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カテゴリ:本のコンシェルジュ( 944 )


2018年 03月 16日

ブックツリー「哲学読書室」に百木漠さんの選書リストが追加されました

オンライン書店「honto」のブックツリー「哲学読書室」に、『アーレントのマルクスーー労働と全体主義』(人文書院、2018年3月)を上梓された百木漠さんによるコメント付き選書リスト「アーレントとマルクスから「労働と全体主義」を考える」が追加されました。リンク先にてご覧いただけます。


◎哲学読書室

星野太(ほしの・ふとし:1983-)さん選書「崇高が分かれば西洋が分かる
國分功一郎(こくぶん・こういちろう:1974-)さん選書「意志について考える。そこから中動態の哲学へ!
近藤和敬(こんどう・かずのり:1979-)さん選書「20世紀フランスの哲学地図を書き換える
上尾真道(うえお・まさみち:1979-)さん選書「心のケアを問う哲学。精神医療とフランス現代思想
篠原雅武(しのはら・まさたけ:1975-)さん選書「じつは私たちは、様々な人と会話しながら考えている
渡辺洋平(わたなべ・ようへい:1985-)さん選書「今、哲学を(再)開始するために
西兼志(にし・けんじ:1972-)さん選書「〈アイドル〉を通してメディア文化を考える
岡本健(おかもと・たけし:1983-)さん選書「ゾンビを/で哲学してみる!?
金澤忠信(かなざわ・ただのぶ:1970-)さん選書「19世紀末の歴史的文脈のなかでソシュールを読み直す
藤井俊之(ふじい・としゆき:1979-)さん選書「ナルシシズムの時代に自らを省みることの困難について
吉松覚(よしまつ・さとる:1987-)さん選書「ラディカル無神論をめぐる思想的布置
高桑和巳(たかくわ・かずみ:1972-)さん選書「死刑を考えなおす、何度でも
杉田俊介(すぎた・しゅんすけ:1975-)さん選書「運命論から『ジョジョの奇妙な冒険』を読む
河野真太郎(こうの・しんたろう:1974-)さん選書「労働のいまと〈戦闘美少女〉の現在
岡嶋隆佑(おかじま・りゅうすけ:1987-)さん選書「「実在」とは何か:21世紀哲学の諸潮流
吉田奈緒子(よしだ・なおこ:1968-)さん選書「お金に人生を明け渡したくない人へ
明石健五(あかし・けんご:1965-)さん選書「今を生きのびるための読書
相澤真一(あいざわ・しんいち:1979-)さん/磯直樹(いそ・なおき:1979-)さん選書「現代イギリスの文化と不平等を明視する
権安理(ごん・あんり:1971-)さん選書「そしてもう一度、公共(性)を考える!
百木漠(ももき・ばく:1982-)さん選書「アーレントとマルクスから「労働と全体主義」を考える

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by urag | 2018-03-16 16:37 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
2018年 03月 11日

注目新刊:ファム・コン・ティエン『深淵の沈黙』、入江公康『現代社会用語辞典』、ほか

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『深淵の沈黙』ファム・コン・ティエン著、野平宗弘訳、東京外国語大学出版会、2018年2月、本体3,200円、本体3,200円、四六変型並製368頁 ISBN978-4-904575-66-6
現代社会用語辞典』入江公康著、新評論、2018年2月、本体1,700円、四六判変型上製192頁、ISBN978-4-7948-1070-0
ナボコフ・コレクション 処刑への誘い/戯曲 事件 ワルツの発明』ウラジーミル・ナボコフ著、小西昌隆/毛利公美/沼野充義訳、新潮社、2018年2月、本体4,800円、四六判上製494頁、ISBN978-4-10-505607-0
墨子』金谷治訳、末永高康解説、中公クラシックス、2018年2月、本体1,800円、新書判288頁、ISBN978-4-12-160179-7
ホモ・ルーデンス――文化のもつ遊びの要素についてのある定義づけの試み』ヨハン・ホイジンガ著、里見元一郎訳、講談社学術文庫、2018年3月、本体1,200円、400頁、ISBN978-4-06-292479-5
宇治拾遺物語 上 全訳注』高橋貢/増古和子訳、講談社学術文庫、2018年3月刊、本体2,400円、848頁、ISBN978-4-06-292491-7
戦う操縦士』サン=テグジュペリ著、鈴木雅生訳、光文社古典新訳文庫、2018年3月、本体880円、340頁、ISBN978-4-334-75372-6
フレーベル自伝』長田新訳、岩波文庫、1949年12月、本体720円、212頁、ISBN978-4-00-337043-8

★『深淵の沈黙』は旧南ベトナムの首都サイゴンで1967年にアンティエム出版より刊行された『Im lặng hố thẳm』の全訳。著者のファム・コン・ティエン(Phạm Công Thiện, 1941-2011)はベトナム出身の詩人、思想家。1975年から1983年までフランスのトゥールーズ大学で西洋哲学の助教授を務めた後、アメリカに移住し、テキサス州ヒューストンにて死去。本書執筆当時は26歳。ベトナム戦争のさなかにハイデガー哲学との対話/対決を通じて「西洋形而上学は、現在のベトナムでの過酷な戦争において成就した」(152頁)と説き、西洋思想と東洋思想をともに乗り越える「到来すべきベトナム思想」を展望するユニークな試みとなっています。目次詳細は版元名のリンク先でご確認いただけます。「深淵の沈黙へと到る道は破壊の道であり、同時にまた、背理の道でもある。究極まで破壊し背理した後には、さらに何が残っているというのだろうか?/この最後の問いは砂のない砂漠に飛んでいく。深渕に跳び入る『易経』の龍のように」(32頁)。詩人の言葉の刃が思惟の奥底を自在に切り開きます。

★『現代社会用語辞典』は、ことば(アニミズム~リベラリズム)、ひと(アガンベン~戸坂潤)、出来事(QCサークル~ラッダイト)、シネマ(エネミー・オブ・アメリカ~ル・アーヴルの靴みがき)、の四部に148項目を収めた個性的かつ魅力的なキーワード/キーパーソン集で、「われわれが生きるこの「社会」の自明性を剥ぐこと、つまり「あまりまえ」を疑ってみる/疑うこと」を目的としているとのことです。巻末附録として、関連年表、コメント付きブックリスト、名著引用集を併載。入江公康(いりえ・きみやす:1967-)さんの単独著は『眠られぬ労働者たち』(青土社、2008年)以来のもの。以文社さんから先月刊行されたキーワード集『Lexicon 現代人類学』と一緒に購読されることをお薦めします。

★『処刑への誘い/戯曲 事件 ワルツの発明』は美しいカヴァーが惚れ惚れとさせる『ナボコフ・コレクション』シリーズの第二回配本。「処刑への誘い」は1938年に刊行された作品で、既訳には英語版からの富士川義之さんによる訳「断頭台への招待」(『世界の文学8』所収、集英社、1977年)があります。今回の新訳はロシア語からの初訳で、英語版への序文も訳出されています。近未来の某都市で「認識論的卑劣さ」という罪状によって死刑判決を受けた男性が主人公の「アンチ・ユートピア的不条理小説」(帯文より)。カフカの『審判』を連想させると当時の書評家たちは思ったようですし私もそう思いますが、ナボコフは「なんのかかわりもない」と英語版への序文で書いています。併載された二つの戯曲は初訳。大手版元が出す文芸書としてはやや高額で学生さんには手が出しにくいかもしれませんが、妥当だと思います。

★『墨子』は凡例によれば、中公バックス版『世界の名著10 諸子百家』(1978年)所収の「墨子」を底本とし、末永高康さんによる新たな解説「墨家の思想と論理」を巻頭に付したもの。「墨子」全71編のうち現存する53篇から主要な部分を抄録し、省略した諸篇には概要が付されています。博愛主義としての兼愛を説いたのちに侵略戦争反対論である非攻を説くその思想は反運命論でもあります。「すべて人しだいであって、宿命があるなどとどうしていえようか」(130頁、第35「非命篇」上)。この言葉は時を越えて現代人をも励ますものではないでしょうか。

★『ホモ・ルーデンス』は河出書房新社版「ホイジンガ選集」第一巻(1971年;新装版1989年)の文庫化。翻訳の底本は、オランダのハーレム社版全集第5巻所収のテクスト(1950年)。「学術文庫版あとがき」によれば「紙幅の都合でオランダ語目次と索引を削除した」とのことです。「遊びは文化より古い」という一文から始まるこの古典的名著は、「人間社会に固有で偉大な活動にはすべてはじめから遊びが織り込まれている」(21頁)と教えます。既訳では、高橋英夫訳の中公文庫版がロングセラーとなっているのは周知の通りです。

★『宇治拾遺物語 上 全訳注』は上下巻の上巻。「中世前期、鎌倉時代成立の代表的説話集」(解題)であり、「日本人を楽しませてきた「話」の宝庫」(帯文)です。上巻ではこぶとりの話(第3話)、舌切り雀の話(第48話)などを含む104話を収めています。古本系統「伊達本」『宇治大納言物語』を底本に、本文、現代語訳、語釈、参考で構成されています。続刊となる下巻では196話までを収録。

