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2024年 03月 03日
★まずは、まもなく発売となるちくま学芸文庫の3月新刊5点。 『資本論 第一巻 上』カール・マルクス(著)、今村仁司/三島憲一/鈴木直(訳)、ちくま学芸文庫、2024年3月、本体1,700円、文庫判688頁、ISBN 978-4-480-51190-4 『資本論 第一巻 下』カール・マルクス(著)、今村仁司/三島憲一/鈴木直(訳)、ちくま学芸文庫、2024年3月、本体1,900円、文庫判816頁、ISBN 978-4-480-51191-1 『江戸の戯作絵本 3』小池正胤/宇田敏彦/中山右尚/棚橋正博(編)、ちくま学芸文庫、2024年3月、本体1,800円、文庫判576頁、ISBN978-4-480-51226-0 『ナチズムの記憶――日常生活からみた第三帝国』山本秀行(著)、ちくま学芸文庫、本体1,500円、文庫判416頁、ISBN978-4-480-51235-2 『概説 人工知能――ディープラーニングから生成AIへ』丸岡章(著)、ちくま学芸文庫、2024年3月、本体1,200円、文庫判288頁、ISBN978-4-480-51234-5 ★『資本論 第一巻』上下巻は、『マルクス・コレクション(V)』(筑摩書房、2005年)の全面改訳文庫化。文庫化の経緯や訳語の選択については文庫版訳者あとがきで説明されています。今村仁司さんが亡くなっているため、改訳は三島憲一さんと鈴木直さんのお二人が行なっています。「本訳書では、ドイツ語の文法構造を写しとることなどを翻訳上の原則とはせず、目を戻して読み直さなければ意味のつかめない訳文は極力さけるように努めた。最終的にめざしたのは、マルクスの文章に惹かれながら、最後まで一気に読み通すことができるような訳文を提供することだった」(文庫版訳者あとがきより)。 ★『江戸の戯作絵本 3』は、社会思想社の現代教養文庫版『江戸の戯作絵本 続巻一』(1984年)と『江戸の戯作絵本 続巻二』(1985年)の合本文庫化。今回も棚橋正博さんの協力のもと、誤記誤植が改められ、図版は状態のより良いものに差し換えられています。底本とは異なる図版を掲載したものも一部あるとのことです。 ★『ナチズムの記憶』は、ドイツ史家の山本秀行(やまもと・ひでゆき, 1945-)さんが初の単独著として山川出版社から1995年に上梓した単行本の文庫化。文庫版あとがきによれば単行本で見逃されていた「ミスや誤植」を訂正したとのことです。 ★『概説 人工知能』は、Math&Scienceシリーズの1冊で、東北大学名誉教授の丸岡章(まるおか・あきら, 1942-)さんによる文庫オリジナルの書き下ろし。帯文に曰く「」超絶進化の鍵となる基本概念を解き明かす」と。主要目次を転記しておきます。 第1講 AIが人間を超えた?! 第2講 人工知能研究の歴史 第3講 脳が働き、人が振る舞う 第4講 ディープラーニングのエッセンス 第5講 学習のポテンシャル 第6講 畳み込みニューラルネットワークとバックプロパゲーション 第7講 アルファ碁 第8講 トランスフォーマー、生成AIの心臓部 第9講 大規模言語モデル 第10講 生成AI 巻末注 あとがき 索引 ★続いて、最近出会いのあった新刊を列記します。 『音と脳――あなたの身体・思考・感情を動かす聴覚』ニーナ・クラウス(著)、伊藤陽子(訳)、紀伊國屋書店、2024年3月、本体2,700円、46判並製376頁、ISBN978-4-314-01203-4 『現代思想2024年3月号 特集=人生の意味の哲学』青土社、2024年2月、本体1,600円、A5判並製頁238頁、ISBN978-4-7917-1461-2 『記憶と芸術――ラビリントスの谺』中村高朗/虎岩直子(編著)、法政大学出版局、2024年3月、本体3,200円、四六判並製416頁、ISBN978-4-588-41039-0 『誘惑する他者――メルヴィル文学の倫理』古井義昭(著)、法政大学出版局、2024年3月、本体3,200円、A5判上製300頁、ISBN978-4-588-49522-9 『神論――現代一神教神学序説』中田考(著)、作品社、2024年2月、本体3,600円、46判並製384頁、ISBN978-4-86793-001-4 『ニッポンのムスリムが自爆する時――日本・イスラーム・宗教』松山洋平(著)、作品社、2024年2月、本体2,400円、46判並製240頁、ISBN978-4-86793-021-2 『イスラーム・デジタル人文学』須永恵美子/熊倉和歌子(編著)、人文書院、2024年2月、本体3,200円、4-6判並製274頁、ISBN978-4-409-42025-6 