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  <title>URGT-B（ウラゲツブログ）</title>
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  <modified>2026-06-17T15:58:11+09:00</modified>
  <author><name>urag</name></author>
  <tabline>Backrooms（自社本、他社本、出版業界、等々）</tabline>
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    <title>月曜社最新情報まとめ（ブログの最新エントリーは当記事の次からです）</title>
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    <issued>2026-12-31T23:59:00+09:00</issued>
    <modified>2026-05-17T19:42:00+09:00</modified>
    <created>2008-04-21T10:25:10+09:00</created>
    <author><name>urag</name></author>
    <dc:subject>ご挨拶</dc:subject>
    <content type="html"><![CDATA[◆公式ウェブサイト・オリジナルコンテンツ<br />
◎2011年6月28日～：ルソー「化学教程」翻訳プロジェクト。<br />
<br />
◆近刊（準備中）<br />
<br />
<br />
◆新刊（書籍の発売日は、取次への搬入日であり、書店店頭発売日ではありません）<br />
2026年05月15日発売：表象文化論学会『表象20：表象文化論の二〇年』本体2,200円。<br />
2026年04月21日発売：松村久美写真集『この先の島じまへ――1969-1980 沖縄』本体4,300円。<br />
2026年04月08日発売：W・H・ハドスン『水晶の時代』本体3,800円。叢書エクリチュールの冒険、第27回配本。<br />
2026年03月18日発売：杉田俊介『無能力批評　増補完全版』本体3,400円。<br />
2026年02月16日発売：堀真悟『祈りのアナーキー ―ーシモーヌ・ヴェイユと解放の神学』本体3,200円。<br />
2026年01月05日発売：『丹生谷貴志コレクションⅢ』本体4,300円。<br />
2025年12月01日発売：『丹生谷貴志コレクションⅡ』本体4,300円。<br />
2025年12月01日発売：『丹生谷貴志コレクションⅠ』本体4,500円。<br />
<br />
2025年11月25日発売：東京藝術大学未来創造継承センター『Creative Archive vol.02』本体1,500円。<br />
2025年11月21日発売：甲斐扶佐義写真集『新版　地図のない京都』本体3,000円。<br />
2025年11月06日発売：大竹伸朗展公式図録『網膜』本体4,500円。<br />
<br />
2025年10月29日発売：髙山花子『世界のかなしみ――『苦海浄土』全三部作試解』本体2,600円。<br />
2025年10月08日発売：ヴェルナー・ハーマッハー『ベンヤミン読解』本体4,500円。シリーズ・古典転生、第32回配本（本巻31）。<br />
<br />
2025年09月18日発売：阿部晴政編『ドゥルーズ革命』本体3,200円。<br />
2025年08月12日発売：ジル・ドゥルーズ『尽くされた』本体2,400円。叢書・エクリチュールの冒険、第26回配本。<br />
2025年07月09日発売：E・P・トムスン『ウィリアム・モリスーーロマン派から革命家へ』本体6,800円。<br />
2025年07月03日発売：河野靖好『谷川雁の黙示録風革命論』本体3,600円。<br />
<br />
2025年06月13日発売：東京芸術大学未来創造継承センター編『アート×リサーチ×アーカイヴ――調査するアートと創造的人文学』本体2,400円。<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
◆販売情報（重版・品切・サイン本、等々）<br />
◎重版出来：<br />
<br />
<br />
◆出版＝書店業界情報：リンクまとめ<br />
◎業界紙系：「新文化　ニュースフラッシュ」「文化通信」<br />
◎一般紙系：Yahoo!ニュース「出版業界」「電子書籍」「アマゾン」<br />
◎新刊書店系：日書連　全国書店新聞<br />
◎雑談＆裏話：5ちゃんねる　一般書籍<br />
<br />
※このブログの最新記事は当エントリーより下段をご覧ください。　<br />
※月曜社について一般的につぶやかれている様子はYahoo!リアルタイム検索からもご覧になれます。月曜社が公式に発信しているものではありませんので、未確定・未確認情報が含まれていることにご注意下さい。ちなみに月曜社はtwitterのアカウントを取得する予定はありませんが、当ブログ関連のアカウントはあります。<br />
<br />
<br />
<br />
]]></content>
  </entry>
  <entry>
    <title>月曜社７月新刊：『調査 協働 想像力――アート×リサーチ×アーカイヴ２』東京藝術大学未来創造継承センター編</title>
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    <issued>2026-06-17T15:49:00+09:00</issued>
    <modified>2026-06-17T15:58:11+09:00</modified>
    <created>2026-06-17T15:49:23+09:00</created>
    <author><name>urag</name></author>
    <dc:subject>近刊情報</dc:subject>
    <content type="html"><![CDATA[受注締切：07月03日<br />
取次搬入：07月16日<br />
＊芸術、現代アート<br />
<br />
<br />
調査 協働 想像力――アート×リサーチ×アーカイヴ２<br />
[ヨミ：チョウサキョウドウソウゾウリョク　アートリサーチアーカイヴツー]<br />
毛利嘉孝・幅谷和眞（監修）、東京藝術大学未来創造継承センター（編）<br />
月曜社　本体2,800円　46判（縦188×横130×束幅20mm、重量310g）並製296頁うち4C8頁　ISBN:978–4–86503–224–6　C0010<br />
<br />
<br />
※アマゾン・ジャパン、HonyaClub、HMV＆BOOKS楽天１号店、にて予約受付中。<br />
<br />
<br />
私たちは、この世界をどのようにして理解し、つくりかえることができるのか？　アートの手法として重要な役割を果たしているリサーチと、リサーチの中に取り入れられつつあるアートの手法を結びつけ制作・研究しているアーティストやミュージシャン、文化人類学者による、調査と創造のための実践講義録。<br />
<br />
<br />
【本書は東京都と三菱地所と東京藝術大学の三者連携による「有楽町藝大キャンパス」公開講座の一部を収録した講義録です】<br />
<br />
<br />
目次：<br />
はじめに 調査と協働と想像力｜毛利嘉孝<br />
第二回　二〇二五年五月八日（木）<br />
　Research-Based Art・わたしの方法｜小沢剛<br />
第三回　二〇二五年五月二九日（木） <br />
　エスノグラフィの新しい可能性を目指して｜小川さやか<br />
第四回　二〇二五年六月一二日（木）<br />
　記録者の芸術／秩父前衛派の実践｜笹久保伸<br />
第五回　二〇二五年六月一九日（木）<br />
　食事と朗読の公演・調査からアウトプットまで｜風景と食設計室ホー<br />
第六回　二〇二五年七月三日（木）<br />
　米国アーカイヴからの芸術実践｜藤井光<br />
第七回　二〇二五年七月一七日（木）<br />
　「新しい祈りを実践する」とは何か？｜キュンチョメ<br />
論考 獣臭、路上の言葉、祭りと野球中継｜幅谷和眞<br />
論考 調査的感性術を実践する｜島影圭佑・佐々木晃也・石井大介<br />
あとがき<br />
執筆者一覧<br />
<br />
<br />
※第一回は「オリエンテーション」につきゲストを招いていないので割愛。<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
著者：小沢剛（美術家、東京藝大教授）、小川さやか（文化人類学者、アフリカ研究、立命館大学教授）、笹久保伸（音楽家、記録者）、風景と食設計室 ホー（アーティスト）、藤井光（アーティスト、東京藝大准教授）　、キュンチョメ（アーティスト）、島影圭佑（デザインリサーチャー、公立はこだて未来大学准教授）、佐々木晃也（哲学研究者）、石井大介（デザイナー、京都芸大専任講師）、毛利嘉孝（社会学者、東京藝大教授）、幅谷和眞（アーキヴィスト、東京藝大未来創造継承センター）<br />
<br />
<br />
<img src="https://pds.exblog.jp/pds/1/202606/17/05/a0018105_15342907.jpg" alt="_a0018105_15342907.jpg" align="left" class="IMAGE_LEFT" height="578" width="400" /><br />
]]></content>
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    <title>注目新刊：バシュラール『火の精神分析』平凡社ライブラリー、ほか</title>
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    <issued>2026-06-15T02:34:00+09:00</issued>
    <modified>2026-06-16T12:21:27+09:00</modified>
    <created>2026-06-15T02:34:50+09:00</created>
    <author><name>urag</name></author>
    <dc:subject>ENCOUNTER（本のコンシェルジュ）</dc:subject>
    <content type="html"><![CDATA[<img src="https://pds.exblog.jp/pds/1/202606/15/05/a0018105_02414136.jpg" alt="_a0018105_02414136.jpg" align="left" class="IMAGE_LEFT" height="384" width="400" /><br />
<br />
★注目の文庫新刊既刊を列記します。<br />
<br />
<br />
『火の精神分析』ガストン・バシュラール（著）、前田耕作（訳）、平凡社ライブラリー、2026年6月、本体1,800円、B6変型判並製304頁、ISBN978-4-582-77015-5<br />
『わが思想の歩み』アラン（著）、長谷川宏（訳）、光文社古典新訳文庫、2026年5月、本体1,400円、文庫判472頁、ISBN978-4-334-11005-5<br />
発売日:2026.05.12<br />
『ハンムラビ法典』中田一郎（訳）、講談社学術文庫、2026年5月、本体1,500円、A6判352頁、ISBN978-4-06-543866-4<br />
『ジャイナ教』渡辺研二（著）、講談社学術文庫、2026年5月、本体1,300円、A6判272頁、ISBN978-4-06-543800-8<br />
『日本のタワー』橋爪紳也（著）、講談社学術文庫、2026年5月、本体1,100円、A6判224頁、ISBN978-4-06-543723-0<br />
『口語訳　養生訓』貝原益軒（著）、松宮光伸（訳注）、角川ソフィア文庫、2026年5月、本体1,540円、文庫判464頁、ISBN978-4-04-400894-9<br />
『旧暦大全』岡田芳朗（著）、角川ソフィア文庫、2026年3月、本体1,450円、文庫判352頁、ISBN978-4-04-400890-1<br />
『日本書紀』遠藤慶太（編）、角川ソフィア文庫、2026年2月、本体1,540円、文庫判464頁、ISBN978-4-04-400848-2<br />
『山海経の妖怪たち――古代中国の奇獣図鑑』森和（著）、角川ソフィア文庫、2026年2月、本体1,600円、文庫判512頁、ISBN978-4-04-400784-3<br />
『前世の記憶をもつ少年――全訳勝五郎再生記聞』平田篤胤（著）、今井秀和（訳）、角川ソフィア文庫、2026年1月、本体1,100円、文庫判224頁、ISBN978-4-04-400843-7<br />
『数学入門』ホワイトヘッド（著）、長谷川珈／高橋達二（訳）、西郷甲矢人（監訳）、角川ソフィア文庫、2025年12月、本体1,360円、文庫判352頁、ISBN978-4-04-400877-2<br />
<br />
<br />
★平凡社ライブラリーの新刊と光文社古典新訳文庫の既刊書から。『火の精神分析』は、フランスの科学哲学者で詩学者のガストン・バシュラール（Gaston Bachelard, 1884-1962）の著書『La Psychanalyse du feu』（Gallimard, 1938）の全訳に、同書英訳版へのノースロップ・フライによる序文も訳出し（樋渡雅弘訳）、さらにモネやシャガール、バルザックやマラルメなどを論じた論考6篇を併録した訳書（せりか書房、改訳版、1999年）を文庫化したもの。親本は1969年に刊行されたあと、1974年に改訂増補版が出て、最終改訳版が1999年に出版された、という流れかと思いますが、各図書館の書誌情報の変遷にはいささか混乱があるようです。<br />
<br />
<br />
★帯文に曰く「神話、文学、夢想、宗教、科学史を横断し、火に託された欲望と禁忌、破滅と再生への憧れをたどりながら、人間の無意識と想像力の根源を照らし出す。詩的想像力を論じたバシュラールの代表作」。訳者はすでに亡くなっておられ、訳文の調整の有無については特記されていません。巻末解説は、橋爪恵子さんによる「バシュラール詩学への誘い」。平凡社ライブラリーでのバシュラールの既刊書には『科学的精神の形成――対象体認識の精神分析のために』（及川馥訳、2012年4月）がありますが、現在は品切中。<br />
<br />
<br />
★『火の精神分析』冒頭から引きます。「自分が客観的であると信じるためには、ひとつの対象について語りさえすればよい。ところが、まず最初に対象を選びとるや、対象は思っている以上のものを明かす。だから世界についての自分の思考を根本的なものだと信じることは、往々にして自分の精神の未熟さを打ち明けているようなものだ」（10頁）。<br />
<br />
<br />
★『火の精神分析』は、「物質についての想像力論」と題された一連の連作の第一巻で、第二巻は『水と夢』（小浜俊郎／桜木泰行訳、国文社、1969年；及川馥訳、法政大学出版局、2008年；新装版、2016年）、第三巻は『空と夢』（宇佐見英治訳、法政大学出版局、1968年；新装版、2016年）、第四巻は第一部が『大地と意志の夢想』（及川馥訳、思潮社、1972年）、同巻第二部が『大地と休息の夢想』（饗庭孝男訳、思潮社、1970年）です。<br />
<br />
<br />
★『わが思想の歩み』は、フランスの哲学者アランの著書『Histoire de mes pensées』（Gallimard, 1936）の全訳。帯文に曰く「曖昧な世界のなかで思索を重ねる営みのゆたかさと魅力。考えることの自由をつらぬいた、哲学者の軌跡」。目次詳細は書名のリンク先でご確認いただけます。長谷川さんによる、光文社古典新訳文庫でのアランの訳書は、2008年『芸術の体系』と2015年の『芸術論20講』に続く3冊目です。『わが思想の歩み』の既訳文庫には、森有正『わが思索のあと』（中公文庫、2018年）がありますが、現在品切中。<br />
<br />
<br />
★講談社学術文庫の先月既刊書から。『ハンムラビ法典』は、巻末特記に曰く「2002年に「古代オリエント資料集成 1」としてリトンから刊行された『ハンムラビ「法典」』（第二版）を増補・改訂したもの」。目次詳細は書名のリンク先でご確認いただけます。訳者による巻頭の「講談社学術文庫版刊行にあたって」によれば、「改訂第三版のための原稿が完成した段階で、不運にも出版社リトンの大石昌孝氏が病に倒れ、リトンが解散のやむなきに至った」と。さらなる不運には、第二版までの印刷所も倒産したとのことで、旧版は古書価高騰が避けられなかったと思われます。改訂第三版を同文庫が救ったことは非常に幸いでした。<br />
<br />
<br />
★『ジャイナ教』は、2006年に現代図書から刊行された『ジャイナ教入門』の改題文庫化。カバー表4紹介文に曰く「あらゆるものに生命の存在を認め、尊ぶ稀有な宗教の教義、歴史、戒律、信徒の実践をまとめた格好の概説書」。目次詳細は書名のリンク先でご確認いただけます。巻末特記によれば「学術文庫への収録にあたり、サンスクリット語、パーリ語、プラークリット語（アルダマーガディー語）の表記を今日通用のものに変更し、文献の表記を統一したほか、適宜改訂を施し」たとのこと。ジャイナ経研究者で東京大学アジア研究図書館助教の河﨑豊さんが巻末解説を寄せておられ、故人である著者の詳細な文献案内をさらに補っておられます。<br />
<br />
<br />
★『日本のタワー』は、河出ブックスの1冊として2012年に刊行された『ニッポンの塔――タワーの都市建築史』の改題文庫化。帯文に曰く「浅草十二階・東京タワー・通天閣・太陽の塔……塔（タワー）には進歩と郷愁の物語がある――多数の貴重図版とともに辿る、日本人の心の建築史」。目次詳細は書名のリンク先でご確認いただけます。新たに加わった「学術文庫版へのあとがき」によれば、「若干の修正と補筆を行った」とのことです。<br />
<br />
<br />
★角川ソフィア文庫のここ半年の既刊書から。『口語訳　養生訓』は、巻末の編集付記によれば「『口語　養生訓』（日本評論社、2000年）および『女大学と房中訓――貝原益軒を読み解く』（百年書房、2023年）の一部を合本としてまとめ」たもの。帯文に曰く「三百年読み継がれる健康指南の書、漢方の専門家による現代語訳と注釈」。目次詳細は書名のリンク先でご確認いただけます。『養生訓』の現代語訳は文庫版で複数の既刊書があり、伊藤友信訳（講談社学術文庫、1982年）や松田道雄訳（中公文庫、1977年；改版、2020年）はいずれもロングセラーです。<br />
<br />
<br />
★『旧暦大全』は、日本史家の岡田芳朗（おかだ・よしろう, 1930-2014）さんの著書『改訂新版　旧暦読本』（創元社、2015年）を改題文庫化したもの。「十二支・二十四節気・七十二候・九星とは。季節の変化から占いまで、知ると愉しい暦の知識」（帯文より）。同文庫での岡田さんの既刊書には2012年の『暦ものがたり』があります。<br />
<br />
<br />
★『日本書紀』は、文庫内シリーズ「ビギナーズ・クラシックス　日本の古典」の1冊。「神武東征、壬申の乱、大化改新――古代国家の姿を現代語訳で読む」（帯文より）。意外すぎてにわかに信じがたいのですが、角川文庫で「日本書紀」が刊行されるのはこれが初めてのようです。「古事記」が1956年以降、訳注版、新訂版（訳注補訂版）、ビギナーズ・クラシックス初版（現代語訳付）、新版（現代語訳付）と半世紀以上にわたりリレーされてきたこととは対照的であるように見えます。<br />
<br />
<br />
★『山海経の妖怪たち』は、版元紹介文に曰く「晋代の郭璞（かくはく、276～324）による『山海経図讃』の原文・現代語訳、『山海経』の図300点以上、そして著者による解説を収録した、書き下ろしの文庫」。帯文では「古代中国のヘンな生き物たち。411体を現代語訳と図で知り尽くす」。森和（もり・まさし, 1974-）さんは、杏林大学教授で、ご専門は中国古代史。なお山海経の文庫版での類書には『山海経――中国古代の神話世界』（高馬三良訳、平凡社ライブラリー、1994年）があります。<br />
<br />
<br />
★『前世の記憶をもつ少年』は、書き下ろし。平田篤胤が8歳の少年から聞き取りした転生譚をまとめた『勝五郎再生記聞』の現代語訳。池田冠山「武州多摩郡中野村勝五郎再生前生話」現代語訳も併録。それぞれ原文も収めています。帯文に曰く「後に小泉八雲英訳し海外に広めた奇談「ほどくぼ小僧」の原型」と。小泉八雲の「勝五郎の転生記」は、同文庫の『怪談　決定版』（池田雅之編訳、2025年8月）などで読むことができます。なお、今井さんによる同文庫での既刊書には『世にもふしぎな化け猫騒動』（2020年7月）や、『天狗にさらわれた少年　抄訳仙境異聞』（2018年12月）があります。後者は平田篤胤『仙境異聞』の抄訳です。<br />
