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2019年 12月 08日

注目新刊:新しい出版社「コトニ社」が書籍第一弾『超看護のすすめ』を刊行

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超看護のすすめ――ナイチンゲールの復権とケアの哲学』井村俊義著、コトニ社、2019年12月、本体2,400円、46変型判256頁、ISBN978-4-910108-00-1
ドクター・マリゴールド――朗読小説傑作選』チャールズ・ディケンズ著、井原慶一郎編訳、幻戯書房、2019年12月、本体3,200円、四六変形判上製296頁、ISBN978-4-86488-186-9
「内向の世代」とともに 回想半世紀』尾高修也著、作品社、2019年12月、本体2,300円、46判上製360頁、ISBN978-4-86182-789-1

★『超看護のすすめ』は船橋を拠点とする新しい人文系出版社「コトニ社」さんの書籍出版第1弾。3部9章立ての目次詳細は同社が参加している版元ドットコムの単品頁でご確認いただけます。「理論よりもモノ、抽象よりも具体、マニュアルよりも物語、明晰さよりも手触りを重視」(21~22頁)する「看護の詩学」が提唱されます。「多様な患者を「透明な個」に置き換えるようなこと〔をせず、…〕彼らの快や不快を最大公約数によって導き出す功利主義的発想とはもっとも遠い場所から患者に近づくことを目的とするのが「看護の詩学」です」(22頁)。

★著者はナンチンゲールが「看護の知識は医学の知識とはまったく異なっている」と述べていることに注目します。「近代的な視座に便利な「モデル」から離れて「意味を感受する精神」を養おうとするナンチンゲール看護の原点に立ち返ることが求められているのではないでしょうか」(29~30頁)。著者の井村俊義(いむら・としよし、1964-)さんは長野県看護大学准教授。ご専門は、文学・民俗学・文化人類学。本書は『チカーノとは何か――境界線の詩学』(水声社、2019年3月)に続く単独著第2弾です。

★看護学というとふつう医学書売場で扱われると思うのですが、現象学やメルロ=ポンティなど、こんにちの看護学は積極的に人文書の成果を採り入れています。コトニ社さんがそうした学際的な成果にコミットされるところから出版を開始されていることは印象的です。代表のGさんはかつて某社で「人類学の転回」シリーズを手掛けた編集者。井村さんも同シリーズでマイケル・タウシグの『模倣と他者性――感覚における特有の歴史』(水声社、2018年6月)の翻訳を担当されています。

★『ドクター・マリゴールド』は「ルリユール叢書」第4回配本(6冊目)。原書は1868年の『The Reading of Mr. Charles Dickens, as Condensed by Himself』で、収録された10篇の中から「ディケンズ(1812-1870)の公開朗読のレパートリーのなかでも最も朗読回数が多かった五篇、言わばベスト・ファイブ」だという「クリスマス・キャロル」「バーデル対ピクウィック」「デイヴィッド・コパフィールド」「ひいらぎ旅館の下足番」「ドクター・マリゴールド」を収録しています。来年2020年はディケンズの没後150年であり、本書はその記念出版です。

★『「内向の世代」とともに 回想半世紀』は、小説家の尾高修也(おだか・しゅうや、1937-)さんによる小説論、文学論、作家論などをまとめた一冊。デビュー後初期の1970~80年代のものと、主に2010年代に発表されてきた単行本未収録作が中心です。「本書をつうじて、近代文学の終焉という考えが、かなりはっきり見えてくるのではなかろうか。私の最近の文章は、すべて「終焉」を見送る思いのなかから生まれたものだともいえる」(後記、355頁)。

★続いて、まもなく発売となる、ちくま学芸文庫の12月新刊4点についてご紹介します。

『風姿花伝』世阿弥著、佐藤正英訳、ちくま学芸文庫、2019年12月、本体1,000円、文庫判272頁、ISBN978-4-480-09962-4
『マタイ受難曲』礒山雅著、ちくま学芸文庫、2019年12月、本体1,800円、文庫判624頁、ISBN 978-4-480-09863-4
『宗教の哲学』ジョン・ヒック著、間瀬啓允/稲垣久和訳、ちくま学芸文庫、2019年12月、本体1,350円、文庫判384頁、ISBN978-4-480-09954-9
『図説 探検地図の歴史――大航海時代から極地探検まで』R・A・スケルトン著、増田義郎/信岡奈生訳、ちくま学芸文庫、2019年12月、本体1,600円、文庫判488頁、ISBN978-4-480-09960-0

