三たび刊行遅延のお詫びです。「舞台芸術」09号(特集「記録主義」)は来年1月下旬の発売予定となりました(20日以降の店頭発売開始予定)。先月、「最終的に12月中旬」と申し上げましたが、発行元(京都造形芸術大学舞台芸術研究センター)の都合により、遅れることになりました。まことに申し訳ありません。
目次と書誌データを以下に掲げます。
舞台芸術09 Performing Arts
特集 記録主義 Documentarism
責任編集=太田省吾・鴻英良
発行=京都造形芸術大学 舞台芸術研究センター
発売=月曜社
本体2000円 A5判並製308頁 ISBN4-901477-59-5
グローバリズム下、舞台とドキュメンタリーの新しい関係が、いま、始まる
いま舞台芸術ではフィクションが機能しなくなっている。それはグローバリズムと無縁ではない。世界各地で社会構造が変化し、ひずみが生じて来ており、そのひずみといかに向き合うことができるのか、それが現在、舞台芸術の最大のテーマとなっている。しかし、ここでは舞台が従来得意として来た、社会的な出来事を劇的に再構成する方法はもはや通用しない。わたしたちはいま、劇的に現実の諸問題を解決してしまう舞台でなく、わたしたちを現実の諸問題へとさしむけるインデックスとなる舞台を必要としているのである。いまそのもっとも極端な形態として、虐殺を生き延びた者たちを舞台に召還し、証言を行わせるドキュメンタリーの表現形態でグローバリズムに拮抗しようとするアーティストたちの戦略がある。かれらの戦略にいかなる可能性があるのか? 本号では、グローバリズム下における、<ドキュメント=記録>を媒介とした舞台芸術の想像力を問う。
目次
舞台の記録――どのようなものとして考えるか 太田省吾………001
イリヤ・カバコフの鞄 鴻英良………005
◎特集=記録主義◎
ローリー・アンダーソン インタヴュー 聞き手=鴻英良
記録と自由………022
自伝とドキュメンタリー――自己【ルビ=セルフ】と社会正義 キャロル・マーチン 訳=内野儀………044
異化する〈事実〉――ドイツ・ドキュメンタリー演劇について 高橋順一………054
共同討議のための基調報告
〈ドキュメンタリー〉が切り開く〈舞台〉 森山直人………066
共同討議
事実とは何か――ドキュメンタリズムの〈関係〉と〈構造〉をめぐって
佐藤真/港千尋/川村毅/鴻英良/八角聡仁/森山直人………076
抵抗の美学のために――証言オペラ『ルワンダ94』の構造と成立過程 フィリップ・イヴェルネル 訳=熊谷謙介………108
ドキュ・パフォーマンスの理論と実践 オン・ケンセン 訳=山田晋平………122
武井昭夫 インタヴュー
記録のアクチュアリティを求めて 聞き手=森山直人………135
あの時、そしてあの時の記録 ローリー・アンダーソン 訳=都甲幸治………159
記録と記憶――機械的複製技術と舞台芸術 渡邊守章………162
舞踊=眼――インタラクティヴ・ダンス・パフォーマンス『Turned』 クリスティアン・ツィーグラー 訳=萩原健………172
◎時評◎
「不可能性の時代」の演劇(二)――〈Jという場所〉と近代芸術という制度について 内野儀………180
「子供の国のダンス」便り――オトナは「運動」がキライ!? 桜井圭介………195
新演出歌舞伎、というもの――『NINAGAWA 十二夜』の場合 小林昌廣………207
裏ベケットのさしせまり――ベケット東京サミットから 岡村民夫………214
◎連載◎
やさしい現代演劇 9 川村毅………222
ブレヒトと方法 6 フレドリック・ジェイムソン 訳=大橋洋一・河野真太郎………229
◎戯曲◎
聞こえる、あなた?――fuga #3
太田省吾………250
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以上です。