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2026年 02月 08日
★まもなく発売となる新刊2点からご紹介します。 『ジャック・デリダ講義録 死刑Ⅱ』ジャック・デリダ(著)、西山雄二/郷原佳以/佐藤嘉幸/佐藤朋子/工藤顕太(訳)、白水社、2026年2月、本体7,500円、A5判上製370頁、ISBN978-4-560-09807-3 『行間を読む、行間に書く』カルロ・ギンズブルグ(著)、上村忠男(編訳)、みすず書房、2026年2月、本体5,800円、四六判上製264頁、ISBN978-4-622-09841-6 ★『死刑Ⅱ』は、白水社版「ジャック・デリダ講義録」の第6弾。『死刑Ⅰ』(高桑和巳訳、2017年)に続くもので、原著は『La peine de mort : Séminaire (2000-2001)』(Galilée, 2012)です。版権契約はSeuilと締結されています。帯文に曰く「「不可逆的な罰」について考えるためのトピックスを、行為・年齢・欲望という導きの糸とともに徹底的に探究。ポスト・ヒューマニズムも見すえながら「人間の固有性」について問う。死刑存廃論の全体を脱構築していく、政治神学-死刑論」。 ★『行間を読む、行間に書く』は、イタリアの歴史家カルロ・ギンズブルグ(Carlo Ginzburg, 1939-)の論考8篇を、訳者の上村忠男さんが独自に編んだもの。書誌情報は書名のリンク先でご確認いただけます。2004年から2017年に発表された論文6編に、本書が初出となる2篇の論考が加わっています。巻頭の「前置き」は著者による書き下ろしと思われます。カバー表4紹介文に曰く「歴史家が自己形成の歩みとともに、探求のテクニックを明かす実践論考集」。編訳者あとがきによれば、みすず書房より刊行された2点の編訳書『ミクロストリアと世界史』(2016年)、『恥のきずな』(2022年)に収録されなかった論考を選んで翻訳したもの、とのことです。 ★次に、ちくま学芸文庫2月新刊5点を列記します。まもなく発売。リンギスとポーター、原典訳マビノギオンの文庫化は今回が初めてです。 『信頼』アルフォンソ・リンギス(著)、岩本正恵(訳)、ちくま学芸文庫、2026年2月、本体1,400円、文庫判320頁、ISBN978-4-480-51343-4 『啓蒙主義』ロイ・ポーター(著)、見市雅俊(訳)、ちくま学芸文庫、2026年2月、本体1,200円、文庫判256頁、ISBN978-4-480-51346-5 『マビノギオン――中世ウェールズ幻想物語集』中野節子(訳)、ちくま学芸文庫、2026年2月、本体1,800円、文庫判624頁、ISBN978-4-480-51341-0 『芸術空間の系譜』高階秀爾(著)、ちくま学芸文庫、2026年2月、本体1,200円、文庫判272頁、ISBN978-4-480-51351-9 『英語のルーツ』唐澤一友(著)、ちくま学芸文庫、2026年2月、本体1,300円、文庫判336頁、ISBN978-4-480-51345-8 ★『信頼』は、米国の哲学者アルフォンソ・リンギス(Alphonso Lingis, 1933-2025)の著書『Trust』(University of Minnesota Press, 2004)の全訳(青土社、2006年)の文庫化。旅する哲学者リンギスの魅力が多数の写真とともに凝縮された一冊。訳者はすでに逝去しており、編集部による特記事項には「文庫化にあたり明らかな誤りは適宜訂正した」とあります。新たに加わった巻末解説「信頼するための勇気を学ぶ旅」は管啓次郎さんによるもの。 ★『啓蒙主義』は、英国の医学史家ロイ・ポーター(Roy Porter, 1946-2002)の著書『The Enlightenment』(2nd edition, Bloomsbury, 2001)の全訳(岩波書店、2004年)の文庫化。編集部特記によれば「文庫化にあたっては、全面的に訳文を見直して改訂を施し」たとのことです。カバー表4紹介文には「啓蒙主義に対する近年の批判も含め、「理性の時代」の背景とその精神に多角的な光をあてた画期的入門書。文庫版では、最新の研究動向まで総括する訳者解説と、日本語文献案内を完備する」とあります。 ★『マビノギオン』は、2000年にJULA出版局より刊行された、ウェールズ語訳原典からの完訳書の文庫化。帯文に曰く「アーサー王が活躍する物語など計11編を収録」と。巻末の「『マビノギオン』の物語を追って」は、2025年12月の日付がある訳者による文庫版あとがきに相当する内容です。訳文改訂については特に言及なし。なお近年のウェールズ語原典訳には、本書の親本以降では、森野聡子訳が2019年に原書房より刊行されています。 ★『芸術空間の系譜』は、鹿島出版会「SD選書」で1967年刊行された、西洋美術史家の高階秀爾(たかしな・しゅうじ, 1932-2024)さんによる著書の文庫化。親本での図版は差し替えや増補が行なわれています。新たに加わった巻末解説「壮大なる西欧空間文化史」は三浦篤さんによるもの。 ★『英語のルーツ』は、2011年に春風社から刊行された、英語学者の唐澤一友(からさわ・かずとも, 1973-)さんの著書の文庫化。本書は「英語のルーツをたずねることで英語という言語の性質や位置づけについて考え」「〔インド・ヨーロッパ祖語、ゲルマン祖語、古英語・中英語といった〕三つのルーツをたずねることにより、大きな視野の中で英語を理解しようとした試み」(はじめにより)です。文庫版あとがきによれば「初版における誤植やその他の誤りを訂正し、より新しい情報がある場合にはそれを加え、一部の図表などをより新しいものに差し替え、またいくらか加筆を行った」とのこと。 ★最後に、作品社さんの発売済新刊2点。 『明治・大正のロゴ図鑑――登録商標で振り返る企業のマーク』友利昴(著)、作品社、2026年1月、本体2,400円、46判並製288頁+口絵8頁、ISBN978-4-86793-128-8 『カリーム、シリアとアメリカのはざまで』シファー・サルタージ・サファディ(著)、山田文(訳)、作品社、2026年1月、本体2,200円、46判並製232頁、ISBN978-4-86793-133-2 ★『明治・大正のロゴ図鑑』は、『江戸・明治のロゴ図鑑』(2024年9月)の続編。既刊書と同じく「登録商標で振り返る企業のマーク」が主題です。帯文に曰く「あのコクヨ、グリコ、キューピーちゃんなど続々誕生、ご長寿企業のロゴマークの原石」。『カリーム、シリアとアメリカのはざまで』は、シリーズ「金原瑞人選モダン・クラシックYA」の最新刊。シリア生まれの米国の作家シファー・サルタージ・サファディ(Shifa Saltagi Safadi)の『Kareem Between』(Putnam's Son, 2024)の訳書。シリア系アメリカ人でサッカー選手になる夢を持っている少年カリームの成長物語です。2024年の全米図書賞受賞作。
by urag
| 2026-02-08 23:28
| ENCOUNTER(本のコンシェルジュ)
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