ウィンドウ・ショッピング――映画とポストモダン
アン・フリードバーグ:著 井原慶一郎+宗洋+小林朋子:訳
松柏社 08年6月 3,675円 A5判上製315頁 ISBN978-4-7754-0151-4
■版元紹介文より:パノラマ、ジオラマ、ショーウィンドウ、パサージュ、デパート、パッケージツアー、映画、ショッピングモール、テレビ&ビデオ、ヴァーチャルリアリティ……「移動性をもった仮想の視線」をめぐる視覚文化史をポストモダンの視座から読み解く。映画研究、メディア研究の必読書にして、文学・映画・建築・美術・哲学の領域を横断する学際的な文化研究。
“理想”を擁護する――戦争・民主主義・政治闘争
ドゥルシラ・コーネル:著 仲正昌樹:監訳 近藤真理子+高橋慎一+高原幸子:訳
作品社 08年7月 2,940円 46判上製291頁 ISBN978-4-86182-191-2
■版元紹介文より:〈正義〉の名のもとに続く、終わりなき世界規模の「対テロ」戦争。世界で、アメリカで、宙吊りにされる“理想”。いま問われる、擁護すべき「永久平和」の“理想”とは、何か? 現代アメリカで最も注目される思想家ドゥルシラ・コーネルによる実践的“理想”論。
フロイト全集(10)1909年:症例「ハンス」/症例「鼠男」
総田純次:監修
岩波書店 08年6月 4,620円 A5判上製函入400頁 ISBN978-4-00-092670-6
★難解なフロイトの著書の中でも症例を克明に記しているものは比較的に読者の興味を惹きうるものではないかと思います。「鼠男」については、人文書院から06年9月に刊行された『
「ねずみ男」精神分析の記録』(北山修:監訳、高橋義人:訳、井口由子/笠井仁ほか:解説)があります。
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◎今週の「別腹」
★『イタリア現代思想への招待』(講談社選書メチエ)に続いて、岡田温司さんが『肖像のエニグマ――新たなイメージ論に向けて』(岩波書店)を刊行されました。まもなく『フロイトのイタリア――旅・芸術・精神分析』(平凡社)も刊行される予定。
★アナール学派第四世代の歴史家ジャン=クロード・シュミットの『中世歴史人類学試論――身体・祭儀・夢幻・時間』(渡邊昌美:訳、刀水書房)が刊行されました。既訳書に『中世の身ぶり』(松村剛:訳、みすず書房、96年3月)、『中世の迷信』(松村剛:訳、白水社、98年11月)があります。
★親鸞『歎異抄』の現代語訳の新刊が続きます。松本志郎『新訳 歎異抄――わかりやすい現代語訳』(中央公論事業出版)や、まもなく刊行となる、親鸞仏教センター『現代語 歎異抄――いま、親鸞に聞く』(朝日新聞出版)。昨秋、五木寛之『私訳 歎異抄』(東京書籍、07年9月)や、齋藤孝『声に出して読みたい日本語音読テキスト(3)歎異抄』(草思社、07年9月)が刊行され、それ以降もさらに、野々村智剣『「歎異抄」もの知り帳――善人なほもつて往生をとぐいはんや悪人をや』(法藏館、07年11月)、高森顕徹『歎異抄をひらく』(1万年堂出版、08年3月)などが刊行されています。
★廃墟、工場、史跡の写真集。
HEBU『廃墟/工場――彩やかな世界がここにある』(インフォレスト:発行、ローカス:発売)、
ふくはらあきお『THE 造船――常石造船』(エースデュースエンタテインメント:発行、文苑堂:発売)、
安島太佳由『要塞列島――日本への遺言』(窓社)。廃墟とディストピアを描く、
安倍吉俊『回螺』(ワニマガジン社)。