★2026年2月10日(火)発売の月刊誌『中央公論』2026年3月号で、「新書大賞2026」が発表となりました。「目利き47人が選ぶ2025年私のオススメ新書」に参加させていただき、以下の5点を選んでコメントしました。
【1】『福音派』加藤喜之著、中公新書
【2】『ネオ・ユーラシア主義』浜由樹子著、河出新書
【3】『過疎ビジネス』横山勲著、集英社新書
【4】『ケアと編集』白石正明著、岩波新書
【5】『ヘーゲル読解入門(上下)』A・コジェーヴ著、白水Uブックス
★毎年、「新書通103人が厳選した年間ベスト20」とは重複しないことが多いのですが、今年は5点中3点がラインクインしていました。3位『福音派』、4位『ケアと編集』、5位『過疎ビジネス』です。3点以外のベスト20も共感できる書目が多かったです。思うに、世界や日本で大きな問題になっている事件や関心を持たれている事案があればあるほど、それに応えるようにして新書が書かれ、広く読まれることになるのでしょう。
★以下では、当ブログで未言及だった2025年7月から12月発売の新書を列記します。
『
全てと無――世界の存在をめぐる哲学』マルクス・ガブリエル/グレアム・プリースト(著)、山口尚(訳)、ちくま新書、2025年12月、本体1,400円、新書判448頁、ISBN978-4-480-07722-6
『
方法叙説』デカルト(著)、三宅徳嘉/小池健男(訳)、養老孟司(解説)、白水Uブックス「思想の地平線」、2025年12月、本体1,200円、新書判152頁、ISBN978-4-560-72151-3
『
存在と苦悩』ショーペンハウアー(著)、金森誠也(編訳)、梅田孝太(解説)、白水Uブックス「思想の地平線」、2025年9月、本体1,800円、新書判320頁、ISBN978-4-560-72148-3
『
孤独と人生――幸福について』ショーペンハウアー(著)、金森誠也(訳)、梅田孝太(解説)、白水Uブックス「思想の地平線」、2025年7月、本体1,800円、新書判348頁、ISBN978-4-560-72144-5
『
ロシア共産主義の歴史と意味』ベルジャーエフ(著)、田中西二郎/新谷敬三郎(訳)、佐藤正則(解説)、白水Uブックス「思想の地平線」、2025年9月、本体2,000円、新書判並製324頁、ISBN978-4-560-72147-6
『
これからの社会のために哲学ができること』マルクス・ガブリエル/出口康夫(著)、高木俊一/辻麻衣子/渡邊一弘(訳)、光文社新書、2025年11月、本体1,200円、新書判並製296頁、ISBN978-4-334-10752-9
『
西洋の敗北と日本の選択』エマニュエル・トッド(著)、文春新書、2025年9月、本体900円、新書判並製208頁、ISBN978-4-16-661507-0
『
過疎ビジネス』横山勲(著)、集英社新書、2025年7月、本体1,000円、新書判280頁、ISBN978-4-08-721373-7
★『スワイプ厳禁』は新書ではありませんが、スマホに似せた版面でイラストや書体やレイアウトに工夫が見られ、興味深かったです。紙媒体が衰微しつつある昨今、造本にアイデアを凝らすことはもっと掘り下げられて良いと思います。新書レーベルにも新しい価値が生まれることを期待したいです。なにより2026年は、出版社・取次・書店の三者をはじめ、業界全体にとって厳しいサバイバルの一年となることが予想されます。3000社の出版社、2強の取次、8000店弱のリアル書店という業界の現在の規模感は、この先数年でいずれも半減する可能性すらあります。ドミノはもう始まっています。
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