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2025年 12月 14日

注目新刊:フーコー講義集成全13巻がついに完結、ほか

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★最近出会いのあった新刊を列記します。

ミシェル・フーコー講義集成(10)主体性と真理――コレージュ・ド・フランス講義1980-1981年度』ミシェル・フーコー(著)、清水雄大/坂本尚志(訳)、筑摩書房、2025年12月、本体6,300円、A5判上製400頁、ISBN978-4-480-79050-7
非水のみかた』杉浦非水(著)、海野弘(解説)、作品社、2025年12月、本体2,700円、A5判並製208頁、ISBN978-4-86793-127-1

★『主体性と真理』はまもなく発売。コレージュ・ド・フランスにおけるミシェル・フーコー(Michel Foucault, 1926-1984)の講義録全13巻の第13回すなわち最終回配本となる第10巻です。『Subjectivité et vérité : Cours de Michel Foucault au Collège de France (1980-1981)』(éd. par Fréderic Gros, Gallimard/Seuil, 2014)の全訳。本書は「フーコーが古代ギリシア・ローマにおけるセクシュアリテについて本格的に論じ始めた最初の講義」(訳者解説より)です。「この講義は生前フーコーが最後に刊行した二冊の書物、『性の歴史Ⅱ 快楽の活用』、『性の歴史Ⅲ 自己への配慮』(1984年)と一定数の内容が重なっている。実際、「講義の位置づけ」で編者のフレデリック・グロがくわしく指摘しているように、この講義と両書物はともに、古代ギリシアとローマにおけるセクシュアリテの経験の相違を検討し、それらとの比較において、キリスト教におけるセクシュアリテの経験、つまり肉の経験の独自性をはっきりと示すことを目指していた」(同)。

★「『快楽の活用』と『自己への配慮』、さらには『肉の告白』といった著作を準備しているとき、フーコーがどのような問題関心をもっていたのかを、本講義はきわめてよく示している。〔…〕『主体性と真理』講義を読むことで、『快楽の活用』、『自己への配慮』が、ひいては晩年のフーコーの古代哲学への関心の所在がより良く理解できるようになるだろう」(同)。『快楽の活用』『自己への配慮』『肉の告白』はいずれも新潮社から訳書が刊行されていることは周知の通りです。筑摩書房版フーコー講義録は2002年から2025年までの長きにわたる刊行期間となりましたが、完結に立ち会えて幸いでした。講義集成の全巻構成を以下に記します。紙媒体の版元在庫は第2巻と今回の10巻のみ。学術書の翻訳ものは出版契約の関係で電子化に不向きな面があります。いずれ『思考集成』は『フーコー・コレクション』として再編文庫化されていますので、『講義集成』も期待して良いかもしれません。

『1 知への意志 (1970-71)』 慎改康之・藤山真訳、2014年3月
『2 刑罰の理論と制度 (1971-72)』 八幡恵一訳、2023年10月
『3 処罰社会 (1972-73)』 八幡恵一訳、2017年6月
『4 精神医学の権力 (1973-74)』 慎改康之訳、2006年2月
『5 異常者たち (1974-75)』 慎改康之訳、2002年10月
『6 社会は防衛しなければならない (1975-76)』 石田英敬・小野正嗣訳、2007年8月
『7 安全・領土・人口 (1977-78)』高桑和巳訳、2007年6月
『8 生政治の誕生 (1978-79)』 慎改康之訳、2008年8月
『9 生者たちの統治 (1979-80)』 廣瀬浩司訳、2015年2月
『10 主体性と真理 (1980-81)』 清水雄大・坂本尚志訳、2025年12月
『11 主体の解釈学 (1981-82)』 廣瀬浩司・原和之訳、2004年2月
『12 自己と他者の統治 (1982-83)』 阿部崇訳、2010年4月
『13 真理の勇気 自己と他者の統治2 (1983-84)』 慎改康之訳、2012年2月

★『非水のみかた』は、「本のグラフィック・デザイン界の草分け」(帯文より)である杉浦非水(すぎうら・ひすい, 1876-1965)の自伝。「雑誌「広告界」に一年間掲載され、その後一度も書籍化されることのなかった非水の自伝を単行本に初めて全文収録するとともに、非水がデザインを手がけた作品や資料写真、同時代のデザインや絵画を多数収録」(版元挨拶文より)したもの。「〈アール・ヌーボー〉に魅了され、〈三越〉のデザインを手がけた先駆者の生涯と作品」(帯文より)。300点を超す図版はもともと白黒だった写真を除き、作品群はすべてフルカラーで美しいです。海野弘(うんの・ひろし, 1939-2023)さんによる解説「黎明期のデザイナー 杉浦非水」(初出『杉浦非水写生帖』光村推古書院、1977年;底本『日本のアール・ヌーヴォー』青土社、1978年)が巻末に付されています。


by urag | 2025-12-14 22:43 | ENCOUNTER(本のコンシェルジュ) | Comments(0)


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