★『戦う操縦士』は『Pilote de guerre』(1942年)の新訳。既訳には堀口大学訳(三笠書房、1951年;「現代世界文学全集7」所収、三笠書房、1954年;新潮社、1964年;新潮文庫、1978年)や、山崎庸一郎訳(「サン=テグジュペリ著作集2」所収、みすず書房、1984年;「サン=テグジュペリ・コレクション4」みすず書房、2000年)があります。本作は「ヒトラー『我が闘争』に対する「民主主義からの返答」として高く評価され」ているとカバーソデ著者略歴では紹介されており、「戦争体験を描いた自伝的小説」と帯文に謳われています。「私は信じる。《人間》の優越こそが唯一意味ある《平等》を、唯一意味ある《自由》を築きあげるものだと。私は《人間》の権利が各個人を通して平等であると信じる。《自由》とは《人間》の上昇にほかならないと信じる。《平等》とは《同一性》ではない。《自由》とは個人を《人間》よりも称揚することではない。したがって私が戦うのは、それが誰であれ、《人間》の自由をある個人に――あるいは個人からなる群れに――隷従させようとする者だ」(297頁)。危機の時代にこそ読みたい一冊です。

★『フレーベル自伝』は岩波文庫の2018年春のリクエスト復刊37点40冊のうちのひとつ。「マイニンゲン公に宛てたる書翰」と「フリードリヒ・クラウゼに宛てたる書翰」を収録。岩波文庫ではフレーベルの『人間の教育』上下巻が出ていましたが、現在は品切。フレーベルの訳書で定期的に重版されるのは岩波文庫だけなので、いずれ重版されるだろうと想像します。

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★また最近では以下の新刊との出会いがありました。

科学的人間と権力政治』ハンス・J・モーゲンソー著、星野昭吉/髙木有訳、作品社、2018年3月、本体2,500円、46判上製270頁、ISBN978-4-86182-669-6
摂政九条兼実の乱世――『玉葉』をよむ』長崎浩著、平凡社、2018年3月、本体5,400円、A5判上製324頁、ISBN978-4-582-46911-0
『エリー・フォール映画論集 1920-1937』須藤健太郎編訳、ソリレス書店、2018年2月、本体2,800円、四六判並製278頁、ISBN978-4-908435-09-6
原発事故と「食」――市場・コミュニケーション・差別』五十嵐泰正著、中公新書、2018年2月、本体820円、新書判240頁、ISBN978-4-12-102474-9
バカロレア幸福論――フランスの高校生に学ぶ哲学的思考のレッスン』坂本尚志著、星海社新書、2018年2月、本体920円、新書判190頁、ISBN978-4-06-511232-8
高校生のための ゲームで考える人工知能』三宅陽一郎/山本貴光著、ちくまプリマー新書、2018年3月、本体950円、新書判272頁、ISBN978-4-480-68998-6
享楽社会論――現代ラカン派の展開』松本卓也著、人文書院、2018年3月、本体2,200円、4-6判300頁、ISBN978-4-409-34051-6
モスクワの誤解』シモーヌ・ド・ボーヴォワール著、井上たか子訳、人文書院、2018年3月、本体2,200円、4-6判上製172頁、ISBN978-4-409-13039-1
天皇制と民主主義の昭和史』河西秀哉著、人文書院、2018年2月、本体2,500円、4-6判並製300頁、ISBN978-4-409-52068-0
灰色のユーモア――私の昭和史』和田洋一著、鶴見俊輔/保阪正康解説、人文書院、2018年2月、本体2,500円、4-6判上製304頁、ISBN978-4-409-52069-7
アーレントのマルクス――労働と全体主義』百木漠著、人文書院、2018年2月、本体4,500円、4-6判上製340頁、ISBN978-4-409-03097-4

★『科学的人間と権力政治』は『Scientific Man vs. Power Politics』(The University of Chicago Press, 1946)の全訳。訳者後記の言葉を借りると本書は「国際政治学の父」と呼ばれるモーゲンソー〔Hans Joachim Morgenthau, 1904-1980〕の米国でのデビュー作であり、「彼の主唱する現実主義政治哲学の体系的解説書」。目次は以下の通りです。

まえがき
第一章 科学的人間のジレンマ
第二章 科学の時代と社会
第三章 政治の否定
第四章 平和の科学
第五章 自然科学という怪物
第六章 科学的人間の非合理性
第七章 科学的人間の道徳的盲目性
第八章 科学的人間の悲劇
訳者後記
原注
索引

★『摂政九条兼実の乱世』は、後白河院、平清盛、源頼朝の同時代人である公卿、九条兼実(くじょう・かねざね:1149-1207)の膨大な日記「玉葉」を乱世の政治文書として読みといたもの。目次は以下の通り。

はじめに
第一章 青年右大臣――政治家デビュー
第二章 摂関政治の理念――二頭政治の狭間で
第三章 朝務を演じる――官奏・陣定・除目
第四章 大衆蜂起――朝廷の「外部」に直面する
第五章 乱世の至り――クーデタ・遷都・南都焼亡
第六章 葬送の年――漂流する兼実
第七章 京中周章――平氏・義仲・義経
第八章 摂政への道――社稷に身命を惜しまず
第九章 摂政兼実――政に淳素に返す
第十章 危うい均衡――行き違う「天下草創」
第十一章 兼実最後の政治――摂籙の臣を演ずる
あとがき
玉葉略年譜

★『エリー・フォール映画論集 1920-1937』はフランスの高名な美術史家フォール(Élie Faure, 1873-1937)の映画論を日本語版独自編集でまとめたもの。4部構成で16篇を収録。目次は以下の通りです。

Ⅰ 映画の発見
   映画造形〔シネプラスティック〕について 
Ⅱ 芸術・文化・文明
   機械主義の美学 
   ティントレットの予感 
   映画神秘主義序説 
   映画の知的役割 
Ⅲ 映画作家のかたわらで
   シャルロ礼賛 
   アベル・ガンス『ナポレオン』のプレミア上映に寄せて 
   三面スクリーンの発見 
   アベル・ガンスの著書『プリズム』に寄せて 
   S・M・エイゼンシュテインと未来の映画 
   戦争映画と平和主義 
   生粋の映画作家――『アタラント号』の作者ジャン・ヴィゴ 
   イタリアの映画小屋 
Ⅳ 講演録から
   写真展《社会生活のドキュメント》 
   スペイン内戦に関する記録映画 
   映画は普遍言語である 
シネプラスティックとその彼方̶̶訳者後記にかえて
人名・映画作品名索引

★先月と今月の新書新刊より3点。中公新書『原発事故と「食」』は、首都圏の電力だけでなく食を支えてきた福島県をめぐり、風評被害の実態やそのメカニズムを精緻に検証する力作。星海社新書『バカロレア幸福論』はフランスにおける高校の哲学授業や大学試験を紹介しつつ、思考力と表現力の訓練を日本の読者に提供する貴重な試み。ちくま新書『高校生のための ゲームで考える人工知能』は気鋭のゲームクリエイター2氏による、デジタルゲーム作成に仮託した人工知能入門。

★最後に人文書院さんの先月下旬から今月初旬に掛けて発売された新刊5点。いずれも書名のリンク先で目次をご確認いただけます。『享楽社会論』は『人はみな妄想する――ジャック・ラカンと鑑別診断の思想』(青土社、2015年)に続く松本卓也さんによる注目の単著第二作。版元サイトで序章をPDFで立ち読みできます。『モスクワの誤解』は67年に執筆された中編小説で単行本としてはようやく2013年にL'Herneより公刊された『Malentendu à Moscou』の全訳。初老の夫婦が経験する精神的危機が描かれており、ボーヴォワールとサルトルのソ連訪問がヒントとなっているようです。

★『天皇制と民主主義の昭和史』は『「象徴天皇」の戦後史』(講談社選書メチエ、2010年)の増補改題版。『灰色のユーモア』は新聞学者の和田洋一(わだ・よういち:1903-1993)さんの『私の昭和史』(小学館、1976年;旧版は『灰色のユーモア』理論社、1958年)から「灰色のユーモア」を含む5篇を収め、それに著者の「スケッチ風の自叙伝」と鶴見俊輔さんの「亡命について」(ともに『抵抗と持続』所収、世界思想社、1979年)を加え、巻末に保阪正康さんの書き下ろし「註解」を併載したもの。『アーレントのマルクス』は百木さんの博士論文「「労働」と全体主義――「無限増殖運動に抗するアーレント」に大幅な加筆修正を施したもの。序章のPDFが書名のリンク先で公開されています。

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by urag | 2018-03-11 23:38 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
2018年 03月 10日

直近雑誌での取次人の寄稿記事まとめ

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2018年1月~2月に発売された雑誌で取次人が寄稿した記事をまとめます。

◆『しししし』vol.1(特集=宮沢賢治)、双子のライオン堂、2017年12月、本体1,800円、A5判並製180頁、ISBN978-4-0009283-4-6
「太平書林さんのこと」片山昌美(かたやま・まさみ:書籍取次業
「偶然と必然の技法」松井祐輔(まつい・ゆうすけ:1984-;H.A.Bookstore店主)

