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2025年 02月 24日
★注目の文庫新刊既刊と新書新刊既刊を列記します。 『形而上学叙説 他五篇』ライプニッツ(著)、佐々木能章(訳)、岩波文庫、2025年2月、本体1,160円、文庫判424頁、ISBN978-4-00-336163-4 『系譜なき難解さ――小説家と批評家の対話』埴谷雄高/吉本隆明/秋山駿(著)、講談社文芸文庫、2025年2月、本体2,600円、A6判352頁、ISBN978-4-06-538444-2 『仏教名言辞典』金岡秀友(編著)、講談社学術文庫、2025年1月、本体1,540円、A6判448頁、ISBN978-4-06-538502-9 『国家について 法律について』キケロー(著)、岡道男(訳)、講談社学術文庫、2025年1月、本体1,540円、A6判338頁、ISBN978-4-06-538134-2 『宇宙の声』星新一(著)、100分間で楽しむ名作小説:角川文庫、2024年11月、本体660円、文庫判128頁、ISBN978-4-04-115251-5 『黒猫亭事件』横溝正史(著)、100分間で楽しむ名作小説:角川文庫、2024年3月、本体600円、文庫判176頁、ISBN978-4-04-114819-8 『神童』谷崎潤一郎(著)、100分間で楽しむ名作小説:角川文庫、2024年3月、本体600円、文庫判160頁、ISBN978-4-04-114814-3 『人間椅子』江戸川乱歩(著)、100分間で楽しむ名作小説:角川文庫、2024年3月、本体600円、文庫判128頁、ISBN978-4-04-114812-9 『ルポ 「トランプ信者」潜入一年』横田増生(著)、小学館新書、2025年1月、本体1,300円、新書判400頁、ISBN978-4-09-825486-6 『ヘビ学――毒・鱗・脱皮・動きの秘密』ジャパン・スネークセンター(著)、小学館新書、2024年12月、本体1,050円、新書判216頁、ISBN978-4-09-825481-1 『ヴォイニッチ写本――世界一有名な未解読文献にデータサイエンスが挑む』安形麻理/安形輝(著)、星海社新書、2024年12月、本体1,350円、新書192頁、ISBN978-4-06-538315-5 ★まずは岩波文庫新刊より。『形而上学叙説 他五篇』は、ドイツ近世の哲学者ライプニッツ(Gottfried Wilhelm Leibniz, 1646-1716)の中期代表作『形而上学叙説』(1686年)をメインに据え、後期思想に繋がっていくテクスト5篇を収録。「アルノー宛書簡」(1686~1690年)5通、「デカルト『哲学原理』評釈」(1699年)、「自由、偶然性、原因の系列、摂理について」(1689年頃か)、「遡源試論――原因探究についての遡源試論」(1696年以降)、「デカルト哲学についての私見に加えられた批判への返答」(1697年)。帯文に曰く「75年ぶりの新訳、天才の飛躍の書」と。岩波文庫旧版は河野与一訳『ライプニツ 形而上学叙説』(1950年)でこちらは表題作のほか、「ライプニツ/アルノー往復書簡」26篇と、訳者による「ライプニツ略伝」が収められています。 ★次に講談社文芸文庫と同学術文庫新刊既刊より。『系譜なき難解さ』は、『死霊』五章発表直後の1975年7月に行われた対話3本を収録。埴谷雄高×吉本隆明「意識 革命 宇宙」、埴谷雄高×吉本隆明×秋山駿「思索的渇望の世界」、埴谷雄高×吉本隆明×秋山駿「文学と政治 政治は死滅するか」。巻末解説「戦後文学の転換点で」は批評家の井口時男さんによるもの。 ★『仏教名言辞典』は、東京堂出版より1971年に刊行された『仏家名言辞典』の改題文庫化。仏教学者で真言宗僧侶だった金岡秀友(かなおか・しゅうゆう, 1927-2009)さんがインド、中国、日本の仏教僧の名言を主題別に選んで解説したもの。帯文に曰く「最澄、空海、親鸞、道元、龍樹、洪自誠……40人を超える名僧たちの、ことばと思想。人名辞典、名著リスト付き」。巻末特記によれば「経年などにより説明が必要と思われた箇所は、編集部注として補足」したとのことです。 ★『国家について 法律について』は、巻末特記によれば「1999年に岩波書店より『キケロー選集(8)哲学Ⅰ』として刊行されたものを底本とし、体裁や方針などを改訂して文庫版としたもの」と。『国家について』はかの「スキーピオーの夢」を含んでいます。訳者の岡道男(おか・みちお, 1931-2000)さんは京都大学名誉教授。帯文に曰く「西洋古典学の大家が最後に残した名訳」と。解題を寄せられた山下太郎さんには『ラテン語を読む――キケロー「スキーピオーの夢」』(ベレ出版、2017年)という『スキーピオーの夢』の原文と現代語訳を含む著書があります。 ★角川文庫の「100分間で楽しむ名作小説」の既刊書を少しずつ読んでいます。名作再読の良い機会です。坂口安吾『白痴』と夢野久作『瓶詰の地獄』に続いて、4冊を買い、まず横溝正史『黒猫亭事件』と江戸川乱歩『人間椅子』をひもときました。前者の金田一耕助の長広舌よりも私が好きなのは乱歩が描く錯乱の美学なのでした。後者は「人間椅子」「目羅博士の不思議な犯罪」「押絵と旅する男」の3篇を収録。読者を幻惑させる独特の魅力はこんにちに至るまでいささかも喪われていないと思います。 ★新書新刊既刊より3点。まず小学館新書2点。『ルポ 「トランプ信者」潜入一年』は、潜入ジャーナリストとして著名な横田増生(よこた・ますお, 1965-)さんの著書『 「トランプ信者」潜入一年――私の目の前で民主主義が死んだ』(小学館、2022年)に加筆修正し、新書版序章「トランプ減少と斎藤現象はつながっていた」と、新章「兵庫県知事選「斎藤応援団」に密着1ヶ月」(初出は『週刊ポスト』)を加えたもの。 ★『ヘビ学』は、カバーソデ紹介文を参照すると「日本で唯一のヘビ専門研究所「ジャパン・スネークセンター」の研究員4氏が、〈細くて、長くて、怖くて、でも魅力的な生き物〉を徹底解説」したもの。ジャパン・スネークセンターは一般財団法人「日本蛇族学術研究所」が運営するヘビ専門の動物園・研究施設として1965年に馬県太田市の藪塚温泉で開園。巻頭には、同園で飼育されているヘビたちのカラーグラビアが配されています。 ★星海社新書の『ヴォイニッチ写本』は、カバーソデ紹介文に曰く「ヴォイニッチ写本の研究に取り組む著者達が400年にわたる解読の歴史とともに、データサイエンスを用いた最新の研究を解説し、日本におけるヴォイニッチ写本紹介の先駆者である荒俣宏氏との鼎談を収録した、最高のヴォイニッチ写本入門」。「本書が未解読写本の研究の魅力について、データサイエンスを人文学に援用することの可能性について、読者の皆様に伝えることができれば望外の喜びである」(はじめに、7頁)。
by urag
| 2025-02-24 00:58
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