★『風姿花伝』は文庫オリジナル。「風姿花伝」「夢跡一紙」「金島書」の3作の、原文、語注、現代語訳を収録し、巻末に略系図、略年表、参考文献、解説、主要語句索引を付したもの。凡例によれば原文は岩波書店版『日本思想体系(24)世阿弥・禅竹』(1974年)所収の、能楽研究者・表章(おもて・あきら、1927-2010)氏による校訂本に依拠したとのこと。新訳を手掛けた佐藤正英(さとう・まさひで、1936-)さんは解説で「本書は、日本倫理思想史の立場からする注釈の試みである」(249頁)とお書きになっています。

★『マタイ受難曲』は東京書籍より1994年に刊行された単行本の文庫化。著者の礒山雅(いそやま・ただし、1946-2018)さんは昨年お亡くなりになられており、改訂や加筆の情報はありませんが、著者の代表作である大著の再刊は待たれていたものではないかと思います。あとがきで明かされている、親本の編集者・鳥谷健一さんとのやりとりに深い感銘を覚えます。鳥谷さんが担当された『バッハ=魂のエヴァンゲリスト』と『モーツァルト=翼を得た時間』はともに講談社学術文庫で文庫化されています。

★『宗教の哲学』は勁草書房より1994年に刊行された単行本の文庫化。共訳者の間瀬さんによる「ちくま学芸文庫版訳者あとがき」が追加されており、最晩年の著者ヒック(John H. Hick, 1922-2012)との交流について明かされています。原著は『Philosopy of Religion』(4th ed., Pearson, 1990)で、巻頭には親本と同様に「日本の読者に」と題した序文が置かれています。宗教多元主義(Religious Pluralism)の名著です。

★『図説 探検地図の歴史』の親本は、1991年に原書房より刊行された同名の単行本。さらに遡るとその単行本は同版元より1986年に刊行された『世界探検地図』の新装改版です。原著は『Explorers' Map: Chapters in the Cartographic Record of Geographical Discovery』(Routledge and Kegan Paul, 1958)。著者のスケルトン(Raleigh Ashlin Skelton, 1906-1970)は英国の地図学史家。単独著の日本語訳書は本のみです。

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by urag | 2019-12-08 21:03 | Trackback | Comments(0)
2018年 02月 25日

注目新刊:『Lexicon 現代人類学』『キュレーションの方法』『囁音』、ほか

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Lexicon 現代人類学』奥野克巳/石倉敏明編、以文社、2018年2月、本体2,300円、四六変形判並製224頁、ISBN978-4-7531-0344-7
キュレーションの方法――オブリストは語る』ハンス・ウルリッヒ・オブリスト著、中野勉訳、河出書房新社、2018年2月、本体2,700円、46判上製248頁、ISBN978-4-309-27919-0
ゲームの規則Ⅳ 囁音』ミシェル・レリス著、谷昌親訳、平凡社、2018年2月、本体3,800円、4-6判上製480頁、ISBN978-4-582-33326-8
漢京識略――近世末ソウルの街案内』柳本芸著、吉田光男訳註、東洋文庫:平凡社、2018年2月、本体3,400円、B6変判上製函入496頁、ISBN978-4-582-80885-8
新装版 花の王国1 園芸植物』荒俣宏著、平凡社、2018年2月、本体3,800円、A4判上製160頁、ISBN978-4-582-54323-0
新装版 花の王国2 薬用植物』荒俣宏著、平凡社、2018年2月、本体3,800円、A4判上製160頁、ISBN978-4-582-54324-7
新装版 花の王国3 有用植物』荒俣宏著、平凡社、2018年2月、本体3,800円、A4判上製160頁、ISBN978-4-582-54325-4
新装版 花の王国4 珍奇植物』荒俣宏著、平凡社、2018年2月、本体3,800円、A4判上製160頁、ISBN978-4-582-54326-1
ブッチャーズ・クロッシング』ジョン・ウィリアムズ著、布施由紀子訳、作品社、2018年2月、本体2,600円、四六判上製340頁、ISBN978-4-86182-685-6

★『Lexicon 現代人類学』は27名の執筆者が「新たな「人文学」を構想」(帯文より)し、「今日的課題に挑む、現代人類学の思想と実践を追った50項目の「読む」キーワード集」(同)。目次詳細は書名のリンク先をご覧ください。このところ人文書でも話題になっている「人新世」についても立項されています。コンパクトで持ち運びやすいサイズは、以文社さんが9年前に刊行された『VOL lexicon』という、読むキーワード集を思い出させます。『Lexicon 現代人類学』は項目ごとに関連するキーワードや参考文献が掲げられているので、書店さんの棚づくりやフェアに役立つと思います。水声社さんの「叢書 人類学の転回」や、青土社さんの「現代思想2017年3月臨時増刊号 総特集=人類学の時代」を扱っていらっしゃる書店にとっては必図書備ではないでしょうか。

