2009年 08月 20日
これから開店する本屋さんで、弊社の本を扱ってくださる予定のお店を順次ご紹介しております。お近くにお越しの際はどうぞお立ち寄りください。 09年9月18日(金) くまざわ書店ランドマーク店:343坪 神奈川県横浜市西区みなとみらい2-2-1 横浜ランドマークタワー ランドマークプラザ 5F 先月下旬(09年7月23日)に閉店した有隣堂ランドマークプラザ店の跡地に入店。有隣堂ランドマークプラザ店は93年7月開店。当時は外国人客向けの洋書コーナーが充実していた印象がありました。06年10月13日にリニューアルし、「同店で需要の多い写真集などのビジュアル書籍、趣味関連のハウツー本、デザインパーソナル文具などの売り場を拡充し、コミックコーナーなども新設する。絵本コーナーにはベンチを置き、親子で絵本を閲覧できるスペースを設ける」(「ヨコハマ経済新聞」06年10月10日付記事)といったテコ入れもありました。くまざわ書店は、神奈川県内18店舗目の開店となります。 *** ところでつい先日、「産経新聞」に「新刊と古書の併売 書店再生の秘策となるか」(09年8月9日)という記事が出て、フタバ図書や文教堂、三洋堂書店、平安堂などのチェーン店における店頭での古書買取と、新刊と古書の店頭併売を取り上げており、「高価買い取りを打ち出したのは、新古書店・ブックオフへの対抗心のほか、新刊販売との相乗効果を見込むから」と分析しています。 そんな折、業界専門紙「新文化」では「ブックオフ、名古屋に新刊書店併設の複合店を出店へ」(09年8月13日)という記事が。「11月にカインズホーム名古屋みなと店(名古屋市港区一州町)の2階に、新タイプの大型店舗「BOOKOFF SUPER BAZAAR」を出店する。売場は1500坪ほどで、本や洋服、スポーツ用品などのリサイクル売場と新刊書店を併設する」とのことです。まあこういった展開は想定の範囲内ですね。同複合店は、まず鎌倉大船店が来月中旬(09年9月12日)にオープンします。 ブックオフの09年8月12日付のプレスリリース「BOOKOFF SUPER BAZAAR鎌倉大船 出店のお知らせ~神奈川県内最大級のリユース複合店、新名称・新カラーでお披露目~」(PDF)にはこうあります。 「ブックオフコーポレーション株式会社(本社:神奈川県相模原市、代表取締役社長:佐藤弘志)および子会社であるリユースプロデュース株式会社(本社:神奈川県相模原市、代表取締役社長:安田典之)は、2009 年9月12 日、本・CDのBOOKOFF を中心に、衣料品やスポーツ用品などのリユース店舗を複合し、カフェも併設させた新しいタイプの大型店舗、「BOOKOFF SUPER BAZAAR(ブックオフスーパーバザー)鎌倉大船」を出店いたします。「BOOKOFF SUPER BAZAAR」は、ブックオフグループが展開するリユース専門の複合店「BOOKOFF 中古劇場」にカフェなどの新しい魅力を加えてさらにパワーアップした、大型店舗の新名称です。鎌倉大船は、BOOKOFF SUPER BAZAAR としての1 号店となります」。 同プレスリリースによれば、BOOKOFF SUPER BAZAARの店舗コンセプトは以下の通りです。 「BOOKOFF SUPER BAZAAR は、本やCD のリユース店舗BOOKOFF を核として、洋服や子供用品、スポーツ用品、腕時計などの5 つのリユース専門店を複合した大型店舗です。「家にある売りたいものを何でも持っていき一度に買い取ってもらえ、また、広い売場を回遊してきれいなリユース品を手ごろな価格で買う事ができる」という、2 つの目的でご利用いただける便利なお店です。広い店内でお客様にゆっくりくつろいでいただくために、店内にはカフェも併設し、飲み物や軽食を提供いたします。また、鎌倉という地域に合わせて、従来の黄色と青のイメージカラーから、一段トーンを落としたオレンジと紺色のカラーに変え、若者だけではなく大人にも落ち着ける店をコンセプトとして掲げております」。 また、同プレスリリースでは、BOOKOFFの事業ミッション「捨てない人のブックオフ」 について、次のように説明しています。 「ブックオフグループでは、「ご家庭でご不要になったものを、新しい持ち主のために役立てる」という「リユース事業」に特化し、本やCD、洋服やスポーツ用品、子供用品など様々なジャンルのリユースに取り組んでまいりました。/今後も引き続き『ものを捨てたくない人が、捨てない生活を実現するためのインフラとしての役割を果たすブックオフ』=『捨てない人のブックオフ』を事業ミッションとして、様々な形のリユース事業を通して循環型社会の実現に取り組んでまいります」。 近年、新刊と古書の併売は、アマゾン・ジャパンのようなネット書店ではいち早く実現されていましたが、リアル書店でも実現化が進むものと思われます。チェーン店が新刊と古書の併売に本格的に着手し始めた一方で、いわゆる町の本屋さんたちはどうするでしょうか。新刊と古書を併売する独立系の地域書店は古くから存在しましたけれど、あくまでも少数派でした。再販制や委託制度が見直されつつある昨今、新刊と古書の併売は時代の趨勢と言えるのかもしれません。「売れ残りの新刊をデッドストック本に切り替えて自由価格で販売する」裁量を書店さんが自由に行使できる時代もいずれ来るでしょうか。2010年代にはそうした新しい展開が待ち構えている気がします。 さらに言えば、BOOKOFF SUPER BAZAARの登場は、アウトレットモールの近い将来をも予感させます。アウトレットモールは、高級店の品物を安く買えるという特徴がありましたが、たとえば、ユニクロのようなもともと廉価なメーカーやABCマートなどの量販店、そしてBOOKOFFなどのリユース店が入店するような、「お値打ち価格」モノやリユース/エコに特化したモールが現れてもまったく不思議ではないと思います(そうなるともはや「アウトレット」とは言わないでしょうけれど)。むしろそうしたモールがイオンなどの巨大ショッピングセンターに併設されていくのは必然な気がします。すでに100円ショップがショッピングセンターに入店している例がありますし、消費傾向が上向きになることは今後も容易には実現されえないと思いますので、各種の廉価なサービスを提供する複合施設はどんどん増えるだろうと予想できます。そうした複合施設への入店にお呼びがかかる人気書店はどこになるのでしょう。大型チェーン店はきっと真剣に戦略を練っているのではないでしょうか。
by urag
| 2009-08-20 10:16
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