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2008年 08月 03日
◎今週の三冊 ニーチェと哲学ジル・ドゥルーズ:著 江川隆男:訳 河出文庫 08年8月8日発売 定価1,260円 472頁 ISBN978-4-309-46310-0 ■カバー裏紹介文:ドゥルーズ初期の代表作であるとともに、ニーチェ再評価の烽火となった名著の画期的な新訳。ニーチェ哲学を体系的に再構築しつつ、「力能の意志」、そしてニヒリズムの極限形式にして存在の一義性としての「永遠回帰」をあざやかに論じ、「生成/存在」、「肯定/肯定の肯定」としての「ニーチェ/ドゥルーズ」の核心をあきらかにする。 ★国文社版(足立和浩訳、1974年)以来の新訳です。今週金曜日に店頭発売予定です。訳者の江川さんは、以下の共訳書を最近刊行されてもいます。『場所の運命――哲学における隠された歴史』(エドワード・ケーシー(1939-):著 江川隆男+堂囿俊彦+大崎晴美+宮川弘美+井原健一郎:訳 新曜社 7,245円)。さらに江川さんは河出書房新社から、ドゥルーズとパルネの『対話』(旧訳『ドゥルーズの思想』大修館書店)の新訳も刊行される予定です。 ★ドゥルーズ/ガタリの共著へと至る思考の原石がもっとも明瞭に見て取れるのが、『ニーチェと哲学』かもしれません。従来の哲学を徹底的に破壊するニーチェの活力を端的に評価しているドゥルーズのこの著作は、ハイデガーの重厚な『ニーチェ』(上下巻、平凡社ライブラリー)よりも快活な魅力に溢れています。クロソウスキーが自著『ニーチェと悪循環』(ちくま学芸文庫)をドゥルーズに捧げたのは、『ニーチェと哲学』への賞賛からであるとどこかで読んだ記憶がありますが、『ニーチェと悪循環』は、発狂へと至るニーチェの道程を、眩暈を起こさせるような、暗い虹色の渦のような、魅惑的な筆致で描いています。併読をお勧めします。 徂徠学講義――『弁名』を読む 子安宣邦(1933-):著 岩波書店 08年7月刊 定価2,730円 46判224頁 ISBN978-4-00-023719-2 ■版元紹介文より:荻生徂徠は、個人の内面的道徳論を超えた人間社会全体への視点を日本思想史上初めてもった。その思想の根底には中国古代の先王の道がある。主著『弁名』は、先王が人間社会形成のために命名したことばを探究する社会哲学書である。『弁名』の重要な部分を書き下し文と現代語訳で提示し、評釈を付して徂徠学の核心に導く入門書。 回天の群像 宮本雅史(1953-):著 角川学芸出版 08年7月 定価1,680円 46判230頁 ISBN978-4-04-621075-3 ■版元紹介文より:海の特攻「回天」はなぜ作られたのか? その時隊員は何を思っていたのか? 戦局が悪化する中、軍令部を動かして必死必殺兵器「回天」の開発に着手した黒木大尉を始め、搭乗員たちの日記や手紙、元搭乗員と遺族の証言を追い、命を賭けて愛するものを守ろうとした彼らの心とその背景に迫る! ◎その他、注目の新刊 『アメリカの雑誌ビジネス』桑名淳二(1943-):著 風濤社 3,150円 『わたしの戦後出版史』松本昌次(1927-):著 上野明雄+鷲尾賢也:聞き手 トランスビュー 2,940円 『ひとり出版社「岩田書院」の舞台裏 2003~2008』岩田博:著 岩田書院 1,575円 『神田神保町とヘイ・オン・ワイ――古書とまちづくりの比較社会学』大内田鶴子+熊田俊郎+小山騰+藤田弘夫:編 東信堂 2,625円 ★先週と一部重複していますが、今週は業界本に収穫あり。桑名さんはこれまで風濤社から、『データが語るアメリカ雑誌』『アメリカ雑誌をリードした人びと』『アメリカ雑誌は表紙で勝負する』などの著書を出されており、訳書(サミール・スフニ『ミスターマガジンのアメリカ雑誌で成功する方法』)も刊行されています。アメリカの雑誌は「読者とのコミュニケーションが決め手」とのこと。大いに参考にしたいところです。 『韓非子』西野広祥+市川宏:訳 徳間文庫 1,000円 『ゆるす言葉』ダライ・ラマ14世:著 野町和嘉:写真 イースト・プレス 1,260円 『反核シスター――ロザリー・バーテルの軌跡』メアリー=ルイーズ・エンゲルス:著 中川慶子:訳 緑風出版 1,890円 『テロの経済学――人はなぜテロリストになるのか』アラン・B・クルーガー(1960-):著 藪下史郎:訳 東洋経済新報社 2,100円 『戦争のある暮らし』乾淑子:編 水声社 3,150円 『日本マックス・ウェーバー論争――「プロ倫」読解の現在』橋本努+矢野善郎:編 ナカニシヤ出版 4,725円 『アウトノミーのマルクス主義へ――廣松哲学と主権の現象学』渋谷要(1955-):著 社会評論社 2,100円 『幻視する〈アイヌ〉』佐々木昌雄:著 草風館 2,625円 『憂鬱な国/憂鬱な暴力――精神分析的日本イデオロギー論』小林敏明(1948-):著 以文社 2,625円 『世界「文化戦争」大図鑑――クール・ジャパンが世界を制す』大薗友和:著 小学館 1,575円 『日本美術101鑑賞ガイドブック』神林恒道+新関伸也:編著 三元社 2,940円 『Mt.FUJI 3776――富士山頂の世界』小岩井大輔(1973-):著 山と溪谷社 2,100円 『めぐりあう色とかたち――COMPOSITION』石元泰博:写真 平凡社 4,410円 『ホモセクシャルの世界史』海野弘:著 文春文庫 1,000円 『危険な世界史』中野京子:著 角川書店 1,575円 『ポストコロニアル事典』ビル・アッシュクロフト+ガレス・グリフィス+ヘレン・ティフィン:著 木村公一:編訳 南雲堂 4,200円 『中東のことがマンガで3時間でわかる本』ハッジ・アハマド・鈴木(1941-):著 鈴木リマ:マンガ 明日香出版社 1,680円 『グラスルーツ・シアター――アメリカの地域芸術を探して』ロバート・ガード :著 秋葉美知子:訳 美学出版 1,995円 『ケインズとケンブリッジ芸術劇場――リディアとブルームズベリー・グループ』中矢俊博(1949-):著 同文舘出版 2,415円 『コペルニクス的宇宙の生成(2)』ハンス・ブルーメンベルク:著 小熊正久+座小田豊+後藤嘉也:訳 法政大学出版局 5,250円 『哲学者の語る建築――ハイデガー、オルテガ、ペゲラー、アドルノ』ハイデガーほか:著 伊藤哲夫+水田一征:編訳 中央公論美術出版 2,940円 『シュヴァンクマイエルとチェコ・アート』赤塚若樹(1964-):著 未知谷 2,940円
by urag
| 2008-08-03 04:23
| 本のコンシェルジュ
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