★なお同書の刊行を祈念し、今週以下のイベントが行われるとのことです。

◎「人類学からの問いかけ:存在論×政治と経済×価値創造」奥野克巳×石倉敏明×上妻世海トークイベント
日程:2018年03月01日(木)19:00~20:30 開場:18:30~
会場:青山ブックセンター本店内(小教室)
料金:1,350円(税込)
定員:50名様
お問い合わせ先:青山ブックセンター本店 TEL:03-5485-5511 10:00~22:00

内容:前世紀末から現在まで、人文・社会科学の危機とともに「人間とは何か」という根源的な問いが再浮上する中で、人類学は大きな変貌を遂げ、隣接領域を巻き込む大きな知的運動の渦を起こしてきました。地球規模の自然環境とともに個人や集団、世界の在り方を問い直す「存在論」の問い、国境を超えて日常生活に浸透しつつある「経済と政治」の問い、モノや情報技術、技芸(アート)の実践をめぐる「価値創造」の問いなど、人類学はいま改めて「現代」を問い直し、共通世界を構想する実践的な道具となりつつあります。現代を人類学から見たとき、どんな光景が見えてくるのか、そして人類学から現代を問うということはどういうことなのか、語り合っていただきます。

★オブリスト『キュレーションの方法』は『Ways of Curating』(Penguin Books, 2014)の翻訳。帯文に曰く「英『アートレビュー』誌「現代アートの最も影響力を持つ100人」で第1位に選ばれたトップ・キュレーターが、自身の活動を振り返り、現代アートを含む芸術文化の過去と未来を語り尽くす!」。目次を列記しておきます。
プロローグ――事の次第
アリギエロ・ボエッティとともに
世界〔グローバル〕性
『do it』
キュレーション、展覧会、綜合芸術作品
クールベ、マネ、ホイッスラー
知をコレクションする
ミュージアムとアーカイヴについて
印刷された展覧会
終わりなき会話
先駆者たち
夜行列車やその他の儀式
キッチン
ローベルト・ヴァルザーとゲアハルト・リヒター
導師たち
フェリックス・フェネオンとホテル・カールトンパレス
見えない都市たち
こちらロンドン〔ロンドン・コーリング〕
建築、アーバニズム、展覧会
ビエンナーレ
ユートピア・ステーション
バレエ・リュス
時間と展覧会
パヴィリオンとマラソンについて
(カンファレンスならざる)カンファレンスをキュレーションする
『非物質的なものたち』
『ラボラトリウム』
未来をキュレーションする

★オブリストは「知をコレクションする」の冒頭でこう書いています。「コレクションをつくるとは、アイテムを購入し整理し、部屋であれ家であれ図書館であれミュージアムであれ倉庫であれ、或る場所に収蔵することである。それはまた不可避的に、世界について考えをめぐらせることでもある――コレクションを生み出す接続〔コネクション〕や原理には、想定、並置、発見、実験的な可能性や連想〔アソシエーション〕といったものが含まれる。コレクションづくりとは知を生産する一方法なのだと言ってもいい」(59頁)。また同テクストではこうも書かれています。「ルネサンス期にはすでに、キルヒャーなどの学者たちは「ミュージアム」を、学問研究に備えてアイテムをコレクションする場、またはモノのいっさい――書斎、図書館、庭園、百科全書――を指す語として用いていた。ミュージアムは過去をモノとして集成するアーカイヴということになっていた。19世紀後半にはすでに、ミュージアムの相互にコネクトされた一連の部屋を歩いていくことは、時間のなかを旅することだと理解されていた」(63頁)。日々中身が少しずつ入れ替わっていく「現在形の鏡」=「移ろうミュージアム」である書店のありようを考える時に、オブリストのキュレーション観は様々な示唆を与えてくれる気がします。

