岩波書店のPR誌「図書」06年8月号を見ていて、気になった近刊書をピックアップします。
ゲーデルが文庫で読めるというのはとてもいいですね。イリイチは『ジェンダー』や『ABC』など、岩波で出していた単行本も文庫化してほしいと思います。何と言っても楽しみなのは『フロイト全集』。相当な大仕事で、中小版元ではほとんど無理な仕事であるだけに、岩波の頑張りに注目したいところ。「全集」と銘打ったからには網羅的であって欲しいです(カント全集には若干肩透かしを食らった感があったので)。
■8月23日発売・単行本
人文学と批評の使命――デモクラシーのために
エドワード・W・サイード著 村山敏勝+三宅敦子訳
46判上製カバー装200頁 税込1995円 ISBN4-00-023423-4
■9月15日発売・文庫
ゲーデル不完全性定理
林晋訳 岩波文庫 200頁
シャドウ・ワーク
I・イリイチ著 玉野井芳郎+栗原彬訳 岩波現代文庫 340頁
■9月21日発売・単行本 「思考のフロンティアII」シリーズ・3点
アジア/日本
米谷匡史著 B6判並製カバー装120頁
レイシズム
小森陽一著 B6判並製カバー装120頁
社会
市野川容孝著 B6判並製カバー装120頁
■9月28日発売・単行本
対象関係(上)
ジャック・ラカン著 ジャック=アラン・ミレール編 小出浩之ほか訳
A5判上製カバー装304頁
■10月刊・単行本
ポートレイト 内なる静寂
アンリ・カルティエ=ブレッソン【写真】 ジャン=リュック・ナンシーほか【テクスト】
■11月刊行開始
フロイト全集 全22巻・別巻1
新宮一成+鷲田清一+道籏泰三+高田珠樹+須藤訓任【編集】
※版元紹介文:「精神分析」誕生から百年、フロイトが現代思想に与えた影響は余りに大きい。全面的に見直された訳語、正確な訳文、過去の研究を集約した注解により、21世紀のフロイト像を提示する本邦初の全集。
坂部恵集 全5巻
※「テーマ別に集成した自選集」だそうです。