◆『本の雑誌』2018年3月号(特集=本屋さんになろう!)、本の雑誌社、2018年3月【2月7日発売】、本体667円、A5判並製136頁、ISBN978-4-86011-379-7
「本屋さんになりたい~なるには」鎌垣英人(かまがき・ひでと:1961-;大阪屋栗田執行役員)
「あきらめる必要はない!!本をお店に並べるための方法」松井祐輔(前掲)

◆『多様体』第1号(特集=人民/群衆)、月曜社、2018年2月、本体2,500円、A5判並製416頁、ISBN978-4-86503-055-6
「書店空間の定点観測【1】リブロからブックファーストへ」鎌垣英人(前掲)

◆『現代思想』2018年3月号(特集=物流スタディーズ)、青土社、2018年3月【2月27日発売】、A5判並製230頁、ISBN978-4-7917-1361-5
「誰でも本屋をつくることができる仕組みをつくる」柳下恭平(やなした・きょうへい:1976-;鴎来堂代表/かもめブックス店主/ことりつぎエディトリアル・ジェットセット

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これらと一緒に併読しておきたいのは、取次に新刊が搬入されるまでの印刷製本所さんの仕事に焦点をあてた、講談社の『小説現代』2018年3月号内の「大特集=本を造る!」です。四部構成となっていて、東村アキコさんと安藤祐介さんの対談「本は「宝物」で「宝箱」」に始まり、作家さんの執筆から出版社、印刷所、製本所へと至る作業工程を簡潔に図式化した「一冊の本ができるまで」、豊国印刷、国宝社、黒柳製本、日本樹脂工業に取材した「入稿から搬入まで、16人の“職人”に訊く!」、最後に印刷所の営業マンが主人公の、安藤祐介さんによる新作小説『本のエンドロール』(3月7日発売)の第一章「スロウスタート」が掲載されています。
また『しししし』を創刊した双子のライオン堂さんが今月、「本屋入門」講座を開講されるそうです。


日時:2018年3月18日(日)10:00~18:30
場所:双子のライオン堂(東京都港区赤坂6-5-21-101)
費用:18,000円 ※懇親会は別途費用
募集人数:6名程度
主催:BOOKSHOP LOVER/双子のライオン堂

内容:この度、2015年2016年と好評いただいた「本屋入門」を、1日集中で濃縮体験する特別版を開催することに致しました。われわれ本屋入門は、過去2回長期的なゼミを開催しました。受講生の中から数名の本屋さんが誕生し一定の成果があったと自負しております。昨年1年間は「本屋入門」の充電期間として、主催それぞれの活動に注力しておりました。そんな中、本屋さんになる講座をまたやってほしいという声をいただくことが増えてきました。過去に頂いた意見などを今一度見直し、また類似の講座も増えてきているので、少しやり方を変えて、開催してみようと思い、1日集中型の講座を開講します。本屋入門SWITCH!は、1日集中して「理想の本屋」を考え抜いていただきます。授業は、講義とワークショップを取り入れて行います。「理想の本屋」を考えることで、実際に本屋をやる上での課題などを浮き彫りにして、本屋を始める、本屋について考える「スイッチ」を押すことができればと考えております。

スケジュール:
10:00~10:30 はじめに~趣旨説明・紹介等~ 司会進行:BOOKSHOPLOVER和気、双子のライオン堂竹田
10:30~12:00 対談講義「中と外から見た本屋の世界」講師:どむか氏(本屋さんウォッチャー)×K氏(大手取次執行役員)with和気、竹田
12:00~13:00 昼食
13:00~14:30 講義「いい本屋ってどんな本屋?」講師:「マガジン航」編集人・仲俣暁生氏/司会:和気、竹田
14:30~14:45 休憩
14:45~17:15 ワークショップ「「理想の本屋」の計画書を書いてみよう」司会進行:和気、竹田、ゲスト調整中 ※適宜休憩あり
17:30~18:30 発表(一人3分くらい発表して、3分くらい討議する)
18:30~20:00 懇親会 ※懇親会は任意参加。参加費別回収。

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by urag | 2018-03-10 17:23 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
2018年 03月 04日

注目新刊:「知泉学術叢書」が創刊、ほか

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★まずは単行本の新刊から。

キリスト教と古典文化――アウグストゥスからアウグスティヌスに至る思想と活動の研究』C・N・コックレン著、金子晴勇訳、知泉学術叢書:知泉書館、2018年2月、本体7,200円、新書判上製926頁、ISBN978-4-86285-268-7
デカルト 数学・自然学論集』(山田弘明/中澤聡/池田真治/武田裕紀/三浦伸夫/但馬亨訳・解説、フレデリック・ド・ビュゾン序、法政大学出版局、2018年2月、本体4,500円、A5判上製388頁、ISBN978-4-588-15090-6
誰が世界を支配しているのか?』ノーム・チョムスキー著、大地舜/榊原美奈子訳、双葉社、2018年2月、本体1,600円、四六判並製384頁、ISBN978-4-575-31341-3
情報経済の鉄則――ネットワーク型経済を生き抜くための戦略ガイド』カール・シャピロ/ハル・ヴァリアン著、大野一訳、日経BPクラシックス:日経BP社、2018年2月、本体3,000円、4-6変判上製656頁、ISBN978-4-8222-5557-2
肉食行為の研究』野林厚志編、平凡社、2018年3月、本体4,600円、A5判上製496頁、ISBN978-4-582-83770-4
〈原作〉の記号学――日本文芸の映画的次元』中村三春著、七月社、2018年2月、本体3,200円、四六判上製288頁、ISBN978-4-909544-01-8

★コックレン『キリスト教と古典文化』は、『Christianity and Classical Culture』(1939)の全訳。難解をもって鳴る古典的名著の待望の訳書です。目次詳細は書名のリンク先をご確認ください。「知泉学術叢書」の第一弾であり、この叢書は「研究基盤として役立つ、一次文献と基本的な二次文献の翻訳シリーズ」とのこと。続刊予定にイェーガー『パイデイア――ギリシアにおける人間形成』(上巻、曽田長人訳)、パラマス『東方教会の精髄 人間の神化論攷――聖なるヘシュカストたちのための弁護』(大森正樹訳)、トレル『聖トマス・アクィナス――人と作品』(保井亮人訳)などが予告されています。特に『パイデイア』は待ち遠しいですね。

★『デカルト 数学・自然学論集』は昨年の『デカルト 医学論集』(山田弘明/安西なつめ/澤井直/坂井建雄/香川知晶/竹田扇訳、アニー・ビトボル=エスペリエス序、法政大学出版局、2017年3月)に続く、貴重な論文集。最新の原典校訂テキストをふまえた「幾何学・代数学・力学分野での科学者デカルトの寄与を一望できる貴重な一冊」(帯文)。共訳者の山田さんは昨年、『デカルト ユトレヒト紛争書簡集(1642-1645)』(山田弘明/持田辰郎/倉田隆訳、知泉書館、2017年12月)も上梓されており、近年のデカルトの新訳と初訳を継続的に牽引されているその功績には大なるものがあると言うべきはないでしょうか。

★チョムスキー『誰が世界を支配しているのか?』は英米語圏でベストセラーになっていると聞く『Who Rules the World?』の翻訳。原書では2016年にハードカバーが出て、2017年にペーパーバックが発売されています。全23章で、訳書では巻頭に「日本の読者の皆様へ」、巻末に「あとがき 2017年版によせて」を収録。誰が世界を支配しているのかを問うことは「どんな原則や価値観が世界を支配しているのか」(367頁)を問うことでもあるとチョムスキーは示唆します。昨今、トランプ政権の内幕を暴いた『炎と怒り』が日本でもついに翻訳されましたが、チョムスキー本の方が共和党批判においては辛辣です。

★シャピロ/ヴァリアン『情報経済の鉄則』は『Information Rules: A Strategic Guide to the Network Economy』(Harvard Business Press, 1999)の新訳。既訳は『「ネットワーク経済」の法則――アトム型産業からビット型産業へ…変革期を生き抜く72の指針』(千本倖生監訳、宮本喜一訳、IDGコミュニケーションズ、1999年)でした。新訳の帯文は以下の通り。「Googleを世界一にした経済学者で同社チーフエコノミスト、ハル・ヴァリアンらが1999年に刊行した不朽の名著」。目次詳細は照明のリンク先をご覧ください。「本書の鉄則に従えば、成功の確率が格段に高まる」というジェフ・ベゾスの言葉が帯の背に刷られていて非常に説得的です。

★野林厚志編『肉食行為の研究』はまもなく発売。「人類学を中心に、人文・自然科学の枠を超えた研究者たちが、人間の肉食をめぐる問題群を全方位的に考え抜いた、前代未聞にして画期的な共同研究の成果」(帯文より)と。「肉食行為の文化誌」「肉食行為の人類史」「肉食行為のイメージ」「肉食行為のグローバリズム」の四部構成で16本の論考を収録。あとがきによれば、編者が代表者となって実施した国立民族学博物館共同研究(平成24~26年度)における研究発表をもとに、各執筆者が課題に沿って執筆したものとのことです。食(行為)の研究はいまもっとも重要な分野のひとつではないでしょうか。人文書売場でもちゃんとした位置付けが必要だと感じます。