<br />
<br />
★『数学入門』は、英国の哲学者で数学者のアルフレッド・ノース・ホワイトヘッド（Alfred North Whitehead, 1861-1947）の著書『An Introduction to Mathematics』（Williams &amp; Northgate, 1911）の訳書。帯文に曰く「「あたりまえのこと」を深く考えると、数学になる。哲学の巨人に教わる数学の本質」。前世紀後半における既訳書には、大出晃訳『数学入門』（ホワイトヘッド著作集第二巻、松籟社、1983年）があります。ホワイトヘッドの著書の文庫化は本書が初めてで、画期的なことです。<br />
<br />
<br />
]]></content>
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    <title>注目新刊：ちくま学芸文庫６月新刊、ほか</title>
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    <issued>2026-06-07T22:39:00+09:00</issued>
    <modified>2026-06-07T23:23:27+09:00</modified>
    <created>2026-06-07T22:39:08+09:00</created>
    <author><name>urag</name></author>
    <dc:subject>ENCOUNTER（本のコンシェルジュ）</dc:subject>
    <content type="html"><![CDATA[<img src="https://pds.exblog.jp/pds/1/202606/07/05/a0018105_23031756.jpg" alt="_a0018105_23031756.jpg" align="left" class="IMAGE_LEFT" height="458" width="400" /><br />
<br />
★まもなく発売となるちくま学芸文庫と紀伊國屋書店の新刊を列記します。<br />
<br />
<br />
『翻訳の常識――読解力から翻訳力へ』朱牟田夏雄（著）、ちくま学芸文庫、2026年6月、本体1,200円、文庫判288頁、ISBN978-4-480-51384-7<br />
『修辞的思考――論理でとらえきれぬもの』香西秀信（著）、ちくま学芸文庫、2026年6月、本体1,200円、文庫判256頁、ISBN978-4-480-51382-3<br />
『日本詩歌の特質』大岡信（著）、ちくま学芸文庫、2026年6月、本体1,400円、文庫判352頁、ISBN978-4-480-51379-3<br />
『科学的発見のパターン』N・R・ハンソン（著）、村上陽一郎（訳）、ちくま学芸文庫、2026年6月、本体1,500円、文庫判448頁、ISBN978-4-480-51357-1<br />
『ニコ・ティンバーゲン――動物行動学を築いたナチュラリスト』ハンス・クルーク（著）、垂水雄二（訳）、紀伊國屋書店、2026年6月、本体4,200円、46判上製616頁、ISBN978-4-314-01217-1<br />
<br />
<br />
★『翻訳の常識』は、英文学者の朱牟田夏雄（しゅむた・なつお, 1906-1987）さんが八潮出版社より1979年に上梓された著書の文庫化です。帯文に曰く「翻訳の神様が説くその極意。豊富な文例で英文解釈から翻訳までの道筋を示す」。巻末特記によれば「文庫化に際しては明らかな誤植を正し、必要最低限の範囲で表記の統一等をはかった」とのことです。解説は、著者の孫弟子である山本史郎さんによるもの。<br />
<br />
<br />
★『修辞的思考』は、修辞学と国語科教育学がご専門で宇都宮大学教育学部教授などを歴任された、香西秀信（こうざい・ひでのぶ, 1958-2013）さんが1988年に明治図書出版よりされた著書の文庫化。カバー表4紹介文に曰く「シェイクスピア『ジュリアス・シーザー』、ドストエフスキー『罪と罰』、中島敦『山月記』など有名作品を例にとり、各々の中でいかなる「説得力を得る方法」が展開されているのか、著者一流の鮮やかな手つきで、レトリック上の技巧に焦点を合わせて論じきる」。巻末特記によれば「文庫化にあたって明らかな誤り等は適宜修正をほどこしている」とのことです。文庫版解説「機械の言葉、人間の言葉」は、作家の円城塔さんによるもの。ちくま学芸文庫での香西さんの著書の文庫化は2016年の『議論入門――負けないための5つの技術』に続く2点目。<br />
<br />
<br />
★『日本詩歌の特質』は、詩人で評論家の大岡信（おおおか・まこと, 1931-2017）さんが2010年に大岡信フォーラム（花神社発売）より上梓した著書の文庫化。帯文に曰く「何が日本の詩や芸術を支えてきたのか。恰好の日本詩歌入門」。巻末特記によれば「文庫化にあたっては、明らかな誤りは適宜修正した。またルビを増やした」とのことです。解説「ことばは広場となり――大岡信の古典詩受容をめぐって」は詩人で複数の大学で教鞭を執っておられる中西恭子さんです。中西さんの解説は、2017年の初出論考に大幅な加筆修正を施したもの。ちくま学芸文庫での大岡さんの著書の文庫化は、1994年の『萩原朔太郎』（品切）、2018年の『紀貫之』に続く、3点目です。<br />
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★『科学的発見のパターン』は、米国の科学哲学者N・R・ハンソン（Norwood Russell Hanson, 1924–1967）の著書『Patterns of Discovery: An Inquiry into the Conceptual Foundations of Science』（Cambridge University Press, 1958）の訳書（『科学理論はいかに生まれるか』講談社、1971年；改題文庫版『科学的発見のパターン』講談社学術文庫、1986年）の再文庫化。訳者による前二版のあとがきを再録し、新たに「ちくま学芸文庫版あとがき」と、科学史家の岡本拓司さんによる解説「歴史の中の『科学的発見のパターン』」が加わっています。<br />
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★カバー表4紹介文に曰く「科学的な発見は、いかにしてなされるのだろうか？ 本書でハンソンは「観察」に着目する。例えばケプラーは、他の人々と違う空を見ていたわけではない。しかし彼が空を見る際に背負っている「理論」が変わることで、惑星の楕円軌道という新発見がなされたのだ。このように観察という行為の「理論負荷性」を看破したうえで、単なる演繹や帰納によってではなく、観測データ群を説明できるような新たな概念パターン＝理論の探究によってこそ、科学的発見は達成されるとハンソンは説く。科学の本質を新鮮な視点で捉え、クーンらとともに20世紀半ばの「新科学哲学」を牽引した古典的名著」。<br />
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<br />
★『ニコ・ティンバーゲン』は、オランダに生まれ英国でアバディーン大学で教鞭を執った動物学者のハンス・クルーク（Hans Kruuk, 1937-）の著書『Niko’s Nature: The Life of Niko Tinbergen and His Science of Animal Behaviour』（Oxford University Press, 2003）の全訳。「コンラート・ローレンツらとともに動物行動学を築き、1973年にノーベル生理学・医学賞を受賞したニコ・ティンバーゲンの伝記」（訳者あとがきより）。<br />
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<br />
★帯文に曰く「自然への愛を育んだ幼少期、グリーンランドで触れた真の野生、ナチ占領下の収容所生活、4つのなぜ、1950～60年代オックスフォード大学のハードコア・グループ、デズモンド・モリスやリチャード・ドーキンスらとの師弟関係、コンラート・ローレンツとの奇妙な友情、ノーベル賞受賞、晩年の躓き――鳥と自然を愛した生物学者の学問と生涯」。目次詳細は書名のリンク先でご確認いただけます。<br />
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★注目の文庫既刊書を列記します。<br />
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『ホラーの扉――八つの恐怖の物語』株式会社闇（編）、澤村伊智／芦花公園／平山夢明／雨穴／五味弘文／瀬名秀明／田中俊行／梨（著）、河出文庫、2026年5月、本体880円、文庫判288頁、ISBN978-4-309-42267-1<br />
『黄金仮面の王』マルセル・シュオッブ（著）、大濱甫／多田智満子／垂野創一郎／西崎憲（訳）、河出文庫、2026年3月、本体1,300円、文庫判256頁、ISBN978-4-309-46830-3<br />
『H・P・ラヴクラフト――世界と人生に抗って』ミシェル・ウエルベック（著）、スティーヴン・キング（序文）、星埜守之（訳）、河出文庫、2025年8月、本体1,000円、文庫判176頁、ISBN978-4-309-46819-8<br />
『呪いの☒☒』三津田信三／澤村伊智／芦花公園／背筋／北沢陶／上條一輝（著）、幻冬舎文庫、2026年4月、本体780円、文庫判320頁、ISBN978-4-344-43548-3<br />
『無病法――極少食の威力』ルイジ・コルナロ（著）、中倉玄喜（編訳）、PHP文庫、2025年12月、本体810円、文庫判200頁、ISBN978-4-569-90537-2<br />
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★河出文庫の既刊から。『ホラーの扉』は、2023年10月に児童書シリーズ「14歳の世渡り術」の1冊として刊行された『ジャンル特化型　ホラーの扉――八つの恐怖の物語』の改題文庫化。新たに書評家の朝宮運河さんによる解説「新時代にふさわしいホラーアンソロジー」が加わっています。収録作は8篇、澤村伊智「みてるよ」、芦花公園「終わった町」、平山夢明「さよならブンブン」、雨穴「告発者」、五味弘文「とざし念仏」、瀬名秀明「一一分間」、田中俊行「学校の怖い話」、梨「民法第961条」。各作品には編者による解説が付されています。<br />
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★『黄金仮面の王』は、フランスのユダヤ人作家マルセル・シュオッブ（Marcel Schwob, 1867-1905）の短篇22編を集めた文庫オリジナル傑作選。訳し下ろしは「地上の大火」「列車〇八一」の2篇。17篇は『マルセル・シュオッブ全集』（国書刊行会、2015年）から取られ、残る3篇「眠れる都」「贋顔団」「平底船の少女」は他書などからの採録です。解説「絢爛たる死物」は西崎憲さんによるもの。西崎さん曰く、本書はシュオッブの「50作ほどある短篇のうちのうちの選りすぐりの22作を収録している。〔…〕ついにこの日がやってきた、シュオップが文庫化されるときが」（238頁）。「シュオッブの世界にたいする態度は死物にたいするそれであると考えると腑に落ちるような気がしないでもない。世界は生きている死物にあふれている。死物は生きていて人に大きな影響力をふるっている」（243～244頁）。同書は発売後に即重版、翌月には3刷となったと聞きます。<br />
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★『H・P・ラヴクラフト』は、フランスの作家ミシェル・ウエルベック（Michel Houellebecq, 1956-）の著書『H. P. Lovecraft : Contre le monde, contre la vie』（Éditions du Rocher, 1991; J'ai lu, 2015）の全訳（国書刊行会、2017年）を文庫化したもの。帯文に曰く「世界的作家が偏愛を込めた衝撃デビュー作。小説・漫画・映像・ゲームへ大いなる影響を与え続ける「クトゥルフ神話」創造者の生涯」。「もうひとつの世界」「攻撃の技術」「ホロコースト」の三部構成で、巻頭に「はじめに」、巻末に「読書案内」が配されています。「振り返ってみると、わたしはこの本をある種の処女小説として書いたように思える」（「はじめに」31頁）とウエルベックは述懐しています。<br />
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★巻末特記によれば「文庫化にあたり、若干の改訂を施し、新たに解説を収録」したとのことです。訳者あとがきが改訂され、柳下毅一郎さんによる解説「人間嫌いの文学史」が加わっています。訳者あとがきによれば、スティーブン・キングによる序文「ラヴクラフトの枕」は英語原文から訳出されているとのことです。<br />
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★ウェルベックはこう述べます。「世界全般への絶対的な憎悪、さらにそれを募らせる、現代社会への個別的な嫌悪。これが、ラヴクラフトの態度を端的に述べている。〔…ラヴクラフト〕にあっては、人生への憎悪はいかなる文学にも先立つものだ。彼はそんなことをいちいち蒸し返したりはしないだろう。いかなる形のリアリズムをも拒絶することは、彼の世界に入ってゆくための前提条件のひとつである」（「臆することなく人生に大いなる否〔ノン〕を宣告せよ」79頁）。<br />
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<br />
★「二十世紀という時代は、軟弱な前衛諸派がもたらした不健全な霧が晴れた暁には、おそらく叙事詩的な怪奇幻想文学の黄金時代として記憶されるだろう。そもそも、ハワード、ラヴクラフト、トールキンの出現を許した時代である。三つの根源的に異なった世界。夢の文学の三つの柱であるが、この文学と言えば、一般読者に圧倒的に支持されている分だけ、批評によって軽視されてきた」（第三部「ホロコースト」冒頭、119頁）。<br />
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<br />
★幻冬舎文庫とPHP文庫の既刊から。『呪いの☒☒』は、呪いをテーマにした、6人の作家による書下ろしのアンソロジー。書名にある「☒☒」のヨミは奥付には表記されていませんが、記号自体の和名は「投票箱X付き」（U+2612）というようです。収録作品は、上條一輝「呪いは明るく輝いて」、北沢陶「呪いの交換日記」、澤村伊智「ほらあな」、背筋「劣化コピー」、三津田信三「壱本樹様」、芦花公園「「しばらくゆっくり休んでください」」の6作品。それぞれゾッとする作品ですが、先ほど挙げた河出文庫『ホラーの扉』との関係で言うと、芦花公園「終わった町」に惹かれた方は、『呪いの☒☒』では上條一輝「呪いは明るく輝いて」がお好きかもしれません。<br />
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★『無病法』は、16世紀ヴェネツィアの貴族ルイジ・コルナロ（Luigi Cornaro, 1464-1566）の手記『講話』（初版1558年）から、英訳版をもとに編訳したものと見えます（著者の生年と著書の刊行年は文庫版の記述に準じました）。英題はカバーには『Longevity without illness』と記載されています。帯文に曰く「健康法の古典的名著」。三つの講話「食を節することの重要性について（83歳の時」「虚弱体質を改善する最良の方法について（86歳の時）」「幸福な老後を獲得する方法について（総大司教ダニエル・バルバロ宛の書簡、91歳の時）」に、訳者による長めの解説が付されています。<br />
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<br />
★「飽食はいかなるものでも病気の原因となり、死期を早める。節度のない飲食が原因で人生の盛りにこの世を去らざるを得なくなった友人たちを、私自身、多数目にしている」（講話一、37頁）。「私はこの短い『講話』をもって、飽食の害を指摘し、昔の素朴な食生活へともどる必要性についてお話ししたいと思っている」（同、38頁）。<br />
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★単行本の新刊既刊および重版から。<br />
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『エゴサ厳禁』知念実希人（著）、双葉社、2026年5月、本体700円、新書変型判並製144頁、ISBN978-4-575-24891-3<br />
『最恐ホラー　忌まわしい土地』福澤徹三／矢樹純（著）、講談社、2026年4月、本体900円、B6判並製64頁、ISBN978-4-06-542985-3<br />
『最恐ホラー　嫌な記憶』貴志祐介／荻堂顕（著）、講談社、2026年4月、本体1,000円、B6判並製112頁、ISBN978-4-06-542986-0<br />
『エイボンの書――クトゥルフ神話カルトブック』ロバート・M・プライス（編）、C・A・スミス／リン・カーター／ほか（著）、新紀元社、2008年6月（2026年3月2刷）、本体2,200円、A5判並製392頁、ISBN978-4-7753-0632-1<br />
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<br />
★『エゴサ厳禁』は、作家の知念実希人（ちねん・みきと, 1978-）さんによる「厳禁」シリーズの第3弾。第1弾は『スワイプ厳禁――変死した大学生のスマホ』（2025年8月）でした。第1弾と第3弾はスマホ型の判型で、見開き右頁が本文、左頁がスマホの画面となっています。前作を読み、興味深い造本に関心があったので、今作も購読しました。恐怖の復讐劇。<br />
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<br />
★『忌まわしい土地』と『嫌な記憶』は、「小説現代」誌2025年8・9月号掲載のホラー特集を再編して単行本化したもの。1テーマに2名の作家が書き下ろし、全12作を全6巻で再刊する「最恐ホラー」シリーズの第2回配本2点です。第1弾は昨年2月に刊行された『呪われた図書館』で、背筋「笑う女が立っている」と、平山夢明「そして家族全員、焼きそばス」を収録。今回の第2弾のテーマのひとつめは「忌まわしい土地」で、福澤徹三「K氏の日記（抄）」と、矢樹純「P霊園そばの縦に長い土地」を収録。もう一冊のテーマは「嫌な記憶」。 貴志祐介「薔薇の小枝」と、荻堂顕「火中の栗」を収録。『呪われた図書館』を購読した続きで求めました。46判並製、カバーのみの軽装で、価格もかなり低く抑えられています。時代の要請として、こうしたシンプルな出版形態は今後もひとつの手法として増えていくのではないかと思います。<br />
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<br />
★『エイボンの書』は、2008年6月の初刷の売切後に古書価が高騰し、しばらくは2万円台で売られていたものが、思いがけず3月に重版（2刷）されたもの。版元紹介文に曰く「本書はハイパーボリアの大魔道士エイボンが遺したといわれる魔道書『エイボンの書』の再現を試みたものである。C・A・スミス、リン・カーターが遺した『エイボンの書』の一部に、リチャード・ティアニー、ローレンス・J・コーンフォード、ジョン・R・フルツといった作家陣が新たな作品を提供し、クトゥルフ神話大系の研究者ロバート・M・プライス氏が編纂した、新しい切り口でのクトゥルフ神話アンソロジーだ。 『エイボンの書』はハイパーボリアに生きた魔術師たちの記録、エイボンの逸話、永劫の過去から現代までのクトゥルフ神話的歴史、魔術・儀式的素材などを収録した禁断の書である」。<br />
<br />
<br />
★翻訳者あとがきに曰く「本書はクラーク・アシュトン・スミスが想像した『エイボンの書』の再現を試みたもので、〔…〕クトゥルフ神話体系の研究者ロバート・M・プライス氏リン・カーターの遺志を継いで完成させた。〔…〕いままであまり語られていなかった、クトゥルフ神話的な歴史の流れを描いた作品が多く、新たにクトゥルフ神話作品を書く（あるいはゲームのシナリオを書く）上での共有認識を形成するうえで有意義な作品集なのではないかと思う」（391頁）。詳細目次がないようなので、目次と本文を照合しつつ転記しておきます。「『エイボンの書』の歴史と年表」以下の各篇には冒頭に解説が付されています（例えば「「『エイボンの書』の歴史と年表」について」というように）が、それは以下の目次には転記していません。<br />
