昨日からついに公開になったグーグルの「
ブック検索」。早速何を検索しようか迷いましたが、まずは「芥川龍之介」で。要するに本の全文検索なのですね。ズラリと並んだ検索結果を眺めてみて、あまりその先に進もうと思えず。次に「夏目漱石」。春風社さんの本が目立ちますね。では次に「デリダ」。双風舎さんの本が上位3位まで独占。その次にフィンケルクロートの訳本が。日本人作家はともかく、翻訳物がブック検索に載るのはどう考えればいいのでしょう。こういう「使用」は版権契約とどのように関係してくるのでしょうね。
出版社の名を騙って著作権が保護されている本をグーグルにアップさせることが出来たりする危険がないのかなと若干心配です。だって本のスキャンはアメリカでやっているのですよね、いちいちグーグルは著作権や中身をチェックするかしら。あるいは、たとえば人気作家の本を、表紙や奥付をすげかえて、自分の著作物であるかのように見せかけ、グーグルにアップさせちゃうとか、極端な話、そういうイタズラは可能なような気がします。YouTubeの二の舞というか、危うい感じがするなあ。考えすぎかなあ。
いちおう現時点では「出版社による登録のみお受けしており、著者の皆様には、出版社を通してプログラムにご参加いただいております」となっていますが、一方で「自費出版の場合、または版権がお客様に帰属している場合は、ご自身でパートナー プログラムに参加いただき、Google ブック アカウントに書籍をご登録いただけます」とも書いてありますね。アカウントのサインアップでは、会社の登記簿謄本や個人の身分証明書の提出を求められていないので、下手をするとやはり「なりすまし」が可能かもしれない。
ISBNのない本は登録できない建前もあるようですが、ISBNなんて既成の休眠出版社のを勝手に拝借して、オンライン書店のデータベースにはないけれど直販のみの扱いで、とか理由をつけたりしたら、やっぱり偽装されちゃう余地があるような気がするのです。絶版本も登録できるようですが、絶版本のISBNをもう別の本のISBNとして使っている例がありますよね、ですから絶版本を受け入れ続けると不具合が出ると思います。
とにかくヘルプを色々と読んでいるとあちこちに矛盾やほころびや抜け穴や問題点があるように感じます。という第一印象の話。