2008年 10月 10日
これから開店する本屋さんで、弊社の本を扱ってくださる予定のお店を順次ご紹介しております。お近くにお越しの際はどうぞお立ち寄りください。 08年11月15日(土):増床開店 ジュンク堂書店梅田ヒルトンプラザ店:図書600坪 大阪府大阪市北区梅田1-8-16 ヒルトンプラザイースト 5F-6F ※現行の5Fのワンフロア展開に、6Fが加わり、売場面積が倍になります。立地はJR大阪駅前のヒルトンホテル大阪と一体になっているショッピングゾーン「ヒルトンプラザイースト」内。大阪駅周辺は、ブックファースト梅田店、旭屋書店本店、紀伊國屋書店グランドビル店、紀伊國屋書店梅田本店、ジュンク堂書店大阪本店などが近距離に集中する超激戦区。紀伊國屋、旭屋、ジュンク堂、ブックファーストの四大勢力がまさに「不退転」の決意で挑んでいる戦場です。近隣に自社の既存店があるのに、新規出店する例が大都市ではありますが、それは他社に参入されないようにするためです。大阪駅周辺で四大勢力の支店が複数あるのはその好例かもしれません。 このほか、開店日や所在地、売場面積の詳細情報に不明の部分があるものの、以下の書店さんで弊社の本が扱われる予定です。 喜久屋書店橿原店 キクヤ図書販売のウェブサイトでは「イオンモール内に2008秋開店、専門書も揃う圧倒的在庫」と予告されていますが、おそらくこのイオンモールというのは、奈良県橿原市の「イオンモール橿原アルル」のことではないかと思います。同モールでは2008年冬予定の増床に伴い、3Fに入居していた書店「ザ・リブレット」がさる8月24日に閉店しています。同3階ではヴィレッジ・ヴァンガードが営業していますが、雑貨等も扱うヴィレヴァンは、書籍専売店と同一施設内で並存してきましたから、おそらくザ・リブレットがあった場所が増床されて、そこに喜久屋書店が入居するものと思います。奈良県下では弊社の出版物を扱ってくださる書店さんはほとんどありませんでしたが、この橿原店さんが弊社にとって地域一番店になりそうです。 喜久屋書店草津店 上記の奈良橿原店と同様に、「イオンモール内に2008秋開店、専門書も揃う圧倒的在庫」と予告されています。これは08年11月26日にオープン予定の、滋賀県草津市の「イオンモール草津」だと思います。同店のニュースリリース(PDF)では喜久屋書店の入店が明記されています。同ニュースリリースによれば、イオンモール草津は、西日本最大級にして最先端の「エコショッピングモール」で、草津サティと186の専門店で構成されるようです。核となる大型専門店は、本と文具を扱う喜久屋書店を始め、家電の「Joshin(ジョーシン)」、スポーツ用品の「スーパースポーツゼビオ」、シネコンの「ワーナー・マイカル・シネマズ」。弊社にとっては下記の大垣書店大津一里山店とならんで滋賀県下の一番店になりそうです。 大垣書店大津一里山店 大垣書店や大和ハウス工業のウェブサイト上の情報等から推察して、08年11月18日開店予定の滋賀県大津市のショッピングセンター「フォレオ大津一里山(仮称)」に入居するものと見てよさそうです。大垣書店ウェブサイトの「アルバイト募集」欄によれば、「フォレオ大津一里山店(仮称)」が「滋賀県下最大規模総合書店、この秋誕生」と告知されています。同募集には、「ガンバレばアルバイトから正社員へ」と記載されていて、同社の「ステップアップシステム」の段階が、「レジスタッフ→商品担当→フレンド社員・社会保険加入→契約社員・社会保険加入→正社員登用有」と紹介されています。するすると上がっていけるものなのか、遠い道のりなのかは私にはよくわかりません。 「フォレオ大津一里山」は大和ハウス工業の計画概要によれば、「人・街・暮らしと環境との共創共生」をテーマとしたライフスタイル提案型施設、と謳われています。先日オープンした埼玉県越谷市の「レイクタウン」もそうでしたが、最近の巨大ショッピングセンターは、「エコ」が常套句になっていますね。時代の趨勢なのでしょう。自然環境に配慮しなければならないのは当然のことですが、「エコ」という言葉は今や呪文というか免罪符というか、大義名分のもとにすでにビジネス化されているわけで、私自身は違和感を覚えずにいられません。 ここ最近、弊社では、イオン系列の巨大ショッピングセンター(SC)に出店する大型書店に出品することがとみに増えています。