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<br />
[地図]ウルティマ・トゥーレとムー・トゥーラン｜ローレンス・J・コーンフォード<br />
日本語版への序｜ロバート・M・プライス<br />
黒檀の書〔エボニー・ブック〕――『エイボンの書』序論｜ロバート・M・プライス<br />
『エイボンの書』の歴史と年表｜リン・カーター<br />
ヴァラードのサイロンによるエイボンの生涯｜リン・カーター<br />
エイボンは語る――もしくはエイボンの箴言｜ロバート・M・プライス<br />
第一の書　古〔いにしえ〕の魔術師たちの物語<br />
　二相の塔――黒魔術師ズロイグムの物語｜リン・カーター<br />
　スリシック・ハイの物語――薬剤師クシルの物語｜ジョン・R・フルツ<br />
　モーロックの巻物――祈祷師イエーモグの物語｜リン・カーター<br />
　深淵への降下――魔術師ハオン=ドルの物語｜リン・カーター<br />
　羊皮紙の中の秘密――魔術師プトメロンの物語｜リン・カーター<br />
　下から見た顔――悪魔祓い師プノムの物語｜ローレンス・J・コーンフォード<br />
　アボルミスのスフィンクス――魔術師ホルマゴールの物語｜ローレンス・J・コーンフォード<br />
　万物溶解液――錬金術師エノイクラの物語｜ローレンス・J・コーンフォード<br />
　白蛆〔びゃくしゅ〕の襲来――魔術師エヴァグの物語：エイボンの書　第Ⅸ章（ガスパール・ド・ノールのフランス語の原稿からの翻訳）｜クラーク・アシュトン・スミス<br />
　極地からの光――呪術師ファラジンの物語｜クラーク・アシュトン・スミス／リン・カーター<br />
　窖〔あな〕に通じる階段――黒魔術師アヴァルザウントの物語｜クラーク・アシュトン・スミス／リン・カーター<br />
　星から来て饗宴に列するもの――隠遁者イズドゥゴールの物語｜リン・カーター<br />
　緑の崩壊――奇跡をおこなう人ナーブルスの物語｜ロバート・M・プライス　<br />
第二の書　ムー・トゥーランのエイボンの逸話<br />
　最も忌まわしきもの｜クラーク・アシュトン・スミス／リン・カーター<br />
　ウトレッソル｜クラーク・アシュトン・スミス／ローレンス・J・コーンフォード／リチャード・L・ティアニー<br />
　『夜の書』への注釈｜ロバート・M・プライス<br />
　地を穿つもの｜ロバート・M・プライス<br />
　ナスの谷にて｜リン・カーター<br />
　シャッガイ｜リン・カーター<br />
　ウスノールの亡霊｜ローレンス・J・コーンフォード<br />
　霊廟の落とし子｜ローレンス・J・コーンフォード<br />
　指輪の魔物｜ローレンス・J・コーンフォード<br />
　土星への扉｜クラーク・アシュトン・スミス<br />
第三の書　暗黒の知識のパピルス<br />
　暗黒の知識のパピルス｜リン・カーター<br />
第四の書　沈黙の詩篇<br />
　ツァトゥグァへの祈願文｜リチャード・L・ティアニー<br />
　アトラック=ナチャへの祈願文｜リチャード・L・ティアニー<br />
　背教者イズダゴルの祈り｜リチャード・L・ティアニー<br />
　大神ヨク=ゾトースへの祈り｜リチャード・L・ティアニー<br />
　ギズグスの慰撫｜リチャード・L・ティアニー<br />
　ファロールの召喚｜リチャード・L・ティアニー<br />
　応えざる神々（魔術師エイボンにより保たれた断片的な『プノムの系図』より）｜リチャード・L・ティアニー<br />
　ハオン=ドルの館｜リチャード・L・ティアニー<br />
　暗黒の妖術師｜リチャード・L・ティアニー<br />
　黙想せる神｜リチャード・L・ティアニー<br />
　サイクラノーシュへの扉――あるいはエイボンの挽歌｜リチャード・L・ティアニー<br />
　ハイパーボリア――あるいはエイボンの予言｜リチャード・L・ティアニー<br />
　ズスティルゼムグニの手先｜リチャード・L・ティアニー<br />
　イクナグンニスススズ｜リチャード・L・ティアニー<br />
　ウボ=サスラ｜マイケル・ファンティナ<br />
　アザトース｜マイケル・ファンティナ<br />
　ツァトゥグァ｜マイケル・ファンティナ<br />
　ルリム・シャイコース｜マイケル・ファンティナ<br />
　灰色の織り手の物語（断章）｜アン・K・シュウェーダー<br />
　ムー・トゥーランでのアブホースへの祈願文｜アン・K・シュウェーダー<br />
　ヴーアミによる救済の讃歌｜アン・K・シュウェーダー<br />
　サクサクルースの懇請｜ロバート・M・プライス<br />
第五の書　エイボンの儀式<br />
　緑の崩壊｜スティーブン・セニット<br />
　穴から吐き出されしもの｜スティーブン・セニット<br />
　イググルルの呪文｜スティーブン・セニット<br />
　グローニュの憎悪の呪い｜スティーブン・セニット<br />
　プノムの厳命｜スティーブン・セニット<br />
　ザスターの連祷｜スティーブン・セニット<br />
　フアナ式文｜スティーブン・セニット<br />
　リヴァシイの加護｜スティーブン・セニット<br />
　イアグサトの悪魔祓い｜ジョゼフ・S・パルヴァー<br />
　ヤディスの黒い儀式｜ジョゼフ・S・パルヴァー<br />
　ムナールの忘れられた儀式｜ジョゼフ・S・パルヴァー<br />
　キノスラブの葬送歌｜ジョゼフ・S・パルヴァー<br />
　外なる虚空の儀式｜ジョゼフ・S・パルヴァー<br />
　アザトースの灰色の儀式｜ジョゼフ・S・パルヴァー<br />
　黒い炎の崇拝｜ジョゼフ・S・パルヴァー<br />
　ナグとイェブの黒き連祷｜ジョゼフ・S・パルヴァー<br />
　汝の敵を打つためにツァトゥグァを招来せし法｜ジョゼフ・S・パルヴァー<br />
　「ヨスの放射」ゾグトゥクを召喚し命を与える法｜ジョゼフ・S・パルヴァー<br />
　ズィンの害悪の中を自由に歩く法｜ジョゼフ・S・パルヴァー<br />
　夕べの夜｜マイケル・シスコ<br />
　[図]イステの消滅の印形｜トーマス・ブラウン<br />
　[図]ズガンドロムの九つの五芒星形｜トーマス・ブラウン<br />
　[図]緋色の印｜トーマス・ブラウン<br />
　[図]三重に描かれた「力の円環」｜トーマス・ブラウン<br />
補遺<br />
　炎の侍祭（『ナコト写本』断章千十一の翻訳）｜リン・カーター<br />
　月の文書庫より｜リン・カーター<br />
　アトランティスの夢魔（クラカシュ=トン、秘儀の祭司の物語）｜ロバート・M・プライス<br />
　エイボン書簡｜ロバート・M・プライス／ローレンス・J・コーンフォード<br />
　　Ⅰ. 弟子ファンティコールへのエイボンの書簡<br />
　　Ⅱ. 賢者エイボンから同胞マリノレスとヴァジマルドンへの書簡<br />
　　Ⅲ. 弟子たちへの組合へのエイボンの書簡<br />
　　Ⅳ. 弟子へのエイボンの第二の書簡、もしくはエイボンの黙示録<br />
　　Ⅴ. クソウファムの民へのエイボンの書簡<br />
　　Ⅵ. カルヌーラのタボアム王へのエイボンの書簡<br />
翻訳者あとがき<br />
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]]></content>
  </entry>
  <entry>
    <title>注目新刊：元田永孚『還暦之記・古稀之記〈現代語訳〉』藤原書店、ほか</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://urag.exblog.jp/245286022/" />
    <id>http://urag.exblog.jp/245286022/</id>
    <issued>2026-06-01T01:36:00+09:00</issued>
    <modified>2026-06-01T01:46:56+09:00</modified>
    <created>2026-06-01T01:36:29+09:00</created>
    <author><name>urag</name></author>
    <dc:subject>ENCOUNTER（本のコンシェルジュ）</dc:subject>
    <content type="html"><![CDATA[<img src="https://pds.exblog.jp/pds/1/202606/01/05/a0018105_01461780.jpg" alt="_a0018105_01461780.jpg" align="left" class="IMAGE_LEFT" height="647" width="400" /><br />
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★最近出会いのあった新刊を列記します。<br />
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『現代思想2026年6月号　特集＝アラビア哲学――もうひとつの哲学史へ』青土社、2026年5月、本体1,800円、A5判並製246頁、ISBN978-4-7917-1497-1<br />
『荻生徂徠全詩（3）』荒井健／田口一郎（訳注）、東洋文庫：平凡社、2026年5月、本体5,000円、B6変型判上製函入356頁、ISBN978-4-582-80934-3<br />
『還暦之記・古稀之記〈現代語訳〉』元田永孚（著）、野口宗親（編訳）、藤原書店、2026年5月、本体16,000円、A5判上製728頁、ISBN978-4-86578-499-2<br />
『子宝と子返し〈増補新版〉――近世農村の家族生活と子育て』太田素子（著）、藤原書店、2026年5月、本体4,400円、四六判並製496頁、ISBN978-4-86578-497-8<br />
『伊都子の食卓〈増補新版〉』岡部伊都子（著）、藤原書店、2026年5月、本体2,700円、四六判並製360頁、ISBN978-4-86578-498-5<br />
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★『現代思想2026年6月号』の特集は「アラビア哲学」。版元紹介文に曰く「アラビア哲学の地位は、この百年の間に劇的に変化した。「中世」の概念が一変したことを背景に、アラビア哲学の重要な哲学者の紹介が相次ぎ、彼らが生みだした独特の用語や概念も疎遠ではなくなりつつある。本特集では、ますます注目を集めるこの巨大な伝統に光をあて、その全体像に迫る」と。小村優太さん、アダム・タカハシさん、山内志朗さんの三氏による討議「ギリシャから遠く離れて」に始まり、15本の論考を収録。目次詳細は指名のリンク先でご確認いただけます。<br />
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★新連載として山口尚さんによる「東京学派と革命」の第一回「「駒場カルテット」という事件——イントロダクション」が掲載されています。「駒場カルテット」というのは、廣松渉、大森荘蔵、坂部恵、井上忠、の4氏のことで、小林康夫さんが英文で発表した論考「The Komaba Quartet: A Landscape of Japanese Philosophy in the 1970s」に拠っているとのことです。この連載は「廣松・大森・坂部・井上の順で駒場カルテットの面々を論じ、その後の終結部〔コーダ〕においてこれらの男たちのしごとをはみ出す1970年代の革命性に触れる」（198頁）とのことです。<br />
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★『荻生徂徠全詩（3）』は、全4巻の第3巻。巻5「七言絶句百十六首」、巻6「七言絶句八十七首」を収録。『荻生徂徠全詩』全4巻は「古文辞の学を唱道した荻生徂徠。典拠を多用した難解なその漢詩全作品を、読み下し、詳細な注、現代語訳により明瞭に読み解く、かつてない試み」。東洋文庫次回配本は6月、『尹致昊日記（10上）1932-1934年』『尹致昊日記（10下）1935年』。全11巻中の第10巻2分冊。<br />
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★藤原書店さんの5月新刊は3点。『還暦之記・古稀之記〈現代語訳〉』は、帯文に曰く「明治天皇の“思想的支柱”（ドナルド・キーン評）は、いかなる男であったのか？　明治天皇の侍読・侍講を20年にわたって務め、「教育勅語」の作成に関わるなど、明治の政治・教育に大きな影響を及ぼした元田永孚（もとだ・ながざね, 1818-1891）。自らの生涯に重ねて、歴史の動きや、横井小楠ら関係者の人物像などを、驚異的な記憶力で詳述、権力の中枢にあった人物の自伝という稀有な歴史史料でありながら、難解ゆえに活用されてこなかった書物を完訳。明快に現代語訳し、詳細な注と解題・解説を付した決定版」。<br />
<br />
<br />
★巻末解説には二書の概要が端的に次のように書かれています（626～627頁）。<br />
<br />
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『還暦之記』文政元年（1818）～明治11年（1878）<br />
（１）江戸末期の上級武士の家庭とその教育。<br />
（２）藩校時習館の教育およびその改革。<br />
（３）実学党誕生の経緯、展開、離脱、分裂。<br />
（４）家督を継ぎ騎馬使番、京都留守居役、中小姓頭、用人兼奉行等を経験しながら見聞したペリーの浦賀来航依頼、激動する幕末・明治初年における熊本藩や世の中の様子。<br />
（５）侍読・侍講としての元田と明治天皇とのかかわり。<br />
（６）明治初年から西南戦争までの世の中や宮中の動向。<br />
（７）天皇補佐のための侍補の設置および彼ら宮中保守派の天皇親政運動。<br />
などが描かれている。特に実学党の誕生や侍補の設置については、その当事者であったため、貴重な資料となっている。<br />
<br />
<br />
『古稀之記』明治11年（1878）～明治23年（1890）<br />
（１）還暦の祝いから明治23年新年講書進講までの世の中の動きや宮中の動向。<br />
（２）天皇側近（侍読・侍補・宮中顧問官・枢密顧問官）として、また天皇の寵愛を背景にその政治「顧問（相談役）」として、元田の政治・経済・教育・外交等へのかかわり。<br />
が描かれている。明治の重臣たち（伊藤・岩倉ら）ですら彼の意向を気にした。特に教育面で、明治12年「教学聖旨」以降、従来の知育中心の欧米流教育政策に反対、天皇尊崇や「忠孝」中心の徳育教育に変えるよう教育行政に干渉、結果として「教育勅語」の作成に関わり、その後の国民教育の方針を決定づけた人物であるだけに、その動機や考え、敬意を知るための貴重な資料である。<br />
<br />
<br />
★『子宝と子返し〈増補新版〉』は、2007年に刊行された教育学者で和光大学名誉教授の太田素子（おおた・もとこ, 1948-）さんの著書の増補版。「近世農村の家族にあった、子どもへの情愛と、丁寧な子育て。嬰児殺し（子返し）、捨子などの事態とそれらをめぐる意識のありようを直視しつつ、日記などの生活記録を丹念に分析し、共感的な理解に満ちた子ども観、仕事を介した大人―子どものコミュニケーションなど、江戸の豊かな人間形成力を描き好評を博した初版に、江戸期の出生抑制・避妊と性愛に焦点をあてた2編を増補」（帯文より）したもの。<br />
<br />
<br />
★2篇というのは、「「求子」と避妊の社会史――近世前期東北農民の性愛と家族関係」（初出1996年を改稿）と「近世中・後期会津農村にみるセクシュアリティ――産科医と性愛文学についての覚書」（初出1997年を改稿）。「増補新版に際して避妊の研究を少し加えさせていただいた。後嗣確保に関心の深かった近世社会では14世紀中国医学から情報を得て、受胎のメカニズムを考察している。当初は「求子」のためだった考察が、近世後期には避妊への手がかりとして損人に語られる地域もあった。埋もれそうになった避妊の研究が著書の中に残ることになり、とても感謝している」（「増補新版にあたって」vii頁）。<br />
<br />
<br />
★『伊都子の食卓〈増補新版〉』は、2006年に刊行された随筆家の岡部伊都子（おかべ・いつこ, 1923-2008）さんの著書の増補版。藤原良雄さんによる「編集後記」によると、「食」をテーマにした甘辛社の『あまカラ』誌での連載（1957年～）から“手料理”“手仕事”が書かれた11編を新たに収録したとのこと。巻頭には三砂ちづるさんによる「一ページの宇宙――新版に寄せて」が加わっています。「この本の多くの随筆は200字足らずである。俳句のような随筆。きらめくような才能である。すべての食べ物に岡部伊都子の人生のどこからかが、きりとられ、ひきだされている。随筆とは、人生のひきだされるもの。一ページだけの宇宙を提示するために。それらのきっかけとしての、食べもののひとつひとつは、ただ、愛おしい」（iv頁）。<br />
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    <title>注目新刊：中公文庫新刊既刊、ちくま文庫新刊既刊、ほか</title>
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    <issued>2026-05-25T02:22:00+09:00</issued>
    <modified>2026-05-25T02:34:46+09:00</modified>
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    <author><name>urag</name></author>
    <dc:subject>ENCOUNTER（本のコンシェルジュ）</dc:subject>
    <content type="html"><![CDATA[<img src="https://pds.exblog.jp/pds/1/202605/25/05/a0018105_02335192.jpg" alt="_a0018105_02335192.jpg" align="left" class="IMAGE_LEFT" height="333" width="400" /><br />
<br />
★まず注目の中公文庫新刊既刊を列記します。<br />
<br />
<br />
『ドストエフスキー全短篇Ⅰ』ドストエフスキー（著）、米川正夫（訳）、中公文庫、2026年5月、本体1,200円、文庫判488頁、ISBN978-4-12-207797-3<br />
『ドストエフスキー全短篇Ⅱ』ドストエフスキー（著）、米川正夫（訳）、中公文庫、2026年5月、本体1,200円、文庫判488頁、ISBN978-4-12-207798-0<br />
『フーコーの振り子（上）』ウンベルト・エーコ（著）、藤村昌昭（訳）、中公文庫、2026年3月、本体1,500円、文庫判432頁、ISBN978-4-12-207774-4<br />
『フーコーの振り子（中）』ウンベルト・エーコ（著）、藤村昌昭（訳）、中公文庫、2026年4月、本体1,600円、文庫判464頁、ISBN978-4-12-207786-7<br />
『フーコーの振り子（下）』ウンベルト・エーコ（著）、藤村昌昭（訳）、中公文庫、2026年5月、本体1,700円、文庫判456頁、ISBN978-4-12-207796-6<br />
『夜の酒場』萩原朔太郎（著）、中公文庫、2026年4月、本体900円、文庫判256頁、ISBN978-4-12-207784-3<br />
『ねむれなくなる本』岩本敏男（著）、中公文庫、2026年4月、本体980円、文庫判304頁、ISBN978-4-12-207780-5<br />
『不思議の国のアリス／鏡の国のアリス』ルイス・キャロル（著）、高山宏（訳）、佐々木マキ（絵）、中公文庫、2026年3月、本体1,450円、文庫判408頁、ISBN978-4-12-207775-1<br />
『アメリカとアメリカ人――未来のためのエッセイ』ジョン・スタインベック（著）、大前正臣（訳）、中公文庫、2025年12月、本体920円、文庫判224頁、ISBN978-4-12-207738-6<br />
<br />
<br />
★中公文庫の新刊既刊から。『ドストエフスキー全短篇』全二巻は、巻末特記によれば『ドストエフスキイ前期短編集／後期短編集』（福武文庫、1987年）を元に、同署未収録の作品を『ドストエーフスキイ全集』（河出書房新社、1969～1971年）より増補して再編集したもの。カバー表4紹介文と目次を転記しておきます。<br />
<br />
<br />
第Ⅰ巻<br />
版元紹介文：<br />
貧乏官吏が遺したもの（「プロハルチン氏」）。孤独な青年の恋（「白夜」）――数々の長篇で有名なドストエフスキーは、短編の名手でもあった。その全短篇を文庫で初めて集成する。第Ⅰ巻には、華々しいデビュー以降、シベリア流刑により文筆活動を中断させられるまでの「前期」に書き継いだ八篇を収める。<br />
