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URGT-B(ウラゲツブログ)

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2008年 11月 30日

注目新刊:08年11月29日発売分

◎08年11月29日発売分より ※オンライン書店bk1の登録日を基準にしています。

窓を開けなくなった日本人――住まい方の変化六〇年
渡辺光雄(1942-):著
農山漁村文化協会 本体2,667円 B5変型判168頁 978-4-540-05003-9
■版元紹介文より:縁側や通り土間がなくなり夕涼みをしなくなった日本人。些細な日常生活の起居動作から、モノに振り回される戦後日本のライフスタイルへの反省と「手足を動かす生活」を取り戻す家・住まい方を提案。
★農文協さんの本は、エコブーム以前からエコを志向してきた著者たちの本でいっぱいです。私はたとえばこうした新刊と、ハイデガーの新刊『ハイデッガーの建築論』を並べ、さらに登山家・服部文祥さんの新刊『サバイバル!』やロンボルグ『五〇〇億ドルでできること』、松本哉『貧乏人大反乱』を併売しているような売場を想像します。そこには、ヴァンダナ・シヴァやナオミ・クラインの既刊があり、ワートの『温暖化の“発見”とは何か』や、リンギスの『何も共有していない者たちの共同体』があり、精進料理本と道元の『典座教訓』、貝原益軒の『養生訓』のような古典も置く一方で、毛利嘉孝さんの『はじめてのDIY 何でもお金で買えると思うなよ!』や、野口晴哉『風邪の効用』や、アルセーニエフ『デルス・ウザラ』、カルロス・カスタネダとかも置いてある。雑誌の『風の旅人』や『COYOTE』なども置いてあるといいですね。私のイメージするエコ棚の、ほんの一端ではありますが。

失われた場を探して――ロストジェネレーションの社会学
メアリー・C・ブリントン:著 池村千秋:訳
NTT出版 本体1,900円 四六判250頁 978-4-7571-4206-0
■版元紹介文より:本書は、ハーヴァード大学の社会学者が、独自の聞き取り調査と緻密なデータ分析に基づき、ロストジェネレーション(現在の20代後半~30代前半)を生み出した原因を1990年代の経済・社会の状況にさかのぼって読み解く画期的な書。たんなる現状分析に終わるのではなく、日米の働き方の比較を通してその解決の道筋が示され、若者、先生、企業関係者への暖かなエールで結ばれている点が読みどころ。

フェノロサ夫人の日本日記――世界一周・京都へのハネムーン、一八九六年
フェノロサ夫人(1865-1954):著 村形明子:編訳
ミネルヴァ書房 本体5,000円 A5判284頁 978-4-623-05241-7
■版元紹介文より:明治29年、フェノロサ夫妻は、日本を目指してハネムーン世界一周を敢行。京都には約三カ月滞在し、次々と古社寺を訪れ、多くの人々と交流を持った。古都の自然と風物にふれ、旧跡に親しんだ様子、そして近代都市のたたずまいを楽しむ二人のまなざしを、メアリー夫人の日記はいきいきと伝える。フェノロサ没後百年記念出版。
★アーネスト・フェノロサの妻、メアリー・フェノロサの日記です。本書はシリーズ「人と文化の探究」の第四弾。第三弾のアラン・コルナイユ『幕末のフランス外交官――初代駐日公使ベルクール』も今月刊行されています。

文語訳 ツァラトゥストラかく語りき
ニイチェ:著 生田長江(1882-1936):訳
書肆心水 本体5,200円 A5判480頁 978-4-902854-52-7
■版元紹介文より:日本初のニーチェ全集を個人完訳で果たした生田長江。ニーチェ諸著作のうち『ツァラトゥストラ』だけは文語調の訳文が相応しいという、生田長江あえての選択。
★カバーは先日同書肆から刊行されたブランショ『アミナダブ』と同じ市松模様で、美しいです。帯には「好事家に捧ぐ希書」とあります。「日本評論社版全集の『ツァラトゥストラ』生田訳最終版を底本として、新漢字・新仮名遣い表記にあらためたもの」とのことです。35年に刊行された『ニイチェ全集』第七巻のことかと思います。サイズが大きい頃の新潮文庫の一冊『ツァラトゥストラ』としても、1937年に刊行されたことがあります。

心理学者、心理学を語る――時代を築いた13人の偉才との対話
デイヴィッド・コーエン:著 子安増生:監訳 三宅真季子:訳
新曜社 本体4,800円 四六判512頁 978-4-7885-1137-8
■版元紹介文より:その研究成果が心理学を超えてひろく一般の人びとの考え方にまで影響を及ぼした、ノーベル賞受賞者を含む著名な心理学者13人に、ジャーナリストで映画監督でもあるコーエンがインタビューして、彼らの生の声を引き出した記録。
★登場するのは以下の13名。サンドラ・ベム、ノーム・チョムスキー、アントニオ・ダマシオ、ハンス・アイゼンク、ジョン・フレイヴル、ヴィクトール・フランクル、ダニエル・カーネマン、R・D・レイン、ハーバート・サイモン、バラス・スキナー、デボラ・タネン、ニコ・ティンバーゲン、フィリップ・ジンバルド。

by urag | 2008-11-30 00:34 | 本のコンシェルジュ | Comments(0)


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