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2026年 02月 16日

注目新書:『中央公論』誌「新書大賞2026」、ほか

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★2026年2月10日(火)発売の月刊誌『中央公論』2026年3月号で、「新書大賞2026」が発表となりました。「目利き47人が選ぶ2025年私のオススメ新書」に参加させていただき、以下の5点を選んでコメントしました。

【1】『福音派』加藤喜之著、中公新書
【2】『ネオ・ユーラシア主義』浜由樹子著、河出新書
【3】『過疎ビジネス』横山勲著、集英社新書
【4】『ケアと編集』白石正明著、岩波新書
【5】『ヘーゲル読解入門(上下)』A・コジェーヴ著、白水Uブックス

★毎年、「新書通103人が厳選した年間ベスト20」とは重複しないことが多いのですが、今年は5点中3点がラインクインしていました。3位『福音派』、4位『ケアと編集』、5位『過疎ビジネス』です。3点以外のベスト20も共感できる書目が多かったです。思うに、世界や日本で大きな問題になっている事件や関心を持たれている事案があればあるほど、それに応えるようにして新書が書かれ、広く読まれることになるのでしょう。

★以下では、当ブログで未言及だった2025年7月から12月発売の新書を列記します。

全てと無――世界の存在をめぐる哲学』マルクス・ガブリエル/グレアム・プリースト(著)、山口尚(訳)、ちくま新書、2025年12月、本体1,400円、新書判448頁、ISBN978-4-480-07722-6
資本主義はなぜ限界なのか――脱成長の経済学』江原慶(著)、ちくま新書、2025年11月、本体920円、新書判240頁、ISBN978-4-480-07714-1

この時代に本を売るにはどうすればいいのか』飯田一史(著)、星海社新書、2025年12月、本体1,400円、新書判288頁、ISBN978-4-06-542035-5
加速主義――ニック・ランドと新反動主義 〈増補新版〉』木澤佐登志(著)、星海社新書、2025年11月、本体1,300円、新書判320頁、ISBN978-4-06-541695-2
ルポ失踪――逃げた人間はどのような人生を送っているのか?』松本祐貴(著)、星海社新書、2025年9月、本体1,350円、新書判192頁、ISBN978-4-06-540652-6

方法叙説』デカルト(著)、三宅徳嘉/小池健男(訳)、養老孟司(解説)、白水Uブックス「思想の地平線」、2025年12月、本体1,200円、新書判152頁、ISBN978-4-560-72151-3
存在と苦悩』ショーペンハウアー(著)、金森誠也(編訳)、梅田孝太(解説)、白水Uブックス「思想の地平線」、2025年9月、本体1,800円、新書判320頁、ISBN978-4-560-72148-3
孤独と人生――幸福について』ショーペンハウアー(著)、金森誠也(訳)、梅田孝太(解説)、白水Uブックス「思想の地平線」、2025年7月、本体1,800円、新書判348頁、ISBN978-4-560-72144-5
ロシア共産主義の歴史と意味』ベルジャーエフ(著)、田中西二郎/新谷敬三郎(訳)、佐藤正則(解説)、白水Uブックス「思想の地平線」、2025年9月、本体2,000円、新書判並製324頁、ISBN978-4-560-72147-6

ドゥルーズ入門――来るべき知への招待』澤野雅樹(著)、平凡社新書、2025年12月、本体1,050円、新書判240頁、ISBN978-4-582-86095-5
これからの社会のために哲学ができること』マルクス・ガブリエル/出口康夫(著)、高木俊一/辻麻衣子/渡邊一弘(訳)、光文社新書、2025年11月、本体1,200円、新書判並製296頁、ISBN978-4-334-10752-9
福音派――終末論に引き裂かれるアメリカ社会』加藤喜之(著)、中公新書、2025年9月、本体1,200円、新書判328頁、ISBN978-4-12-102873-0
西洋の敗北と日本の選択』エマニュエル・トッド(著)、文春新書、2025年9月、本体900円、新書判並製208頁、ISBN978-4-16-661507-0
スワイプ厳禁――変死した大学生のスマホ』知念実希人 (著)、双葉社、2025年8月、本体454円、新書(B40)変型判136頁、ISBN978-4-575-24833-3
過疎ビジネス』横山勲(著)、集英社新書、2025年7月、本体1,000円、新書判280頁、ISBN978-4-08-721373-7

★『スワイプ厳禁』は新書ではありませんが、スマホに似せた版面でイラストや書体やレイアウトに工夫が見られ、興味深かったです。紙媒体が衰微しつつある昨今、造本にアイデアを凝らすことはもっと掘り下げられて良いと思います。新書レーベルにも新しい価値が生まれることを期待したいです。なにより2026年は、出版社・取次・書店の三者をはじめ、業界全体にとって厳しいサバイバルの一年となることが予想されます。3000社の出版社、2強の取次、8000店弱のリアル書店という業界の現在の規模感は、この先数年でいずれも半減する可能性すらあります。ドミノはもう始まっています。


by urag | 2026-02-16 00:04 | ENCOUNTER(本のコンシェルジュ) | Comments(0)


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