<br />
<br />
目次：<br />
プロハルチン氏<br />
九通の手紙に盛られた小説<br />
ポルズンコフ<br />
弱い心<br />
人妻と寝台の下の夫<br />
正直な泥棒<br />
クリスマスと結婚式<br />
白夜<br />
訳者解説――河出書房新社版『ドストーエフスキイ全集』より｜米川正夫<br />
解説――福武文庫版『ドストエフスキイ前期短編集』より｜江川卓<br />
<br />
<br />
第Ⅱ巻<br />
版元紹介文：墓地でさざめく死者たち（「ボボーク」）。自殺を決意した男が夢に見たユートピアの悲劇（「おかしな人間の夢」）――突然の逮捕とシベリア流刑による活動中断を経て、作家はその才能をますます深化させていった。第Ⅱ巻には、大長篇執筆のかたわら個人雑誌『作家の日記』に発表した短篇を中心に、後期作品十一篇を収める。<br />
<br />
<br />
目次：<br />
初恋<br />
いやな話<br />
鰐<br />
ボボーク<br />
キリストのヨルカに召されし少年<br />
百姓マレイ<br />
百歳の老婆<br />
宣告<br />
おとなしい女<br />
おかしな人間の夢<br />
現代生活から取った暴露小説のプラン<br />
訳者解説――河出書房新社版『ドストーエフスキイ全集』より｜米川正夫<br />
解説――福武文庫版『ドストエフスキイ前期短編集』『同　後期短編集』より｜江川卓<br />
<br />
<br />
★『フーコーの振り子』全三巻は、没後10年記念出版。文春文庫上下巻（1999年6月）を三分冊にして再刊するもの。上巻は「ケテル」「ホフマー」「ビナー」「ヘセド」を収録。巻末付録は、訳者の藤村昌昭さんによる「「語り」と「騙り」の見分け方――「フーコーの振り子」のメッセージ」（初出は「朝日新聞」1993年4月30日付夕刊）。中巻は「ゲブラー」と「ティフェレト」の途中までを収め、巻末付録は和田忠彦さんによる「文体〔スタイル〕は世界の造形から――『フーコーの振り子』を読むために」（書き下ろし）。下巻は「ティフェレト（承前）」「ネツァー」「ホド」「イェソド」「マルクート」を収録し、巻末には訳者あとがき「残された三枚のファイル」と、池澤夏樹さんによる解説（書き下ろし）を併載。<br />
<br />
<br />
★『夜の酒場』は、文庫オリジナルの詩文集。「酒をめぐる詩歌、時代風俗を活写した随筆を収める」（帯文より）。目次は紀伊國屋書店さんの単品ページに転記されていますが、巻末附録の情報が不完全なので補うと、江戸川乱歩「「猫町」」（「小説の泉」誌第4集、矢貴書店、1948年）、荻原葉子「晩酌」（『父・萩原朔太郎』筑摩書房、1959年）、伊藤信吉「「さけば」の詩人」（『酒』誌、1991年5月）の三篇が併録されています。<br />
<br />
<br />
★『ねむれなくなる本』は、「離婚、免罪、心中、誘拐、地球滅亡――日常に潜む不安や悲しみを子供の眼でとらえた、読むと背筋が寒くなる伝説の短編集」（帯文より）。巻末の編集付記を補いつつ引くと「本書は、単行本『ねむれなくなる本』〔偕成社、1984年〕に、短編集『赤い風船』〔理論社、1971年〕より二篇〔「ゆうれいのオマル」「あいうえお」、さらに『赤い風船』あとがきも併載〕、および書籍未収録のエッセイを加えたものです」と。エッセイというのは「私は留守です」（初出「日本児童文学」1983年4月）、「ひとり暮らし」（初出「京都新聞」1984年5月19日付夕刊）、「（教職についてすぐにも私は……」（初出「京都教育大学同窓会だより」第50号、2001年5月10日）の三篇。巻末には、上野瞭さんによる「友よ、さらば――追悼・岩本敏男」（初出「日本児童文学」2002年1・2月号）、能町みね子さんによる書き落とし解説「一すじの道」を収めています。<br />
<br />
<br />
★『不思議の国のアリス／鏡の国のアリス』は、亜紀書房より刊行された『不思議の国のアリス』（2015年）、『鏡の国のアリス』（2017年）の合本文庫化。文庫版訳者あとがき「ルイス・キャロル、理系バロック」が加わっています。巻末の編集付記によれば「底本中、明らかな誤植は訂正し、新たにルビを付した。また、一部の訳文を改訂した」とのこと。<br />
<br />
<br />
★『アメリカとアメリカ人』は、1969年にサイマル出版会より単行本が刊行され、2002年に平凡社ライブラリーで再刊されたものの再文庫化。編集部注と年譜が加えられています。ライブラリーに付されていた亀井俊介さんによる解説は省かれています。カバー表4紹介文に曰く「人種間の差別の構図、大統領への矛盾する感情――『怒りの葡萄』から『チャーリーとの旅』を経てスタインベックが見出したのは、祖国への愛着と痛烈な洞察。〈アメリカとは何か〉を探求した最晩年のエッセイ」。原著は『America and American』（1966）で、生前最後に刊行された作品です。スタインベックは1968年12月20日に心臓麻痺で死去しています。中公文庫でのスタインベック作品は本書が初めてです。<br />
<br />
<br />
★続いて、注目のちくま文庫新刊既刊より。<br />
<br />
<br />
『諸星大二郎自選短篇集　幻』諸星大二郎（著）、ちくま文庫、2026年5月、本体1,000円、文庫判384頁、ISBN978-4-480-44100-3<br />
『山尾悠子偏愛アンソロジー　構造と美文』山尾悠子（編）、ちくま文庫、2026年3月、本体1,000円、文庫判320頁、ISBN978-4-480-44095-2<br />
『だめ連の働かないでレボリューション！』神長恒一／ペペ長谷川（著）、ちくま文庫、2026年3月、本体900円、文庫判336頁、ISBN978-4-480-44090-7<br />
<br />
<br />
★『諸星大二郎自選短篇集　幻』は、あとがきを参照すると画業40年超の記念出版であった『諸星大二郎自選短篇集　幻妖館へようこそ』（MANGATRIX、2019年）を底本に、収録策のいくつかを差し替え、構成を変更して文庫化したもの。カバー表4紹介文によれば「土の中から現れた人びと、いにしえの中国の伝奇譚、謎の屋敷に囚われた少女、魔術で怪物を召喚する高校生たち、河童伝説を調査する妖怪ハンター、古書店に出現した奇態な本、エリック・サティへの幻想譜……古今東西の怪異譚を渉猟し、妖しくたゆたう異界への扉をひらく異能のマンガ家が、自ら選んだ傑作15篇。蠱惑的な「幻視の国々」へと読者を誘う招待状。カバーイラスト描きおろし」。収録作品15篇の作品名は書名のリンク先の目次欄でご確認いただけます。諸星大二郎（もろぼし・だいじろう, 1949-）さんの作品は、ちくま文庫では1991年に『完全版　マッドメン』が刊行されており、昨年末（2025年12月）の「ちくま文庫創刊40周年記念」として復刊されています。なお他社本ですが、小学館では著者の画業55周年記念出版として『諸星大二郎短編集成』全12巻の刊行が2026年1月から開始されています。<br />
<br />
<br />
★ご参考までに、MANGATRIX版とちくま文庫版の収録作品を比較してみます。<br />
<br />
<br />
MANGATRIX版（14篇、星野之宣寄稿漫画2頁を併録）<br />
鳥人の森（描き下ろし新作34頁）<br />
涸れ川　→ちくま文庫再録<br />
異界録　→ちくま文庫再録<br />
Ｇの日記　→ちくま文庫再録<br />
ことろの森　→ちくま文庫再録<br />
赤い唇<br />
石の中の女<br />
奇妙なレストラン　→ちくま文庫再録<br />
奇妙なおよばれ　→ちくま文庫再録<br />
本の魚（栞と紙魚子）　→ちくま文庫再録<br />
黒石島殺人事件<br />
加奈の失踪<br />
夏の庭と冬の庭<br />
小ねずみと小鳥と焼きソーセージ<br />
<br />
<br />
ちくま文庫版（15篇、巻末にあとがきあり）<br />
涸れ川 　<br />
異界録　（「諸怪志異」シリーズより） 　<br />
Ｇの日記　（「グリムのような物語」シリーズより） 　<br />
鏡島　（「妖怪ハンター」シリーズより） 　<br />
影の街<br />
ことろの森　（「あもくん」シリーズより） 　<br />
魔術　（「栞と紙魚子」シリーズより） 　<br />
淵の女　（「妖怪ハンター」シリーズより） 　<br />
それは時には少女となりて 　<br />
鳥居の先　（「あもくん」シリーズより）<br />
奇妙なおよばれ　（「グリムのような物語」シリーズより） 　<br />
奇妙なレストラン 　<br />
遠い国から　第一信 　<br />
本の魚　（「栞と紙魚子」シリーズより）<br />
（眼鏡なしで）右と左に見えるもの～エリック・サティ氏への親愛なる手紙～<br />
<br />
<br />
★『構造と美文』は、書名にある通り「山尾悠子偏愛アンソロジー」。ボルヘス、バラード、ラヴクラフト、ブッツァーティ、マンディアルグ、モラヴィア、ユルスナール、シュオップなどの17作品に、山尾さんの最近作掌編「室内」（初出「文藝」2021年秋季号、再録にあたり加筆修正を加えたとのこと）と、編者あとがき「頭蓋骨に咲く花々の記」を収録。17作品の明細は書名のリンク先でご確認いただけます。「昔から厳然と好みの定まっている意中の作品をリストアップしたところ、今さらながら一定の方向性があることに気がついた。ざっくりした言いかただが、どうやら〈構造のある小説〉および〈極度に人工的な文章、スタイル〉の二方向が我が好みらしいのだ。ここのところは、あるいは読書人生の最初期に出会った澁澤龍彦の影響が大きいのかもしれない」（編者あとがき、295頁）。「塔や迷宮や架空の街や崩壊する世界など、多くは極度に人工的な作風のものを好み、好きなように読んできた。譚の世界の不滅を信じ、豊かに栄えることを記念しつつ」（同、309頁）。<br />
<br />
<br />
★『だめ連の働かないでレボリューション！』は、巻末特記によれば「『だめ連の「働かないで生きるには？！」（筑摩書房、2000年）を元に大幅に再編集し加筆して、改題したもの」とのこと。目次詳細は書名のリンク先でご確認いただけます。巻末解説は高祖岩三郎さんによる「羊の皮をかぶった狼を讃えて」と、雨宮処凛さんによる「だめ連の奇跡」の二篇で、帯には栗原康さんによる推薦文が載っています。<br />
<br />
<br />
★神長さんは「文庫版まえがき」でこう説明しています。「単行本刊行から25年後の文庫化ということで、状況の変化なども大きく、今回内容を大幅に変更させていただきました。／各章のぼく（神長）とぺぺ長谷川のトークは、なるべく元の会話を残すようにしましたが、ぼくの発言部分はかなりの部分変更してあります。それはせっかく本を出し多くの読者の方に本書を読んでいただくにあたって、やっぱり今の自分の思いを伝えたいという気持ちからです。2023年2月に多くの仲間たちにおしまれつつ胆管肝がんで亡くなったぺぺ長谷川の発言にかんしては、もちろんほとんど手を加えずそのままです（一部二人の会話そのものを削ったところなどもあります）。つまりぺぺとぼくの二人の会話は、2000年のぺぺと2025年のぼくとの会話ということになります。ぺぺが亡くなったという事情もあり、ちょっと変わった作りになっています。／それ以外の部分では単行本での対談や座談会、写真、イラストなどを一部をのぞいて割愛させていただき、より今に即した形であらたに一つの座談会と、多くの方々にテーマごとの文章を書いていただき、加えました。今回参加していただいた方々は、ほとんどがわれわれだめ連二人との友人、仲間だったり、交流してきた人たちです」（19～20頁）。<br />
<br />
<br />
★このほか最近では以下の新刊既刊との出会いがありました。<br />
<br />
<br />
『野生の教養Ⅲ――旅する教養／芸術の旅』丸川哲史／倉石信乃（編）、法政大学出版局、2026年5月、本体2,800円、四六判並製254頁、ISBN978-4-588-13048-9<br />
『難しい地名もスラスラ読める！　ふりがな日本地図帳』平凡社地図出版（編）、今尾恵介（コラム監修）、平凡社、2026年5月、本体2,500円、A4判並製128頁、ISBN978-4-582-41822-4<br />
『まいあ Maia―SWAN actⅡ― 完全版 第4巻』有吉京子（著）、平凡社、2026年4月、本体1,400円、4-6判並製264頁、ISBN978-4-582-28888-9<br />
『昭和の母と娘たち』小石房子（著）、作品社、2026年6月、本体1,800円、四六判上製98頁、<br />
ISBN978-4-86793-156-1<br />
『獄に暮らせば――「21年7カ月の獄中日記から」』重信房子（著）、作品社、2026年6月、本体3,200円、四六判並製352頁、ISBN978-4-86793-148-6<br />
『言葉と出来事』阿部大樹（著）、作品社、2026年5月、本体2,600円、四六判並製192頁、ISBN 978-4-86793-146-2<br />
『バッファロー・ドリーマー』ヴァイオレット・ダンカン（著）、小澤なつみ（訳）、作品社、2026年5月、本体2,200円、四六判並製232頁、ISBN978-4-86793-152-3<br />
<br />
<br />
★法政大学出版局さんの新刊より。『野生の教養Ⅲ』は、明治大学大学院理工学研究科建築・都市学専攻総合芸術系と教養デザイン研究科が共同で編んでいる論文集『野生の教養』の第三弾。第一弾は『野生の教養――飼いならされず、学び続ける』岩野卓司／丸川哲史編、2022年11月）、第二弾は『野生の教養Ⅱ―― 一人に一つカオスがある』岩野 卓司／丸川哲史編、2024年10月）でした。第三弾の主題は「教養×旅×芸術」（帯文より）。目次詳細は書名のリンク先でご覧いただけます。編者の丸川さんは巻頭の序文「月日は百代の過客にして」で、本書について倉石さんの『孤島論』（インスクリプト、2025年4月）の「合わせ鏡となるべきもの」と綴っておられます。本書には丸川さんによる写真が複数挿入されており、キャプションはあえて付されていないようですが、第Ⅲ部の扉に掲げられた写真に写っているのは、若い時分のぺぺ長谷川さんではないかと思います。<br />
<br />
<br />
★平凡社さんの新刊既刊より。『ふりがな日本地図帳』は、「すべての地名にふりがなが付いた、はじめての日本地図帳」（帯文より）。しばしばどう読むのか分からない地名が多いですから、たいへん助かります。労作ではないでしょうか。随所にちりばめられたコラムも楽しいです。たとえば53頁の「長野にある読書ダム」など。『まいあ 完全版 第4巻』は完結巻。完全版特典は、描きおろし番外編8ページ、巻頭カラー＆扉絵コレクション。初回出荷分限定でポストカードが付いています。なお、今秋（2026年9月）に『SWAN』の初の舞台化が新国立劇場で決定しているとのことです。<br />
<br />
<br />
★作品社さんの新刊より。いずれもまもなく発売。『昭和の母と娘たち』は、あとがきの文言を借りると「昭和という時代に生きた母と五人姉妹のエッセイで、前作『男にあらずんば子供にあらず。――女性史と私』〔作品社、2023年〕の続編」とのこと。『獄に暮らせば』は、帯文に曰く「元日本赤軍リーダーが綴った、満期出所時までの心情とその葛藤」。第一部「逮捕から確定判決まで（2000年11月～2010年8月）」、第二部「癌闘病と執筆の受刑生活」の二部構成。『言葉と出来事』は、「精神科医の哲学的断想集」（帯文より）。著者と哲学者の古田徹也さんとの特別対談冊子が附録に付いています。著者の「あとがき――日記という形式について」の全文が作品社さんのnoteで公開されています。『バッファロー・ドリーマー』は、「金原瑞人選モダン・クラシックYA」シリーズの最新作。カナダ先住民の作家でネイティヴ・ダンサー、教育者のViolet Duncanの小説『Buffalo Dreamer』（Nancy Paulsen Books, 2024）の訳書。「この作品は、主人公のサマーが、クリー族をはじめとする北アメリカ先住民の経験したつらい過去を学んでいくお話です」（訳者あとがきより）。全米図書賞最終候補作とのことです。<br />
<br />
<br />
<img src="https://pds.exblog.jp/pds/1/202605/25/05/a0018105_02334252.jpg" alt="_a0018105_02334252.jpg" align="left" class="IMAGE_LEFT" height="340" width="400" /><br />
]]></content>
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    <title>注目新刊および既刊：コンヴィツキ『現代の夢解きの本』ルリユール叢書、ほか</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://urag.exblog.jp/245272494/" />
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    <issued>2026-05-17T19:26:00+09:00</issued>
    <modified>2026-05-17T21:43:25+09:00</modified>
    <created>2026-05-17T19:26:17+09:00</created>
    <author><name>urag</name></author>
    <dc:subject>ENCOUNTER（本のコンシェルジュ）</dc:subject>
    <content type="html"><![CDATA[<img src="https://pds.exblog.jp/pds/1/202605/17/05/a0018105_19370671.jpg" alt="_a0018105_19370671.jpg" align="left" class="IMAGE_LEFT" height="537" width="400" /><br />
<br />
<br />
★最近出会いのあった新刊を記します。<br />
<br />
<br />
『現代の夢解きの本』タデウシュ・コンヴィツキ（著）、菅原祥（訳）、ルリユール叢書：幻戯書房、2026年5月、本体4,900円、四六変型判上製504頁、ISBN978-4-86488-346-7<br />
<br />
<br />
★『現代の夢解きの本』は、ルリユール叢書第60回配本、79冊目。ポーランドの作家タデウシュ・コンヴィツキ（Tadeusz Konwicki, 1926–2015）がワルシャワの出版社Iskryから1963年に公刊したポーランド語の小説『Sennik współczesny』の全訳。帯文に曰く「20世紀ポーランド文学・映画界の巨星コンヴィツキの代表作にして、不条理な状況下での実存の不安を深く抉り出す東欧文学の幻の傑作長編小説がついに本邦初訳で登場」。ルリユール叢書次回配本は6月発売予定、エティエンヌ・ド・グレーフ『夜はわが光』梅澤礼訳。<br />
<br />
<br />
★過去に購入していた書目で、紹介するタイミングを逸していた注目既刊書（2025年11月～2026年3月）を列記します。<br />
<br />
<br />
『完全版 ダークウェブ・アンダーグラウンド――社会秩序を逸脱するネット暗部の住人たち』木澤佐登志（著）、イースト・プレス、2026年3月、本体1,900円、四六判並製312頁、ISBN978-4-7816-2542-3<br />
『懐疑 知識 照明――ラテン語対訳 ヘンリクス『定期討論のスンマ』a.1,q.1&amp;q.2』加藤雅人（訳著）、関西大学出版部、2026年3月、本体2,500円、A5判上製232頁、ISBN978-4-87354-810-4<br />
『人間論――付）ラ・フォルジュ『注解』』ルネ・デカルト（著）、山田弘明／竹田扇（訳）、知泉学術叢書：知泉書館、2026年2月、本体6,500円、新書判上製616頁、ISBN978-4-86285-455-1<br />
『ペンと剣 増補新版』エドワード・W・サイード／デーヴィッド・バーサミアン（著）、中野真紀子（訳）、里山社、2025年12月、本体2,300円、B6変型判並製320頁、ISBN978-4-907497-24-8<br />
『2030　来たるべき世界』エマニュエル・トッド／オードリー・タン／モニカ・トフト／三牧聖子／大野博人／越智光夫／佐橋亮／錦田愛子（著）、朝日新書、本体900円、新書判並製280頁、ISBN978-4-02-295360-5<br />
『時間と自由』ベルクソン（著）、平井啓之（訳）、白水Uブックス「思想の地平線」、2026年3月、本体1,600円、新書判並製270頁、ISBN978-4-560-48011-3<br />
『虹の解体――世界はなぜ美しいのか』リチャード・ドーキンス（著）、福岡伸一（訳）、ハヤカワ文庫NF、2025年11月、本体1,760円、文庫判608頁、ISBN978-4-15-050620-9<br />
