに宿るcontingencyを、〈遭遇 con-tact〉と〈伝染 con-tagion〉、つまりは〈触れ‐合うこと con-tangere〉の主題系として読み解く。偶然という言葉でもってなにかを語った気になってはいけない。新シリーズ〈哲学への扉〉創刊!

目次:
序 偶然を克服/導入せよ?
第一部 コンタクト
第一章 偶然性の時代
第二章 中河与一『愛恋無限』と日本的伝統
第三章 国木田独歩『鎌倉夫人』と主題〈場所性〉
第四章 国木田独歩『号外』と主題〈外部性〉
第五章 国木田独歩『第三者』と主題〈感性〉
第六章 国木田独歩の諸作と主題〈断片性〉
第二部 コンテイジョン
第七章 中河与一の初期小説と主題〈伝染性〉
第八章 寺田寅彦の確率論
第九章 寺田寅彦の風土論
第一〇章 葉山嘉樹文学の住環境と主題〈混合性〉
第一一章 葉山嘉樹の寄生虫
終章 偶然的他者との幅のある出会い方
あとがき
文献
索引

荒木優太(あらき・ゆうた:1987-):在野研究者。専門は有島武郎。明治大学文学部文学科日本文学専攻博士前期課程修了。ウェブを中心に大学の外での研究活動を展開している。2015年、「反偶然の共生空間――愛と正義のジョン・ロールズ」が第59回群像新人評論賞優秀作となる。著書に『これからのエリック・ホッファーのために――在野研究者の生と心得』(東京書籍、2016年)、『貧しい出版者――政治と文学と紙の屑』(フィルムアート社、2017年;『小林多喜二と埴谷雄高』ブイツーソリューション、2013年の増補改題版)。

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by urag | 2018-05-07 11:06 | 近刊情報 | Trackback | Comments(0)
2018年 04月 02日

4月下旬新刊:岡田聡/野内聡編『交域する哲学』

■2018年4月27日取次搬入予定 *人文/哲学

交域する哲学
岡田聡/野内聡編
月曜社 2018年4月 本体:3,500円 A5判[216mm×156mm×22mm]上製304頁 ISBN: 978-4-86503-061-7

アマゾン・ジャパンにて予約受付中

諸領域へと横断的に関わりつつ、現実の理論的、実践的な諸問題に取り組む哲学的な格闘としての「交域する」ことは、生きた「哲学する」ことがとる必然的形態である。知の「交差=越境」をめぐる16篇の清冽なインターヴェンション。

はじめに――「交域」に関連して|佐藤真理人
存在と永遠:スピノザにおける自然と様態の存在論|赤木真通
判断保留と哲学者の実践:ピュロン主義と現象学|岩内章太郎
ミルチャ・エリアーデの「新しいヒューマニズム」と軍団運動:「精神の革命」と「新しい人間」|大谷崇
ブルンナー、バルト、ヤスパース:ヤスパースの「自然神学」とその「限界」|岡田聡
民藝の美学的根拠:柳宗悦とカント『判断力批判』|大沢啓徳
スピノザの自然権思想とその成立背景|河合孝昭
理性としての懐疑:懐疑論再考|佐藤真理人
労働するとは別様に:生政治的生産の時代における人間活動|澤里岳史
実存と偶然と必然と|高橋章仁
〈リアル〉とは何か:フッサールの「実在性」概念と超越論的観念論の帰趨|田口茂
悲劇的な知とは何か:ヤスパースの悲劇論から|田辺秋守
伝達可能性と快|野内聡
前期ハイデガーにおける普遍性の問題|橋詰史晶
ベルクソン哲学における直観理論の生成と深化|増田靖彦
実存的哲学と実存論的哲学:アルフォンス・ド・ヴァーレンスのハイデガー批判を通じて|峰尾公也
高等教育における「文系廃止論」と「哲学」:人文科学に関する批判的議論の哲学的意義|和田義浩
おわりに|岡田聡

