アプルボームの大著は今後書評などで話題になりそうな予感。『サイボーグとして生きる』は人工内耳を埋め込んだ本人によるルポ。こうしたレベルでのサイボーグ化例は以後増えていくのではないかと思います。両腕に神経接続した機械制御の義肢をつけた男性のニュースをX51.orgで以前読んだことがあります。小泉さんの新刊は、「八月テーゼ」「無力な者に(代わって)訴える」「自爆する子の前で哲学は可能か」などの論考のほか、書下ろしも加えた一冊。書名のネーミング・センスが絶妙ですね。
グラーグ――ソ連集中収容所の歴史 / アン・アプルボーム(1964-)著 / 川上洸訳 / 白水社 / ¥5,460 / ISBN4-560-02619-X
サイボーグとして生きる / マイケル・コロスト著 / 椿正晴訳 / ソフトバンククリエイティブ / ¥1,890 / ISBN4-7973-3421-5
世界の終焉へのいくつものシナリオ / ジョエル・レヴィ(1970-)著 / 柴田譲治訳 / 中央公論新社 / ¥1,995 / ISBN4-12-003749-5
鳥への挨拶 / ジャック・プレヴェール(1900-1977)著 / 高畑勲=編訳 / 奈良美智=絵 / ぴあ / ¥3,150 / ISBN4-8356-1635-9
「負け組」の哲学 / 小泉義之(1954-)著 / 人文書院 / ¥1,680 / ISBN4-409-04079-0
★注目の文庫・新書
中筋さん関連では、『廃墟、その光と影』(東邦出版、05年2月)、『廃墟本』(ミリオン出版、05年7月)、『愛という廃墟』(東邦出版、05年8月)、『廃墟街道』(二見書房、05年12月)と昨年立て続けに本が出ていました。今回の文庫はオールカラーだそうで、廃墟好きにはたまりません。
廃墟彷徨 / 中筋純(1966-)写真+中田薫(1968-)構成 / ぶんか社文庫:ぶんか社 / ¥1,890 / ISBN4-8211-5055-7
江戸東京《奇想》徘徊記 / 種村季弘(1933-2004)著 / 朝日文庫:朝日新聞社 / ¥735 / ISBN4-02-264369-2
聖書の謎を解く――誰もがわかる「福音書」入門 / 三田誠広(1948-)著 / PHP文庫:PHP研究所 / ¥620 / ISBN4-569-66650-7
〔改訂増補版〕宗教とは何か(下)マタイ福音書によせて / 田川建三(1935-)著 / MC新書:洋泉社 / ¥1,575 / ISBN4-86248-045-4
〈狐〉が選んだ入門書 / 山村修(1950-)著 / ちくま新書:筑摩書房 / ¥756 / ISBN4-480-06304-8
心脳コントロール社会 / 小森陽一(1953-)著 / ちくま新書:筑摩書房 / ¥714 / ISBN4-480-06312-9