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2007年 12月 13日

アラン・バディウの状況論第四弾はサルコジ批判

フランスの哲学者アラン・バディウ(1937-)の『状況論 Circonstances』第四弾"DE QUOI SARKOZY EST-IL LE NOM ?"が、Nouvelles Éditions Lignesより発売になりました。「サルコジ時代」における政治の荒廃と可能性を問います。

バディウの状況論はこれまでに、03年に第一巻「コソヴォ、911、シラク/ル・ペン」、04年に第二巻「イラク、スカーフ、ドイツ/フランス」、05年に第三巻「『ユダヤ人』という言葉の射程」がLéo Scheerから刊行されています。「リーニュ」誌はHazanやLéo Scheerをこれまで発売元にしてきましたが、ついに発行元を立ち上げたというわけでしょうか。

バディウの著書の日本語訳には、『ドゥルーズ--存在の喧騒』(98年、河出書房新社)、『倫理』(04年、河出書房新社)、『哲学宣言』(04年、藤原書店)、『聖パウロ』(04年、河出書房新社)があります。状況論もどこかで出版されるのだろうと待っていますが、なかなか出ませんね。ボリュームがそれぞれ小さいので、新書には向いているかもしれません。時事的なものだけに、話題になりそうな反面、翻訳までの鮮度を心配されたりするのでしょう。

by urag | 2007-12-13 16:55 | 本のコンシェルジュ | Comments(2)
Commented by passant ordinai at 2008-01-04 19:24
こんにちは。ときおり読ませていただいています。

「リーニュ」は第二期が休刊してしまいましたね。
バディウの「シチュアシオン」第四巻は、彼がサルコジ現象のうちに見る「恐れ」「ペタン主義」、他方でそれらに抗う事実や理念として呈示する「世界は一つ存在するのみ」「来たるべき共産主義」等々、バディウ節を楽しみながらも、非常に興味深く読むことができました。

第三巻は、(ランシエールが「デモクラシーへの憎悪」を放つ者としていた人士とも近い)シオニストらと論争がありましたが、
今回も批判的な書評が出れば、そこからフランスの敵対性のありかを学ぶことができそうなため、不謹慎かもしれませんが、楽しみにしています。
Commented by urag at 2008-01-05 11:00
passant ordinaiさん、こんにちは。コメントをありがとうございます。バディウがhttp;//orgapoli.netに発表した「政治を語る、政治について語る」が先月末発売された『現代思想』08年1月号に松本潤一郎さんの訳で掲載されましたね。バディウさんは自著刊行の折には本屋さんで講演されることがあるそうですが、いつか生でぜひ見てみたいものです。


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