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2009年 02月 17日

ブランショ『書物の不在』第二版

書物の不在 第二版
モーリス・ブランショ著 中山元訳 ジャンル:人文/現代思想/フランス文学批評
刊行年月:2009.2.17. 46判上製カバー装88頁 本体価格2,500円 ISBN:978-4-901477-44-4

著者七回忌(09年2月20日)記念出版。生誕百周年記念の初版本限定800部(2007年9月刊行)は発売と同時に版元品切になり、再刊を望む声が多かったため、七回忌を迎える今回、造本・装丁をさらに変更して、第二版限定1000部として刊行する。

晩期ブランショにおける評論活動の頂点となる最重要論考を1969年の初出誌版より初邦訳。書くこと、書物、作品、法をめぐる思惟の極北。著者最大の評論集『終わりなき対話』の末尾におかれた同論考の単行本版との異同を付す。

原著:Maurice Blanchot, "L'absence de livre" in L'Ephemere, no.10, 1969, Paris: Edition de la Fondation Maeght.

本書の装丁について:初版本は朱色の紙に墨色で本文を刷り、肌触りがなめらかな漆黒の布クロスに銀で箔押しし、本文と同じ朱色のカバーでくるみました。生をイメージした初版に対し、死をイメージした今回の第二版では、暗い鉄色の紙に銀色で本文を刷り、銀灰色の布クロスに銀の箔押しで、灰白色のカバーとなります。見た目の簡潔さを重視しているため、オビは付しません。

著者:モーリス・ブランショ(Maurice Blanchot)……1907年9月22日ソーヌ・エ・ロワール県のカンに生まれ、2003年2月20日イヴリーヌ県に没す。フランスの作家、批評家。主な著書に以下のものがある。『文学空間』(粟津則雄・出口裕弘訳、現代思潮社〔現代思潮新社〕、1962年)、『最後の人/期待 忘却』(豊崎光一訳、白水社、1971年)、『来るべき書物』(粟津則雄訳、筑摩書房、1989年)、『明かしえぬ共同体』(西谷修訳、ちくま学芸文庫、1997年)、『望みのときに』(谷口博史訳、未来社、1998年)、『問われる知識人』(安原伸一朗訳、月曜社、2002年)、『ブランショ政治論集』(安原伸一朗・西山雄二・郷原佳以訳、月曜社、2005年)、『私についてこなかった男』(谷口博史訳、書肆心水、2005年)、『ブランショ小説選』(菅野昭正・三輪秀彦訳、書肆心水、2005年)、『アミナダブ』(清水徹訳、書肆心水、2008年)、『謎の男トマ(1941年初版本)』(月曜社より刊行予定)など。

訳者:中山元(なかやま・げん)……1949年東京生まれ。東京大学教養学部中退。哲学者・翻訳家。著書に『フーコー入門』(ちくま新書、1996年)、『思考の用語辞典』(筑摩書房、2000年。ちくま学芸文庫、2007年)、『新しい戦争? ――9.11 テロ事件と思想』(冬弓舎、2001年)、『はじめて読むフーコー』(洋泉社、2004年)、『〈ぼく〉と世界をつなぐ哲学』(ちくま新書、2004年)、『高校生のための評論文キーワード100』(ちくま新書、2005年)、『思考のトポス』(新曜社、2006年)、『賢者と羊飼い――フーコーとパレーシア』(筑摩書房、2008年)などがある。ルソー、カント、フロイト、マルクス、バタイユ、メルロ=ポンティ、アレント、レヴィナス、フーコー、デリダなどの訳書多数。

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↓ 初版=朱色本(写真左)と第二版=鉄色本(写真右)を並べて撮りました。
ブランショ『書物の不在』第二版_a0018105_204543.jpg
↓ カバー(ダストジャケット)を取った写真です。初版が黒色のクロスに銀色の箔、第二版が銀灰色のクロスに銀色の箔、です。どちらも「朱子(しゅす)」という非常に手触りのいい滑らかな光沢のあるクロスです。
ブランショ『書物の不在』第二版_a0018105_21140.jpg
↓ 中身の見開き頁です。朱色の紙に墨文字で刷ってあるのが初版、鉄色の紙に銀文字で刷ってあるのが第二版です。鉄色というのは、モスグリーンと群青の中間のような、奥深い色です。
ブランショ『書物の不在』第二版_a0018105_212241.jpg
↑ 初版本がうまく撮れていないです・・・。朱の紙に墨文字が綺麗なのですが。
ブランショ『書物の不在』第二版_a0018105_21542.jpg
スリップの配色にも気を遣っています。写真はありませんが、初版のは朱色の本文紙との対比が映える明るいグリーンの紙に墨文字、第二版は薄水色の紙に薄墨文字です。

by urag | 2009-02-17 01:41 | Comments(0)


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