◎注目の単行本新刊
今週はなんと言っても四方田さんの『月島物語ふたたび』。読み物としても味わい深いですが、造本も素晴らしいです。日本語の縦組には縦長の判型がよく似合うんですが、変型判になるので案外少ないんですよね。本文は刷色が濃紺で柔らかな感じ。どんな街角にも物語と歴史はあるものです、本書を読むと自分の住む街について書いてみたくなるかもしれません。
月島物語ふたたび
四方田犬彦(1953-):著
工作舎 07年1月 2,625円 A5変型404頁 ISBN978-4-87502-399-9
■版元紹介文より:東京湾に浮かぶ島、月島で88~94年にかけて長屋生活をおくりながら、この土地で生起した幾多の「物語」を綴った傑作エッセイが甦る! 1992年に集英社から刊行された『月島物語』の増補改訂版。初出単行本版の内容に加え、文庫版に収録された文化人類学者・川田順造との対談とエッセイ、さらに06年に新規収録した建築史家・陣内秀信氏との対談、書き下ろしロング・エッセイ、ならびに「佃島のファン・デル・エルスケン」と呼ばれる伝説の写真家の50~60年代作品の聞き書き紹介などを収録した決定版。
権力、政治、文化--エドワード・W・サイード発言集成(上下)
エドワード・W・サイード(1935-2003):著 ゴーリ・ヴィスワナタン:編
大橋洋一+三浦玲一+坂野由紀子+河野真太郎+田村理香+横田保恵:訳
太田出版 07年2月 4,095円/3,780円 46判552頁/417頁
ウンベルト・エコとの対話
トーマス・シュタウダー:著 谷口伊兵衛+G・ピアッザ:訳
而立書房 07年1月 1,995円 46判243頁
永遠の別れ--悲しみを癒す智恵の書
エリザベス・キューブラー・ロス+デーヴィッド・ケスラー:著 上野圭一:訳
日本教文社 07年1月 1,800円 46判388頁
謎の空海--誰もがわかる空海入門
三田誠広(1948-):著
河出書房新社 07年1月 1,470円 B6判222頁
宗教者に聞く! 日本編(上下)
読売新聞大阪本社編
法蔵館 07年1月 各1,680円 B6判172頁/192頁
●立命館大学リレー講義の講義抄録。講師:神宮寺住職・高橋卓志、浄土宗宗務総長・水谷幸正、東大寺別当・森本公誠、カトリック名古屋教区司教・野村純一、臨済宗東福寺派管長・福島慶道、天竜寺国際禅堂師家・安永祖堂など。
「湯川秀樹物理講義」を読む
湯川秀樹(1907-1981):著 小沼通二:監修
講談社 07年1月 1,890円 B5判175頁
●74年の日大における連続講義の記録と解説、読解、年譜、アルバム。
リベラル優生主義と正義
桜井徹(1960-):著
ナカニシヤ出版 07年1月 3,150円 A5判260頁
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◎注目の文庫・新書新刊
創刊80年を迎える岩波文庫のラインナップが強力。しかしそれにしても、文庫の値段が千円を越えるのはもう当たり前になってしまいましたね。私が小中学生の頃などは(以下略)……。
啓蒙の弁証法--哲学的断想
ホルクハイマー+アドルノ:著 徳永恂:訳
岩波文庫 07年1月 1,260円 549頁 ISBN:978-4-00-336921-0
倫理学(1)
和辻哲郎:著
岩波文庫 07年1月 987円 481頁 ISBN:948-4-00-331449-4
哲学初歩
田中美知太郎:著
岩波現代文庫 07年1月 1,050円 252+14頁
世界憲法集 新版
高橋和之:編
岩波文庫 07年1月 987円 583+9頁
響きと怒り(上下)
フォークナー著 平石貴樹+新納卓也:訳
岩波文庫 07年1月 840円/798円 391頁/333頁
科学は不確かだ!
R・P・ファインマン:著 大貫昌子:訳
岩波現代文庫 07年1月 1,050円 193頁
知の分類史--常識としての博物学
久我勝利(1955-):著
中公新書ラクレ 07年1月 798円 225頁 ISBN:978-4-12-150236-0
■帯文より:アリストテレス『動物誌』からヘーゲル『エンチュクロペディー』まで、さらいんは『爾雅』『ヴェーダ』などなど、古今東西の分類法を精緻に紹介。知の営みと世界観の変遷を鳥瞰する。
●著者は松岡正剛門下生。本書はとくに人文書売場を担当する書店員さんは面白く読めるはず。昨今のジャンル管理を窮屈に感じたり、分類の再編成を思い描いている人は、歴史を振り返ることによって新しいヒントを得ることができるでしょう。