表象03 特集:〈文学〉のメタモルフォーゼ
表象文化論学会:編&発行 月曜社:発売
A5判並製274頁 本体1,800円 ISBN978-4-901477-63-5
内容:小説というジャンルの興隆に軌を一にするかたちで近代的制度として確立した〈文学〉だが、現在にあって、〈文学〉を取り巻く環境は、かつてないほどの揺らぎを示しているように見える。インターネットをはじめとする電子メディアの急速な普及により、表現や受容の形式、さらにはオリジナリティや著作権といった理念もが大きく変容していく一方で、グローバリゼーションの流れのなかで、国語や国民のように、近代文学を支えてきたナショナルな基盤そのものが解体しつつあるからである。本特集は、小説家、批評家、翻訳家、研究者として、いま〈文学〉と第一線で格闘している人々とともに、〈文学〉が現在どのような変容を遂げつつあるのかを考察する。
目次:
■巻頭言「この動きのゆるやかさ」松浦寿輝
■特集「〈文学〉のメタモルフォーゼ」
シンポジウム「文学と表象のクリティカル・ポイント」東浩紀×堀江敏幸×古井由吉×芳川泰久
大西巨人インタビュー「真実の追求、歴史の偽造」聞き手:石橋正孝
武田将明「シミュラークルと変容の詩学――シェリー「生の勝利」を読む」
石橋正孝「文学と文学ならざるもの――挿絵に見る近代文学の変容」
高吉一郎「形式と歴史――文学史の基本概念について」
ポール・ド・マン「批評と危機」訳・解題:宮崎裕助
■投稿論文
佐藤嘉幸「構造から構造の生成へ――レヴィ=ストロースとポスト構造主義」
星野太「表象と再現前化――『哲学辞典』におけるベルクソンの「表象」概念再考」
宮澤隆義「空襲と民主主義――坂口安吾「白痴」における主体化の問題」
陶山大一郎「タブローとしての詩―─ボードレール「窓」における経験の構造」
坂口さやか「変容する皇帝――ルドルフ二世の肖像画をめぐる考察」
河村彩「作品未満のレーニン――レーニン崇拝期の指導者のイメージと写真をめぐって」
福田貴成「音像の生成・聴覚の抽象化――1880年代の両耳聴概念をめぐって」
西村龍一「情報の「人形」の形而上学――押井守のゴースト連作について」
■書評+ブックガイド
宇野邦一「『都市の詩学』の時間論――田中純『都市の詩学――場所の記憶と徴候』書評」
佐藤良明「〈風切る速さ〉の魅惑と強迫――原克『流線形シンドローム――速度と身体の大衆文化誌』書評」
門林岳史「イタリア文化史のなかのフロイト――岡田温司『フロイトのイタリア――旅・芸術・精神分析』書評」