このことはいくつかの現実を意味するように思います。弊社の刊行物のような人文社会の専門書や芸術書を取り扱うためには数百坪規模以上の大型店でないとなかなか難しそうであること。そうした大型店は自社単独施設の路面店として開店するより巨大SCや駅ビル内に出店するケースが増えていること。今後も全国各地に誕生するだろう巨大SCは「エコモール」たることを必ず謳うであろうこと。そうしたエコモールの多くには大型書店が出店するだろうこと。巨大SCは交通などの地域環境や地元小売店に大きな影響を及ぼさずにはいないだろうこと。等々です。 私は先日、「今こそ書店業界はエコを前面に押し出した品揃えや新業態を次世代型店舗として早期に実現すべきではないかと思います。実用、人文、社会〔追記:観光を含む〕、アート、理工〔追記:農業を含む〕、ネイチャーライティングを横断する「エコ棚」の創設と、専用エコバッグ、エコブックカバーの販売、フェアトレード、ロハス、オーガニック等の製品販売とスロー・カフェの展開、古書リサイクルの実現による新刊と古書の併売。早くしないとBOOKOFFあたりに先を越される可能性があるのでは」と書きました。 エコビジネスが今後ますます発展するであろうこんにち、エコモールに出店する大型書店は特に、上記のような「エコ書店」を明確に構築すべきです。「エコ書店」はエコビジネスに貢献するとともに、その批判的牙城ともなりえます。なぜならば、書店は、エコビジネスのいやらしさを揶揄し批判し、代替案(オルタナティヴ)を提示する書籍を多数扱うことができるからです。人文社会書はそうした書籍の宝庫です。エコを甘く謳うお膝元で、エコの良い面を大切にしながらも正々堂々とエコビジネスのダークサイドを批判し、ありうべき「エコゾフィ(エコの実践知)」のコアを模索する。そうした書棚、売場をお客様に提示することは、実にやりがいのある、魅力的な仕事ではないでしょうか。 BIN★さんのブログ(BIN★の「この記なんの記」)の08年4月20日の記事「フォレオ大津一里山店・(仮称)イオンモール草津店に対する意見書(県へ提出)から」では、大津市民と草津市民が巨大ショッピングセンターの出店に懸念を表明している様子が見て取れます。地元小売店への打撃だけでなく、琵琶湖及び湖畔の環境への影響は回避できそうにない、という懸念です。大型店が出店することで周囲の環境が変わり、従来の商店街が衰微するさまは、現代人であれば誰もが目撃してきたことではないでしょうか。そして、大型店が撤退したときの悲惨な情況もまた、目の当たりにしてきたのではないでしょうか。商店街をシャッター通りに追い込んだ大型店が撤退したら、地元はほとんどゼロからやり直しです。 そうしたことを思うと、私はひどいジレンマを感じます。つまり、巨大SCでもできない限り、弊社の出版物はほぼお客様が現物を眼にすることがないでしょう。しかしその巨大SCは地元の既存小売店を事実上排撃します。それに、巨大SCは、日本経済の風向きによってはいずれ巨大な廃墟になるかもしれないのです。巨大SCを否定するとしたら、弊社の本は読者の皆さんにとっては、地元の書店さんが一番嫌がるインターネット書店で買うのが一番便利になるでしょう。書籍の現物を書店店頭で見ることはほとんどないでしょう。市町村レベルではなく、県レベルで、弊社の本がどこの書店を探しても「ない」という現状が続くことでしょう。では弊社のような零細版元は、多種多様な書目を取り揃える余地のある巨大SC内の大型書店を肯定するしかないのでしょうか。あるいは、読者にとって不便でも「配本ゼロ県」が多数あることを受け入れるしかないのでしょうか。 単純な二者択一はなさそうです。弊社としては、店舗の大小に関わらず、弊社の本に興味を示し、大切に扱ってくださる書店さんとの出会いやお付き合いを大切にしています。お付き合いが可能になるのは、結局は「人次第」です。弊社の本にもし興味を持たれたら、どうぞどしどしメールなり電話なりでお声をかけてください。アルバイトだとか社員だとか、そういう身分よりも、「本が好きな人」とやりとりするのが私は好きです。このウラゲツ☆ブログを続けているのは、そんな方たちに私の拙いメッセージを届けたいからなのです。
by urag
| 2008-10-10 20:19
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