★中村三春『〈原作〉の記号学』は昨年末創業されたひとり学術出版社「七月社」(しちがつしゃ)さんの書籍第二弾で、映画論です。「文芸原作を持つ第二次テクストとしての映画を理論的また分析的に研究したもの」(10頁)。目次詳細は書名のリンク先をご覧ください。著者の中村三春(なかむら・みはる:1958-)さんは北海道大学大学院文学研究科教授で、ご専門は日本近代文学・比較文学・表象文化論専攻。近年の編書に『映画と文学――交響する想像力』(森話社、2016年)があります。この本の編集担当がほかならぬ七月社を起業したNさんです。

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★続いて文庫新刊より。

『政治の約束』ハンナ・アレント著、ジェローム・コーン編、高橋勇夫訳、ちくま学芸文庫、2018年3月、本体1,400円、文庫判416頁、ISBN978-4-480-09849-8
『人間とはなにか――脳が明かす「人間らしさ」の起源』上下巻、マイケル・S・ガザニガ著、柴田裕之訳、ちくま学芸文庫、2018年3月、本体各1,300円、文庫判384頁/368頁、ISBN978-4-480-09851/978-4-480-09852-8
『増補 ハーバーマス――コミュニケーション的行為』中岡成文著、ちくま学芸文庫、2018年3月、本体1,300円、文庫判400頁、ISBN978-4-480-09853-5
『現代語訳 三河物語』大久保彦左衛門著、小林賢章訳、ちくま学芸文庫、2018年3月、本体1,200円、文庫判336頁、ISBN978-4-480-09844-3
『ホームズと推理小説の時代』中尾真理著、ちくま学芸文庫、2018年3月、本体1,200円、文庫判352頁、ISBN978-4-480-09847-4
わが思索のあと』アラン著、森有正訳、長谷川宏解説、中公文庫、2018年2月、本体1,200円、文庫判408頁、ISBN978-4-12-206547-5
君主論 新版』マキアヴェリ著、池田廉訳、佐藤優解説、中公文庫、2018年2月、本体800円、文庫判272頁、ISBN978-4-12-206546-8
怠惰の美徳』梅崎春生著、荻原魚雷編、中公文庫、2018年2月、本体900円、文庫判312頁、ISBN978-4-12-206540-6

★ちくま学芸文庫のまもなく発売となる今月新刊は5点。アレント『政治の約束』は『The Promise of Politics』(Shocken Books, 2005)の全訳で、訳書単行本は2008年に筑摩書房より刊行。文庫化にあたり、訳者解説によれば「訳文に少々手を入れた。いくつかの訂正箇所もあったが、大半は文章を読みやすくする作業であった」とのことです。後段には「多数の訳文の修正のみならず、無数の句読点の取捨や語尾の変更」ともあります。同じくコーンの編書『責任と判断』(中山元訳、2007年;ちくま学芸文庫、2016年)も文庫化されているので、筑摩書房のアレントの単行本はすべて文庫化されたことになります。

★ガザニガ『人間とはなにか』上下巻は、2010年にインターシフトより刊行された『人間らしさとはなにか?――人間のユニークさを明かす科学の最前線』の改題分冊文庫化。原書は『Human: The Science Behind What Makes Us Unique』(Ecco, 2008)です。帯文に曰く「ピンカー、ラマチャンドラン絶賛」と。特に本書の最終章「肉体など必要か?」は人間が科学技術によって変容を被りうる近未来についての考察を簡潔にまとめており興味深いです。

★中岡成文『増補 ハーバーマス』は1993年に講談社の「現代思想の冒険者たち」シリーズで刊行され、その後2003年に同シリーズのセレクト版として再刊された単行本の増補文庫化で、終章「対話は世界を変えられるのか――その後のハーバーマス」(291~331頁)が書き下ろしで追加されています。「対話が支える相互理解は可能か? 理性を信じる思想」という帯文は対話よりも圧力を選ぶ、恐怖と不信に絡めとられた現代政治への直球の提言として響きます。

★『現代語訳 三河物語』は、教育社より1980年に刊行された『三河物語』上下巻の改訳文庫化。「徳川家九代の歴史を今に伝える重要古典〔・・・〕当時の俗語で書かれた難解な原文を、読みやすい現代語訳で送る」(カヴァー紹介文より)と。「忠誠」を精神のよりどころに戦国時代を生き抜いた老武者のひたむきな生きざまと考え方に心奪われるだろう、と訳者は「はじめに」で書いています。

★中尾真理『ホームズと推理小説の時代』は書き下ろし。目次を列記しておきます。
前書き
第一部 『ストランド・マガジン』とシャーロック・ホームズ
 第一章 シャーロック・ホームズ登場
 第二章 ホームズの引退
 第三章 観察と推理――シャーロック・ホームズの先輩たち
第二部 推理小説の黄金時代(イギリスの場合)
 第一章 シャーロック・ホームズのライヴァル(同時代人)たち
 第二章 G・K・チェスタトンとE・C・ベントリー
 第三章 アガサ・クリスティ
 第四章 ドロシー・L・セイヤーズ
 第五章 A・A・ミルンとロナルド・A・ノックス
第三部 推理小説の黄金時代(アメリカの場合)
 第一章 S・S・ヴァン・ダイン
 第二章 エラリー・クイーン
 第三章 ジョン・ディクスン・カー
 第四章 アール・スタンリー・ガードナー
 第五章 レックス・スタウト
第四部 推理小説の黄金時代の余波
 第一章 黄金時代の余波
第五部 推理小説の黄金時代(日本の場合)
 第一章 日本の近代化と推理小説
附録1 千駄ヶ谷のシャーロック・ホームズ
附録2 人はなぜ推理小説を読むのか
参考文献
あとがき

★続いて中公文庫。「古典作品の歴史的な翻訳に光を当てる精選シリーズ」である中公文庫プレミアムの最新刊はアラン『わが思索のあと』。「円熟期を迎えた著者が師〔ラニョー〕との出会いからプラトン、ヘーゲルなどの哲学、第一次大戦の従軍体験、さらに唯物論、宗教まで繊細な筆致で綴る。稀有な思想的自伝全34章」(カヴァー裏紹介文より)。思索社より1949年に刊行された単行本の文庫化で原書は『Histoire de mes pensées』(Gallimard, 1936)です。文庫化にあたり新字新仮名遣いを採用し、固有名詞の表記を改め、誤植を修正し、新たな人名索引を付したとのことです。長谷川宏さんによる解説「過去の経験を思想化すること」が付されています。同シリーズではエリオット『荒地/文化の定義のための覚書』(深瀬基寛訳)が続刊予定となっています。

★マキアヴェリ『君主論 新版』は1995年に中公文庫で刊行された新訳版の新組再刊と見て良いかと思います。このかん、中公クラシックスでも2001年に刊行されており、訳者解説末尾の文献案内に新訳版以降の文献も加わっているのは2001年版からでしたでしょうか。いずれにせよ、「世界の名著」から数えて5度目の再刊となるロングセラーです。巻末には佐藤優さんによる解説が新たに付されています。独裁化の危険に抗する「愚行権」(幸福追求権)の重要性について語る佐藤さんの筆致が印象的です。

★梅崎春生『怠惰の美徳』は荻原魚雷さんが選んだ随筆と短編小説をまとめたもの。発売後早くも反響続々で、今年の再評価本として記憶に残るだろう一冊。「やる気がなくてもなんとかやっています」という帯文が無性に可笑しいです。表題作はその脱力感がよく表れている一篇。「私自身にしても、ナマケモノといわれるより、閑人といわれる方が気持ちがいい。私は「閑暇の美徳」という文章を書くべきであったようだ」(17頁)。あくせく働いて自分がどこを目指しているのか、目指したいのかが分からなくなっている現代の読者もまた、働かされることによって失った自由な自律的時間である「閑暇」を取り戻すべく、怠惰という力を見直すべきなのかもしれません。ラッセルの名著『怠惰への讃歌』(平凡社ライブラリー、2009年)やラファルグ『怠ける権利』(平凡社ライブラリー、2008年)とともに噛みしめたい一冊です。

★さらに言えば國分功一郎さん『暇と退屈の哲学』(増補新版、太田出版、2015年)や、スヴェンセン『働くことの哲学』(紀伊國屋書店、2016年)、カイヨワ『遊びと人間』(講談社学術文庫、1990年)、チクセントミハイ『フロー体験 喜びの現象学』(世界思想社、1996年)、ボイル『無銭経済宣言』(紀伊國屋書店、2017年)、フレイレ『希望の教育学』(太郎次郎社、2001年)、イリイチ『脱学校の社会』(東京創元社、1977年)、ブラック『労働廃絶論――ボブ・ブラック小論集』(アナキズム叢書、2015年)なども思い浮かびます。今月は講談社学術文庫でホイジンガの『ホモ・ルーデンス』の新訳がまもなく発売となりますし、政府が謳う「働き方改革」を考え直す上でこれらの読書が良いきっかけになるかもしれないと思います。

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by urag | 2018-03-04 23:58 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
2018年 02月 26日

