書店激戦区の六本木で動きがありました。三連休明けの18日、有隣堂六本木ヒルズ店が閉店、青山ブックセンターが売場を引き継ぐことになりました。新規開店は8月
16日22日。取次は日販で、青山BCでの日販帳合は自由が丘店に続き2店目(本店、六本木店、福岡店は大阪屋)。有隣堂も日販帳合ですから、日販は陣地を守ったことになります。
ヒルズ内の森アーツセンターや近隣のTSUTAYA TOKYO ROPPONGIも日販帳合。六本木は日販対大阪屋の攻防戦ということになりますが、主役である青山BCは六本木地区では大阪屋とも日販とも付き合っています。
なお親会社の洋販の系列であるランダムウォークは大阪屋帳合で、流水書房はトーハンがメインだったと思います。書店と取次との関係は一様ではありませんが、一般読者にはほとんど見えない舞台裏ではあります。新規店は取次会社による強力な商品調達がなくては開店できません。どんな風にしてオープンに至るのか、ドキュメンタリーとして追っかけるテレビ番組があったら面白そうな気がします。
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[続報]青山BCのプレスリリースからの情報です。
◎店舗情報
店舗名:青山ブックセンター六本木ヒルズ店
出店所在地:〒106-0032 東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズWest Walk 4F
営業時間:11:00-21:00 年中無休 書店売場面積:約90坪
◎オープン記念特典&フェア情報
1)8月22-24日までの3日間、青山ブックセンター六本木ヒルズ店にて商品ご購入のお客様先着100名様にTollit&Harvey社の、スリップファイルをプレゼント。
2)8月22-27日までの6日間、洋書、洋雑誌を20%オフ。
3)ブックフェア「和の世界」
4)ブックフェア「ネイチャー」:没後10年、写真家・星野道夫さんの著書を揃える。
※関連イベント&新刊:星野道夫展「星のような物語」8月2-14日@松屋銀座店、写真集『LOVE in Alaska 星のような物語』(8月2日発売、小学館、税込2,100円)、インタビュー集『終わりのない旅』(湯川豊著、8月8日発売、スイッチパブリッシング、税込1,575円)。
◎店舗コンセプト:『豊かな心と、清々しさ』
日本を代表する街のど真ん中、「文化都心」六本木ヒルズ。そこに住む人へ、働く人へ、集う多くの人々へ、青山ブックセンターからのメッセージは、『豊かな心と、清々しさ』。自分を取り戻す時間、充実した生活のために、お店に立ち寄ると心が洗われるようなあらゆるエッセンスをご用意いたします。例えば、モノとココロをつなぐ本という贈り物。各コーナーに"ギフト"としてお選びいただける本を取り揃えます。書棚からあふれる、新鮮な喜びをお客様と分かち合える書店を目指していきます。
◎店内の棚構成
1)ライフスタイル (オールウェイズ):生活の中にくつろぎと開放感をもたらすご提案をします。アート/写真集・インテリア・暮らし・料理・絵本・ファッション書。
2)ビジネス (インプット/アウトプット):仕事にも遊びにも充足感をもたらす大人のための必須書をご用意します。ビジネス書・語学書・車・アウトドア・旅。
3)カルチャー (寄り道空間):かけがえのない自分を発見し、人生を貪欲なまでに楽しみたい方へ。文芸書・文庫・思想書・ペーパーバック。
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新生六本木店もそうでしたが、棚構成が従来の分野別縦割り型ではなく、ニーズとテーマに応じた横断的再編成が行われているところが非常に興味深いです。いわゆる図書館型超大型書店の出店競争時代が終焉しつつある昨今、コンパクトだけれど魅力的な「新しい書店」像が業界的に模索されています。中堅書店の新時代に向かう青山BCの「挑戦」は他のチェーン店のリニューアル事業に比べてよりメッセージ性に富んでおり、これが業界内外の注目を惹く所以だと思います。