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<br />
★『完全版 ダークウェブ・アンダーグラウンド』は、文筆家の木澤佐登志（きざわ・さとし, 1988-）さんが2019年1月に上梓したデビュー作論考集を増補して再刊するもの。帯文に曰く「ネットの向こう側」の不道徳な領域を描き出すポスト・トゥルース時代のノンフィクション」。合計で25000字を超えるという3篇の補論「思想をもたない日本のインターネット」「現実を侵食するフィクション」「1984年の亡霊」が加えられ、さらに新たなあとがきも付されています。帯には『チ。』の作者、魚豊さんの推薦文も記載されており、書名のリンク先でご確認いただけます。<br />
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<br />
★完全版あとがきより引きます。「読書は既存のネットワークから私たちを半ば強制的に切断する。しかし書物は、私たちを孤独にするだけではない。書物は互いに参照し合い、書物同士のネットワークを形成している。〔…〕書物を開き、読むという行為は、インターネットとは異なる別様のネットワークに接続し、参与することを意味するのではないか。〔…〕本を読むたびに、読み直すたびに、異なるネットワークに接続され、そうすることで読者の内的なネットワークも更新されていく」（296頁）。「ある種の書物は、私の脳に対して少量の幻覚剤のように機能＝作動する。〔…〕私は書物を開きながら、こことは異なるもうひとつのネット＝ウェブを幻視する」（299頁）。<br />
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<br />
★『懐疑 知識 照明』は、副題にある通り、13世紀のスコラ哲学者「ガンのヘンリクス」の著書『定期討論のスンマ』の第1項第1問「人間は何かを知りうるか」および第2問「神の照明なしに人間は何かを知りうるか」の羅和対訳と注釈と解説を一冊にまとめたもの。「ヘンリクスの『定期討論のスンマ』冒頭の知識論は、アリストテレス、アウグスティヌス、キケロなどを通じて伝えられたさまざまな懐疑的議論を取り上げつつ、デカルトに先立って、中世スコラ哲学においてはじめて、知識の可能性や確実性のぎんみを考察の出発点とした『スンマ』（大全）として、記念されるべきなのである」（解説、7頁）。訳者の加藤雅人（かとう・まさと, 1955-）さんは関西大学名誉教授。著書に『ガンのヘンリクスの哲学』（創文社、1999年；現在は講談社の「創文社オンデマンド叢書」で入手可能）などがあります。<br />
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<br />
★『人間論』は、知泉学術叢書の第42弾。カバー表4紹介文に曰く「デカルト哲学における「人間」は、精神と身体の両側面から把握されてはじめて捉えられる存在であり、その思想における身体論の核心を示すのが、『人間論』（1664年）である。加えて本書には、『人間論』とは別の時期に執筆された未完草稿『人体の記述』、医師ラ・フォルジュによる『注解』（本邦初訳）を収録」と。目次詳細は書名のリンク先でご確認いただけます。同叢書の次回配本は、今月末発売予定の、ピーコ・デッラ・ミランドラ『人間の尊厳について』伊藤博明訳、と予告されています。<br />
<br />
<br />
★『ペンと剣 増補新版』は、エドワード・W・サイードにデーヴィッド・バーサミアンがラジオ番組で連続インタヴューしたものをまとめた『The Pen and the Sword』（2010年）の訳書（1998年、クレイン；ちくま学芸文庫、2005年）に加筆訂正して、再刊したもの。文庫本からの再単行本化です。カバー表4紹介文に曰く「分断が進む世界への絶望に抗うために、広い視野で希望を見出すサイードの思想。西洋中心の価値観に異議を唱え、アカデミズムの枠を越えて政治に声を上げた人物像を浮かび上がらせる、サイードをこれから読む人にも最適な一冊。〔…〕自著をわかりやすい言葉で語り、パレスチナ問題に通ずる世界の構造を広い視野で捉え「和解と共生」への道を示すインタヴュー集」。<br />
<br />
<br />
★『2030　来たるべき世界』は、「ウクライナやガザでの戦争や分断、気候危機、生成AIの広がり、技術革新といった変化が同時に進むなかで、私たちが2030年ごろまでにどのような選択を迫られているのかを見つめ直そうという問題意識のもと、「朝日地球会議2025」に集った国内外の知性を一冊に編み上げたもの」（はじめに、4頁）。目次を転記しておきます。<br />
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目次：<br />
はじめに｜永島学<br />
１　エマニュエル・トッドが見通す世界の近未来<br />
　巻頭メッセージ「日本は米国の戦争に巻き込まれてはいけない」｜エマニュエル・トッド<br />
　道徳なき西洋と「NO」と言えない日本｜エマニュエル・トッド×三牧聖子×高久潤<br />
　ロングインタビュー「ヒロシマから見えた「西洋の敗北」以後」｜エマニュエル・トッド<br />
　広島大学長が問う、核の非対称と”宗教ゼロ”時代の「日本の選択」｜エマニュエル・トッド×越智光夫<br />
　「空想のナショナリズム」が世界を覆う。希望は？｜エマニュエル・トッド×大野博人<br />
２　“中堅国”としての日本は世界でどう輝くのか？<br />
　AI時代に「民主主義」をどう守るか？｜オードリー・タン<br />
　「勢力圏」再来の時代を、日本はどう生きるか？｜モニカ・トフト<br />
　「力が正義」の時代をどう生きるか？｜佐橋亮×錦田愛子×望月洋嗣<br />
おわりに<br />
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★『時間と自由』は、白水Uブックスのレーベル内シリーズ「思想の地平線」の一冊。白水社での平井啓之訳の同書の刊行履歴をたどると、1965年刊：旧版『ベルグソン全集（1）時間と自由／アリストテレスの場所論』、1975年刊「《哲学思想》名著10選」『時間と自由』、1990年刊「イデー選書」『時間と自由』、1993年復刊『ベルグソン全集（1）時間と自由／アリストテレスの場所論』、2001年新装復刊『ベルグソン全集（1）時間と自由／アリストテレスの場所論』、2009年刊「白水Uブックス」『時間と自由』、そして今回の再刊、となります。訳文改訂の履歴は定かではありませんが、イデー叢書版の刊行の折の訳者あとがきが今回の新版でも収録されています。また巻末には三浦信孝さんによる「平井啓之先生の想い出」という一文が加わっています。<br />
<br />
<br />
★『虹の解体』は英国の進化生物学者リチャード・ドーキンス（Clinton Richard Dawkins, 1941-）の著書『Unweaving the Rainbow: Science, Delusion and the Appetite for Wonder』（1998年）の訳書（2001年、早川書房）の文庫化。帯文に曰く「進化論や物理学がもたらす「センス・オブ・ワンダー」を明快に説く。この宇宙を織りなす究極的な秩序とは？　イデオロギーを排し事実を突きつめることはなぜ重要か？　科学論の金字塔」。文庫化にあたり、副題は「いかにして科学は脅威への扉を開いたか」から「世界はなぜ美しいのか」に改められ、新たに「文庫版訳者まえがき」が加わり、訳者あとがき「ドーキンスVSグールド」は単行本版から一部修正されて再録されています。<br />
]]></content>
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    <title>注目新刊：caffeine house『Noy's Magical Sounds（ノイズ・マジカル・サウンズ）』誠光社、ほか</title>
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    <issued>2026-05-10T22:01:00+09:00</issued>
    <modified>2026-05-10T22:18:58+09:00</modified>
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    <author><name>urag</name></author>
    <dc:subject>ENCOUNTER（本のコンシェルジュ）</dc:subject>
    <content type="html"><![CDATA[<img src="https://pds.exblog.jp/pds/1/202605/10/05/a0018105_22181635.jpg" alt="_a0018105_22181635.jpg" align="left" class="IMAGE_LEFT" height="377" width="400" /><br />
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★最近出会いがあった新刊を列記します。<br />
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『Noy's Magical Sounds（ノイズ・マジカル・サウンズ）』caffeine house（著）、誠光社、2026年4月、本体2,000円、四六判並製328頁（コデックス装縦開き）、ISBN978-4-9911149-8-4<br />
『シラー戯曲傑作選　群盗　戯曲と悲劇』フリードリヒ・シラー（著）、本田博之（訳）、ルリユール叢書：幻戯書房、2026年4月、本体5,400円、四六変型判上製512頁、ISBN978-4-86488-345-0<br />
『絓秀実セレクション1　増補新版　花田清輝　砂のペルソナ』絓秀実（著）、書肆子午線、2026年4月、本体3,600円、四六判上製368頁、ISBN978-4-908568-56-5<br />
『声を上げる自由――インドの民主主義と文化と国家について』ラヴィーシュ・クマール（著）、倉田夏樹（訳）、作品社、2026年4月、本体3,200円、四六判並製280頁、ISBN978-4-86793-143-1<br />
https://sakuhinsha.com/politics/31431.html<br />
『現代思想2026年5月号　特集＝ニューロダイバーシティ ――脳／神経の多様性をめぐる思想』青土社、2026年4月、本体1,800円、A5判並製230頁、ISBN978-4-7917-1496-4<br />
『海の幕末日本――測量・海図・海防』後藤敦史（著）、人文書院、2026年4月、本体3,500円、四六判並製280頁、ISBN978-4-409-52099-4<br />
『増補版　パフォーマンス研究――演劇と文化人類学の出会うところ』リチャード　シェクナー（著）、高橋雄一郎（訳）、人文書院、2026年4月、本体5,500円、A5判上製362頁、ISBN978-4-409-10049-3<br />
『第二次世界大戦再考』小関隆／藤原辰史／駒込武／林田敏子／岡田暁生（著）、レクチャー第二次世界大戦を考える：人文書院、2026年4月、本体2,000円、四六判並製148頁、ISBN978-4-409-51124-4<br />
『「宝子」の叫び――胎児性水俣病を生きる』加藤タケ子／小林繁／野澤淳史（編著）、藤原書店、2026年4月、本体3,000円、A5判並製320頁、ISBN978-4-86578-494-7<br />
『「教室」をひらく〈普及版〉――新・教育原論』中内敏夫（著）、藤原書店、2026年4月、本体5,500円、A5判並製520頁、ISBN978-4-86578-495-4<br />
『「アジア」はどう語られてきたか〈増補新版〉――近代日本のオリエンタリズム』子安宣邦（著）、藤原書店、2026年4月、本体3,000円、四六判並製312頁、ISBN978-4-86578-496-1<br />
<br />
<br />
★『Noy's Magical Sounds（ノイズ・マジカル・サウンズ）』は、イラストレーターのcaffeine houseさんが誠光社ウェブサイト編集室で連載されていたコミック作品に大幅に加筆を施し一冊にまとめたもの。帯文に曰く「気の合うメンバーを集め、演奏会場を探し、レコードをプレスしてフライヤーを印刷、それらを知り合いの店に委託し、流通させる。何をするにもプラットフォームに規定、搾取されてしまう昨今、ささやかな自己表現やスモール・コミュニティをフィジカルな次元へと取り戻せ！　ディティールへの偏愛に満ちた描き込みに目を見張る、異色のグラフィック・ノベル」。幻想的で温かい、とても素敵な作品です。造本設計は太田明日香さん、あとがき「I bring you to underground」は小田晶房（Hand Saw Press Kyoto）さんによるもの。<br />
<br />
<br />
★『群盗　戯曲と悲劇』は、〈ルリユール叢書〉第59回配本、78冊目。帯文に訳者解説の文言を補いつつ引いておくと、本書は「若きシラーが一夜にして名声を確立した衝撃のデビュー作。自由への渇望を描く「疾風怒濤」の最高傑作が蘇る。1781年に匿名で自費出版された『群盗　戯曲』と、熱狂を生んだ82年のハンマイム劇場用改稿版『群盗　悲劇』の両版を収録。本邦初訳の「初版序文」も加え、天才劇作家の原点に迫る決定版」。同叢書での「シラー戯曲傑作選」の第4弾です。既刊は、2021年10月『ヴィルヘルム・テル』本田博之訳、2023年8月『メアリー・ステュアート』津﨑正行訳、2023年8月『ドン・カルロス／スペインの王子』青木敦訳。岩波文庫版『群盗』（久保栄訳、1958年）が品切の現在、タイミングの良い新訳の登場です。<br />
<br />
<br />
★『絓秀実セレクション1』は、文芸批評家の絓秀実（すが・ひでみ, 1949-）さんの単独著で現在入手困難となっている書目を復刊するセレクションの第一弾。巻末特記によれば1982年に講談社より刊行された『花田清輝　砂のペルソナ』に、『群像』誌2022年3月号掲載の論考「花田清輝の「党」」を増補して再刊するもの。著者による「増補新版あとがき」、文芸評論家の長濱一眞（ながはま・かずま, 1983-）さんによる解説、さらに特別付録として著者への長編インタビュー「『花田清輝　砂のペルソナ』の頃」が加わっています。インタビューの聞き手は長濱さんと書肆子午線の春日洋一郎さん。なお、「増補新版あとがき」によれば「旧版における明確な誤植・誤記、若干の言い回しを訂正した以外は、旧版のママである。付論についても、大幅な修正はないが、若干の加筆訂正はほどこしてある」とのことです。<br />
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<br />
★『声を上げる自由』は、インドのジャーナリスト、ラヴィーシュ・クマール（Ravish Kumar, 1974-）のヒンディー語の著書『話さなければならない』（2019年）の英訳『The Free Voice: On Democracy, Culture and the Nation』（増補改訂版、2024年）の全訳。ヒンディー語原典は適宜参照されています。帯文に曰く「世界最大の民主主義国家の言論に、いま何が起こっているのか――？　ラモン・マグサイサイ賞（「アジアのノーベル賞」とも称される賞）を受賞した、インドで最も勇敢なジャーナリストが、現代インド社会を論じる最重要書」。解説「ジャーナリズムを捨てたメディア」は、アジア経済研究所研究員の湊一樹（みなと・かずき, 1979-）さんによるもので、版元さんのnoteで読むことができます。<br />
<br />
<br />
★『現代思想2026年5月号』の特集は「ニューロダイバーシティ」。版元紹介文に曰く「当事者運動に端を発し、いまや広く人口に膾炙しつつある「ニューロダイバーシティ（神経多様性）。〔…その〕概念の歴史と意義、現状を様々な角度から総覧する」。広野ゆいさんと村中直人さんによる討議「凸凹な石垣としての社会へ」に始まり、2篇のエッセイと15本の論考が収められています。5月末には6月臨時増刊号「総特集＝フェミニズムから問う（仮）」と6月通常号「アラビア哲学」が発売予定です。<br />
<br />
<br />
★人文書院の直近の新刊より3点。『海の幕末日本』は「海の攻防をめぐり複雑かつ激しく揺れ動いた政治過程を、おもに大阪湾を舞台に海の視点から描き出し、新たな幕末史像を提示する画期作」（帯文より）。「海は、日本とせかいを「つなげる」。しかし、外国との関係を制限していた江戸時代の日本は、海の彼方から来る船を「防ぐ」必要があった。本書の課題は、この「つなげる」と「防ぐ」という相異なる海の両側面から、幕末日本の国際環境と国内情勢との双方を分析することにある」（序章、14頁）。著者の後藤敦史（ごとう・あつし, 1982-）さんは京都橘大学文学部准教授。近年の著書に『阿部正弘――挙国体制で黒船来航に立ち向かった老中』（戎光祥選書ソレイユ：戎光祥出版、2022年）があります。<br />
<br />
<br />
★『増補版　パフォーマンス研究』は、ニューヨーク大学名誉教授で演出家のリチャード　シェクナー（Richard Schechner, 1934-）が、1982年から1993年にかけて発表してきた論考5本「行動の再現」「演技者（パフォーマー）と観客の変化と変容」「宇宙（コスモス）を闊歩する――ラームナガルのラームリーラーと移動、信仰、政治、場所」「ワヤン・クリと植民地主義の外縁（マージン）」「儀礼のゆくえ」を日本独自編集でまとめ、著者による「日本語版序文」を添えて1998年に翻訳出版したもの。今般さらに2篇の論考「地球のエンドゲーム――楽観論に固執して」（2019年）と「パフォーマンスの第四世界を目指して」（2022年）を加えて、増補版として再刊されました。「増補版訳者あとがき」では著者の次の言葉が紹介されています。「週末的な状況にあっても私たちがパフォーマンスを止めないのは、タイタニックと共に海の藻屑となる＝世の終わりを受容するためではなく、パフォーマンスが人々をエンパワーし、次世代に希望を繋げるからだ」（346頁）。<br />
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<br />
★『第二次世界大戦再考』は、シリーズ「レクチャー第二次世界大戦を考える」の第2弾。帯文に曰く「ポスト第二次世界大戦レジームが機能不全を呈する今、あらためて人物に着眼し大戦経験を再考する。人物で見る第二次世界大戦の諸相、総力戦・ジェノサイド・未完の戦争」。藤原辰史「ナチス「飢餓計画」をめぐる人びと」、駒込武「台湾人にとっての戦争経験と戦後経験――植民地支配に翻弄された生と死」、林田敏子「キッチン戦線――第二次世界大戦期イギリスにおける主婦の戦い」、岡田暁生「リヒャルト・シュトラウスってまだ生きていたの？」の4論考を収録。<br />
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<br />
★藤原書店の4月新刊は3点。『「宝子」の叫び』は、「胎児性水俣病患者たちの声をまとめた本」（「はじめに」より）。帯文に曰く「母の胎内で有機水銀を浴び“水俣病“患者として生まれてきた人びと。水俣病が「公式確認」された1956年以降も垂れ流され続けた毒により、逃げることのできない被害をこうむり、文明の負の面を一身に背負った彼らは今、60～70代。彼らの「生の声」、そして彼らの生活の場をつくり、寄り添い、支え続けてきた人びとの歩みの全記録。いまだ終わらぬ「水俣事件」を問う」。目次詳細は書名のリンク先でご確認いただけます。現政権の環境相や官僚が患者に対して不誠実な言動に及んだことがつい最近も報道されたばかり。新刊台で注目を集めるのではないかと想像します。<br />
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★『「教室」をひらく〈普及版〉論』は、一橋大学名誉教授で教育学博士の中内敏夫（なかうち・としお, 1930-2016）さんが著作集第1巻として1998年に上梓された書目の復刊。「中内敏夫の“教育原論”三部作『学力と評価の理論』（国土社、1971年）『教材と教具の理論』（有斐閣ブックス、1978年）『指導過程と学習形態の理論』（明治図書出版、1985年）を再編集し、教育研究の新しいパラダイムとして目標・評価一体論を提起した名著（『中内敏夫著作集』第一巻、藤原書店、1998年）が、今、甦る」（カバーソデ紹介文より）。巻頭に、和光大学名誉教授で教育学者の太田素子（おおた・もとこ, 1948-）さんによる「普及版によせて」が加わっています。太田さんは中内さんについて「本人が亡くなるまで追い求めていたのは、現場の実践家とともにつくり上げてゆく「制作」の技術知としてえの教育学であった」（i頁）と評価しておられます。<br />