ブックツリー「哲学読書室」に河南瑠莉さんの選書リストが追加されました

オンライン書店「honto」のブックツリー「哲学読書室」に、マーク・フィッシャー『資本主義リアリズム』(堀之内出版、2018年2月)の共訳者でいらっしゃる河南瑠莉さんによるコメント付き選書リスト「後期資本主義時代の文化を知る。欲望がクリエイティビティを吞みこむとき」が追加されました。リンク先にてご覧いただけます。


◎哲学読書室

星野太(ほしの・ふとし:1983-)さん選書「崇高が分かれば西洋が分かる
國分功一郎(こくぶん・こういちろう:1974-)さん選書「意志について考える。そこから中動態の哲学へ!
近藤和敬(こんどう・かずのり:1979-)さん選書「20世紀フランスの哲学地図を書き換える
上尾真道(うえお・まさみち:1979-)さん選書「心のケアを問う哲学。精神医療とフランス現代思想
篠原雅武(しのはら・まさたけ:1975-)さん選書「じつは私たちは、様々な人と会話しながら考えている
渡辺洋平(わたなべ・ようへい:1985-)さん選書「今、哲学を(再)開始するために
西兼志(にし・けんじ:1972-)さん選書「〈アイドル〉を通してメディア文化を考える
岡本健(おかもと・たけし:1983-)さん選書「ゾンビを/で哲学してみる!?
金澤忠信(かなざわ・ただのぶ:1970-)さん選書「19世紀末の歴史的文脈のなかでソシュールを読み直す
藤井俊之(ふじい・としゆき:1979-)さん選書「ナルシシズムの時代に自らを省みることの困難について
吉松覚(よしまつ・さとる:1987-)さん選書「ラディカル無神論をめぐる思想的布置
高桑和巳(たかくわ・かずみ:1972-)さん選書「死刑を考えなおす、何度でも
杉田俊介(すぎた・しゅんすけ:1975-)さん選書「運命論から『ジョジョの奇妙な冒険』を読む
河野真太郎(こうの・しんたろう:1974-)さん選書「労働のいまと〈戦闘美少女〉の現在
岡嶋隆佑(おかじま・りゅうすけ:1987-)さん選書「「実在」とは何か:21世紀哲学の諸潮流
吉田奈緒子(よしだ・なおこ:1968-)さん選書「お金に人生を明け渡したくない人へ
明石健五(あかし・けんご:1965-)さん選書「今を生きのびるための読書
相澤真一(あいざわ・しんいち:1979-)さん/磯直樹(いそ・なおき:1979-)さん選書「現代イギリスの文化と不平等を明視する
権安理(ごん・あんり:1971-)さん選書「そしてもう一度、公共(性)を考える!

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by urag | 2018-02-26 19:47 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
2018年 02月 21日

注目新刊:『ヘテロトピアからのまなざし』『21世紀のソシュール』ほか

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★上村忠男さん(訳書:アガンベン『到来する共同体』、編訳書:パーチ『関係主義的現象学への道』、スパヴェンタほか『ヘーゲル弁証法とイタリア哲学』、共訳書:アガンベン『アウシュヴィッツの残りのもの』『涜神』、スピヴァク『ポストコロニアル理性批判』)
未來社さんの「ポイエーシス叢書」第72弾として、上村さんの5冊目の批評集『ヘテロトピアからのまなざし』がまもなく発売されます。

ヘテロトピアからのまなざし

上村忠男著
未來社:ポイエーシス叢書72 2018年2月 本体4,800円 四六判上製450頁 ISBN978-4-624-93282-4
カバー紹介文より:思想史を中心に欧米の最新の学問的成果を精力的に紹介しつつ自身も〈ヘテロトピア〉をキーワードに新しい歴史学的方法論を構想してきた著者の最新評論集。

★廣瀬純さん(著書:『絶望論』、共著:『闘争のアサンブレア』、訳書:ヴィルノ『マルチチュードの文法』、共訳:ネグリ『芸術とマルチチュード』)
★郷原佳以さん(共訳:『ブランショ政治論集』)
青土社さんの月刊誌「現代思想 2018年3月臨時増刊号 総特集=現代を生きるための映像ガイド51」に寄稿されています。廣瀬さんによる「新たなロングショットの時代のために」では、木村文洋監督による長編フィクション作品『息衝く』(2017年)が論じられています。郷原さんによる「「僕がメモリだ」――メモリをめぐる「除籍者」たちの闘い」」では、クリストファー・マッカリー監督による『ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション』(2015年)が論じられています。ちなみに現物は見ていませんが、映画関連書では先月末に森話社さんから刊行された論集『ストローブ=ユイレ──シネマの絶対に向けて』において、竹峰義和さんが「イメージから抵抗へ──アドルノ美学とストローブ=ユイレ」というご論考を寄せておられます。竹峰さんは弊社よりメニングハウス『生のなかばで』の訳書や、シュティーグラー『写真の映像』の共訳書を上梓されています。

なお、廣瀬さんが2009年に洛北出版から刊行した『シネキャピタル』の仏語版『Le Ciné-capital : D’Hitchcock à Ozu』が3月に発売となるようです。廣瀬さんのツイートによれば「日本語版(09)とは異なる第3章を収めた西語版(14)を元に『シネマの大義』所収の小津論「ドゥルーズと日本人」政治映画論「地理映画の地下水脈」の加筆修正版、ペーター・サンディによる序文を付したもの」とのこと。


★金澤忠信さん(著書:『ソシュールの政治的言説』、訳書:ソシュール『伝説・神話研究』)
★宮﨑裕助さん(共訳:ド・マン『盲目と洞察』)
水声社さんから先月刊行された論文集『21世紀のソシュール』に寄稿されています。金澤さんは「ソシュールの伝説・神話研究」と題した論考を、宮﨑さんは「差延、あるいは差異の亡霊――ジャック・デリダによるソシュール再論」と題した論考を寄せておられます。なお宮崎さんは今月、法政大学出版局さんから刊行された『新・カント読本』(牧野英二編、法政大学出版局、2018年)にも「フランス語圏のカント受容──「人間」以後の超越論哲学の行方」という論考を寄せておられます。内容についてはご本人がツイートされています。

21世紀のソシュール
松澤和宏編
水声社 2018年1月 本体5,000円 A5判上製340頁 ISBN978-4-8010-00323-1
帯文より:ソシュールの〈ためらい〉。ラング/パロール、シニフィアン/シニフィエ、〈言語論的転回〉……フランス現代思想の潮流とともに喧伝された「ソシュールの思想」とは、膨大な草稿を残した言語学者の企図にかなっていたのだろうか。『講義』成立の背景とその功罪、理論的虚構としての〈ラング〉の限界と〈パロール〉の可能性、神話・伝説研究にみられる歴史観、アウグスティヌスからデリダまでの言語思想史上のメルクマール、認知言語学との類縁性、日本語学との邂逅……言語によって世界を整理区分するのではなく、むしろどこまでも曖昧になってしまうことに遅疑逡巡するソシュールが浮かび上がってくる。

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by urag | 2018-02-21 19:31 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
2018年 02月 21日

ブックツリー「哲学読書室」に権安理さんの選書リストが追加されました

オンライン書店「honto」のブックツリー「哲学読書室」に、『公共的なるもの――アーレントと戦後日本』(作品社、2018年1月)の著者でいらっしゃる権安理さんによるコメント付き選書リスト「そしてもう一度、公共(性)を考える!」が追加されました。リンク先にてご覧いただけます。


◎哲学読書室

星野太(ほしの・ふとし:1983-)さん選書「崇高が分かれば西洋が分かる
國分功一郎(こくぶん・こういちろう:1974-)さん選書「意志について考える。そこから中動態の哲学へ!
近藤和敬(こんどう・かずのり:1979-)さん選書「20世紀フランスの哲学地図を書き換える
上尾真道(うえお・まさみち:1979-)さん選書「心のケアを問う哲学。精神医療とフランス現代思想
篠原雅武(しのはら・まさたけ:1975-)さん選書「じつは私たちは、様々な人と会話しながら考えている
渡辺洋平(わたなべ・ようへい:1985-)さん選書「今、哲学を(再)開始するために
西兼志(にし・けんじ:1972-)さん選書「〈アイドル〉を通してメディア文化を考える
岡本健(おかもと・たけし:1983-)さん選書「ゾンビを/で哲学してみる!?
金澤忠信(かなざわ・ただのぶ:1970-)さん選書「19世紀末の歴史的文脈のなかでソシュールを読み直す
藤井俊之(ふじい・としゆき:1979-)さん選書「ナルシシズムの時代に自らを省みることの困難について
吉松覚(よしまつ・さとる:1987-)さん選書「ラディカル無神論をめぐる思想的布置
高桑和巳(たかくわ・かずみ:1972-)さん選書「死刑を考えなおす、何度でも
杉田俊介(すぎた・しゅんすけ:1975-)さん選書「運命論から『ジョジョの奇妙な冒険』を読む
河野真太郎(こうの・しんたろう:1974-)さん選書「労働のいまと〈戦闘美少女〉の現在
岡嶋隆佑(おかじま・りゅうすけ:1987-)さん選書「「実在」とは何か:21世紀哲学の諸潮流
吉田奈緒子(よしだ・なおこ:1968-)さん選書「お金に人生を明け渡したくない人へ
明石健五(あかし・けんご:1965-)さん選書「今を生きのびるための読書
相澤真一(あいざわ・しんいち:1979-)さん/磯直樹(いそ・なおき:1979-)さん選書「現代イギリスの文化と不平等を明視する
権安理(ごん・あんり:1971-)さん選書「そしてもう一度、公共(性)を考える!