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◎本書を扱ってくださる書店様(4月11日現在)

ジュンク堂書店仙台TR店
ジュンク堂書店郡山店
ジュンク堂書店柏モディ店
ジュンク堂書店大宮高島屋店
丸善丸広百貨店飯能店
ジュンク堂書店立川店
BOOKS隆文堂(西国分寺)
東京堂書店神田神保町店
代官山蔦屋書店
八重洲ブックセンター本店
丸善丸の内本店
丸善日本橋店
MARUZEN&ジュンク堂書店渋谷店
紀伊國屋書店新宿本店
東京大学生協駒場書籍部
東京大学生協本郷書籍部
ジュンク堂書店吉祥寺店
ジュンク堂書店藤沢店
丸善ラゾーナ川崎店
丸善津田沼店
丸善松本店
丸善岐阜店
ジュンク堂書店新潟店
ジュンク堂書店名古屋店
ジュンク堂書店ロフト名古屋店
ジュンク堂書店京都店
丸善京都本店
同志社大学生協今出川店
ジュンク堂書店奈良店
ジュンク堂書店大阪本店
ジュンク堂書店天満橋店
MARUZEN&ジュンク堂書店梅田店
ジュンク堂書店西宮店
ジュンク堂書店三宮店
ジュンク堂書店姫路店
丸善岡山シンフォニービル店
丸善広島店
ジュンク堂書店広島駅前店
ジュンク堂書店福岡店

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by urag | 2018-04-02 15:41 | 近刊情報 | Trackback | Comments(0)
2018年 02月 27日

4月上旬刊行予定:J-L・ナンシー『ミューズたち』

2017年4月5日取次搬入予定 *人文/芸術/現代思想

ミューズたち
ジャン=リュック・ナンシー著 荻野厚志訳
月曜社 2018年4月 本体:2,700円、46変型判[190mm×115mm×18mm]並製292頁 ISBN: 978-4-86503-060-0

美学の脱構築へ。古代から現代に至る広範な美学史や哲学史を参照しつつ、複数かつ単数の〈感覚=意味〉の問題として批判的に検討し直す、ナンシーによる芸術哲学の精華。解説=暮沢剛巳【芸術論叢書:第5回配本】

アマゾン・ジャパンで予約受付中

ミューズたちの名は、ある語根に由来している。それは熱情を、焦燥、欲望、あるいは怒りのなかに募る激しい緊張感を、知りたい、作りたいという熱意に充ちた緊張感を示している。より穏当な解釈では「精神の運動」だと言われる。ミューズは、励まし、駆り立て、搔き立て、揺さぶる。彼女は形態よりも力を見守る。あるいは、より正確には、彼女は力を込めて形態を見守る。しかし、この力は複数形でほとばしる。この力は当初から複数の形態で与えられている。存在するのはミューズたちであって、ミューズなるものではない。彼女たちの人数は、その属性と同じで、さまざまに変わるものだったが、ミューズたちはつねに多数いただろう。(本書より)

目次:
Ⅰ なぜ、ただ一つではなく、いくつもの芸術があるのだろうか?(世界の複数性についての対話)
Ⅱ ミューズたちを継ぐ乙女(諸芸術のヘーゲル的誕生)
Ⅲ 閾の上に
Ⅳ 洞窟のなかの絵画
Ⅴ 芸術の残骸
Ⅵ 諸芸術は一方と他方で為される
Ⅶ プラエセンス
日本語版解説 ジャン゠リュック・ナンシーと洞窟壁画:一つの註釈として(暮沢剛巳)
訳者あとがき

原書:Les Muses, Édition revue et augumentée, Éditions Galilée, 1994/2001.