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★『「アジア」はどう語られてきたか〈増補新版〉』は、子安宣邦（こやす・のぶくに, 1933-）さんが2003年に上梓した著書の増補新版。「日本の「アジア」認識の歴史を問い直」す（帯文より）もので、巻頭には「増補新版に寄せて」、巻末には特別収録として「「歴史の共有体」としての東アジア――東アジア共同体をめぐって」が加わっています。後者は著者と崔文衡さんとの共著『歴史の共有体としての東アジア――日露戦争と日韓の歴史認識』（藤原書店、2007年）から再録されています。<br />
]]></content>
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    <title>注目新刊：ちくま学芸文庫5月新刊、ほか</title>
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    <issued>2026-05-04T17:34:00+09:00</issued>
    <modified>2026-05-04T18:08:31+09:00</modified>
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    <author><name>urag</name></author>
    <dc:subject>ENCOUNTER（本のコンシェルジュ）</dc:subject>
    <content type="html"><![CDATA[<br />
<img src="https://pds.exblog.jp/pds/1/202605/04/05/a0018105_18080769.jpg" alt="_a0018105_18080769.jpg" align="left" class="IMAGE_LEFT" height="468" width="400" /><br />
★まもなく発売となる、ちくま学芸文庫5月新刊4点を列記します。<br />
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『プロパガンダ入門』ネイサン・クリック（著）、渡会圭子（訳）、ちくま学芸文庫、2026年5月、本体1,400円、文庫判336頁、ISBN978-4-480-51378-6<br />
『システムの非線形論理――世界を創造的に組み直す』河本英夫（著）、ちくま学芸文庫、2026年5月、本体1,500円、文庫判448頁、ISBN978-4-480-51358-8<br />
『自由の論理』マイケル・ポランニー（著）、長尾史郎（訳）、ちくま学芸文庫、2026年5月、本体1,400円、文庫判368頁、ISBN978-4-480-51375-5<br />
『古典注釈入門――歴史と技法』鈴木健一（著）、ちくま学芸文庫、2026年5月、本体1,300円、文庫判336頁、ISBN978-4-480-51359-5<br />
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<br />
★『プロパガンダ入門』は、文庫オリジナル。米国の修辞学者ネイサン・クリック（Nathan Crick）の著書『The Propaganda: The Basics』（Routledge, 2025）の訳書です。クリックの初訳本です。「人をどう動かすか。出来事の創出、集団への一体化、単純化、感情の喚起……そのメカニズムに迫り、批判的に活用する術を提示する」（帯文より）。「プロパガンダとは何か」「動機の形成」「出来事をつくり出す」「アイデンティティをつくり上げる」「アイデアを単純化する」「激情をかき立てる」「プロパガンダは私たちを救うのか、破滅させるのか」の全7章立て。巻末に読書案内、用語集、原注、参考文献、索引がまとめられ、横路佳幸さんによる解説「現代社会はプロパガンダの夢を見るか」が付されています。<br />
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<br />
★クリックはこう述べます。「プロパガンダは基本的に説得の技法なのだ。嘘、ヘイトスピーチ、目に見えない心理操作が存在することは否定できないし、それが一般市民の生活の大きな脅威となりつつあることも事実だ。しかし説得という観点からすると、本書のテーマとなる問題は、それらが存在することではなく、それをどのように魅力的なものにするのか、そしてなぜ聴衆はそうしたメッセージを取り込むのか、である。人は嘘だとわかったあとでも、その嘘を信じ続けることが多い。それは嘘が真実よりも魅力的に感じられるからだ。基本的なプロパガンダの戦術と説得力のある訴えかけを理解できないうちは、プロパガンダに抗うこともそれを改善することもできない」（第1章「プロパガンダとは何か」19～20頁）。現代人必読の書といえるのではないでしょうか。<br />
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★『システムの非線形論理』は、文庫オリジナル。東洋大学名誉教授でシステム論がご専門の河本英夫（かわもと・ひでお, 1953-）さんが2023年10月下旬に東洋大学白山校舎で行った「最終講義」をもとに「多くの内容の加筆訂正を行っ」た（あとがきより）もの。カバー表4紹介文に曰く「システムの歴史を端緒として、ライプニッツ、ドイツ観念論、西田幾多郎、メルロ=ポンティ、構造主義の潜在的な可能性を考察しつつ、世界が多様化する仕組みを浮かび上がらせる。システムについてとりわけ根源的に迫ったのがオートポイエーシスであり、異質な事象の連動＝「二重作動」の概念が世界の実相を顕在化させる。言語の向こう側へと踏み込み、変化し続けるものとして哲学の新たなかたちを問うた渾身の試論」。<br />
<br />
<br />
★『自由の論理』は、ハンガリー出身の英国の社会科学者マイケル・ポランニー（ポラーニ・ミハーイ, Michael Polanyi, 1891-1976）の著書『The Logic of Liberty: reflections and rejoinders』（University of Chicago Press, 1951; Midway Reprint, 1980）の訳書（ハーベスト社、1988年）の文庫化。「科学コミュニティと同じく社会全体も、個人の信念を保障しつつ異論を調停していくような、「自発的秩序」のシステムを備えた組織となる必要性を、様々なモデルを用いて説明〔…〕。国家による科学・技術のコントロールに危機感が高まる今日、あらためて読まれるべき一冊」（カバー表4紹介文より）。「文庫版への訳者後書き」が加わっています。また、巻末特記によれば「文庫化にあたって明らかな誤りは適宜修正をほどこしている」と。ちくま学芸文庫でのポランニーの著書は『暗黙知の次元』（高橋勇夫訳、2003年）に続く2点目。<br />
<br />
<br />
★『古典注釈入門』は、国文学者で学習院大学教授の鈴木健一（すずき・けんいち, 1960-）さんの著書（岩波書店、2014年）の文庫化。「本書は一条兼良、北村季吟、本居宣長といった注釈者や、室町期の『河海抄』から戦後の岩波「古典大系」にいたる注釈書をとりあげ、秘儀から実証、そして科学へという流れの下に注釈の歴史をたどる。さらに本文の確定や典拠の指摘、頭注形式といった具体的な技法にも踏み込んだうえで、将来あるべき姿を展望する」（カバー表4紹介文より）。「文庫版あとがき」が加わっています。曰く「注釈とは時空を超えて古典の読みを受け継いでいくタイムマシーンなのだ」（320頁）。<br />
<br />
<br />
★次に光文社古典新訳文庫の新刊と既刊書目から2点4冊を掲げます。<br />
<br />
<br />
『回想・夢・思索（上）』カール・グスタフ・ユング（著）、アニエラ・ヤッフェ（編）、村本詔司（監訳）、福原美穂子（訳）、光文社古典新訳文庫、2026年4月、本体1,500円、文庫判480頁、ISBN978-4-334-10975-2<br />
『回想・夢・思索（下）』カール・グスタフ・ユング（著）、アニエラ・ヤッフェ（編）、村本詔司（監訳）、福原美穂子（訳）、光文社古典新訳文庫、2026年4月、本体1,800円、A6判608頁、ISBN978-4-334-10976-9<br />
『エウデモス倫理学（上）』アリストテレス（著）、渡辺邦夫／加藤喜市／立花幸司（訳）、光文社古典新訳文庫、2026年2月、本体1,500円、文庫判536頁、ISBN978-4-334-10920-2<br />
『エウデモス倫理学（下）』アリストテレス（著）、渡辺邦夫／加藤喜市／立花幸司（訳）、光文社古典新訳文庫、2026年2月、本体1,400円、文庫判480頁、ISBN978-4-334-10921-9<br />
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★『回想・夢・思索』は、これまで『ユング自伝――思い出・夢・思想』（全2巻、河合隼雄／藤繩昭／出井淑子訳、みすず書房、1972～1973年）として長らく日本でも親しまれてきた、ユングの死後に刊行された重要書の新訳です。正確に言うと、みすず版が英訳版（1961年）からの重訳であることに対して、今回の新訳はドイツ語原典版（1962年）からの初完訳です。みすず版でもドイツ語版は「常に」参照されてはいましたが（『ユング自伝１』訳者あとがき、289頁）、ドイツ語版の全貌は今回の新訳で初めて明らかになります。まさか最初から文庫で読めるようになるとは、と驚くばかりです。<br />
<br />
<br />
★「本書の邦訳についていえば、みすず書房から出ている『ユング自伝』と、光文社から今回出すことになった『回想・夢・思索』がそれぞれ底本にしている英語版とドイツ語版には見過ごせない相違がある。そのことが気になっていた監訳者はかつて、ヤッフェの協力を得ながら両版の違いを明らかにした」（下巻解説、502～503頁）。ここで言及されているのは、村本詔司さんの1986年の論考「『ユング自伝』英語版と日本語版の未訳部分」（『花園大学研究紀要』第17号、1～26頁）のことですが、これは国会図書館デジタルコレクションで読むことができます。ありがたいです。<br />
<br />
<br />
★参考までに、ユングとフロイトとの決別をもたらすことになったかの有名な、ポルターガイスト事件のくだりを、みすず書房版と光文社古典新訳文庫版で読み比べてみます。<br />
<br />
<br />
光文社古典新訳文庫版（上巻「5 ジークムント・フロイト」344～345頁）：<br />
フロイトが自分の理屈を並べたてているのを聞いているうちにだが、私はある奇妙な感覚に襲われた。まるで自分の横隔膜が鉄でできていて、燃えるように熱くなっているような気がしてきたのだ――そしてその瞬間、私たちのすぐ横にあった本棚から、木が裂けるようなすさまじい音が鳴り、私たちは二人ともびっくり仰天した。本棚がこちらに倒れてくるのではないかと思われるほど、まさにそんな風に聞こえたのだ。私はフロイトに、「いまのが、いわゆる触媒作用による外在化現象です。」と、言った。<br />
「なんてこった？　これはまさに、生身のナンセンスだ！」と、フロイトは返した。<br />
「いえ、違います。」と、私は反論した。「お間違いですよ、先生。私の言う通りだという証拠に、またすぐさっきのような音が鳴ると予告しておきましょう！」――そう言い終わらないうちに、本棚からまた同じ爆発音が鳴り響いた！<br />
どこからあんな確信が生まれたのか、いまだにわからない。だが私には、またメリメリという音が鳴るだろうという確信があった。フロイトはただぎょっとして私を見つめていた。〔後略〕<br />
<br />
<br />
みすず書房版（第1巻「ジグムント・フロイト」224頁）：<br />
フロイトがこんなふうにして喋っている間に、私は奇妙な感じを経験した。それはまるで私の横隔膜が鉄でできていて、赤熱状態――照り輝く丸天井――になって来つつあるかのようであった。その瞬間、我々のすぐ右隣りの本棚の中でとても大きな爆音がしたので、二人ともものが我々の上に転がってきはしないかと恐れながら驚いてあわてて立ち上がった。私はフロイトに言った。「まさに、これがいわゆる、媒体による外在化現象の一例です。」「おお」と彼は叫んだ。「あれは全くの戯言〔たわごと〕だ。」「いや、ちがいます」と私は答えた。「先生、あなたはまちがっていらっしゃる。そして私の言うのが正しいことを証明するために、しばらくするともう一度あんな大きな音がすると予言しておきます。」果して、私がそういうが早いか、全く同じ爆音が本箱の中で起こった。<br />
今日に至るまで、私が何が私にこの確信を与えてくれたのか知らないでいる。しかし私は爆音がもう一度するだろうということを疑う余地もなく知っていたのである。フロイトはただ呆気にとられて私を見つめるばかりだった。<br />
<br />
<br />
★一部を引きましたが、ここは前後も含めて読んでいただくべき箇所です。ユングはフロイトが超心理学に対して浅薄な「唯物論的偏見」を持っていることに疑問をいだいていました。本棚が鳴ったのはユングの邸宅ではなく、フロイトの住居です。この爆音事件でフロイトはユングへの不信感を強めましたが、ユングもまたフロイトへの距離感を隠せなくなっていきます。ユングが「集合的無意識」の提唱へと進んでいくのはそれから間もなくのことです。そのいきさつが端的に語られている「フロイト」の章は、この回想録においてユングの人生のもっとも決定的な転換点のひとつを感じさせる山場になっているのではないかと感じます。<br />
<br />
<br />
★『エウデモス倫理学』は、新訳で初の文庫化。「『ニコマコス倫理学』と並ぶアリストテレスの主著。「美しく、善い人生」を送るための究極の「倫理学」講義。本邦初の“全巻通し”の完全版」（帯文より）。「『エウデモス倫理学』は、第一、二、三、七、八巻の五巻が独自巻で、第四、五、六巻の三巻が『ニコマコス倫理学』とまったく同一内容の「共通巻」です。本書を読み進めるうちにわれわれは、『ニコマコス倫理学』との比較以前に、前半三巻と最終二巻の独自巻を一貫して流れる「主題、主題の究明のための問い、問いへの答え、主題にかんする結論」の太いラインを、この範囲のテキストに内在的に、つまり外部テキストの助けなしに、特定できると思うようになりました」（上巻解説433頁）。「八巻全部がそろった『エウデモス倫理学』をまず出版し、アリストテレス倫理学の比類ない豊かな世界を、多くの読者に味わっていただこうとわれわれは考えました」（上巻訳者まえがき、16頁）。<br />
<br />
<br />
★岩波書店版の全集二種では『ニコマコス倫理学』と重複する巻は訳出されていませんでしたが、今回初めて全八巻が通しで読めることになりました。既訳千葉雅也さんの推薦文に曰く「『ニコマコス倫理学』と共通の章を持つが、本書では、「善く、美しく」生きることを「快」とする倫理を、より日常的な考察として語っているように思われる。アリストテレス倫理学のもうひとつの姿」。<br />
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    <title>月曜社近刊：表象文化論学会『表象20：表象文化論の二〇年』</title>
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    <issued>2026-05-03T15:52:00+09:00</issued>
    <modified>2026-05-03T16:27:59+09:00</modified>
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    <author><name>urag</name></author>
    <dc:subject>表象文化論学会</dc:subject>
    <content type="html"><![CDATA[月曜社新刊案内【2026年5月新刊：人文書1点】<br />
取次搬入：5月15日＊人文・現代思想<br />
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表象20　特集：表象文化論の20年<br />
表象文化論学会［発行］　月曜社［発売］<br />
本体2,200円　A5判（210x149x18mm）並製276頁　355g　ISBN978-4-86503-223-9　C0010<br />
<br />
<br />
★アマゾン・ジャパン、HMV＆BOOKS、HMV＆BOOKS楽天にて予約受付中。<br />
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表象文化論学会の設立20年、そして本誌『表象』の創刊20号を記念する特集には、拡大版巻頭言として松浦寿輝、岡田温司、佐藤良明、田中純、門林岳史の歴代会長5名が寄稿。学会という制度、大学という場、そして表象文化論の現在が各人各様に立ち上がる。研究者／大学教員8名による共同討議は、大学教育の現場における具体的なニーズと表象文化論の理念とのあいだで「教育」の方法論を実践的に探る。蓮實重彥の言説をあえて記号論の文脈に置き、表象文化論的アプローチの明確化を試みる入江哲朗の論文を併せて掲載。<br />
<br />
<br />
目次：<br />
◆特集「表象文化論の20年」<br />
　20号記念・拡大版巻頭言<br />
　「シンボル形式としての単眼視像――江戸の表象空間・序説」松浦寿輝（初代会長、2006～10年）<br />
　「学会20年に思うこと」岡田温司（第2代会長、2010～14年）<br />
　「イン・マイ・ライフ」佐藤良明（第3代会長　2014～18年）<br />
　「アソシエーションの20年──アジールとしての遊び場〔シュピールラウム〕」田中純（第4代会長、2018～22年）<br />
　「学会を再発明する」門林岳史（第5代会長、2022～26年）<br />
 論文「蓮實重彥における記号と反記号――表象文化論のメソドロジーに向けて」入江哲朗<br />
　共同討議「表象文化論と教育実践」入江哲朗＋小澤京子＋北村紗衣＋関根麻里恵＋常石史子＋星野太＋渡部宏樹＋海老根剛（司会・構成）<br />
　　「表象文化論の20年」ブックガイド<br />
◆論文<br />
「「展覧会危機」の時代の展覧会――「苦難にある女性たち」展をめぐる考察」池田真実子<br />
「瞬時性の回路――クレメント・グリーンバーグにおける美的判断の反復と持続」大澤慶久<br />
「身体、力と形の狭間で――アルトーに対峙するナンシー」柿並良佑<br />
「峯村敏明のポストもの派論再考」金子智太郎<br />
「「自然-文化」における生／死――ロバート・ラウシェンバーグ《グローイング・ペインティング》の成立・展示・破壊をめぐって」柴山陽生<br />
「観相学者アルフレート・デーブリーン――写真・人種理論・未来小説における「類型」と「個」の相克」相馬尚之<br />
「アナル・リング――修復的転回と否定性」長尾優希<br />
◆書評<br />
「ラテンアメリカ的孤独を語るアネクドタ――相田豊『愛と孤独のフォルクローレ：ボリビア音楽家と生の人類学』書評」細馬宏通<br />
「ロシア現代アートの起源と進化――鴻野わか菜『生きのびるためのアート：現代ロシア美術』書評」江村公<br />
「悲劇から読み解くラカン思想の転換点――ファルスから〈女の享楽〉へ ――桑原旅人『汝の「欲望」に従って行為せよ：ジャック・ラカンの倫理学』書評」大池惣太郎<br />
「物言わぬ資料から立ちのぼる「サイレント」の賑わい――柴田康太郎『映画館に鳴り響いた音：戦前東京の映画館と音文化の近代』書評」福田貴成<br />
「あなたを忘れない 女たちによる「家」の解体――徐玉『女を見る女のまなざし：日本文芸映画における女同士の絆』書評」竹田恵子<br />
「マルクス主義批評の系譜を写真史から掘り起こす――田尻歩『ドキュメンタリー写真を発明し直す：リアリズムと集団制作の系譜』書評」洞ヶ瀬真人<br />
「メルロ=ポンティ再覚醒――田村正資『問いが世界をつくりだす：メルロ=ポンティ 曖昧な世界の存在論』書評」渡名喜庸哲<br />
「イギリス戦時下のラジオ文化とモダニズム文学――永嶋友『第二次世界大戦期イギリスのラジオと二つの戦争文化：BBC、プロパガンダ、モダニズム』書評」上田学<br />
「自らの加害性という困難――藤城孝輔『村上シネマ：村上春樹と映画アダプテーション』書評」角尾宣信<br />
「「流用」によって刻まれる作家性――藤原征生『芥川也寸志とその時代：戦後日本映画産業と音楽家たち』書評」原塁<br />
「映画の「音」をめぐる新たな一冊――正清健介『小津映画の音：物音・言葉・音楽』書評」宮本明子<br />
<br />
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<img src="https://pds.exblog.jp/pds/1/202605/03/05/a0018105_16274022.jpg" alt="_a0018105_16274022.jpg" align="left" class="IMAGE_LEFT" height="567" width="400" /><br />
]]></content>
  </entry>
