画像は、1933年に刊行されたカール・シュミット著『政治的なものの概念』第3版です。
同書は、初版が1927年、第二版が1932年に刊行され、この第二版が以後の「定本」と見なされています。しかし、シュミットは1933年に改訂版を刊行していました。それがこの写真の第三版、通称「ナチ版」です。時代に迎合した不適切な改訂だったと後世に評されるわけですが、シュミット自身は63年の復刊時にはこの第三版を放棄し、第二版をもとに「定本」を出版しました。
この第三版でシュミットがどう「逸脱」したのか、興味の尽きないところです。(H)