ブログ出版の現状を調べようと思い、ヤフーで「あなたのブログが本になる♪ - 初心者でも簡単に作成可能!ブログ製本サービスでブログ出版」という広告を出している
Qブログへ飛んでみました。
まずまっさきに目に付いた「
マナ・カナのスマイルブログ」を何気なく見てみると「最近のトラックバック」履歴がヒドい。ぜんぶ「発毛育毛」系! 彼女たちは芸能人なのですから本人たち以外にもスタッフが監視&管理をしていそうなものですけれど、こんなふうに荒れ放題な時もあるのでしょうね。
それはともかくとして本題に戻ると、Qブログでは
「あなたのブログ、無料で本にします!」キャンペーンというのをやっていて、キャンペーンに応募していなくてもQブログでブログを開設していれば、勝手に運営母体のほうで当選者を選んでくれるそうです。当選者は無料でブログ製本サービス「
Q book」を利用でき、サイズや紙質などが自由に選べて5冊を作成できるようになっています。
並製だけでなく上製本も作れるとの事。料金などの詳細はQブログに会員登録(無料)していないと見れないようです。ようするにブログ製本サービスを当選者以外にも利用してもらうためのプロモーションですね。自分の本を手にしてみたい人にとっては魅力的なキャンペーンに映ることでしょう。
昨今のブログ出版では、作った本にISBNをつけたり特定書店への配本をサポートしたり、オンライン通販による個人向けの直販の手伝いをしたりするサービスが相談可能である旨を謳っている会社もあります。株式会社デジタオの「
ブックイット」がそれで、グーグルで「ブログ出版」を検索するとトップに上がってきます。「
はてなダイアリー」や「
アメブロ」や「
フォレスト出版」はここと提携しているようですね。
自費出版のイメージはブログ出版の普及でずいぶんと身近なものに変わりつつあるような気がします。1冊から作成可能なオンデマンド印刷製本は、例えば諸般の事情で市場への流通を断念せざるを得なくなった本の企画を、私家版として関係者に配るために小部数を製作するという場合などにぴったりです。色々使い勝手がいいでしょう。
オンデマンド印刷製本じたいは以前からありましたけれども、ブログ出版ほど身近で開放的なイメージはありませんでした。こうした印象の変化によって、自費出版のトレンドも変わっていくことでしょう。自費出版本のオンライン販売を一手に引き受けるような新しいタイプの「書店」がこの先出てくるのかどうか、そのあたりに興味が湧きます。ISBNを取得していない「非流通本」を流通させるような、そういう書店です。
ISBNの取得にはそれなりにお金がかかるし、版元のISBNを間借りするのも面倒だ、という個人のユーザが参入できるような、そういう「非流通本」のマーケット。同人漫画のフリーマーケットのように志向性の強いものではないジェネラルなマーケットが可能なのかどうか。もしそれが可能なのだとしたら、それは業界の外にもうひとつの自律的な「新世界」ができるようなものではないかと思います。
そうした新世界が出現するのも、ひょっとすると遠い未来の話ではないのかもしれません。そして、その新世界が旧世界たる〈出版=取次=書店〉業界とは別の価値観のもとに力強く動き出す時、旧世界も遅まきながら変わっていけるのかもしれません。
書き手や読み手がもはや旧世界の価値体系に依拠せず、新しい共同性の自律的生成へと向かう時、新世界は到来するでしょう。