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by urag | 2018-02-21 14:20 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
2018年 02月 18日

注目新刊:スピノザ新訳『知性改善論/神、人間とそのさいわいについての短論文』みすず書房、ほか

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知性改善論/神、人間とそのさいわいについての短論文』スピノザ著、佐藤一郎訳、みすず書房、2018年2月、本体7,800円、A5判上製584頁、ISBN978-4-622-08348-1
音楽言語の技法』オリヴィエ・メシアン著、細野孝興訳、ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス出版部、2018年1月、本体7,000円、A4判並製128頁、ISBN
978-4-636-95138-7
『青色本』を掘り崩す――ウィトゲンシュタインの誤診』永井均著、講談社学術文庫、2018年2月、本体1,130円、A6判並製320頁、ISBN978-4-06-292449-8
国家の神話』エルンスト・カッシーラー著、宮田光雄訳、講談社学術文庫、2018年2月、本体1,830円、A6判並製624頁、ISBN978-4-06-292461-0
顔氏家訓』顔之推著、林田愼之助訳、講談社学術文庫、2018年2月、本体930円、A6判並製256頁、ISBN978-4-06-292477-1

★『知性改善論/神、人間とそのさいわいについての短論文』は『スピノザ エチカ抄』(みすず書房、2007年)につづく、佐藤一郎さんによるスピノザ新訳第二弾。カヴァー表4紹介文に曰く「後年の主著『エチカ』へと至る哲学の根本動機と独自の方法論が記述される二篇を、ラテン語刊本およびオランダ語写本から半世紀ぶりに新訳。最新の研究を踏まえた精細な訳注と解題を付した待望の一巻」。目次詳細は書名のリンク先でご確認ください。近年では吉田量彦さんによる『神学・政治論』(上下巻、光文社古典新訳文庫、2014年)も刊行されており、スピノザの新訳が増えつつあります。さらに國分功一郎さんの『中動態の世界』が広く読まれることによってデビュー作『スピノザの方法』が再び注目される機運も高まっています。なお『知性改善論』と『短論文』はともに畠中尚志訳が岩波文庫から出ており、後者は品切中ですが、前者は今なお手頃な値段で入手できます。みすず書房版は高額ではありますけれども、この値段でも版元や訳者が「儲かる」とまではいかないだろうと思われます。売れないという意味ではなくて、みすず書房のように多数の専門書を毎月何点も出版している会社で経営が維持できているというのは、本当にたいへんなことなのです。

★メシアン『音楽言語の技法』は『Technique de mon langage musical』(Leduc, 1944;『わが音楽語法』平尾貴四男訳、教育出版、1954年)の新訳です。旧訳は半世紀以上前のもののため、猛烈に高額な古書となっている様子。今回の新訳も早速版元品切になっているようですが、書店店頭にはまだありますし、このまま品切というわけではないと思われます。とはいえ早めに購入しておくのが良いでしょうね。目次詳細は書名のリンク先をご覧ください。平尾はるな〔平尾貴四男氏の四女〕さん、藤井一興さん、小鍛冶邦隆さんらによる「日本語版への序文」3本が巻頭に掲載されています。メシアンは序論で本書について、「私の音楽言語の技法、つまり音楽言語の3つの観点、リズム、旋律、和声を考察するものであり、作曲法概論ではない」(6頁)と明記しています。「この著書の目的は、〔・・・〕私が暗闇の中で希求した一条の光へと彼ら〔生徒たち〕をゆっくり導いていくことである」(同)とも。

★講談社学術文庫の今月新刊より3点を挙げると、まず、永井均『『青色本』を掘り崩す』はナカニシヤ出版から2012年に刊行された単行本の文庫化。文庫化にあたり、正副題が入れ替わっています。巻頭の「はじめに」に曰く、本書はウィトゲンシュタイン『青色本』後半部を「解読し論評したもの」。すなわち『青色本』の永井さん自身による新訳と論評で構成されています。『青色本』には「すでに大森正蔵氏〔『ウィトゲンシュタイン全集6』所収、大修館書店、1975年;ちくま学芸文庫、2010年〕と黒崎宏氏〔『『論考』『青色本』読解』所収、産業図書、2001年〕の二種類の邦訳があるが、この翻訳によって著者の意図がより明確になるように努めたつもりである」(6頁)と。永井さんはウィトゲンシュタインのことを「画期的な病人」と評するのですが、その真意はぜひ本書を手に取ってご堪能下さい。

★カッシーラー『国家の神話』の親本は創文社より1960年に刊行されたもの。帯文に曰く「古代ギリシアからナチズムまで――〈闘争〉の三千年史を描く不滅の金字塔! 全面改訂を施した決定版」と。目次詳細は書名のリンク先でご確認いただけます。原書は『The Myth of the State』(Yale University Press, 1946)で、底本は1950年の第3版です。創文社さんは2020年で解散予定。名著の数々はいったいどうなってしまうのでしょう。今回のように文庫化や再刊が進むことを念願せずにはいられません。

★『顔氏家訓』は文庫版オリジナルの新訳。同作を扱った複数の既刊書では抄訳や語釈はあるものの全篇の現代語訳は初めてのようです。まえがきによれば同作は、六世紀末に表わされた家訓書であり、宋の晁公武の『群斎読書志』では「立身、治家の法を述べ、時俗のあやまりを正して、これをもって子孫に教う」と説明されています。訳者は顔之推と本書について、こう述べています。「祖国の滅亡という悲劇を目の当たりにした後、北方異民族に拉致され、その王朝に漢民族官僚として仕えて生涯を閉じている。〔・・・今日読んでみても〕不思議とそんな遠い時代の文章とは思えないリアリティがある。〔・・・〕内容の鮮度は抜群に高い。これが古典の魅力というものであろう」(3~4頁)。

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★また、ここ最近では以下の新刊との出会いがありました。

利己的な遺伝子 40周年記念版』リチャード・ドーキンス著、日髙敏隆/岸由二/羽田節子/垂水雄二訳、紀伊國屋書店、2018年2月、本体2,700円、A5判上製584頁、ISBN978-4-314-01153-2
外の世界』ホルヘ・フランコ著、田村さと子訳、作品社、2018年2月、本体2,800円、四六判上製358頁、ISBN978-4-86182-678-8

★『利己的な遺伝子 40周年記念版』は、ドーキンスによる「40周年記念版へのあとがき」を付して2016年に出版された『The Selfish Gene』(Oxford University Press)の翻訳です。これまで紀伊國屋書店さんでは1976年初版本を1980年に『生物=生存機械論』として出版し、89年の第二版を91年に『利己的な遺伝子』として、2006年の30周年記念版を同年に同書増補新装版として刊行されてきました。凡例によれば、30周年記念版と40周年記念版の違いは、原書においては著者による「40周年記念版へのあとがき」が付されたことのみであり原文に改訂はない、と。訳書においてはこの新たなあとがきを訳出するとともに、岸由二さんによる「40周年記念版への訳者あとがき」を付し、訳文においては「時代的に古くなった本文中の表現・表記を修正した」とのことです。目次詳細は書名のリンク先をご覧ください。紀伊國屋書店さんでは本書の刊行記念リーフレットを作成されており、佐倉統さんによる書評「世界を変えた一冊」と、橘玲さんと吉川浩満さんによる対談「『利己的な遺伝子』をめぐる10冊」が掲載されています。この豪華なリーフレットの書評対談とはそれぞれのリンク先でご覧いただけます。

★『外の世界』はコロンビアの小説家ホルヘ・フランコ(Jorge Franco Ramos, 1962-)の小説『El mundo de afuera』(Alfaguara, 2014)の翻訳。フランコの既訳書はいずれも今回の訳者である田村さと子さんにより、2003年に『ロサリオの鋏』、2012年の『パライソ・トラベル』がともに河出書房新社から刊行されています。3冊目となる本書の訳者あとがきで田村さんは「本書は、構成の巧妙さという点で、これまでのフランコ作品の中で抜きんでている」とお書きになっておられます。「ストーリーの進行とともに、次第に増していく緊張感とリズム。だが、流動的で自然な中で交わされる軽妙な会話は象徴的な豊かさ、ユーモアに満ちている。その物語性は総合的に完成されており、アンティミズムや夢想、詩情あふれるニュアンスに満ちた文体で70年代初めのメデジン〔コロンビア西部の県都〕を見事に描き出している、と言えよう」。

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by urag | 2018-02-18 18:16 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
2018年 02月 12日