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    <title>保管：月曜社2025年3月～5月既刊書および重版書</title>
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    <issued>2026-05-03T15:38:00+09:00</issued>
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    <author><name>urag</name></author>
    <dc:subject>販売情報</dc:subject>
    <content type="html"><![CDATA[◎新刊（2025年3月～5月）：<br />
2025年05月23日発売：江澤健一郎『思想家　岡本太郎』本体2,600円。<br />
2025年04月28日発売：『表象19：記憶の支持体――アンゼルム・キーファー』本体2,000円。<br />
2025年04月18日発売：『HAPAX III-1：革命』本体2,200円。<br />
2025年04月18日発売：秋元康隆『意志の倫理学　第2版』本体2,100円、シリーズ〈哲学への扉〉第11回配本。<br />
2025年03月04日発売：クリストフ・フリードリヒ・ハインレ『ハインレ詩文集』本体4,500円。<br />
<br />
◎重版出来：<br />
2025年05月23日：森山大道『写真よさようなら　普及版』2刷（2023年9月初刷）　]]></content>
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    <title>月曜社4月新刊：松村久美写真集『この先の島じまへ――1969-1980 沖縄』</title>
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    <issued>2026-04-21T22:30:00+09:00</issued>
    <modified>2026-04-21T22:49:42+09:00</modified>
    <created>2026-04-21T22:30:29+09:00</created>
    <author><name>urag</name></author>
    <dc:subject>販売情報</dc:subject>
    <content type="html"><![CDATA[月曜社新刊案内【2026年4月新刊：芸術書1点】<br />
<br />
<br />
出荷開始：2026年4月21日<br />
ジャンル：芸術・写真集<br />
<br />
<br />
この先の島じまへ――1969-1980 沖縄<br />
<br />
松村久美（写真）<br />
月曜社　本体4,300円　B5判並製272頁（2C）609g　ISBN978-4-86503-222-2<br />
<br />
<br />
沖縄の16の島じまと本島、沖縄愛楽園、基地の街、そして中南米の沖縄移民…姿を変え、消えていった集落や風景、祭祀をおさめた貴重な記録。本土復帰まえに報道写真家として沖縄を訪れ魅せられた写真家の集大成。<br />
<br />
<br />
※月曜社読書室にて「回想」と写真の一部を紹介しています。<br />
<br />
<br />
目次：<br />
島じま｜沖縄［石垣島、伊計島、西表島、鳩間島、新城島（上地島）、由布島、黒島、池間島、水納島、久高島、久米島、奥武島、与那国島、伊平屋島、竹富島、小浜島］<br />
本島｜沖縄<br />
沖縄愛楽園<br />
本土復帰前後<br />
基地の街<br />
黒人街<br />
中南米移民［ブラジル、メキシコ、ペルー、ボリビア］<br />
回想――あとがきにかえて<br />
年譜<br />
参考文献<br />
撮影関連地図<br />
写真キャプション一覧<br />
<br />
<br />
※アマゾン・ジャパン、紀伊國屋書店、HonyaClub、HMV＆BOOKSonline、にて注文受付中。<br />
※店頭での扱いを希望される書店様や、版元直販をご希望の個人のお客様は、月曜社「お問い合わせ／ご注文」窓口よりご用命ください。<br />
<br />
<br />
<img src="https://pds.exblog.jp/pds/1/202604/21/05/a0018105_22292305.jpg" alt="_a0018105_22292305.jpg" align="left" class="IMAGE_LEFT" height="562" width="400" /><br />
<br />
<br />
]]></content>
  </entry>
  <entry>
    <title>注目新刊：講談社学術文庫の新刊既刊、ほか</title>
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    <id>http://urag.exblog.jp/245245283/</id>
    <issued>2026-04-20T00:50:00+09:00</issued>
    <modified>2026-04-20T14:51:53+09:00</modified>
    <created>2026-04-20T00:50:22+09:00</created>
    <author><name>urag</name></author>
    <dc:subject>ENCOUNTER（本のコンシェルジュ）</dc:subject>
    <content type="html"><![CDATA[<img src="https://pds.exblog.jp/pds/1/202604/20/05/a0018105_01163188.jpg" alt="_a0018105_01163188.jpg" align="left" class="IMAGE_LEFT" height="622" width="400" /><br />
<br />
★まず、講談社学術文庫の注目新刊書と注目既刊書を列記します。<br />
<br />
<br />
『哲学の慰め』ボエティウス（著）、畠中尚志（訳）、講談社学術文庫、2026年4月、本体1,300円、A6判264頁、ISBN978-4-06-543353-9<br />
『日本星名辞典』野尻抱影（著）、講談社学術文庫、2026年4月、本体1,800円、A6判424頁、ISBN978-4-06-543436-9<br />
『オイディプース王』ソポクレース（著）、岡道男（訳）、講談社学術文庫、2026年3月、本体1,000円、A6判168頁、ISBN978-4-06-542906-8<br />
『道徳の系譜学に向けて』フリードリヒ・ニーチェ（著）、須藤訓任（訳）、講談社学術文庫、2026年2月、本体1,400円、A6判304頁、ISBN978-4-06-542905-1<br />
『精神病に関する医学=哲学論』フィリップ・ピネル（著）、影山任佐（訳）、講談社学術文庫、2026年1月、本体1,500円、A6判336頁、ISBN978-4-06-542516-9<br />
『建築書』ウィトルーウィウス（著）、森田慶一（訳）、講談社学術文庫、2026年1月、本体1,800円、A6判440頁、ISBN978-4-06-542274-8<br />
『建築論』森田慶一（著）、講談社学術文庫、2025年12月、本体1,600円、A6判376頁、ISBN978-4-06-541582-5<br />
<br />
<br />
★『哲学の慰め』は、古代ローマ末期のイタリアの哲学者で政治家ボエティウス（Anicius Manlius Torquatus Severinus Boethius, 480頃‐525頃）の著書『De consolatione philosophiae』の、畠中尚志（はたなか・なおし, 1899-1980）さんによる訳書（岩波文庫、1938年）の再文庫化。「叛逆罪の嫌疑をかけられて処刑された著者が獄中で書いた最後の書」（カバー表4紹介文より）。岩波文庫版での最終重版は2011年のリクエスト復刊での第18刷かと思われます。講談社学術文庫版では旧字旧かなが新字新かなになったほか、固有名詞や訳注での表記が改められています。新たに加わった解説「運命と認識、運命と情念――『哲学の慰め』解説に代えて」は、哲学者の國分功一郎さんがお書きになっています。<br />
<br />
<br />
★『日本星名辞典』は、1973年に東京堂出版から刊行された随筆家の野尻抱影（のじり・ほうえい, 1885-1977）さんによる著書の文庫化。巻末特記によれば「経年などにより説明が必要と思われた箇所は、編集部註として［ ］で補足」したとのこと。カバー表4紹介文に曰く「膨大な文献の渉猟と全国の報告者の協力を得て、生涯をかけて収集した日本各地の星の和名をまとめた一冊。農山村や漁村の暮らしと結ばれた星の呼び名や伝承を通し、日本人が星に託してきた歴史と文化の深さを鮮やかに示す」。新たに加わった巻末解題「星に名前をつけるということ」は、ライターの石井ゆかりさんによるもの。<br />
<br />
<br />
★『オイディプース王』は、古代ギリシアの悲劇詩人ソポクレース（Σοφοκλῆς, 紀元前497年頃～406年頃）の戯曲の訳し下ろしで、『ギリシア悲劇全集（3）』（岩波書店、1990年）に収録されたものの文庫化。「ギリシア悲劇の最高傑作」（カバー表4紹介文より）。巻末の編集部特記によれば「体裁や方針などを改訂し」たとのことです。<br />
<br />
<br />
★『道徳の系譜学に向けて』は、文庫オリジナルの新訳。「あらゆる価値を転倒せよ！　狂気の闇に沈む直前に哲学者が残した根本課題のマニフェスト」（帯文より）。ドイツの哲学者ニーチェ（Friedlich Nietzsche, 1844-1900）の『Zur Genealogie der Moral』（1887）の訳書で現在も入手可能な文庫版には、木場深定訳『道徳の系譜』（岩波文庫、1940年『道徳系譜学』；3刷改題1950年；改版1964年；改版2010年）、信太正三訳『ニーチェ全集（11）善悪の彼岸　道徳の系譜』（ちくま学芸文庫、1993年）、中山元訳『道徳の系譜学』（光文社古典新訳文庫、2009年）があります。<br />
<br />
<br />
★『精神病に関する医学=哲学論』は、フランスの医師フィリップ・ピネル（Philippe Pinel, 1745-1826年）の著書『Traité médico-philosophique sur l'aliénation mentale, ou la manie』（1801）の訳書（中央洋書出版部、1990年）の文庫化。没後200年にあたっての再刊です。「排除すべき「狂人」は、ケアすべき精神病者になった――精神疾患を科学的な視点から観察し、人道的な治療を提案した、近代精神医学の誕生を告げる書」（帯文より）。訳者による「講談社学術文庫版あとがき」によれば「文庫化にあたっては原訳本の誤植等の訂正と訳者の現在のピネル観に立って一部の訳語等の改変を行なった」とのことです。新たに加わった巻末解説「精神医療とモラルーーフーコーと読むピネル『精神病に関する医学=哲学論』」は、上尾真道さんによるもの。<br />
<br />
<br />
★京都大学名誉教授の森田慶一（もりた・けいいち, 1895-1983）さんの著書と訳書が立て続けに文庫化されました。書名が一字違いなので要注意ですが、親本はいずれも東海大学出版会（現：東海大学出版部、2014年に改称）のシリーズ「東海選書」で刊行されたもの。『建築論』（1978年）は、講義をもとに森田さん自身の「建築理論を包括的に論じたもの」（版元紹介文より）。親本と同様に文庫版でも、ポール・ヴァレリー『エウパリノスまたは建築家』の翻訳が併録されています。新たに加わった解説は京都大学大学院教授の田路貴浩さんによるもの。<br />
<br />
<br />
★『建築書』は、古代ローマの建築家ウィトルーウィウス（Marcus Vitruvius Pollio, 紀元前80/70年頃～紀元前15年以降）の著書『De architectura libri decem』の訳書（1979年）の文庫化です。「世界最古の建築書――レイナルド・ダ・ヴィンチにも影響を与えた不朽の古典。大家が手がけた唯一の日本語訳、初の文庫化」。編集部特記によれば「ラテン語やギリシア語の表記を今日通用のものに変更」したとのことです。巻末解説は『建築論』と同様に田路貴浩さんがお書きになっています。<br />
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<br />
★次に、最近出会いのあった作品社さんの新刊と平凡社さんの既刊書を列記します。<br />
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<br />
『法論――法の一般理論をめざして』中田考（著）、作品社、2026年4月、本体3,400円、四六判並製256頁、ISBN978-4-86793-144-8<br />
『テイラー・スウィフト――なぜ彼女は、全世界を魅了し続けるのか？』ロブ・シェフィールド（著）、上杉隼人（訳）、作品社、2026年4月、本体2,700円、四六判なみせい336頁、ISBN978-4-86793-142-4<br />
『岳麓書院蔵秦簡 「為吏治官及黔首」訳注――秦の官吏かくあるべし』柿沼陽平（訳注）、東洋文庫：平凡社、2026年3月、本体3,900円、B6変型判上製函入338頁、ISBN978-4-582-80933-6<br />
『調べてみよう！ 国際交流（4）日本の国際貢献』澤井陽介（監修）、シリーズ「調べてみよう！ 国際交流」：平凡社、2026年3月、本体3,500円、A4変型判上製32頁、ISBN978-4-582-72414-1<br />
『調べてみよう！ 国際交流（5）共生するまち』澤井陽介（監修）、シリーズ「巻次調べてみよう！ 国際交流」：平凡社、2026年3月、本体3,500円、A4変型判上製32頁、ISBN978-4-582-72415-8<br />
<br />
<br />
★『法論』は、『神論〔しんろん〕――現代一神教神学序説』（作品社、2024年2月）に続く、イスラム学者の中田考（なかた・こう, 1960-）さんによる書き下ろし。序に曰く「本書は主として立法者としての超越唯一神と人間の関係を法的関係とみなす立場から「法」というものを根源的、かつ総合的に考察する」。続篇は『人論』であると予告されています。<br />
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<br />
★『テイラー・スウィフト』は、米国の音楽ジャーナリストで『ローリングストーン』誌の寄稿編集者を長年務める、ロブ・シェフィールド（Robert James Sheffield, 1966-）の著書『Heartbreak Is the National Anthem: How Taylor Swift Reinvented Pop Music』（2024）の訳書です。最新アルバム『ザ・ライフ・オブ・ア・ショーガール』を論じる書き下ろし新章「日本語版ボーナス・トラック」を併録しています。帯文の文言を借りると「全世界を動かす〈テイラー現象〉の熱狂の秘密を解き明かす決定版」と。<br />
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<br />
★『岳麓書院蔵秦簡 「為吏治官及黔首」訳注』は、東洋文庫の第933弾。帯文に曰く「秦・始皇帝の時代、官吏はいかなる規範のもとに官（役所・職掌）を治め、黔首（民）を統治していたのか。史料の精緻な検討から、儒教を排し、法治主義を徹底したとされる秦の国家統治の実態を明らかにする」。岳麓書院の簡牘史料「岳麓秦簡」関連では、本書と同じく柿沼さんによる訳注で『岳麓書院蔵秦簡 「為獄等状四種」訳注――裁判記録からみる戦国末期の秦』（上下巻、2024年6月）が刊行されています。東洋文庫次回配本は5月、『荻生徂徠全詩（3）』が予告されています。<br />
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★『調べてみよう！ 国際交流（4）日本の国際貢献』『調べてみよう！ 国際交流（5）共生するまち』は、「小学生から身につけておきたい異なる国の人々や文化の相互理解を育むための」シリーズ全5巻の第4巻と第5巻。版元紹介文によれば、第4巻は日本が海外で行う国際貢献を紹介し、第5巻では日本各地の国際的な都市を紹介、とのこと。専用函入の全5巻セットも今月（2026年4月）発売済です。<br />
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    <title>注目新刊：クリプキ『指示と存在』平凡社ライブラリー、ほか</title>
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    <issued>2026-04-13T00:46:00+09:00</issued>
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    <author><name>urag</name></author>
    <dc:subject>ENCOUNTER（本のコンシェルジュ）</dc:subject>
    <content type="html"><![CDATA[<img src="https://pds.exblog.jp/pds/1/202604/13/05/a0018105_01055816.jpg" alt="_a0018105_01055816.jpg" align="left" class="IMAGE_LEFT" height="639" width="400" /><br />
<br />
★まず、平凡社ライブラリーの注目新刊および既刊を列記します。<br />
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『指示と存在――存在しないものに固有名はあるか』ソール・クリプキ（著）、八木沢敬（訳）、平凡社ライブラリー、2026年4月、本体2,000円、B6変型判並製304頁、ISBN978-4-582-77012-4<br />
『民主主義の非西洋起源について――「あいだ」の空間の民主主義』デヴィッド・グレーバー（著）、片岡大右（訳）、平凡社ライブラリー、2026年4月、本体1,700円、B6変型判並製216頁、ISBN978-4-582-77011-7<br />
『チェコ21世紀SF短編集』ズデニェク・ランパス（編）、平野清美（編訳）、平凡社ライブラリー、2026年3月、本体2,000円、B6変型判408頁、ISBN978-4-582-77010-0<br />
『暴力の考古学――未開社会における戦争』ピエール・クラストル（著）、毬藻充（訳）、松村圭一郎（解説）、平凡社ライブラリー、2026年1月、本体2,000円、B6変型判192頁、ISBN978-4-582-77006-3<br />
『ユートピア文学選集』コンドルセ／カベ／ゴダン／ユゴー／タルド／ゾラ／ウーセ／フルネル／リラダン／クロ／モーパッサン（著）、小倉孝誠（監訳）、平凡社ライブラリー、2025年11月、本体2,200円、B6変型判並製472頁、ISBN978-4-582-77001-8<br />
<br />
<br />
★『指示と存在』はライブラリーオリジナルの訳し下ろし。米国の哲学者ソール・クリプキ（Saul Aaron Kripke, 1940-2022）が1973年にオックスフォード大学の「ジョン・ロック講義」で行なった6回の講義をまとめた『Reference and Existence: The John Locke Lectures』（Oxford University Press, 2018）の訳書です。帯文に曰く「『名指しと必然性』の理論を推し進め、言葉と世界の結びつきを根底から問い直した、存在しないものをめぐる言語哲学」。『名指しと必然性（Naming and Necessity』（原著1972年刊）は、1970年にプリンストン大学で行われた講義をまとめたもの。その訳書『名指しと必然性――様相の形而上学と心身問題』（八木沢敬／野家啓一訳、産業図書、1985年；底本はHarvard University Press版、1980年刊）は日本で長く読み継がれています。<br />
<br />
<br />