ジャン゠リュック・ナンシー(Jean-Luc Nancy)1942年生。フランスの哲学者。芸術論系の著書に『訪問――イメージと記憶をめぐって』(西山達也訳、松籟社、2003年)、『映画の明らかさ――アッバス・キアロスタミ』(上田和彦訳、松籟社、2004年)、『肖像の眼差し』(岡田温司/長友文史訳、人文書院、2004年)、『イメージの奥底で』(西山達也/大道寺玲央訳、以文社、2006年)などがある。

荻野厚志(おぎの・あつし)1972年生。パリ第7大学DEA取得。芸術学、仏文学。既訳書にジャン゠リュック・ナンシー『私に触れるな――ノリ・メ・タンゲレ』(未來社、2006年)など。
暮沢剛巳(くれさわ・たけみ)1966年生。東京工科大学デザイン学部教授。近書に『オリンピックと万博――巨大イベントのデザイン史』(ちくま新書、2018年)など。

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by urag | 2018-02-27 19:38 | 近刊情報 | Trackback | Comments(0)
2018年 01月 29日

月曜社2018年2月下旬発売予定:佐藤真理恵『仮象のオリュンポス』

◆2017年2月26日3月9日取次搬入予定【人文・表象文化論】

仮象のオリュンポスーー古代ギリシアにおけるプロソポンの概念とイメージ変奏
佐藤真理恵著
月曜社 2018年2月→3月 本体3,400円 A5判上製250頁 ISBN: 978-4-86503-057-0

アマゾン・ジャパンにて予約受付中

古代ギリシアにおいて「顔」であると同時に「仮面」を意味する特異な言葉「プロソポン」をめぐり、その概念系とイメージの諸相を、古典文献や陶器画などの綿密な比較分析を通じてアナクロニックに横断し博捜する、新鋭によるたぐいまれなる成果。【シリーズ・古典転生:第17回配本・本巻第16巻】

プロソポンという主題は、古来よりきわめて多彩な変奏を伴って扱われてきた。そのなかでも、本書での考察がとりわけ光を当てたプロソポンの基調をなす「主旋律」とは、〈あらわれ〉の問題、あるいはより正確を期すならば、「〈あらわれ〉方」の問題である。表面がその「裏」や「内奥」を仄めかすものであることはいうまでもないし、いずれを語るにも表面から出発せざるをえない。プロソポンもまたそのような「表面」ではあるが、プロソポンをめぐる古代ギリシアの表象における真髄は、表層の深淵や彼岸を自覚しながらも、その〈あらわれ〉に目を凝らし、そこに積極的な価値を見出しえていたという点ではないだろうか。すなわち、〈あらわれ〉に、半透明のメディウムに、視覚の薄皮に、邂逅に、出来事に「あえて踏みとどまる」という身振りこそが、問われるべきものなのである。(本書より)

目次
序章
第一章 プロソポンの基本概念と隣接概念
 第一節 プロスとオープス
  語の成り立ちと語義
  基本概念――プロスの側から
  基本概念――オープスの側から
 第二節 プロソポンとプロソペイオン
  プロソポン――顔/仮面
  プロソペイオン
  プロソポン/プロソペイオン
 第三節 「プロソポンの下/背後」をめぐる言説――モルモリュケイオン、カルディア、ヒュポクリテス
  モルモリュケイオン――「裏返してそれをよく調べてみるがいい」
  カルディア――「うわべ」と「心」
  ヒュポクリテス――「返答する者」から「偽善者」へ
第二章 プロソポン――〈あらわれ〉の方へ
 第一節 饒舌なる表面
  半透明のメディウム
  「顔の言語」
  パイドラーのヴェール
 第二節 皺・痕跡・面影
  エトスとエートス
  古代ギリシア演劇における仮面
 第三節 視覚の表皮、事物の皮膜――デモクリトスにおけるエイドラ
  エイドラ
  デモクリトスの視覚論におけるエイドラ
  砂上の尻跡
  半物質的薄皮
第三章 対‐面 としてのプロソポン
 第一節 古代ギリシア陶器画における正面観図像
  カノン=プロフィール図像
  カノンからの逸脱=正面観図像
  先行研究における正面観図像の分類
  正面性・顔面性・他者性
  アポストロフェー
  (補遺)盲目の仮面、あるいは仮面の盲目性――正面観図像をめぐる疑問点と課題
 第二節 プロソポンは「鏡」か?――カタ・プロソポン
  カタ・プロソポン
  鏡、あるいは瞳=人見
  疑似眼球としての杯――古代ギリシア陶器における瞳=人見
  到来する「顔」
第四章 アプロソポス――別様の「顔」の形象のために
 第一節 美少年カルミデスの謎
  アプロソポスの基本的な語義
  「顔のない」美少年
  アプロソポス――美-醜のカテゴリー
 第二節 テオプラストスの「鉄面皮」
  問われる「破廉恥さ」
  「カメレオン的人間」
 第三節 非人称
  パッレーシア
  プロソポンと属性
  ウーティス――名無しの仮面
結び
あとがき
関連略年表
用語集
参考文献
索引