★レリス『ゲームの規則Ⅳ 囁音』は全4巻の最終回配本。原書は『Frêle bruit』(Gallimard, 1976)。これまでの三巻と異なり断章形式になっており、「拾遺集のような性格を帯び」ていると訳者の谷さんは指摘されています。また「レリスが『囁音』の執筆にかかっていた1960年代後半は、フランスにかぎらず世界各地で反体制的な運動が盛り上がりを見せた時代で、レリス自身も一種の高ぶりを感じていたに違いない」とも指摘されています。本書には例えば次のようなくだりもあります。「発言権を得るのは人食い鬼やロボットや猫をかぶった絞殺者や人の脳みそを台なしにする輩ばかりとなっていく世界で、任務放棄とならずに、非暴力の大義を支持するためには、いったいどうすればいいのだろうか」(236頁)。「ぼろぼろになった私の記憶〔メモワール〕をうまく繕ってはくれないこの覚書〔メモワール〕」(268頁)。「どんなことをしても廃絶できない悪があり、詩だけがそれに立ち向かう助けとなりうる」(同)。「かすかな物音」という原題を持つ本書は、レリスの思考の深淵を垣間見ることができる断崖のようです。

★柳本芸『漢京識略』は東洋文庫第885巻。訳注者の吉田さんによる「まえがき」に曰く「18世紀末から19世紀初頭にかけてソウルに居住していた柳本芸という一官僚知識人が、1830年に完成させたソウルの町案内」であり、「一文字のハングルのほかは、すべて当時の朝鮮知識人の共通文字言語である漢字漢文で記されている。したがって、街案内とは言え、想定される読者は庶民一般ではなく、あくまでも知識人階層に属する人々である」とのことです。現在に至るまで写本しかなく、本書は「日韓を通じて初めての刊本」(帯文より)と。東洋文庫次回配本は3月、『周作人読書雑記2』の予定。

★荒俣宏『新装版 花の王国』全4巻は、2014年に平凡社100周年を記念して刊行された『新装版 世界大博物図鑑』全5巻に続く、荒俣さんの図鑑本の新装復刊です。巻頭に掲載された「「花の王国」の読み方」によれば「各頁とも、植物名の〈見出し〉〈解説〉〈図版〉および〈図版説明〉で構成される。各巻とも、総数三十万余種もある植物のうちから、テーマにふさわしい珍奇で美しいものを選んだ。また巻末に、古今東西・現実架空の庭園を25項目ずつとりあげ、人間と植物の深い関わりを後づける〈天と地の庭園巡り〉を併載する」。古い文献から採用されたオールカラーの図譜の溜息の出るような美しさに加え、荒俣本ならではの博物学から雑学までを渉猟した情報と図版の数々が楽しませてくれます。『世界大博物図鑑』は1冊あたり税込2万円前後する高額本ですが、『花の王国』全巻買っても2万円を大きく下回ります。揃いでのご購入をお薦めします。

★ウィリアムズ『ブッチャーズ・クロッシング』は『Butcher's Crossing』(Macmillan,
1960)の翻訳。作品社さんではアメリカの作家ジョン・ウィリアムズ(John Edward Williams, 1922-1994)の小説『ストーナー』(東江一紀訳)を2014年9月に刊行されており、同書は昨年末に16刷を数えるロングセラーとなっています。今回刊行された『ブッチャーズ・クロッシング』は「19世紀後半の米国西部を舞台にしたバッファロー狩りの物語」(訳者あとがき)で、訳者の布施さんは「『ストーナー』を“静”とすれば、本書はまさに“動”。〔…〕『ストーナー』と同様、本書もやはり、人が生きることの本質を鋭く問いかける、味わい深い文学作品である」と評しておられます。

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by urag | 2018-02-25 20:05 | Trackback | Comments(0)
2017年 06月 04日

注目新刊:『メルロ=ポンティ哲学者事典』第二巻、ほか

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メルロ=ポンティ哲学者事典 第二巻 大いなる合理主義・主観性の発見』モーリス・メルロ=ポンティ編著、加賀野井秀一/伊藤泰雄/本郷均/加國尚志監訳、白水社、2017年5月、本体5,400円、A5判上製382頁、ISBN978-4-560-09312-2
タラウマラ』アントナン・アルトー著、宇野邦一訳、河出文庫、2017年6月、本体800円、文庫判224頁、ISBN978-4-309-46445-9

★『メルロ=ポンティ哲学者事典 第二巻 大いなる合理主義・主観性の発見』は、第2回配本。目次は以下の通り。スラッシュで区切ってある一群は書き手のイニシャルが付された小項目です。

