昨晩、日本語版『赤の書』の内容見本をご紹介しましたが、本日思いがけなくも、当該書籍の英語版(ノートン社)が届きました。アマゾン・コムに予約を入れていて、発送が早まりそうだとの通知は受け取っていましたけれど、まさか11月中に届くとは。アマゾンの箱を開けると、搬送用の特製函が出てきて、その中にシュリンクされたカバー装の『The Red Book』が入っています。シュリンクのせいでカバーにいささかしわが寄っているものの、まあご愛敬の範囲。思った以上に大きくて重いです。A3よりわずかに小さいくらい。そうですね、今年入手した本の中では森山大道の『北海道』と同じくらいの重量級大型本ですね。
中身を何枚か取ろうと思ったのですが、見開き二頁のみにしました。というのも・・・・やはりこれは現物を見て各自が受け取る印象というのが、かなり違うであろう気がしたからです。私が撮ったのは「なんだこれ?」感が一番強かった頁。左頁の顔みたいなもの、これは1919年12月4日に描かれたアトマヴィクトゥ(Atmavictu)だそうです。アトマヴィクトゥというのはDonald Kalsched著『The inner world of trauma: archetypal defenses of the personal spirit』によれば、「生の息」すなわち「精霊」を指すとのことです。写本の別の頁(117頁)では、アトマヴィクトゥは、足が無数にあるトカゲのような緑の蛇というか龍で、金色の太陽を食らおうしている姿が描かれています。編者による注を読むと、アトマヴィクトゥは太陽を食らおうとする蛇であり、ドイツ民話のコボルトという精霊でもあり、ユングにとっては老賢者フィレモンでもあるようです。以上はいくつかの注を拾い読みした断片的な理解なので、不正確かもしれません。