佐藤真理恵(さとう・まりえ)1981年生まれ。国際基督教大学教養学部卒業。シエナ大学古典世界・人類学研究所(イタリア政府給費)およびクレタ大学大学院古典文献学科(ギリシャ政府給費)留学。京都大学博士(人間・環境学)。京都教育大学、京都造形芸術大学非常勤講師。共著書に『芸術理論古典文献アンソロジー西洋篇』(幻冬舎、2014年)、共訳書にロベルト・エスポジト『三人称の哲学―生の政治と非人称の思想』(講談社、2011年)など。

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by urag | 2018-01-29 15:11 | 近刊情報 | Trackback | Comments(0)
2018年 01月 26日

取次搬入日確定&書影公開:メニングハウス『生のなかば』

「叢書・エクリチュールの冒険」第10回配本となる、ヴィンフリート・メニングハウス『生のなかば』(竹峰義和訳、月曜社、2018年1月、本体2,500円、46判並製224頁、ISBN978-4-86503-054-9)の取次搬入日が決定しました。日販および大阪屋栗田には1月30日(火)に搬入いたします。トーハンは1月31日(水)です。どうぞよろしくお願いいたします。書店さんの店頭に並び始めるのは、2月になってから順次となりそうです。書影を以下に公開いたします。

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by urag | 2018-01-26 15:16 | 近刊情報 | Trackback | Comments(0)
2018年 01月 08日

2月初旬店頭発売予定新刊:メニングハウス『生のなかば――ヘルダーリン詩学にまつわる試論』

2017年1月31日取次搬入予定 *独文・批評

生のなかば――ヘルダーリン詩学にまつわる試論
ヴィンフリート・メニングハウス著 竹峰義和訳
月曜社 2018年1月 本体:2,500円 46判並製224頁 ISBN: 978-4-86503-054-9


狂気に陥るまえのヘルダーリンがみずから公刊した最後の詩のひとつである『生のなかば』――抒情詩の傑作として愛誦されてきたこの短詩のうちに密かに埋め込まれた神話論的な寓意(アレゴリー)を、緻密な韻律分析と丹念な文献考証をつうじて鮮やかに解き明かす。ひとつのテクストを徹底的に精読することではじめて開かれる、無限の解釈の地平。【叢書・エクリチュールの冒険:第10回配本】

ヴィンフリート・メニングハウス(Winfried Menninghaus, 1952-)ベルリン自由大学一般文芸学・比較文学科ペータ・ソンディ研究所教授を経て、現在は2013年にフランクフルトに創設されたマックス・プランク経験美学研究所で「言語と文学」部門のディレクターをつとめる。著書に、『敷居学――ベンヤミンの神話のパサージュ』(1986年、邦訳:伊藤秀一訳、現代思潮新社、2000年)、『無限の二重化――ロマン主義・ベンヤミン・デリダにおける絶対的自己反省理論』(1987年、邦訳:伊藤秀一訳、法政大学出版局、1992年、新装版2017年)、『吐き気――ある強烈な感覚の理論と歴史』(竹峰義和/知野ゆり/由比俊行訳、法政大学出版局、2010年)、『美の約束』(2003年、邦訳:伊藤秀一訳、現代思潮新社、2013年)など。

