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URGT-B(ウラゲツブログ)

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2007年 05月 27日

今週の注目新刊(第99回:07年5月27日)

哲学の舞台〔増補改訂版〕
ミシェル・フーコー(1926-1984)+渡辺守章(1933-):著 朝日出版社 07年5月 2520円 46判並製287頁 ISBN978-4-255-00390-0
■帯文より:フーコー没後22年、日本が世界に誇る知的資産の増補改訂版。世界で唯一のフーコーとの共著。1978年のオリジナル版に新規論文三篇を付し、巻末に世界のフーコー研究をリードする石田英敬(東京大学大学院情報学環教授)と渡辺守章による長篇対談「今、フーコーを読むとは」を収録。
■目次◎第I部【1978年旧版に相当】:哲学の舞台(フーコー+渡辺守章)/狂気と社会(フーコー)/性的なるものをめぐって――『知への意志』を読む(渡辺守章)/〈性〉と権力(フーコー)/政治の分析哲学――西洋世界における哲学者と権力(フーコー)◎第II部【増補部分】:快活な知(渡辺守章)/襞にそって襞を――フーコーの肖像のために(渡辺守章)/見ること、身体――フーコーの『マネ論』をめぐって(渡辺守章)◎今、フーコーを読むとは――解題に代えて(石田英敬+渡辺守章)
■浅田彰氏推薦文「演劇的なるものと権力的なるものの交錯を読み解く対話が、それ自体、演劇的な力をもって立ち現れる。自らを匿名化しようとしたフランスの哲学者がそれにもかかわらず捨てきれなかったフランボワイヤントな言葉に、フランス人よりも華麗なフランス語を操る日本の演出家の言葉が拮抗する。ミシェル・フーコーと渡邊守章の遭遇は、そういう稀有な出来事だった。フーコーを読み解く者は今も世界中にいる。だが、このようなフーコーとの対話は、当時も今もほとんど類例がない。この貴重な記録は、変貌の途上にあったフーコーの実像を示す興味深い内容に加え、自らを焼き尽くさんばかりの言葉の力によって、現代の読者をも圧倒するだろう。」

芸術と脳科学の対話――バルテュスとゼキによる本質的なものの探究
バルテュス+セミール・ゼキ:著 桑田光平:訳 青土社 07年5月 1995円 46判並製220頁 ISBN978-4-7917-6339-9
■帯文より:脳科学で美は解明できるのか、そして脳科学に芸術はどう応えるのか。20世紀
最後の画家と世界的脳科学者による、もっとも重要な対話。「あらゆる芸術的な努力とは、脳の巧みな機能の実験なのです」(ゼキ)、「脳だけが動きを表象できるわけではありません」(バルテュス)。
■原著"Balthus ou la quete de l'essentiel", Les Belles Lettres, 1995.

精神分析の抵抗――フロイト、ラカン、フーコー
ジャック・デリダ(1930-2004):著 鵜飼哲+守中高明+石田英敬:訳 青土社 07年5月 2310円 46判上製230頁 ISBN978-4-7917-6332-0
■帯文より:現代を代表する哲学者デリダが、ラカン、フーコーとの過去の対決をふまえ、ライバルたちの天才と弱点を明確化するとともに、精神分析に対する最大の批判者=理解者として、この理論/実践の「自己への抵抗」の可能性を現在へと押し開く。
■原著"Registances - de la psychanalyse", Galilee, 1996.

症例マドレーヌ--苦悶から恍惚へ
ピエール・ジャネ(1859-1947):著 松本雅彦:訳 みすず書房 07年5月 3,990円 46判301+4頁

脱植民地国家の現在--ムスリム・アラブ圏を中心に
アルベール・メンミ(1920-):著 菊地昌実+白井成雄:訳 法政大学出版局 07年5月 2,310円 46判175頁

レイ・カーツワイル 加速するテクノロジー
レイ・カーツワイル(1947-)+徳田英幸(1952-):著 NHK出版 07年5月 998円 A5判92頁

ウェブ社会の思想--〈遍在する私〉をどう生きるか
鈴木謙介(1976-):著 NHK出版 07年5月 1,124円 B6判265頁

生命観の探究--重層する危機のなかで
鈴木貞美(1947-):著 作品社 07年5月 7,980円 A5判914頁 ISBN978-4-86182-119-6
■帯文より:新しき生命主義の構築! われわれは「生命」をどのように捉えてきたか。古今東西の哲学・宗教から最先端の分子物理学に至る人類の精神的営為を渉猟しつつ、多様な危機に混迷する現代に新たな生命原理主義を樹立する画期的労作。

源氏物語と音楽
中川正美:著 和泉書院 07年5月 1,575円 B6判251頁

日常生活の誕生--戦間期日本の文化変容
バーバラ・佐藤:編 柏書房 07年6月 4,410円 A5判282頁

原爆症--罪なき人の灯を継いで
郷地秀夫(1947-):著 かもがわ出版 07年5月 1,050円 A5判102頁

占領と性--政策・実態・表象
恵泉女学園大学平和文化研究所:編 奥田暁子ほか:著 インパクト出版会 07年5月 3,150円 A5判274頁

エドゥアルト・ガンスとドイツ精神史--ヘーゲルとハイネのはざまで
川崎修敬:著 風行社 07年6月 6,300円 A5判247+4頁

神は妄想である--宗教との決別
リチャード・ドーキンス(1941-):著 垂水雄二:訳 早川書房 07年5月 2,625円 46判578頁

バチカン・エクソシスト
トレイシー・ウイルキンソン:著 矢口誠:訳 文藝春秋 07年5月 1,750円 46判229頁

コモンカフェ--人と人とが出会う場のつくりかた
山納洋(1971-):著 西日本出版社 07年6月 1,575円 46判231頁

出版経営入門--その合理性と非合理性
ハーバート・S・ベイリーJr.:著 箕輪成男:訳編 出版メディアパル 07年5月 3,150円 A5判270頁
●著者はプリンストン大学出版局長。

火星からのメッセージ
ジム・ベル:著 寺門和夫:監訳 沢田京子:訳 ランダムハウス講談社 07年5月 4,988円 30x30cm / 203p
●火星のパノラマ写真集。

***

◎注目の文庫、新書

正しく生きるとはどういうことか
池田清彦(1947-):著 新潮文庫 07年6月 460円 265頁
●新潮OH!文庫(01年8月)よりスイッチ。 親本は同社より98年5月刊。

墨子
山田琢:訳著 山辺進:編 新書漢文大系:明治書院 07年5月 1,050円 新書判214頁

淮南子
劉安:編 楠山春樹:訳著 本田千恵子:編 新書漢文大系:明治書院 07年5月 1,050円 新書判144頁

by urag | 2007-05-27 23:37 | 本のコンシェルジュ | Comments(0)


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