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2006年 03月 23日

デリダ『触覚、ジャン=リュック・ナンシーに触れる』が青土社から

触覚、ジャン=リュック・ナンシーに触れる
ジャック・デリダ著 松葉祥一+榊原達哉+加國尚志訳
青土社 06年3月刊 本体4800円 46判598頁 ISBN4-7917-6257-6

■帯文より:現代思想も陥る西洋哲学史の罠。アリストテレスから現代にいたる哲学が、触覚の直接性に基づく「直感主義」の罠に陥っている様を詳細に分析し、それを免れたナンシーの哲学の可能性をおし開く。現象学からドゥルーズを含むフランス現代思想全般を初めて批判的に論じ、その精神的背景としてのキリスト教=グローバリゼーションの脱構築を試みたデリダ晩年の哲学的主著。
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●デリダによる秀逸なナンシー論"Le toucher, Jean-Luc Nancy"(Galilée, 2000)が翻訳されました。来月、ナンシーが来日するそうですから、いいタイミングの刊行ですね。来日に併せてナンシー自身の著書の日本語訳も何点か刊行されるようです。

●デリダのナンシー論を手にとってまず驚くのは、書名の「触覚」にふさわしい、カバー用紙の独特の触り心地です。これはおそらく多くの読者にとって初体験になるのではないでしょうか。青土社さんにお尋ねしたところこの紙は「羊毛紙」というのだそうです。早速検索して調べてみると、「羊毛を25%混入、ゴワッとした和紙風の仕上り」とのこと。

なんと本物の羊毛を混ぜている紙なんですね。

●ゴワッとしているというよりは、もっと見た目が柔らかくで、表面は細かい起毛状のフワッとした風合いに近いものに見えます。インクの乗り具合はこの起毛状の表面に優しく包まれている感じ。手触りは和紙のような感覚です。装丁は戸田ツトムさんによるもの。

●ぜひ本屋さんで手にとって確かめてください。ただし、手の平の体温が高い人はお気をつけて。繊細な紙なので、しばらく手にしていると、あなたの手の温かさで紙が部分的に波打ち始めます。

●本書のところどころに挿入されている挿画は、シモン・アンタイ(あるいはハンタイとも)による作品です。文字のような文様が無限に繋がりあい、重なり合い、その合間に隙や皺が走っています。

●本書で言及されているナンシーの著書(単独著に限る)のうち日本語訳があるものは以下の通り。

『共同-体』大西雅一郎訳、松籟社、1996年、ISBN4-87984-177-3
『複数にして単数の存在』加藤恵介訳、松籟社、2005年、ISBN4-87984-229-X
『エゴ・スム』庄田常勝+三浦要訳、朝日出版社、1986年、ISBN4-255-86026-2 (絶版)
『自由の経験』澤田直訳、未来社、2000年、ISBN4-624-93243-9
『神的な様々の場』大西雅一郎訳、松籟社、2001年、ISBN4-87984-218-4
『侵入者』西谷修訳編、以文社、2000年、ISBN4-7531-0213-0

私が見落としているだけかもしれませんが、ナンシーの主著と呼んでいいはずの『無為の共同体』(以文社)や『声の分割』(松籟社)が直接的には引用されていないのは意外な感じがしました。なお、本書には『女神たち』という本も言及されていますが、この本は弊社から翻訳刊行を予定しています。

by urag | 2006-03-23 20:24 | 本のコンシェルジュ | Comments(0)


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