Ⅳ 大いなる合理主義(モーリス・メルロ=ポンティ)
大いなる合理主義(17世紀):ガリレイ/ベーコン/ホッブズ/デカルト
ベーコン(アンドレ・ラランド)
ホッブズ(レイモン・ポラン)
デカルト(フェルディナン・アルキエ)
ガッサンディ/メルセンヌ/ラ・フォルジュ/コルドモワ/ユエ/クラウベルク/ゲーリンクス/アルノー/レジス/
スピノザ(ロラン・カイヨワ)
スピノザ/ラミ/ブーランヴィリエ/ドルトゥス・ド・メラン/マルブランシュ/ベルナール・ラミ/フェデ/アンドレ
マルブランシュ(フェルディナン・アルキエ)
ライプニッツ(イヴォン・ベラヴァル)
ライプニッツ/ヴォルフ
ロック(レイモン・ポラン)
ディグビー/ジョン・スミス/カドワース/モア/ロック/ロシュ/ニュートン/クラーク/コリンズ/ベール/フォントネル
18世紀の合理主義(ジャン・スタロバンスキー)
モンテスキュー/ヴォーヴナルグ/ヴォルテール/ディドロ/ダランベール/ラ・メトリ/エルヴェシウス/ドルバック/ビュフォン/ボスコヴィチ/ケネー
コンディヤックと観念学:コンディヤック/ハートリー/ボネ/カバニス/デステュット・ド・トラシ
Ⅴ 主観性の発見(モーリス・メルロ=ポンティ)
16世紀:ラブレー/タロン/モンテーニュ
モンテーニュ(ジャン・スタロバンスキー)
パスカル(ジョルジュ・ギュスドルフ)
17世紀:デカルト/パスカル
18世紀:シャフツベリ/マンデヴィル/ビュフィエ/コリアー/バークリー
バークリー(T・E・ジェソップ)
ハチソン/ユベール/ヒューム
ヒューム(ギルバート・ライル)
ヘルムステルホイス/アダム・スミス/リード/サン=マルタン
コンディヤック(ジョルジュ・ル・ロワ)
ルソー(ピエール・ビルジュラン)
カント(ジュール・ヴュイユマン)
カント/レッシング/ヘルダー/ヤコービ/マイモン
フィヒテ(ジュール・ヴュイユマン)
19世紀:フィヒテ/ゲーテ/シラー/フリース/ヘルバルト/ショーペンハウアー/ブーストレム/スチュワート/ブラウン/ハミルトン/ミル/ニューマン
メーヌ・ド・ビラン(ジョルジュ・ル・ロワ)
ビシャ/メーヌ・ド・ビラン/ラロミギエール/ロワイエ=コラール/アンペール/ジュフロワ/クザン/ボルダス=ドゥムラン/マレ/グラトリー/ヴァシュロ/シモン/ジャネ/テーヌ/ルキエ/ロスミーニ=セルバーティ/ジョベルティ/マッツィーニ/キルケゴール
キルケゴール(ジョルジュ・ギュスドルフ)
エマーソン/アミエル/スクレタン/マッハ/アヴェナリウス
19世紀の終わりと批判主義の復活:ルヌヴィエ/カントーニ/コーエン/ナトルプ/ヴィンデルバント/リッケルト/フォルケルト/バウフ/リーベルト/ヘフディング/ラシュリエ/ラニョー/ブロシャール/アムラン/セアイユ/フイエ/デュナン/パロディ
索引

★第3回配本は7月27日発売予定、第1巻『東洋と哲学・哲学の創始者たち・キリスト教と哲学』とのことです。

★アルトー『タラウマラ』は6月6日発売。河出文庫のアルトー作品は『神の裁きと訣別するため』(宇野邦一/鈴木創士訳、2006年7月、品切)、『ヘリオガバルス――あるいは戴冠せるアナーキスト』(鈴木創士訳、2016年8月)に続いて3点目になります。奥付前の特記によれば「本書は『アルトー後期集成I』(河出書房新社、2007年)所収の『タラウマラ』を改訂の上、文庫化したもの」と。訳者による「解説」の末尾にはより詳しくこう説明されています。「この訳書は、『アルトー後期集成I』の中のタラウマラ関連の文章に、未訳の書簡三通を付け加えたものである。収録にあたって訳文を再検討し、できるだけ誤りをただすようにした」。この書簡三通というのは「タラウマラ族に関する手紙」において追加されたもので「ポケット版(Idées / Folio essais)には、ポーラン宛の三つの書簡(1937年5~6月)が増補されているので、本書にはそれも訳出した」と記されています。

