
96年から01年にかけてPR誌「未来」で連載されていた、田崎英明さんの「無能な者たちの共同体」がついに、ついに、ついに単行本化されました。明日12月21日より発売開始です。
無能な者たちの共同体
田崎英明(1960- 立教大学現代心理学部教授):著
未来社 07年12月 本体2,400円 四六判上製254頁 ISBN978-4-624-01177-2
内容:政治的なものの理論へ向けて──。構築と(再)生産と帰属を要求する「社会」ではなく、そこから脱落した「無能な者たち」による「共同体」の条件とはなにか。可能性と潜在性が枯渇したところから始まる、政治の思考と生の形式とはなにか。ハイデガー、アーレント、ベンヤミン、フーコーらを参照しつつ、大胆な視点と飛躍を恐れぬ文体で問題の核心に切り込む。『未来』誌上にて1996年から2001年まで、世紀を越えて掲載された同題の連載に、新章を加筆。さらに文献案内も附録に。
連載は全22回でしたが、巻末の注記によれば、「内容上の重複などの理由から、以下の四回分は割愛した。「自己の詩学――ハイデガーとフーコー」(99年5月号)、「ことばではないものの場所 1――感覚的確信」(同8月号)、「語る存在、そして、意味の方へ――ことばではないものの場所 2」(同11月号)、「自我、テクノロジー、共同体――精神分析を讃えて」(01年5月号)」とのことです。追加された新章は、07年11月に書き下ろされた、「生は語ることができるか――生-政治の次元における抵抗」です。
巻末の文献案内は情報満載で、学生さんや哲学思想書売場担当の書店員さんにはたいへん有益だと思います。ぜひご覧になってください。
なお、年明けには本書の出版記念に以下のイベントが行われます。
情動と共同体──あるいは、精神分析と政治的なものの理論
田崎英明×十川幸司
日時:08年1月17日(木)19:00~
場所:ジュンク堂書店池袋本店・4Fカフェ
入場料:1,000円(1ドリンクつき)・定員40名・要予約
予約受付:ジュンク堂書店池袋本店1Fサービスカウンター(電話: 03-5956-6111)
内容:言語と生と政治をめぐって、ランシエールやアガンベンと同時代の思考を展開する『無能な者たちの共同体』の刊行を記念し、さらに問いを推し進めるべく、精神分析との対話を試みます。ラカン派からシステム論へと場を移動し精神分析の可能性を探る十川幸司氏と、著者・田崎英明氏とによる、初対談。