注目文庫新刊、新書、既刊書、近刊書など:ちくま学芸文庫、ほか

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グローバル・シティ――ニューヨーク・ロンドン・東京から世界を読む』サスキア・サッセン著、伊豫谷登士翁監訳、大井由紀/髙橋華生子訳、ちくま学芸文庫、2018年2月、本体1,900円、768頁、ISBN978-4-480-09842-9
専制国家史論――中国史から世界史へ』足立啓二著、ちくま学芸文庫、2018年2月、本体1,200円、320頁、ISBN978-4-480-09843-6
紀貫之』大岡信著、ちくま学芸文庫、2018年2月、本体1,100円、288頁、ISBN978-4-480-09845-0
草莽論――その精神史的自己検証』村上一郎著、ちくま学芸文庫、2018年2月、本体1,200円、336頁、ISBN978-4-480-09846-7
リヴァイアサン2』ホッブズ著、角田安正訳、光文社古典新訳文庫、2018年2月、本体1,160円、392頁、ISBN978-4-334-75731-9
闘争領域の拡大』ミシェル・ウエルベック著、中村佳子訳、河出文庫、2018年2月、本体880円、216頁、ISBN978-4-309-46462-6
世界の未来――ギャンブル化する民主主義、帝国化する資本』エマニュエル・トッド/ ピエール・ロザンヴァロン/ヴォルフガング・シュトレーク/ジェームズ・ホリフィールド著、朝日新書、2018年2月、本体778円、200頁、ISBN978-4-02-273752-6
マルクス 資本論の哲学』熊野純彦著、岩波新書、2018年1月、本体880円、288頁、ISBN978-4-00-431696-1
メイキング・オブ・勉強の哲学』千葉雅也著、文藝春秋、2018年1月、本体1,200円、四六判上製208頁、ISBN978-4-16-390787-1
古代文芸論集』ロンギノス/ディオニュシオス著、戸高和弘/木曽明子訳、京都大学学術出版会、2018年1月、本体4,600円、四六変上製580頁、ISBN978-4-8140-0097-5
赤の書[図版版]』C・G・ユング著、創元社、2018年1月、本体5,000円、A5判並製224頁、ISBN978-4-422-11675-4

★まずちくま学芸文庫の2月新刊から4点。『グローバル・シティ』はサッセンの初の文庫化。原書は2001年の第二版で訳書親本は2008年刊。文庫化にあたり、監訳者と訳者の大井さんの連名による新たな訳者あとがきが付されています。足立啓二『専制国家史論』の親本は1998年に柏書房より刊行。「文庫版あとがき」によれば、「再版に際しての修正は、文字の誤りなど表記の訂正にとどめた。ただし参照の便宜を考え、雑誌類に掲載された論文が著書に収録されている場合は、注に書名を併記するよう努めた」と。大岡信『紀貫之』は、ちくま文庫(1989年)からのスイッチ。巻末には堀江敏幸さんによる解説「水底という「鏡」に映す自画像」が収められています。村上一郎『草莽論』は大和書房より1972年に刊行された単行本の文庫化で、国文社版『村上一郎著作集(3)思想論Ⅰ』(1977年)を適宜参照したとのことです。巻末に桶谷秀昭さんによる「村上一郎『草莽論』解説」が付されています。昨秋文庫化された『幕末――非命の維新者』(中公文庫)とともにひもとくのが良いかと思われます。

★ホッブズ『リヴァイアサン2』は第二部「国家について」の新訳。同原著には第三部、第四部までありますが、今回の新訳は第二部までで完結。『闘争領域の拡大』はウエルベックの処女小説(1994年)であり、訳本は2004年に角川書店より刊行。文庫化にあたり加筆修正され「文庫版訳者あとがき」が付されています。

★『世界の未来』の未来は、朝日新聞が昨年行った識者4名へのインタヴューを1冊にまとめたもの。エマニュエル・トッド「世界の未来――私たちはどこに行くのか」、ピエール・ロザンヴァロン「民主主義の希望――ポピュリズムと21世紀の民主主義」、ヴォルフガング・シュトレーク「資本主義の限界――グローバリゼーションと国際国家システムの危機」、ジェームズ・ホリフィールド「分断の克服――移民政策に失敗した国は、21世紀の負け組になる」を収録。

★熊野純彦『マルクス 資本論の哲学』は、2013年の大著『マルクス資本論の思考』に続くマルクス読解書。目次詳細は書名のリンク先をご覧ください。リンク先では本書の「まえがき――世界革命と世界革命とのあいだで」を立ち読みすることができます。

★千葉雅也『メイキング・オブ・勉強の哲学』は売上6万部を突破したという『勉強の哲学』の続編。メイキングが1冊になるというのは人文書では異例のことかと思いますが、本書の発売によって『勉強の哲学』の売れ行きがさらに伸びているとも耳にしています。『メイキング』第四章「欠如のページをめくること」において、「頭のなかで考えがこんがらがっている状態というのは、考えに対して距離がなくなり、近づきすぎている状態ではないでしょうか。とすればその解消とは、考えに対して距離をとることです」(143頁)と千葉さんは書きます。「不安の時代に対処するセルフヘルプのひとつの方法」を提示する本書は学生だけでなくビジネスマンにも訴求するのではないでしょうか。

★『古代文芸論集』は、ロンギノス「崇高について」(戸高和弘訳)と、ディオニュシオスの6篇の修辞学論をまとめたもの。6篇というのは「模倣論」木曽明子訳、「トゥキュディデス論」木曽明子訳、「デイナルコス論」木曽明子訳、「アンマイオスへの第一書簡」戸高和弘訳、「ポンペイオス・ゲミノスへの書簡」戸高和弘訳、「アンマイオスへの第二書簡」戸高和弘訳。「崇高について」の末尾で論じられる当時の社会情勢はどこか現代世界が抱える問題群と似ている気がします。

★ユング『赤の書[図版版]』は、テキスト版(2014年)と対になるものです。2010年に刊行された大判の元版は4万円を超える本ですが、テキスト版と図版版は両方買っても1万円ちょっとです。図版版はそれ自体が魔術的な物質性を備えており、たとえ文字が読めなくても、立ち昇ってくる息吹が見る者にインスピレーションを与えると思います。オールカラーでとても美しいです。

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★最近では以下の新刊との出会いがありました。

資本主義リアリズム』マーク・フィッシャー著、セバスチャン・ブロイ/河南瑠莉訳、堀之内出版、2018年2月、本体2,000円、四六判並製212頁、ISBN978-4-909237-35-4
私はすでに死んでいる――ゆがんだ〈自己〉を生みだす脳』アニル・アナンサスワーミー著、藤井留美訳、紀伊國屋書店、2018年2月、本体2,200円、46判上製352頁、ISBN978-4-314-01156-3
お隣りのイスラーム――日本に暮らすムスリムに会いにいく』森まゆみ著、紀伊國屋書店、2018年2月、本体1,700円、46判並製292頁、ISBN978-4-314-01155-6
ゲームの規則Ⅲ 縫糸』ミシェル・レリス著、千葉文夫訳、平凡社、2018年2月、本体3,600円、4-6判上製384頁、ISBN978-4-582-33325-1
古代中国の社――土地神信仰成立史』エドゥアール・シャヴァンヌ著、菊地章太訳注、東洋文庫(平凡社)、2018年2月、本体3,100円、B6変判上製函入294頁、ISBN978-4-582-80887-2
裁判の原点――社会を動かす法学入門』大屋雄裕著、河出ブックス(河出書房新社)、2018年1月、本体1,500円、B6判並製248頁、ISBN978-4-309-62509-6

★フィッシャー『資本主義リアリズム』は発売済。『Capitalist Realism: Is there no alternative?』(Zero Books, 2009)の翻訳にしてフィッシャーの初訳本です。訳者によれば「マークの考える「資本主義リアリズム」は端的にいえば、ネオリベラル資本主義が唯一の持続可能な政治経済システムであると了解し、その地平の彼方を求める、いや想像することさえもが不可能になってしまった、つまるところは「この道しかない」ということが謎の常識と化してしまった世界を指し示している。こうした「現実主義」に疑問符をつけることが本書の出発点である」。帯にはジジェクの言葉が載っています。「「はっきり言わせてもらおう。たまらなく読みやすいこのフィッシャーの著書ほど、われわれの苦境を的確に捉えた分析はない」。フィッシャーは1年ほど前に逝去。「どんな希望も、どんな前向きな状態でさえも危険な錯覚だと信じてしまう」(19頁)リアリズムなるものに抗するための、燃え上がる紙つぶてです。

★アナンサスワーミー『私はすでに死んでいる』はまもなく発売。『The Man Who Wasn't There: Investigations into the Strange New Science of the Self』(Dutton, 2015)の翻訳。帯文に曰く「あっけなく崩壊する自己とは何なのか。「自分は死んでいる」と思いこむコタール症候群、自分の身体の一部を切断したくてたまらなくなる身体完全同一性障害、何ごとにも感情がわかず現実感を持てない離人症――当事者や研究者へのインタビューをはじめドッペルゲンガー実験や違法手術の現場も取材し、不思議な病の実相と自己意識の謎に、神経科学の視点から迫る」。著者はインド系アメリカ人の科学ジャーナリストで、英『ニューサイエンティスト』誌の編集コンサルタントを務めておられます。『宇宙を解く壮大な10の実験』(松浦俊輔訳、河出書房新社、2010年)に続く2冊目の訳書です。目次詳細は書名のリンク先でご確認いただけます。解説は昨夏に『私家版 精神医学事典』(河出書房新社、2017年8月)を上梓された精神科医の春日武彦さんがお書きになっておられます。