★ご参考までに本書の目次を以下に列記します。

タラウマラ族におけるペヨトルの儀式
タラウマラの国への旅について
 記号の山
 ペヨトルのダンス
 アンリ・パリゾーへの手紙
トゥトゥグリ
『エル・ナシオナル』に掲載されたタラウマラ族に関する三つのテクスト
 東方の三博士の国
 自然はみずからの円環において……
 ある原理-種族
 アトランティス王たちの儀式
『ヴヮラ』掲載されたテクスト
 失われた人々の種族
『タラウマラの国への旅』の補遺
 付録
ペヨトルに関する一注釈
タラウマラ族に関する手紙
訳注
解説

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★このほか、最近では以下の新刊との出会いがありました。

西洋美術の歴史(8)20世紀 越境する現代美術』井口壽乃/田中正之/村上博哉著、中央公論新社、2017年5月、本体3,800円、B6判上製600頁、ISBN978-4-12-403598-8
異貌の同時代――人類・学・の外へ』渡辺公三・石田智恵・冨田敬大編、以文社、2017年5月、本体4,600円、A5判上製650頁、ISBN978-4-7531-0340-9
クリストファー・ノーランの嘘――思想で読む映画論』トッド・マガウアン著、井原慶一郎訳、フィルムアート社、2017年5月、本体3,200円、四六判上製520頁、ISBN978-4-8459-1622-1
ソヴィエト・ファンタスチカの歴史』ルスタム・カーツ著、梅村博昭訳、共和国、2017年6月、本体2,600円、菊変型判並製280頁、ISBN978-4-907986-41-4
夜明けの約束』ロマン・ガリ著、岩津航訳、共和国、2017年6月、本体2,600円、菊変型判並製336頁、ISBN978-4-907986-40-7

★『西洋美術の歴史(8)20世紀 越境する現代美術』は同シリーズ全8巻の最終回配本。20世紀を扱う最終巻の構成は、序章「20世紀西洋美術史を語るために」、第1章「抽象芸術の成立と展開」、第2章「イメージと物」、第3章「第二次世界大戦後の抽象芸術」、第4章「現代生活と美術」、第5章「身体表象と20世紀美術」、第6章「美術と政治」、第7章「美術とさまざまなメディア」、となっています。なおシリーズ完結を記念して今月、よみうりカルチャー大手町にて、同シリーズの執筆者4氏による連続講演会「『西洋美術の歴史』完結記念講座」全4回が開催されるそうです。詳細はリンク先をご覧ください。

★『異貌の同時代』は文化人類学者・渡部公三さんの退官予定を見据えて企画された論文集ですが、いわゆる「退官記念論文集」然としたものではなく、「関係者の論文を寄せ集めただけの「記念」論文集にはしたくないという思い」から編まれた意欲的な論文集で、ポール・デュムシェル(第9章「知覚、感覚、感情、アフォーダンス」近藤宏訳)、マルセル・エナフ(第18章「他者とともに生きる――レヴィ=ストロースあるいは他者性と互酬性」渡辺公三訳)、そして最近水声社から初訳書『流感世界』が出たばかりのフレデリック・ケック(第19章「クロード・レヴィ=ストロースの陰画的エコロジー」泉克典訳)といった翻訳も収録されています。

★マガウアン『クリストファー・ノーランの嘘』の原書は『The Fictional Christopher Nolan』(University of Texas Press, 2012)。帯文によれば「『フォロウィング』から『インターステラー』まで、作品内で巧みに仕組まれた観客を欺く構造を、ヘーゲル哲学やラカンは精神分析で徹底的に読み解く」というもの。目次詳細は書名のリンク先をご覧ください。著者のマガウアン(Todd McGowan, 1967-)はバーモント大学准教授。ご専門は映画研究と文化理論で、ジジェクに近い立場の研究者かとお見受けしました。本書が初めての訳書で、未訳ですがデイヴィッド・リンチ論なども上梓されています。本書は本格的なノーラン研究本としても本邦初だそうです。巻末には中路武士さんによる詳細なノーラン作品解題が併載されています。

★カーツ『ソヴィエト・ファンタスチカの歴史』と、ガリ『夜明けの約束』は共和国さんの新シリーズ「世界浪漫派」の二冊同時初回配本です。巻頭にはフリードリッヒ・シュレーゲルの言葉「小説〔ロマン〕とは、ロマン的な書物のことである」が掲げられています。前者の原書は2013年刊の改訂第4版。凡例によれば「ファンタスチカ」とは現代ロシアにおいて、SFおよび幻想文学全般を指す言葉だそうです。目次詳細は書名のリンク先をご覧ください。カバーには「鎌とハンマー」の抜き型加工が施されていますが、これはロシア革命100周年記念で、初版のみの仕様とのこと。帯文にある「ソルジェニーツィンの『イワン・デニーソヴィッチ』は月面開発の物語」という文言に吃驚しましたが(詳細は162頁以降)、読者諸姉兄に一言だけ申し上げておくと、この本を楽しむためには絶対に訳者解説から読んではダメですし、訳者解説を読まずに終えるのも(たぶん)危ういです。

