2008年 11月 21日
◎08年11月21日発売分より ※bk1での登録日を基準にしています。 サンパウロへのサウダージ クロード・レヴィ=ストロース(1908-)+今福龍太(1955-):著 今福龍太:訳 みすず書房 本体4,000円 A5変型判216頁 978-4-622-07351-2 ■版元紹介文より:1935年、27歳のC・レヴィ=ストロースは新設のサンパウロ大学に招かれて、ブラジルの地に降り立った。レヴィ=ストロースのブラジルでの軌跡は、当時急速に勃興していた都市サンパウロと、消滅の危機に瀕する奥地の先住民社会とのあいだを往復するものだった。この往還の日々、彼はライカを手にサンパウロの街区を遊歩し、都市の日常をスナップ写真に収めた。新興の熱気に溢れていたはずの都市は、どこか寂しげな気配を纏っている。それらの映像が写真集『サンパウロへのサウダージ』としてブラジルで刊行されたのは1996年。撮影からじつに半世紀以上の時を経ていた。2000年、ひとりの人類学者がサンパウロに降り立ち、レヴィ=ストロースの足跡を辿りはじめた。『サンパウロへのサウダージ』に導かれ、今福龍太はカメラを手に時の微細な痕跡に眼を凝らした。街路から立ち現れたのは、喪失と憧憬の感情「サウダージ」だった。このサウダージの感触を手がかりに、今福はレヴィ=ストロースの写真の謎へと分け入っていく。写真を媒介に時の地峡をわたり、人間の悲嘆と輝きとを幾重にも露光する、ふたりの人類学者の深い共鳴の書物。 神話論理(4-1)裸の人 1 クロード・レヴィ=ストロース:著 吉田禎吾+木村秀雄+中島ひかる+廣瀬浩司+瀧浪幸次郎:訳 みすず書房 本体8,000円 A5判448頁 978-4-622-08154-8 ■版元紹介文より:南アメリカのボロロ族「鳥の巣あさり」に発した『神話論理』の探求は、前の巻で北半球へ地理的範囲を拡大し、同時に「周波数変調(FM)から振幅変調(AM)に」(『食卓作法の起源』序、10ページ)と著者自身が喩える一時的な方法上の修正が施された。この巻では北アメリカの、しかしふたたび明確に限定された地域に舞台を定め、解像度の高い定常的な走査方法へと戻る。北西海岸に近い地域に、ボロロの基準神話M1とそっくりな「鳥の巣あさり」が発見される。これまで分析してきた厖大な神話群はすべて、自然から文化への移行という大テーマをめぐっての変奏曲であった。天上世界と地上世界の交感の決定的断絶を代償に獲られたその移行、そして、人類のただひとつの神話へ。すでに『生のものと火にかけたもの』『蜜から灰へ』『食卓作法の起源』の各巻タイトルに示されてきた自然から文化への歩みは、『裸の人』で出発点に回帰する。「裸のもの」(le nu)は、文化との関係でいえば、自然に対する「生のもの」(le cru)と同等なのだから。本来数巻分にあたる内容を凝縮したといわれ、もっとも難解として知られる『神話論理』最終巻の第一分冊。 精神分析とスピリチュアリティ ネヴィル・シミントン:著 成田善弘:監訳 北村婦美+北村隆人:訳 創元社 本体3,800円 A5判264頁 978-4-422-11412-5 ■版元紹介文より:伝統的宗教は、もはや人間の生き方に今日的意義を持っていない。一方精神分析は、日常の情緒的な活動に精通はしていても、人生の目的や意味について、宗教のような明確な答えを持たない。著者は「精神分析は成熟した自然宗教である」という独自の視点を示しながら、人生を不自由にしている原因である「ナルシシズム」を変容させることこそが、この互いに異なる二つの領域の共通した究極的目的であると説く。哲学と神学を修め、精神分析家でもある著者にしか書けない一書であろう。 心霊的自己防衛〔新装版〕 ダイアン・フォーチュン:著 大島有子:訳 国書刊行会 本体3,200円 A5判248頁 978-4-336-05090-8 ■版元紹介文より:テレパシー、催眠術、暗示、黒魔術、護符、人工的精霊――サイキック攻撃からの防衛法を説く、実践的手引きの書。A・クロウリーと双璧を成す女性オカルティスト、D・フォーチュンが、心理学的見地から心霊的攻撃への防御法を詳述する。待望の復刊! コペルニクス――地球を動かし天空の美しい秩序へ オーウェン・ギンガリッチ(1930-)+ジェームズ・マクラクラン:著 林大:訳 大月書店 本体2,000円 46判192頁 978-4-272-44051-1 ■版元紹介文より:「このうえなく美しい殿堂」――「太陽系」の概念の誕生 ルネサンスの中心から遠いポーランドの片隅でカトリック教会役員として忙しい毎日をおくるかたわら、わずかな余暇の時間を天文学の研究に費やし、完成した自らの本を死の床で目にする。「すべての中心に太陽がある」――地球を太陽を巡る惑星にし、1500年にわたって西洋人の思考を支配してきた世界観をひっくりかえしたコペルニクスのギンガリッチ(早川書房『誰も読まなかったコペルニクス』著者)による評伝。 ★ギンガリッチは上記書目を含む大月書店のシリーズ「オックスフォード科学の肖像」シリーズの編集代表もつとめています。既訳書は『誰も読まなかったコペルニクス――科学革命をもたらした本をめぐる書誌学的冒険』(柴田裕之訳、早川書房、05年)。マクラクランの著書は上記シリーズで『ガリレオ・ガリレイ――宗教と科学のはざまで』(野本陽代訳、07年)が刊行されています。 分ける・詰め込む・塗り分ける――読んで身につく数学的思考法 イアン・スチュアート(1945-):著 伊藤文英:訳 早川書房 本体2,000円 46判330頁 978-4-15-208980-9 ■版元紹介文より:できるだけ多い数の缶詰を詰め込む方法を考えたり、月と地球にまたがる帝国の版図を塗り分けたり……数学の難題の解説を追っていくだけで、超絶の思考法に脳が自然に馴染んでいく数学エッセイ。 ★数学家スチュアートの著書は先月(08年10月)も新刊『もっとも美しい対称性』(水谷淳訳、日経BP社)が出たばかり。 著作権法入門 2008 文化庁:編著 著作権情報センター 本体2,381円 A5判367頁 978-4-88526-061-2 ■版元紹介文より:著作権法の体系にそって、著作権制度の概要を平易な文章で解説。初めて著作権を学ぼうとする方々を対象に、著作権制度の仕組みの概説とともに、最新の著作権法と主要な関係法令を収録。著作権制度の全体像を簡単に理解できる内容となっており、研修会や講義用のテキストとして最適。
by urag
| 2008-11-21 22:57
| 本のコンシェルジュ
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