20年以上前のこと、「昨日のニュースなんて誰も欲しがらない」と歌ったのはザ・モッズでした(「激しい雨が」)。今晩はまさにそのフレーズをかみ締めることになりました。続報を聞かないのは週末だからでしょうけれども、なんとなくこのまま忘れ去られていってしまうような気がして怖いです。週明けには新たな動向が判明するでしょうが、それでも当日の夜ほどには関心は注がれないような気がします。
一方で、当ブログへのアクセス数は、昨晩からとても増えています。開設以来MAXの数字です。トラバやコメの数はごく限られていますが、クチコミ的にご紹介いただいているのかもしれません。大阪の
カロさんからジャンプされてきた皆様、こんばんは。「月曜社のK氏のブログ」とご紹介していただきましたが、弊社にKは二人おりますので、当ブログではHと名乗らせていただいております。
私は青山BCのことを「昨日のニュース」にしてしまいたくありません。対岸の火事とか他人事とか、あるいは単なる美しい思い出とか、そんな捉え方をしているかぎり、業界はこうした経験を肉化できないと思うからです。
昨夕、私の携帯が鳴ったのは、6時を少し回った時のこと。「30分くらい前に潰れたって情報が入ったぞ」と会社から。私はその時、子供を保育園に迎えにいく途中でした。まさか、と思いました。すかさず、耳ざとい同業者を頼って次々に電話。ほとんどの営業マンがまだ知らない様子でしたが、とある確かな筋から確証を得ました。
そうこうするうちに会社からもう一報。青山BCのスタッフから6時半すぎにメールで挨拶がきた、と。私はその時まさに、栗田出版販売から自転車で十数分の場所に居ました。しかし普段着だし子供連れだし、こんな状態で栗田に乗り込んでも相手にはされまい。
かつて鈴木が倒産した時、一報を聞きつけた私は自転車をすっとばして十分少々の板橋本社に出向きました。まさにこれから社長が社員に倒産を報告するその直前の現場にたどり着いたのです。そうした経験をもとに、季刊雑誌『本とコンピュータ』2002年春号(2002年3月11日発行)に、鈴木書店さんの破産にかんするコメントを寄稿したことがあります。
今から栗田に直接出向けば、何かが分かるかもしれない。そうは思ったものの、それは果たせませんでした。子供の面倒を見ている私のかわりに、同業の知人が栗田に電話で問い合わせてくれました。そして数分後「居留守つかわれてんのかなあ、ぜんぜんだめだよ」と。女性事務員が「わかりません」を繰り返すだけなのだそうです。この時すでに6時43分。恐らくすでに栗田の営業第二課(青山BCを担当する部門です)はほとんど総動員で、六本木や青山本店へ荷造りのため出向いていたのかもしれません。
子供をつれて帰宅し、メーラを開いてみると、参加している複数の業界系MLではその話でもちきり。皆、驚いています。私と同じようにある人は先月あたりから末期症状に近づいていたことを知っており、またある人はまったく知らなかった、という次第。(つづく)