
現代思想 06年10月臨時増刊号 総特集:ジュディス・バトラー――触発する思想
青土社 06年10月刊 1,500円 A5判246頁 ISBN:4-7917-1155-6
●バトラーの論文は「平和とは戦争への恐ろしいまでの満足感に対する抵抗である」(西亮太訳)と、「哲学の「他者」は語ることができるか」(山口理恵子訳)の2本。巻末に掲載されている村山敏勝さんの「予め失われた死者へ――メランコリーの拡大」は今月急逝された氏の最後のテクストということになるのでしょうか。
生命と現実――木村敏との対話
木村敏×檜垣立哉:著
河出書房新社 06年10月刊 1,995円 46判上製216頁 ISBN:4-309-24394-0
●現代思想の様々なテーマと星座の中に木村さんの思惟の前線を再接合していく、啓発的な対談です。
人間という仕事――脳性麻痺の哲学者が語る生と思想
アレクサンドル・ジョリアン(1975-):著 塚原史:訳
明石書店 06年10月刊 1,680円 46判138頁 ISBN:4-7503-2419-1
14人のダライ・ラマ――その生涯と思想(上)
グレン・H・ムリン著 田崎国彦+渡邉郁子+クンチョック・シタル:訳
春秋社 06年10月刊 7,140円 A5判604頁 ISBN:4-393-13725-6
●上巻は、初代から第5世まで。面白くないわけがない!
埴谷雄高との対話
白川正芳(1937-):著
慶応義塾大学出版会 06年10月刊 3,360円 46判421頁 ISBN:4-7664-1311-3
●作家のもっとも近くにいた評論家による、95年11月から逝去直前となる97年2月までの対話の記録。
横光利一と中国――『上海』の構成と五・三〇事件
井上聡:著
翰林書房 06年10月刊 3,990円 A5判317頁 ISBN:4-87737-234-2
■「上海」の初出雑誌掲載を全収録。
漢訳ホームズ論集
樽本照雄(1948-):著
大阪経済大学研究叢書:汲古書院 06年9月刊 9,450円 A5判439頁 ISBN:4-7629-2775-9
●著者は大阪経済大学教授。「清朝末期から中華民国初期にかけての中国における、コナン・ドイル作シャーロック・ホームズ物語の受容史」をめぐる、興味深い一冊。
入門・世界システム分析
I・ウォーラーステイン(1930-):著 山下範久:訳
藤原書店 06年10月刊 2,625円 46判261頁 ISBN:4-89434-538-2
■「用語解説」と、関連基本文献を網羅した「ブックガイド」を収録。
◎注目の文庫
ヴォイツェク ダントンの死 レンツ
ビューヒナー:著 岩淵達治:訳
岩波文庫 06年10月刊 840円 文庫判362+16頁 ISBN:4-00-324691-8
●ちなみにハイナー・ミュラーの戯曲「ヴォイツェック・トラウマ」は『ハムレット・マシーン』(未来社)で読めます。
モーパン嬢(上)
テオフィル・ゴーチエ:著 井村実名子:訳
岩波文庫 06年10月刊 735円 文庫判342頁 ISBN:4-00-325745-6
●田辺貞之助訳の新潮文庫上下巻以来の、久しぶりの同作品の新訳文庫。下巻は11月刊。