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2006年 07月 05日

アントナン・アルトー『神の裁きと訣別するため』河出文庫

アントナン・アルトー『神の裁きと訣別するため』河出文庫_a0018105_2131284.jpg
神の裁きと訣別するため
A・アルトー(1896-1948)著 宇野邦一(1949-)+鈴木創士(1954-)訳
河出文庫(河出書房新社) 06年7月刊 本体620円 文庫判184頁 ISBN4-309-46275-8
■帯文より:20世紀の最も危険で激烈な思考の実験を凝縮した記念碑的名著二篇。35年ぶりの新訳による『ヴァン・ゴッホ』併録。
■表4内容紹介より:「人間に器官なき身体をつくってやれるなら、……その真の自由にもどしてやることになるだろう」。アルトー最後の、そして究極の叫び、『神の裁きと訣別するため』、自身の試練のすべてを賭けて「ゴッホは狂人ではなかった」と断言し、あらゆる境界線を爆破する、三五年目の新訳による『ヴァン・ゴッホ』。アルトーの思考を凝縮した記念碑的名著二冊を集成。
■目次:
神の裁きと訣別するため (宇野邦一訳)
 トゥトゥグリ――黒い太陽の儀式
 糞便性の探究
 問いが提出される……
 結論
残酷劇 (宇野邦一訳)
 〈追伸〉
 《追伸》
『神の裁きと訣別するため』をめぐる書簡 (宇野邦一訳)
ヴァン・ゴッホ 社会による自殺者 (鈴木創一訳)
 序説
 追記
 社会の自殺者
 〈追記〉
 《追記》
解説 (宇野邦一+鈴木創士訳)
●『ヴァン・ゴッホ』については粟津則雄訳がちくま学芸文庫から刊行されています。粟津訳本の変遷は、71年:新潮社、86年:筑摩叢書、97年:ちくま学芸文庫、です。
●裏表紙側のオビには、今年(06年)11月から刊行開始予定の『アルトー後期集成』(全3巻)が予告されています。宇野邦一さんと鈴木創士さんの監修によるもので、『タラフマラ』、『アルトー・ル・モモ』、『手先と処刑』などが収録されます。税込予価5,040円。次のように宣伝されています、「ドゥルーズ=ガタリ、フーコー、デリダなどに、はかりしれない影響と霊感を与えた巨星アルトー。最も重要であるにもかかわらず紹介されてこなかった、後期テクスト群を最高の監修者と訳者によって送る」。
●「タラフマラ」は既訳があります。かつて81年にペヨトル工房から伊東守男訳『タラユマラ』(「夜想叢書・1」、皓星社発売)として刊行されていました。ペヨトル本では激レアに属する初期作です。
アントナン・アルトー『神の裁きと訣別するため』河出文庫_a0018105_21292877.jpg●『アルトー全集』がかつて現代思潮社から計画されたことがありましたが、第一巻『神経の秤・冥府の臍』(粟津則雄+清水徹編訳)が71年に出たまま、途絶しました。その後、96年から98年にかけて、白水社から『アントナン・アルトー著作集』全5巻が刊行されています。全5巻の内容構成は以下の通り。
第1巻:演劇とその分身 (安堂信也訳)
第2巻:ヘリオガバルス : または戴冠せるアナーキスト (多田智満子訳)
 ※「ヘリオガバルス」は白水社uブックス版でも読むことができます。
第3巻:貝殻と牧師 : 映画・演劇論集 (坂原真里訳) ※ガリマール版全集第2、3巻の抄訳
第4巻:革命のメッセージ (高橋純+坂原真里訳)
第5巻:ロデーズからの手紙 (宇野邦一+鈴木創士訳) ※抄訳

●上段写真右:
神の裁きと訣別するため 〔カセットテープ46分付〕 【絶版】
アントナン・アルトー著 宇野邦一訳
ペヨトル工房 89年7月刊 本体2,913円 46判上製144頁 ISBN4-89342-096-8
■帯文より:ドゥルーズ=ガタリに"器官なき身体"をもたらしたアルトーのラジオドラマ。今、甦えるアルトーの肉声! シュルレアリスムの詩人にして演劇の革命家、アルトーの肉体言語の真髄がここにある。
■目次より:
神の裁きと訣別するため (宇野邦一訳)
 トゥトゥグリ――黒い太陽の儀式
 糞便性の探究
 問いが提出される……
 結論
残酷劇 (宇野邦一訳)
 〈追伸〉
 《追伸》
『神の裁きと訣別するため』をめぐる書簡 (宇野邦一訳)
アルトーの問い (宇野邦一)
■カセット:"POUR EN FINIR AVEC LE JUGEMENT DE DIEU" (P) 1986, Edition La Manufacture-I.N.A.
■装幀:ミルキィ・イソベ+馬場かおる

by urag | 2006-07-05 21:30 | 本のコンシェルジュ | Comments(0)


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