竹峰義和(たけみね・よしかず:1974-)東京大学大学院総合文化研究科准教授。専門はドイツ思想史・映像文化論。近年の著訳書に『〈救済〉のメーディウム――ベンヤミン、アドルノ、クルーゲ』(東京大学出版会、2016年)、ベルント・シュティーグラー『写真の映像』(共訳、月曜社、2015年)、ミリアム・ブラトゥ・ハンセン『映画と経験――クラカウアー、ベンヤミン、アドルノ』(共訳、法政大学出版局、2017年)、テオドール・W・アドルノ『模範像なしに――美学小論集』(みすず書房、2017年)など。

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by urag | 2018-01-08 15:05 | 近刊情報 | Trackback | Comments(0)
2017年 12月 07日

近刊予定:「多様体」第1号

2018年1月末→2月中旬発売予定【人文・思想】

多様体 第1号:人民/群衆
月曜社 2018年1月→2月 本体2500円 A5判並製416頁 ISBN978-4-86503-055-6

内容:創刊号特集は「人民/群衆」。ピーター・ホルワード来日講演のほか、ラミングの小説やドローモのエッセイなどの初訳、ルクリュの新訳などを掲載。連載や特別掲載では現役書店員3名と取次役員1名の寄稿あり。リプリントでは2007年に亡くなった出版人・中野幹隆による哲学書房関連のテクストを集めた。

アマゾン・ジャパンにて予約受付中

目次:
◆特集=人民/群衆
【特別掲載】進化と革命|エリゼ・ルクリュ|栗原康訳
【特別掲載】なぜ、はらわないのか?|栗原康

ドゥルーズ流の政治/ドゥルーズ後の政治|ピーター・ホルワード|小泉義之訳
自己決定と政治的意志|ピーター・ホルワード|田尻歩訳
ポスト構造主義から人民の政治的自己決定へ|佐藤嘉幸

勝利|C・L・R・ジェームズ|中井亜佐子訳
革命と日常|中井亜佐子
黒人作家とその世界|ジョージ・ラミング|吉田裕訳
私の肌の砦の中で 第一章|ジョージ・ラミング|吉田裕訳
群衆、あるいは脱植民地化の不確かな形象|吉田裕
民衆と芸術家|H・I・E・ドローモ|溝口昭子訳
アフリカ人のヨーロッパ人に対する考え|H・I・E・ドローモ|溝口昭子訳
「国民未満」から対自的民衆へ|溝口昭子

【特別掲載】嘘についての省察|アレクサンドル・コイレ|西山雄二/大江倫子訳
【寄稿】二つの「D・A・F・ド・サドの使用価値」|丸山真幸

◆連載
人質 ほか二篇|フリードリヒ・フォン・シラー|青木敦子訳
アクロアシス 第一章~第四章|ハンス・カイザー|竹峰義和訳
肉の形而上学【1】受肉と重化Ⅰ|山内志朗
後期資本主義期のなかの哲学【1】中野幹隆とその時代(1)|檜垣立哉
哲学ノート【1】真理と〈非〉解釈|三浦亮太
店長日記|佐藤健一
書店空間の定点観測【1】リブロからブックファーストへ|鎌垣英人