★森まゆみ『お隣りのイスラーム』はまもなく発売。副題にある通り、様々な国から日本に来て活躍しているイスラム教徒13人に取材し、その肉声から豊かなイスラム文化をかいま見せる好著です。インドネシア人の舞踏家、バングラデシュ人のハラルフード店店主、シリア人のアレッポ石鹸販売会社代表、ウイグル料理店オーナー、等々、登場する人物のお名前と出身国は書名のリンク先でご覧になれます。日々の報道によって陰惨な事件の側面ばかりが目に入ってくる昨今、こうした人肌の温かみを感じさせる本が生まれたことを喜びたいです。

★レリス『ゲームの規則Ⅲ 縫糸』はまもなく発売。『La Règle du jeu, III. Fibrilles』(Gallimard, 1966)の翻訳。訳者あとがきに曰く「執筆期間は1955年11月から1965年9月までの10年間に及び、完成までにかなり長い年月を要しているのは『ゲームの規則』のほかの巻にも共通する点だが、とくにこの第Ⅲ巻の場合は、執筆を始めて一年半後に著者自身が自殺未遂事件を引き起こしたこともあって、その前後の紆余曲折をそのまま反映したものになっている」と。レリスはこう書いています。「バルビツール睡眠薬の壜の中身を嚥み込んだ瞬間ははっきり覚えていたが、そのあとの展開についての記憶はなんとも頼りない。わかっていたのは、この行為に及んだあとカンヌ行きの列車に飛び乗って、ピカソとその伴侶ジャクリーヌに会いにゆこうとしたのは、二人に別れを告げるためであり、また自分の胸のうちを明かして」云々(136頁)と。最終巻である第Ⅳ巻『囁音』(谷昌親訳)も今月末に発売予定とのことです。

★シャヴァンヌ『古代中国の社』は発売済。東洋文庫第887番。1900年にパリで開催された第一回国際宗教史会議で発表された「古代中国の宗教における土地神」を大幅増補し改題した1910年の決定稿「Le dieu du sol dans la Chine antique」を訳出したもの。原書では『泰山』の補遺として納められていますが、同じ訳者によるその抄訳(菊地章太訳、アシアーナ叢書:勉誠出版、2001年)では訳出されていませんでした。訳者解説によれば「土地神としての社の崇拝は、先祖をまつる宗廟の崇拝とならんで、古代における国家祭祀の中心的位置を占めてきた。その実態を解明した本論文は中国宗教史の黎明期に照明をあてたものとして評判が高い」と。東洋文庫の次回配本は月内にもう一点、柳本芸『漢京識略――近世末ソウルの街案内』(吉田光男訳註)が発売されるようです。

★大屋雄裕『裁判の原点』は発売済。序文「裁判は正義の実現手段ではない」に曰く「本書では、裁判という制度をその現実の姿において描き出すこと、立法・行政のような他の国家機能との関係でそれがどのような特徴と権限を与えられており、どのような制約の下にあるかを位置付けることによって、たとえば社会を動かすためにあり得る選択肢の一つとして何をそこに期待すべきなのかという議論を試みたい。それは同時に、裁判が本来そのようなものであることを予定されている姿、いわば裁判の原点を確認することにもなるだろう」(4~5頁)。目次詳細は書名のリンク先をご覧ください。章題はすべて「~ではない」もしくは「~はない」と畳みかけており、一般的な幻想や期待、印象といったものが再審されています。「自分が正しいと考える意見に賛同する人を獲得し、その実現を図るという機能的な意味での政治を考えたとき、その中心的な舞台はやはり制度的な政治なのだ、立法活動と議会であって裁判と裁判所ではないのだということを、あらためて正面から考えるべきではないでしょうか」(205頁)という著者の指摘は至極真っ当だと感じます。

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by urag | 2018-02-12 23:54 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
2018年 02月 04日

注目新刊:長田真作『すてきなロウソク』共和国、ほか

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すてきなロウソク』長田真作著、共和国、2018年1月、本体1,700円、B5変型判上製64頁、ISBN978-4-907986-44-5
ハンス・ヨナスを読む』戸谷洋志著、堀之内出版、2018年1月、本体1,800円、四六判並製232頁、ISBN 978-4-909237-34-7
国民票決と国民発案――ワイマール憲法の解釈および直接民主制論に関する一考察』カール・シュミット著、仲正昌樹監訳・解説、松島裕一訳、作品社、2018年1月、本体2,000円、46判上製128頁、ISBN978-4-86182-679-5
公共的なるもの――アーレントと戦後日本』権安理著、作品社、2018年1月、本体2,800円、46判上製336頁、ISBN978-4-86182-671-9

★『すてきなロウソク』は長田真作(ながた・しんさく:1989-)さんの10作目となる絵本。デビューは一昨年の2016年で、昨年は7冊も上梓されており、たいへんなスピードです。今回の『すてきなロウソク』は黒インク(著者)とUVニス(デザイナー)のみで繊細な表現を試みたもので、その内容は極めて寓話的です。主人公やロウソクを何の象徴と見るか、またラッパの音の意味をどうとるかで解釈が変わってきそうです。版元さんのプレスリリースによれば「作者はこの作品のモティーフとして、自身の出生地である広島県呉市の現代史を重ね合わせている」とのことです。児童書というよりかは大人もゆっくりひもといてみたい作品。絵本はもはや絵本売場に留めておくべきではなく、他の各売場でも併売して大人との出会いを作った方がいいと感じます。ジャンルの壁を乗り越えて自身の作りたい本を作っておられる共和国さんの「自由」さが素敵です。

★『ハンス・ヨナスを読む』は戸谷洋志(とや・ひろし:1988-)さんによる『Jポップで考える哲学――自分を問い直すための15曲』(講談社文庫、2016年9月)に続く単独著第二弾です。ハンス・ヨナス(Hans Jonas, 1903-1993)はドイツ出身の哲学者。『責任という原理――科学技術文明のための倫理学の試み』(加藤尚武監訳、東信堂、2000年;新装版2010年)や『グノーシスと古代末期の精神』(二分冊、大貫隆訳、ぷねうま舎、2015年)、『生命の哲学――有機体と自由』(細見和之ほか訳、法政大学出版局、2008年;新装版2014年)、『ハンス・ヨナス「回想記」』(盛永審一郎ほか訳、東信堂、2010年)等々ありますが、入門書は本書が初めて。目次詳細は書名のリンク先をご覧下さい。年々注目が高まりつつある哲学者であるだけに、時宜を得た出版ではないでしょうか。「複雑に錯綜したヨナスのテクストを読み解きながら、これから彼を知ろうとする読者に一つの明瞭な手引きを提供すること、それによって、ヨナスの眼を借りながら、留まることのない科学技術文明の激動を、未来への責任を、世界を、新しい光のもとで眺める可能性を開くこと、それがこの本の目的です」(8頁)と戸谷さんはお書きになっています。

★『国民票決と国民発案』は『Volksentscheid und Volksbegehren: Ein Beitrag zur Auslegung der Weimarer Verfassung und zur Lehre von der unmittelbaren Demokratie』(Gruyter, 1927)の初訳。1926年12月11日にシュミットがベルリン法律家協会で行った講演が元になっており、「直接民主制の問題を扱った〔本書の〕最終部分は、講演のときよりも詳細に論じている」(「はじめに」より)と。帯文に曰く「ナチスの桂冠法学者が、ヒトラー政権樹立前、「世界で最も民主的」といわれたワイマール憲法を素材に、民主主義、議会と立憲主義などを論じる」。目次詳細は書名のリンク先をご覧下さい。監訳者解説「シュミット理論の魔(魅)力」で仲正さんはこう書いておられます。「九十年前のドイツで書かれたシュミットのテクストを、現代の日本の政治状況に直接的に重ね合わせることには慎重にならねばならないが、少なくとも、民衆の圧倒的な情熱に過度の期待を寄せる「直接民主主義」が、予想外の危険を秘めていることは読み取れるだろう。このテクストを通して読めば分かるように、魔性の法学者カール・シュミットは、少なくとも本人の理解では、“立憲民主主義者”だったのである」(125頁)。

★『公共的なるもの』は、権安理(ごん・あんり:1971-)さんの博士論文(早稲田大学大学院社会科学研究科)に大幅な加筆修正を程と越したもの。目次詳細は書名のリンク先をご覧ください。本書は「戦後日本という具体的な歴史の内に、〈公共的なるもの〉の概念を再構成する」こと(7頁)を目的としており、「はじめに」で著者はこう述べておられます。「アーレントは〔『人間の条件』で〕次のようにいっているが、この「世界」を「間もしくは空間」と読み替えてもよいだろう。「『public』という用語は、世界それ自体を意味する。世界が我われ全員に共通するものとなり、我われが私的に所有する場所と区別される限りにおいて」。〔・・・家とも職場・学校とも異なる〕第三のものが場所として考えられるとき、あるいは場所として顕在化するとき、それは公共空間や公共的領域、公共圏として見出されることになる。またあるいは私的で個別的な見方とは異なる視座から何らかの事象や物事が考えられ、その結果として何かが作られるとき、それは公共的な性質、つまりは公共性を持つということになる」(6頁)。

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by urag | 2018-02-04 15:55 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)