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2026年 02月 24日

注目新刊:『書店員の怒りと悲しみと少しの愛』knott books、ほか

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書店員の怒りと悲しみと少しの愛』大塚真祐子/水越麻由子/篠田宏昭/前田隆紀/笈入建志/モーグ女史/小国貴司/嶋田詔太(著)、knott books、2026年2月、本体1,900円、四六変型判並製256頁、ISBN978-4-9914580-0-2
ロンドン』ルイ゠フェルディナン・セリーヌ(著)、森澤友一朗(訳)、ルリユール叢書:幻戯書房、2026年2月、本体6,000円、四六変型判上製648頁、ISBN978-4-86488-341-2
瀧口修造と前衛写真』伊勢功治(著)、作品社、2026年3月、本体3,200円、四六判上製288頁、ISBN978-4-86793-136-3
プラトーノフ・コレクション(Ⅱ)ジャン 1932-1951』アンドレイ・プラトーノフ(著)、工藤順/古川哲(編訳)、石井優貴/きのしたはるよ/染谷茂/高柳聡子/長井淳/平松潤奈/正村和子/安岡治子(訳)、作品社、2026年2月、本体6,300円、四六判上製288頁、ISBN978-4-86793-119-6
〈災害〉文学の可能性』庄司宏子(編著)、木村朗子/小林英里/西成彦/細谷広美/結城正美(著)、作品社、2026年2月、本体3,600円、四六変形判上製380頁、ISBN978-4-86793-135-6

★まず『書店員の怒りと悲しみと少しの愛』は、新しい出版社「knott books」(ノット・ブックス」の書籍第一弾。現役書店員7名、元書店員1名の合計8氏の「切実な声を集めて1冊にした」(knott books代表・長嶺昌史さんによる「あとがき」より)もの。書店のリアルを目の当たりにできる貴重な証言集です。目次詳細は書名のリンク先でご確認いただけます。寄稿者は以下の通り(敬称略)。大塚真祐子(文筆家、元書店員)、水越麻由子(西荻窪・今野書店勤務)、篠田宏昭(国立市・増田書店店長)、前田隆紀(神楽坂・かもめブックス勤務)、笈入建志(往来堂店長)、モーグ女史(書店員)、小国貴司(本駒込・BOOKS青いカバ店主)、嶋田詔太(和歌山市・本町文化堂店主)。長嶺さん曰く「その切実な声は、もっと多くの人の耳に届くべきだと思っています」(同前)と。まったく同感です。初版の刷部数が3500部、初回出荷数は2763部とのこと(note記事「部数決めました」1月30日付より)。多くの書店から注目されている新刊であることが窺えます。

★セリーヌ『ロンドン』と、伊勢功治『瀧口修造と前衛写真』はまもなく発売。『ロンドン』はルリユール叢書の第58回配本、77冊目。2023年11月に同叢書の1冊として刊行された『戦争』の姉妹編となります。帯文に曰く「セリーヌの詩情の源泉たる霧の都ロンドン。女衒(ぜげん)やアナキストが跳梁するこの魔都は、やがて海彼(かいひ)の世界大戦の熱狂に飲まれて錯乱の渦と化してゆく――『戦争』の続編となる幻の未発表作品にして、セリーヌのグロテスク・リアリズムが最高純度で炸裂する自伝的悪漢小説が本邦初訳で登場」。原著『Londre』はガリマールより2022年に出版。ルリユール叢書次回配本は3月下旬予定のサミュエル・セルヴォン『ロンリー・ロンドナーズ』星野真志訳。

★『瀧口修造と前衛写真』は、版元紹介文に曰く「日本を代表する芸術家の原点、〈写真〉に焦点を合わせ、その全貌を明らかにする。画期的論考。これまで書かれることのなかった故郷のこと、幼少期から学生時代など、批評活動を始める前までの背景などを詳しく紹介。テキスト、図版とも、今後の瀧口研究の貴重な資料となる」。投げ込み付録としてA3判の「瀧口修造詳細写真年表」が附属しています。著者の伊勢功治(いせ・こうじ, 1956-)さんは高名なグラフィックデザイナー。写真研究家でもあり、評論集に『写真の孤独――「死」と「記憶」のはざまに』(青弓社、2010年)、『北方の詩人 高島高』(思潮社、2021年)などがあります。

★最後に、発売済の作品社さんの新刊2点です。『プラトーノフ・コレクション(Ⅱ)ジャン 1932-1951』は、2025年12月刊『(Ⅰ)エーテル軌道 1920‒1931』(全22作品収録)に続く、コレクション第Ⅱ巻。全2巻完結です。第Ⅱ巻では全16作品を収録。目次詳細は版元ドットコムの単品頁にてご確認いただけます。付録として16頁の冊子「訳者アンケート(2)」が付属しています。『〈災害〉文学の可能性』は論文集。帯文の文言を借りると、「自然災害、気候変動、環境汚染、戦争、ホロコースト、ジェノサイド、奴隷制度、原発事故、パンデミック」といった主題をめぐる「作家の想像力」を考察するもの。「災害とその記憶の〈時間〉」「〈災害〉とその記憶の〈場〉」の2部構成で、6氏による6篇の論考を収めています。詳細はこちらも版元ドットコムの単品頁にてご確認いただけます。


by urag | 2026-02-24 00:44 | ENCOUNTER(本のコンシェルジュ) | Comments(0)


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