◆特別掲載
熊本地震の後に|児玉真也
自然の多様な混合物と構成物について|ジャン= ジャック・ルソー|飯田賢穂/淵田仁訳

◆リプリント
哲学書房を開く ほか七篇|中野幹隆

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◎多様体 第1号 寄稿者一覧

エリゼ・ルクリュ(Élisée Reclus, 1830-1905)フランスの地理学者。『19世紀世界地理』古今書院。
栗原康(くりはら・やすし、1979-)政治学者。東北芸術工科大学非常勤講師。『死してなお踊れ』河出書房新社。
ピーター・ホルワード(Peter Hallward, 1968-)イギリスの哲学者。キングストン大学教授。『ドゥルーズと創造の哲学』青土社。
小泉義之(こいずみ・よしゆき、1954-)哲学者。立命館大学教授。『ドゥルーズの哲学』講談社学術文庫。
田尻歩(たじり・あゆむ、1988-)美学研究者。一橋大学大学院博士課程在籍。
佐藤嘉幸(さとう・よしゆき、1971-)哲学者。筑波大学准教授。『新自由主義と権力』人文書院。
C・L・R・ジェームズ(Cyril Lionel Robert James, 1901-1989)トリニダードの作家。『境界を越えて』月曜社。
中井亜佐子(なかい・あさこ、1966-)文学研究者。専門は英文学。一橋大学教授。『他者の自伝』研究社。
ジョージ・ラミング(George Lamming, 1927-)バルバドス出身の作家。『私の肌の砦の中で』月曜社刊行予定。
吉田裕(よしだ・ゆたか、1980-)文学研究者。専門はカリブ文学及び思想。東京理科大学講師。
H・I・E・ドローモ(Herbert Isaac Ernest Dhlomo, 1903-1956)南アフリカの作家。叙事詩『千の丘のある谷』(1941年、未訳)など。
溝口昭子(みぞぐち・あきこ、1966-)文学研究者。専門はアフリカ英語文学。東京女子大学准教授。
アレクサンドル・コイレ(Alexandre Koyré, 1892-1964)フランスの科学史家。『ガリレオ研究』法政大学出版局。
西山雄二(にしやま・ゆうじ、1971-)哲学者。首都大学東京准教授。『哲学への権利』勁草書房。
大江倫子(おおえ・みちこ、1951-)哲学専攻。首都大学東京博士後期課程。
丸山真幸(まるやま・まさゆき、1974-)仏文研究者。津田塾大学非常勤講師。
フリードリヒ・フォン・シラー(Johann Christoph Friedrich von Schiller, 1759-1805)ドイツの作家。『シラー詩集』月曜社刊行予定。
青木敦子(あおき・あつこ、1957-)文学研究者。学習院大学非常勤講師。『影像の詩学』月曜社。
ハンス・カイザー(Hans Kayser, 1891-1964)スイスの音楽理論家。『アクロアシス』月曜社刊行予定。
竹峰義和(たけみね・よしかず、1974-)思想史家。東京大学准教授。『〈救済〉のメーディウム』東京大学出版会。
山内志朗(やまうち・しろう、1957-)哲学者。慶應義塾大学教授。『湯殿山の哲学』ぷねうま舎。
檜垣立哉(ひがき・たつや、1964-)哲学者。大阪大学教授。『日本哲学原論序説』人文書院。
三浦亮太(みうら・りょうた、1982-)書店員。人文書担当。
佐藤健一(さとう・けんいち、1964-)書店狂人。『GOMES』誌(PARCO, 1989~96)ライター。
鎌垣英人(かまがき・ひでと、1961-)取次営業。大阪屋栗田執行役員。
児玉真也(こだま・しんや、1981-)書店員。長崎書店勤務。
ジャン=ジャック・ルソー(Jean-Jacques Rousseau, 1712-1778)フランスの哲学者。『化学教程』月曜社ウェブサイト連載中。
飯田賢穂(いいだ・よしほ、1984-)政治思想史家。新潟大学特別研究員。
淵田仁(ふちだ・まさし、1984-)思想史家。立正大学文学部非常勤講師。
中野幹隆(なかの・みきたか、1943-2007)編集者。哲学書房社主。

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by urag | 2017-12-07 12:00 | 近刊情報 | Trackback | Comments(0)