★後者『夜明けの約束』の原著は1960年刊。帯文に曰く「史上唯一、ゴンクール賞を2度受賞した作家で外交官、女優ジーン・セバーグの伴侶にして、拳銃自殺を遂げたロマン・ガリ。その代表作であり、戦後フランスを象徴する自伝小説の白眉、ついに刊行」と。2度の受賞作というのは、『自由の大地』(原著1956年刊;日本語訳上下巻、ロオマン・ギャリィ著、岡田真吉/澁澤龍彦訳、人文書院、1959年;『世界動物文学全集』第9巻所収、講談社、1979年;『澁澤龍彦翻訳全集』第4巻所収、河出書房新社、1997年)と、『これからの一生』(エミール・アジャール名義、原著1975年;日本語訳、荒木亨訳、早川書房、1977年)のこと。なお、同作品はエリック・バルビエ監督によって映画化されるそうで、年末(2017年12月)にフランスで上映決定なのだそうです。

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by urag | 2017-06-04 16:47 | Trackback | Comments(0)
2017年 05月 17日

重版出来:『表象11:ポスト精神分析的主体の表象』2刷

表象11:ポスト精神分析的主体の表象』の重版(2刷)が本日5月17日、できあがりました。補充予約を入れていただいた書店様のご発注分は明日より順次取次搬入となります。

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by urag | 2017-05-17 21:41 | Trackback | Comments(0)
2017年 04月 10日

重版2刷出来:森山大道『通過者の視線』

重版2刷出来:森山大道『通過者の視線』_a0018105_09361061.jpg


森山大道さんの写真論、エッセイ、対話をまとめた『通過者の視線』(2014年刊)の2刷が4月7日にできあがりました。今週末には同じく森山さんの写真集『Osaka』(2016年9月刊)の2刷もできあがる予定です。初版本は書店さんの店頭でほどなく消えていくと思われますので、ご購入ご希望のお客様はお早目にお探しいただけると幸いです。オンライン書店hontoの商品個別頁での丸善やジュンク堂の店頭在庫情報などが有益かと想像します。


by urag | 2017-04-10 09:37 | Trackback | Comments(0)
2017年 01月 27日

佐野方美写真展「SLASH」

佐野方美写真展「SLASH」

期日:2017年1月27日(金) ~ 2月5日(日)12:00~19:00 会期中無休
料金:入場無料
場所:AL(アル;東京都渋谷区恵比寿南3-7-17;電話03-5722-9799;代官山駅から徒歩5分;JR恵比寿駅から徒歩8分)

内容:佐野方美(さの・まさみ)の撮り下ろし写真集第一作『SLASH』 (スラッシュ) が月曜社より発売されることを記念して、同タイトルの写真展を開催いたします。写真集176点の中から50点程をセレクトし、デジタルプリントにて展示。作品の販売に加え、G.V.G.V.FLATと河村康輔氏との三者コラボレーションにより実現したTシャツを販売しています。

※同時開催として、2017年1月26日(木)~2月5日(日)に、NADiff Window Gallery(東京都渋谷区恵比寿1-18-4 1F)にてコラージュ作品展示しております。

by urag | 2017-01-27 14:00 | Trackback | Comments(0)
2016年 10月 21日

ぴろぴとさん新作映像「ぼくのうち」

敬愛する映像作家のぴろぴとさんによる新作「ぼくのうち(My house walk-through)」が今週公開開始となっています。繰り返しのようで少しずつ変化が現れる進み方というのは、ぴろぴとさんを一躍有名にした「username:666」(2008年)をはじめ、「Another YouTube」(2010年)や「pokopokoshopping」(2014年)などで表現されてきた〈出口のない悪夢への滑落〉と近いもので、ぴろぴとさんに特徴的な作風。過去の映像作品の数々から推測して、今回もロケや造形の手間がかなりかかっているのではと想像しますが、どの部分がCGでどの部分が実写なのか、素人目には判然としません。ヒントとなる素材写真やロケ作業報告(作業開始は5月! 8月の暑い最中に連日12時間に及ぶもの! 蚊取り線香の煙で濛々!)はぴろぴとさんのツイッターで投稿されています。「これはホラービデオではありません」という注記が秀逸。世界各国の視聴者の中にはホラーゲーム「P.T. (Silent Hills: Playable Teaser)」や「サイレン」シリーズ(付け加えるなら「零」シリーズもでしょうか)を思い起こした方もいるようですが、あの閉鎖的な異次元空間に魅入られていた方はきっとこの「ぼくのうち」にその卓抜な発展型や瞠目すべき変奏を見るのではないかと思います。これはぜひ、いま流行のプレイステーションVRなどで再現されてほしい世界です。来月11月には本作に関連する動画を公開されるそうで、メイキングだとしたら非常に興味深いものになると思います。楽しみです。



