
アスペクトさんが発行していらっしゃるPR誌「
アスペクト」が創刊一周年を迎えられたそうです。取り上げるのが遅くなってしまいましたが、07年7月号の巻頭特集は「若者と読書」。非常に面白い、リアルな特集記事になっています。この場合の「若者」というのは25歳以下を指しています。原宿のGAP前で敢行した読書アンケートや、「若者」どうしの座談会、東京駅~渋谷ハチ公前~新宿駅~表参道~渋谷駅~東大本郷~山手線外回りを回って、街頭や駅のホームなどで立ち読みしている若者100人の性別、年齢、職業を拾うという大調査など、いずれも入魂の取材です。「活字離れ」というととても陳腐に聞こえますが、現実はもっとシンプルだったり、あるいは複雑だったり。ありのままを観察していらっしゃる編集部の方々の、肩ひじ張らない姿勢に共感を覚えます。
次号では日本製紙石巻工場に取材に出向き、「印刷用紙のできるまで」を特集するそうです。これまでの特集も、06年11月号「泣ける本で泣いてたまるか!(いい大人が)」とか、07年1月号「印刷機(ハートマーク)大好き!」とか、07年3月号「売れない本のつくり方」とか、確信犯的な特集ばかり。企画はだいたい立ち飲み屋で決めていらっしゃるそうですが、真面目さと脱力の合間を縫う絶妙さは、他社のPR誌では味わえません。いま私が個人的に一番楽しみにしているPR誌です。PR誌は読者直販の定期購読を基礎にしている場合が多いので有料がほとんどなのですが、「アスペクト」は完全無料。一部店頭で無料配布している「有料PR誌」よりは手軽に手に取れるのがいいですね。