★『民主主義の非西洋起源について』は、米国の人類学者デヴィッド・グレーバー（David Graeber, 1961-2020）の論考「There Never Was a West: Or, Democracy Emerges From the Spaces In Between」（2005年）の日本語訳を中心に、仏語訳版『La démocratie aux marges』（2014年）に付されたアラン・カイエによる「フランス語版のためのまえがき」と、グレーバーの関連論考「惜しみなく与えよ――新しいモース派の台頭」（2000年）の2篇の翻訳を併載して、以文社より2020年に刊行された単行本の、文庫再刊です。カバー表4紹介文に曰く「私たちが「西洋」と呼んできたものは、いつ、どのようにしてかたちづくられたのか――。国家による統治の外に広がる空間に民主主義の萌芽を見いだし、多種多様な人びとの衝突と対話から立ち上がるもうひとつの世界史を描き出す。「啓蒙の脱植民地化」の出発点にして、最良のグレーバー入門」。巻末に新たに訳者による「六年後の春に――平凡社ライブラリー版に寄せて」が加わっています。<br />
<br />
<br />
★『暴力の考古学』は、フランスの人類学者ピエール・クラストル（Pierre Clastres, 1934-1977）の著書『Archéologie de la violence : La guerre dans les sociétés primitives』（Éditions de l'Aube, 1997）の、現代企画室より2003年に刊行された全訳書の再刊。訳者はすでに逝去されているため、明らかな誤りのみ修正され、参考文献の書誌情報がアップデートされています。帯文に曰く「未開社会の自由を「暴力」から読み解き、政治権力のあり方を問い直した、夭折の人類学者による古典的名著」。巻末解説「未開の戦争と国家の戦争」は、文化人類学者の松村圭一郎さんによるもの。<br />
<br />
<br />
★『チェコ21世紀SF短編集』と『ユートピア文学選集』はどちらも興味深いアンソロジー。帯文の文言を借りると、前者は「チャペック以降、政治への鋭い批判と奇抜な設定で世界中の読者を魅了し続けるチェコSFから、21世紀に発表された選りすぐりの7編を収録」。後者は「空想社会をめぐる旅行記からSF小説、未来都市のルポから思弁的エッセイまで。近代化と産業化が加速する19世紀フランスで生まれた、来るべき社会を想像するためのアンソロジー」。目次詳細はそれぞれの書名のリンク先でご確認いただけます。<br />
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<br />
★このほか最近では以下の新刊との出逢いがありました。<br />
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<br />
『樹木譜』奥田實（著）、平凡社、2026年3月、本体12,000円、A4変型判上製360頁、ISBN978-4-582-54271-4<br />
『悪いキツネをおさえつけることはできない――気高き保守・国粋・愛国主義者の皆さんと「悪魔のアボカド」の戦い』丸屋九兵衛（著）、平凡社、2026年3月、本体2,600円、4-6判並製320頁、ISBN978-4-582-83959-3<br />
『異境のフロイト――精神分析のはじまりの肖像』上尾真道（著）、岩波書店、2026年3月、本体3,200円、四六判上製296頁、ISBN978-4-00-061750-5<br />
『日常的抵抗への招待――後期新自由主義における子どもと教育』桜井智恵子（著）、洛北出版、2026年3月、本体2,600円、四六判上製336頁、ISBN978-4-903127-38-5<br />
『文藝 2026年夏季号』河出書房新社、2026年4月、本体1,400円、A5判並製472頁、雑誌07821-05<br />
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<br />
★『樹木譜』は、北海道在住の写真家、奥田實（おくだ・みのる, 1948-）さんのボタニカル・フォト・コラージュ図鑑『野草譜』（平凡社、2021年）に続く新作。「北海道の大地の魅力的な樹木を克明に撮影し、植物が季節ごとに見せる様々な姿をひとつの画面にまとめた画期的な図鑑＆植物誌。全157種」（帯文より）。全頁フルカラーの、迫力ある大判図鑑です。<br />
<br />
<br />
★『悪いキツネをおさえつけることはできない』は、評論家の丸屋九兵衛さんがwebちくまで連載していた時事コラム（2018年2月～2022年12月、全55回）から「ポップカルチャー寄り」だという諸篇を外して、1冊にまとめたもの。帯文に曰く「「共産党より左側」で知られ、学術的分野からオタク的カテゴリーまでムヤミに幅広くカバーする「万物評論家」丸屋九兵衛。多様性社会と多文化共生に抗戦を続ける憂国の志士たちの骨を拾いつつ、トランプ政権2.0とシンクロした世界同時多発右傾化に至る道を、さまざまな視点から解読する」（帯表4紹介文より）。<br />
<br />
<br />
★『異境のフロイト』は、広島市立大学准教授でご専門が精神分析と思想史の、上尾真道（うえお・まさみち, 1979-）さんによる、『ラカン 真理のパトス――一九六〇年代フランス思想と精神分析』（人文書院、2017年）以来の単独著。帯文に曰く「精神分析の創始者、ジークムント・フロイトが歩んだ軌跡は、決して一本道ではなかった。挫折や葛藤を含み込んだ彼の思想は、他なるものと接する地点、すなわち「異境」のなかでこそ形づくられる。異境を見据えつつ、あるいは自らも異境に留まり続けた、まったく新しいフロイトの肖像」。<br />
<br />
<br />
★『日常的抵抗への招待』は、版元紹介文に曰く「ケアや支援がいかに便利使いされ、そこに教育や福祉の業界はどのように加担し、加担させられているかについて、まずは歴史的に把握する。そのうえで、「稼げる個人」とは別のあり方と自由について、アナキズムや政治思想史の知見、各地で行なわれている実際の取り組みなどを紹介しながら、素描を試みる」。著者の桜井智恵子（さくらい・ちえこ）さんは関西学院大学人間福祉研究科教授。ご専門は、教育社会学、社会思想史で、直近の単独著既刊書に『ポンコツでいこう――反開発主義による社会の再生産』（いのちのことば社、2025年9月）があります。<br />
<br />
<br />
★『文藝 2026年夏季号』の特集は二本立て。特集1は「失恋、あるいは恋の不可能性」、特集2は「緊急寄稿 殺したくも殺されたくもない私たちのNO WAR」。前者にはサリンジャーの短篇「イレーン」柴田元幸訳、論考として2篇、堀内翔平「試行錯誤のできない社会で、恋の不可能性を考える」、難波優輝「恋愛の根源的はちゃめちゃさとおもちゃの恋」、そして瀬戸夏子、宮崎智之、青木耕平の3氏による選書の「もうすぐ絶滅するという恋愛についてのブックガイド」などが含まれています。このほかの目次詳細は誌名のリンク先をご覧ください。<br />
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    <title>注目新刊：ナンシー『世界の意味』法政大学出版局、ほか</title>
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    <issued>2026-04-05T21:24:00+09:00</issued>
    <modified>2026-04-06T11:08:08+09:00</modified>
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    <author><name>urag</name></author>
    <dc:subject>ENCOUNTER（本のコンシェルジュ）</dc:subject>
    <content type="html"><![CDATA[<img src="https://pds.exblog.jp/pds/1/202604/05/05/a0018105_22035902.jpg" alt="_a0018105_22035902.jpg" align="left" class="IMAGE_LEFT" height="409" width="400" /><br />
<br />
★最近出会いのあった新刊を列記します。<br />
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『世界の意味』ジャン=リュック・ナンシー（著）、伊藤潤一郎／横田祐美子（訳）、叢書・ウニベルシタス：法政大学出版局、2026年4月、本体4,300円、四六判上製352頁、ISBN978-4-588-01197-9<br />
『京都に、劇場をつくる　京都で、演劇をする』あごうさとし／仲正昌樹（著）、作品社、2026年4月、本体2,700円、四六判並製260頁、ISBN978-4-86793-139-4<br />
『ヘーゲル哲学と性』岡崎佑香（著）、人文書院、2026年3月、本体4,500円、四六判上製280頁、ISBN978-4-409-03147-6<br />
『政治的エコロジー ――資本新世末期における包摂と排除』土佐弘之（著）、人文書院、2026年3月、本体3,000円、四六判並製250頁、ISBN978-4-409-03146-9<br />
『中立という選択肢――エーモン・デ・ヴァレラとアイルランドの第二次世界大戦』小関隆（著）、レクチャー第二次世界大戦を考える：人文書院、2026年3月、本体2,500円、四六判並製196頁、ISBN978-4-409-51125-1<br />
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<br />
★『世界の意味』は、フランスの哲学者ジャン=リュック・ナンシー（Jean-Luc Nancy, 1940-2021）の著書『Le sens du monde』（Galilée, 1993）の全訳。帯文に曰く「世界に意味はない。だからこそ生きる意味がある。私たちは、この腐敗した世界の終わりすら越えて行く。砂漠を行き抜くための指南書――翻訳困難と言われたナンシーの主著、30余年の時を経ていま、全訳なる」。目次詳細は書名のリンク先でご確認いただけます。<br />
<br />
<br />
★「おそらく意味〔サンス〕には三つの形式的構造しかない。（一）世界秩序あるいは習わしの遵守――そこでのあらゆる不幸は悲劇的な違背であり、真理へと通じている（オイディプス）。（二）救済――そこでの不幸は病という現世での疎外であり、その終わりなき治癒／償いという悲劇を招く（パルジファル）。（三）世界へと向かって存在することの露呈としての実存、あるいは世界であることの露呈としての実存――そこでの悪と善ならびに「最悪」と「最善」は同じ外延をもつようにみえるし、それゆえに露呈はそのたびごとに決定されなければならない。あるいはまた、そこでの意味〔サンス〕は、与えられ、媒介され、不意撃ちされたものとしての意味〔サンス〕である。別の言い方をすれば、記号の総体としての、意味作用〔シニフィカシオン〕としての、意味生成〔シニフィアンス〕の起源としての意味〔サンス〕である」（「悲嘆。苦痛。不幸」263～264頁）。<br />
<br />
<br />
★訳者あとがきに、伊藤潤一郎さんの印象的な言葉があります。「なぜ2025年になって訳者たちの訳出ペースが上がったのか〔…〕ひとつのブレイクスルーが訪れたのである。それは、ナンシーをデリダのメガネをとおして読まなくなったときにやってきた。これまでナンシーはデリダと深い友愛で結ばれた哲学者であり、思想的にもデリダの影響を強く受けているといわれてきた。実際、本書にもデリダは登場し、「差延」と題された節まである。それゆえに多くの研究者はデリダとナンシーの思想的才がどこにあるのかといった論文を大量に生み出してきた（実際、私自身も過去に何度か書いている）。しかし、デリダをとおしてナンシーを見るというそのような見方こそが、『世界の意味』を読むうえでは邪魔になるのだ」（307～308頁）。<br />
<br />
<br />
★『京都に、劇場をつくる　京都で、演劇をする』は、THEATRE E9 KYOTO芸術監督のあごうさとし（1976-）さんと、同氏が構成し演出する演劇作品のドラマトゥルクを担当してきた仲正昌樹（なかまさ・まさき, 1963-）さんの共著。第一部「京都の劇場と演劇」では、仲正さんが聞き手となりあごうさんがこれまでの活動や上演作を語ります。第二部「あごうさとし氏のドラマトゥルク（兼訳者として）」は仲正さんが上演作を振り返るもの。第三部「各作品台本」では4本の台本「パサージュⅠ」「純粋言語を巡る物語――バベルの塔Ⅰ」「Pure Nation 2」「触覚の宮殿」を収録。付録は、仲正さんによる「クライスト『ペンテジレーア』の訳者解説」。これは、論創社より2020年に刊行された仲正さん訳『ペンテジレーア』の訳者解説に若干の修正を加えて再録したものです。<br />
<br />
<br />
★人文書院さんの新刊より3点。『ヘーゲル哲学と性』は、博士論文「ヘーゲル哲学における性」（京都大学、2023年）に「大幅な加筆修正を施したもの」。本書は「ヘーゲルの思想を「性Geschlecht」の観点から論じるものである。論理学、自然哲学、そして精神哲学から成るヘーゲルの哲学体系において性差やセクシュアリティがどのように論じられているかを批判的に検討すること、これが本書の取り組む課題である。本書はこの課題を、ヘーゲル自身の手によるテクストに加え、ヘーゲルの講義を聴講した者たちの手によるテクストを読解することで遂行する。前者としては著作刊行物、草稿、そして自筆メモを検討し、後者については批判的・歴史的な校訂を経て近年新たに公刊された校訂版『ヘーゲル全集』第二部「講義筆記録」を精査の対象とすることで、ヘーゲル哲学における「性」の内実を解明することを目指す」（序章、9頁）。岡崎佑香（おかざき・ゆか）さんは現在、早稲田祭学文学学術院文学部講師。<br />
<br />
<br />
★『政治的エコロジー』は、帯文に曰く「深まる資本主義の危機にともなう社会‐自然の破局を回避する政治はいかにして可能か。人新世、人間中心主義、環境正義、採掘主義、ファシズム、人種主義など数々のテーマを分析し、ノン・ヒューマンを含む道徳的共同体を構想する」。土佐弘之（とさ・ひろゆき, 1959-）さんは神戸大学名誉教授。ご専門は国際関係論・政治社会学です。人文書院から上梓された単独著には2020年の『ポスト・ヒューマニズムの政治』があります。<br />
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<br />
★『中立という選択肢』は、新シリーズ「レクチャー第二次世界大戦を考える」の第1弾。帯文に曰く「チャーチルを苛立たせたアイルランド首相デ・ヴァレラ。大国の戦争に巻き込まれまいとする小国にとって、中立は実践可能な選択肢なのか？　ナチズムとの「聖戦」に背を向けるのは正当なのか？　中立の光と影を描く」。著者の小関隆（こせき・たかし, 1960-）さんは京都大学人文科学研究所教授。新シリーズに先行する「レクチャー第一次世界大戦を考える」（全12冊、人文書院、2010～2014年）では、『徴兵制と良心的兵役拒否――イギリスの第一次世界大戦経験』（2010年）を上梓されています。<br />
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<br />
★新シリーズ第2弾は4月発売予定。小関さんら5氏によるアンソロジー『第二次世界大戦再考』です。第3弾以降の予定については版元さんのプレスリリース「レクチャー第二次世界大戦を考える　3月より刊行開始」に掲出されています。<br />
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★ちくま学芸文庫の4月新刊5点を列記します。<br />
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『中国の神話・伝説』伊藤清司（著）、ちくま学芸文庫、2026年4月、本体1,500円、文庫判416頁、ISBN978-4-480-51356-4<br />
『増補　南島の神話』後藤明（著）、ちくま学芸文庫、2026年4月、本体1,400円、文庫判352頁、ISBN978-4-480-51355-7<br />
『言語起源論の系譜』互盛央（著）、ちくま学芸文庫、2026年4月、本体1,800円、文庫判608頁、ISBN978-4-480-51354-0<br />
『武器と農具の江戸時代――—刀狩りから幕末まで』武井弘一（著）、ちくま学芸文庫、2026年4月、本体1,300円、文庫判336頁、ISBN978-4-480-51353-3<br />
『シュラクサイの誘惑――現代思想にみる無謀な精神』マーク・リラ（著）、佐藤貴史／高田宏史／中金聡（訳）、ちくま学芸文庫、2026年4月、本体1,300円、文庫判336頁、ISBN978-4-480-51337-3<br />
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<br />
★『中国の神話・伝説』は、慶應義塾大学名誉教授の伊藤清司（いとう・せいじ, 1924-2007）の著書（東方書店、1996年）の文庫化。カバー表4紹介文の文言を借りると、『史記』『漢書』『書経』『韓非子』などの古典に見られる「古い神話や伝承の断片〔…〕を、「天体」「神界からの贈り物」「怪物退治」「洪水／旱魃」「異界訪問」「英雄出生」「異類女房」などに分類して集成」したもの。巻末特記によれば「文庫化にあたっては明らかな誤り等は、適宜修正をほどこしている」とのこと。杏林大学准教授の森和さんによる解説「多彩な研究蓄積がひらく中国の神話伝説の豊かな世界」が加わっています。<br />
<br />
<br />
★『増補　南島の神話』は、喜界島サンゴ礁科学研究所学術顧問の後藤明（ごとう・あきら, 1954-）さんの著書『南島の神話』（中公文庫、2002年）の増補文庫化。カバー表4紹介文に曰く「本書は英雄マウイの伝説からハワイの創世詩クムリポまで、この海洋世界に生まれた多彩な神話の数々を紹介する。〔…〕再刊に当たり、南島語圏から人類全体へと射程を広げて神話と文化の関係を考察した補章「人類と日本列島の古層神話――世界神話学からの挑戦」を収録。豊かな南島神話世界への格好の入門書」。<br />
<br />
<br />
★『言語起源論の系譜』は、言語論、思想史がご専門の互盛央（たがい・もりお, 1972-）さんの著書（講談社、2014年）の文庫化。親本は第36回サントリー学芸賞芸術・文学部門を受賞しています。帯文に曰く「「言語」とは何か――すべてはそこに収斂する。ヨーロッパの特異性を浮かび上がらせる傑作思想史」。巻末特記によれば「文庫化にあたっては適宜訂正を行い、索引〔人名・作品名〕も付した」と。ちくま学芸文庫版あとがきに「今回、改めて読みなおしてみて、本書の筆致のそこここに今は失われた激しさや怒りのようなものを感じた。それはこの10年で失った若さの表れかもしれず、あるいはこの10年がもたらした諦めの証かもしれないが、文庫版にするにあたって緩和するほかなかったことを、ここに記しておく。／それでもなお失われていない怒りがある」とあります。<br />
<br />
<br />
★『武器と農具の江戸時代』は、金沢大学教授でご専門が日本近世史の、武井弘一（たけい・こういち, 1971-）さんの著書『鉄砲を手放さなかった百姓たち』（朝日選書：朝日新聞出版、2010年）を、加筆修正し、補論2篇「新たな刀狩り論へ」「日本人は銃とどのように向き合ってきたのか――銃社会日本の歴史」と文庫版あとがきを加えて改題文庫化したもの。カバー表4紹介文に曰く「なぜ、百姓は鉄砲を必要としたのか。鳥、猪、鹿などの獣との関わり、農耕の営みなど、百姓が自然といかに向き合ってきたのかを描」く、と。<br />
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★『シュラクサイの誘惑』は、コロンビア大学歴史学部人文学教授で西洋政治思想、宗教思想が専門のマーク・リラ（Mark Lilla, 1956-）の著書『The reckless mind : intellectuals in politics』（New York Review Books, 2001）の全訳書（日本経済評論社、2005年）に、原著2016年版の「あとがき　信仰のみ」を新たに訳出して文庫化したもの。中金聡さんによる「文庫版訳者あとがき」によれば「文庫化を機に、表記の統一を徹底し、引用・引照文献の書誌情報を最新化するなど、あらたな読者のニーズにも応えられるよう若干の手を加えた」とのことです。カバー表4紹介文に曰く「20世紀の名だたる哲学者たち──ハイデガー、アーレント、ヤスパース、シュミット、ベンヤミン、コジェーヴ、フーコー、デリダ──を取り上げ、政治と哲学との複雑なもつれを丹念に解きほぐしていく」。リラの既訳書には以下のものがあります。<br />
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『神と国家の政治哲学――政教分離をめぐる戦いの歴史』原著2008年；訳書2011年、鈴木佳秀訳、NTT出版。<br />
『難破する精神――世界はなぜ反動化するのか』原著2016年；訳書2017年、山本久美子訳、NTT出版。<br />
『リベラル再生宣言』原著2017年；訳書2018年、夏目大訳、早川書房。<br />
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