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2016年 11月 24日 ( 1 )


2016年 11月 24日

ルソー『化学教程』連載第12回

ルソー『化学教程』連載第12回をまもなく月曜社ウェブサイトで公開します。

第一部 第三章 物体の凝着原理と物体の透明原理について

1 〔A:33, F:43, C:86〕自然のあらゆる現象を説明するために実に多くの努力をなしてきた哲学者たちは、万物にもっとも普遍的に備わっているもの、かつまずもって説明すべきであろうものについて理に適った仕方で語ることなどかつてなかった。私が言っているのは、各物体の諸部分の凝着cohésionである。例えば、それは一定量の金化粒子corpuscules aurifiques(1)から一つの金の塊を作るような働き〔操作opération〕のことである。ある物体の諸部分が絶対的静止repos absolu(2)の状態にあるとき、〔C:37〕これらの部分が凝着することはありえないという説に基づいて、凝着原理は運動であるとライプニッツは主張した。この静止や運動という言葉でライプニッツはいったい何を言わんとしていたのだろうか。ペリパトス派の形相、デカルトの微細な物質matière subtile、ニュートンの引力ですら、凝着原理の説明としては不十分な仮説のように私には思われる。物質が持つこの〔普遍的な〕特性について無意味な断定を企てる前に、原質の粒子corpuscules Principesの形象とあらゆる性質をよく知っておかなければならないし、その粒子の表面同士が接触する場合どのような種類の接触がありうるのか、また粒子同士の関係や差異が何であるかをよく知っておかなければならない。〔A:34〕動植物といった有機体に関して言えば、有機体の部分的構造、すなわち繊維や脈管のお陰で、〔凝着原理という〕難問にぶつからずに済むとも言える。脈管や繊維はひとつの組織によって支配されており、この組織はそれらからまとまりcohérenceを形成するのである。しかし、〔F:44〕〔有機体のまとまりを持ちつつ〕最も硬いものでもある採掘物〔化石〕corps fossilesや、接着appositionによってしかその部分が結合しない石や金属に対しては、〔動植物のと〕同じような説明はまったく通用しない。他方で、水やその他の液体はその部分同士がまったく無媒介に結合しており、このことは液体の透明さtransparenceが示している。こういった水やその他の液体が流動的であるということは、両者の部分の結合が組織に由来するものではないということを明示している。

(1)物質は粒子から成るという粒子論の議論をルソーは引き合いに出している。ゆえに、金化粒子は金の微小物質というよりは凝着により物質としての金に成る粒子のことを意味する。

(2)「自然的には実体は活動なしにはあり得ず、運動していない物体さえも決してありはしない、と私は主張するのである。経験も既に私に味方しているし、このことを納得するには、絶対的静止に反対して書かれたボイル氏の著作を参照しさえすれば事足りる。けれども、〔絶対的静止に反対する〕理由はまだ他にもあると私は思うし、〔その理由は〕私が原子論を破るために用いる証明の一つなのである」(ライプニッツ『人間知性新論』米山優訳、みすず書房、1987年、9頁)。

2 だが、かりに〔物体の〕部分間の完全な接着が物体のまとまりや安定性を生み出すと仮定してみよう。〔例えば〕二つの大理石の塊が、研磨され完璧に平らになった表面同士でくっつけられると、両者はひとつの大理石となり、まさにひと塊の大理石を形づくることになるだろう。大理石の表面のすべての部分一つひとつが接し合うのに必要な十分に研磨された平面を大理石に与えることができた場合、その結果として大理石がひとつにまとまるということが成立するのである。これは何人かの哲学者が大胆にも主張したことでもある。しかしながら、これこそ「経験に仇なすchicaner contre l’expérience」と言うべきものではないだろうか。今度は、どれだけ各々の部分が隣接しているかに比例して大理石の一体性が増してゆくと仮定してみよう。〔この場合〕たとえ〔隣接する〕研磨面が不十分であるとしても、つねに相当数の接点を二つの大理石が持つことで、分割に対するかなりの抵抗力をこの大理石は持ったと見なすべきであろうか。〔C:88〕しかし、経験によれば、この〔隣接数に由来する〕抵抗力は二つの大理石それぞれが持つ固有の重さから生じる抵抗力〔引力〕を超えることはない。

・・・続きは月曜社ウェブサイトで近日公開いたします。

by urag | 2016-11-24 15:40 | ウェブ限定コンテンツ | Trackback | Comments(1)