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URGT-B(ウラゲツブログ)

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2007年 12月 16日

12月20日発売:マイク・デイヴィス『自動車爆弾の歴史』

『要塞都市LA』(青土社、2001年)、『感染爆発--鳥インフルエンザの脅威』(紀伊國屋書店、2006年)に続く、アメリカの作家マイク・デイヴィス(1946-)の日本語訳第三弾『自動車爆弾の歴史』が河出書房新社さんから、今週木曜日に発売されます。訳者は金田智之さんと比嘉徹徳さん。原書はVersoから今春発売されたばかりの"Buda's Wagon: A Brief History of the Car Bomb"です。

このたび刊行される訳書の帯文にはこうあります。「1920年、ウォール街で炸裂した一台の馬車とともにはじまった「貧者の空軍」=自動車爆弾による惨劇の悪循環――『要塞都市LA』『感染爆発』などで来たるべき世界の暗黒をえぐりつづける著者がおくる、かつてない旋律の現代史」。装丁は前田晃伸さん。最高にcoolなカバーです。

目次は以下の通り(アラビア数字は実際は漢数字になっています)。12月20日発売:マイク・デイヴィス『自動車爆弾の歴史』_a0018105_59502.jpg
1 ウォールストリート 1920年
2 貧者の空軍
3 幕開けの爆轟
4 ジャッファ・オレンジ
5 サイゴンの男
6 プラスチック爆弾の祭典
7 悪魔の種
8 爆弾都市へようこそ
9 「ブラック・スタッフ」
10 死者を嘲ること
11 地獄の厨房
12 ベイルート・ヒルトン
13 自動車爆弾大学
14 自爆する虎
15 ソフト・ターゲット
16 ロス・コチェス・ボンバ
17 包囲網下の都市
18 恐怖をもたらす方法
19 ブッシュ殺害計画・オクラホマ爆破
20 ジハードの惑星
21 イラクの君主
22 地獄の門

以上です。馬車から自動車、そして航空機へ、乗物に爆弾を載せるテロ行為の発達史が見て取れます。巻末の「訳者あとがき」によれば、明石書店より、杉浦勉訳『マジカル・アーバニズム』(原書00年刊)と酒井隆史訳『スラムの惑星』(原書06年)が続刊予定だそうです。実に楽しみです。原書では今秋、『野蛮人を讃えて--帝国に抗するエッセイ』が上梓されています。知の軍事化に抵抗するフランスの思想家ポール・ヴィリリオに関心を払ってきた読者はきっとデイヴィスの本も興味を惹かれるでしょう。オススメです。

by urag | 2007-12-16 05:15 | 本のコンシェルジュ | Comments(0)


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