by urag | 2016-10-21 14:28 | Trackback | Comments(0)
2016年 09月 08日

live cameras in tokyo


tokyo tower, minato (if you can't watch it, go to tokyo tower live camera)


shibuya pedestrian scramble


shibuya


shibuya


odaiba (if you can't watch it, go to fnn)


kabukicho, shinjuku (if you can't watch it, go to TOCACOCAN)


futakotamagawa, setagaya (if you can't watch it, go to iTSCOM STUDIO & HALL live camera)


machida


by urag | 2016-09-08 00:40 | Trackback | Comments(0)
2015年 12月 28日

備忘録(15)

◆2015年12月28日13時現在。

太洋社の年末年始業務について。

2015年12月28日(月)午前11:30まで【仕入窓口業務最終日】
2015年12月29日(火)平常営業【仕入窓口業務なし】
2015年12月30日(水)~2016年1月4日(月)【社休日】
2016年01月05日(火)平常営業【仕入窓口業務なし】
2016年01月06日(水)平常営業【仕入窓口業務開始日】

以上。

by urag | 2015-12-28 13:41 | Trackback | Comments(0)
2015年 11月 12日

集英社文庫ヘリテージシリーズ・ポケットマスターピース創刊

集英社文庫ヘリテージシリーズ・ポケットマスターピース創刊_a0018105_17151548.jpg

★竹峰義和さん(共訳:シュティーグラー『写真の映像』)
集英社文庫ヘリテージシリーズの新しい「シリーズ内シリーズ」として先月末に創刊された「ポケットマスターピース」の第1回配本として、第1巻「カフカ」(多和田葉子編)と、第2巻「ゲーテ」(大宮勘一郎編)が同時発売になりました。竹峰さんは「カフカ」の巻で、「流刑地にて」「雑種」「こま」の新訳を担当されています。「カフカ」の巻に収録されているテクストはネット書店「honto」さんの商品個別頁で確認することができます(ただし収録順序がバラバラ)。「変身(かわりみ)」多和田葉子訳、「火夫」「訴訟」いずれも川島隆訳、といった代表作のほか、カフカの本職である労災保険局で作成した公文書や、婚約者などと交わした書簡も収めているのが面白いです。「ポケットマスターピース」は全13巻で、このあとバルザック、トルストイ、ディケンズ、マーク・トウェイン、フローベール、スティーブンソン、ポー、ドストエフスキー、ルイス・キャロル、ブロンテ姉妹、セルバンテスという風に2016年10月まで毎月1冊ずつ刊行されていくようです。


★水野浩二さん(訳書:ヴァール『具体的なものへ』)
澤田直さんとの共訳書『主体性とは何か?』が白水社さんより先月末に発売となりました。この本はサルトルが1961年12月12日にローマのグラムシ研究所で行なった講演「マルクス主義と主体性」および12日~14日に行われたイタリア知識人との討論(マリオ・アリカータ、ビアンキ・バンディネッリ、ガルヴァノ・デラ・ヴォルペ、レナート・グットゥーゾ、チェーザレ・ルポリーニ、グィド・ピオヴェーネ、ロンバルド・ラーディチェ、ジュゼッペ・セメラーリ、フランチェスコ・ヴァレンティーニ)の記録を中心に、編者のミシェル・カイルとラウル・キルヒハイマーによるまえがき「意識と主体性」と、フレドリック・ジェイムソンによるあとがき「サルトルの現代性」が収められています。原書は、Qu'est-ce que la subjectivité ? (Les Prairies ordinaires, 2013)です。

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先月(2015年10月25日)行われたamu Kyoto主催の連続イベント「京都に出版社をつくる(には)」の第1回目(ホホホ座・山下賢二さん+松本伸哉さん/月曜社小林浩)のイベントレポートが公開開始となりました。楽しかったひと時の記憶が蘇る心地がします。

by urag | 2015-11-12 17:12 | Trackback | Comments(0)