『近代日本の身体統制――宝塚歌劇・東宝レヴュー・ヌード』垣沼絢子(著)、人文書院、2024年2月、本体4,500円、4-6判上製378頁、ISBN978-4-409-52093-2 『読書装置と知のメディア史――近代の書物をめぐる実践』新藤雄介(著)、人文書院、2024年2月、本体4,500円、4-6判上製402頁、ISBN978-4-409-24162-2 『金時鐘コレクション(5)日本から光州事件を見つめる――詩集『光州詩片』『季期陰象』ほか エッセイ』金時鐘(著)、細見和之(解説)、細見和之/浅見洋子(解題)、藤原書店、2024年2月、本体4,200円、四六変型判上製400頁+口絵4頁、ISBN978-4-86578-415-2 『フランス大使の眼でみたパリ万華鏡』小倉和夫(著)、藤原書店、2024年2月、本体2,700円、四六判上製416頁、ISBN978-4-86578-414-5 『鶴見和子と水俣――共生(ともいき)の思想としての内発的発展論』杉本星子/西川祐子(編)、藤原書店、2024年3月、本体4,400円、A5判上製344頁、ISBN978-4-86578-413-8 ★紀伊國屋書店の新刊『音と脳』は、ノースウェスタン大学コミュニケーション科学・障害学部教授で神経科学者のニーナ・クラウス(Nina Kraus)さんの著書『Of Sound Mind: How Our Brain Constructs a Meaningful Sonic World』(MIT Press, 2021)の訳書。帯文に曰く「音は私たちを変える。言葉、音楽、都市の騒音、大自然の静寂、愛する人の声――聞くことは、感じ、考え、動くことにどう影響するのだろうか? 音の持つ力と可能性を説く、聴覚神経科学のトップサイエンティストの集大成」。書名のリンク先で、目次や本文の試し読みが可能です。 ★青土社の月刊誌『現代思想』の3月号は特集「人生の意味の哲学」。版元紹介文に曰く「21世紀的な「人生の意味の哲学」の諸相を展望し、その現代的意義について考察」と。古田徹也さんと森岡正博さんの討議「生きる意味を問うとき、私たちは何を考えているのか」のほか、13篇の論考を収録。詳細は誌名のリンク先でご確認いただけます。次号4月号の特集は「〈子ども〉を考える」と予告されています。 ★法政大学出版局の3月新刊より2点。『記憶と芸術』は発売済。書名となっている主題をめぐる、13篇の論考と1本の対談からなるアンソロジーです。詳細は書名のリンク先でご確認いただけます。『誘惑する他者』はまもなく発売。立教大学文学部教授の古井義昭(ふるい・よしあき, 1982-)さんが2010年から2022年にかけて英文で発表してきたメルヴィルをめぐる査読論文10本を自ら翻訳し改稿し、書き下ろしの序章を付して1冊にまとめたものです。帯文に曰く「書くこと/読むことの根源に関わるテーマを徹底的に掘り下げる」と。 ★作品社の2月新刊より2点。『神論』はイスラーム法学者の中田考(なかた・こう, 1960-)さんによる「イスラームを超えたイスラームの真義を開示する、一神教の入門書」(帯文より)。「しんろん」と読みます。書名のリンク先で試し読みが可能。『ニッポンのムスリムが自爆する時』は、イスラーム学者の松山洋平(まつやま・ようへい, 1984-)さんが「ゲンロン」誌や「ゲンロンβ」誌に2019年から2022年にかけて発表してきた、イスラームの諸相をめぐるエッセイ11篇に、2014年の他誌への既出論考を合わせ、加筆訂正のうえまとめたもの。 ★人文書院の2月新刊より3点。『イスラーム・デジタル人文学』は「イスラーム研究をデジタル人文学で捉え直す、気鋭研究者らによる最新の成果」。9本の論考と9本コラムを収録。詳細は書名のリンク先でご覧いただけます。『近代日本の身体統制』は、演劇学がご専門の垣沼絢子(かきぬま・あやこ, 1987-)さんの初の単独著。「戦前から戦後にかけての宝塚・東宝のレヴュー史を、「身体統制」と「近代化」という軸をもとに見通すもの」(はじめにより)。『読書装置と知のメディア史』は、メディア史がご専門の新藤雄介(しんどう・ゆうすけ, 1983-)さんが、博士学位論文に大幅な加筆修正を施したもの。目次詳細は書名のリンク先でご確認いただけます。 ★藤原書店の2月新刊は全3点。『金時鐘コレクション(5)』は全12巻中の第9回配本。詩集『光州詩片』『季期陰象』のほか、エッセイ7本、講演3本、詩集をめぐる語り下ろしのインタヴューを収録。詳細は書名のリンク先をご確認ください。『フランス大使の眼でみたパリ万華鏡』は、ベトナム大使、韓国大使、フランス大使などを歴任した小倉和夫(おぐら・かずお, 1938-)さんによる手記と、パリを訪問した日本人作家たちをめぐるエッセイを1冊にしたもの。『鶴見和子と水俣』は、「不知火海総合学術調査団と内発的発展論」「萃点としての水俣」の二部構成のアンソロジー。9本の論考、6本のシンポジウム発表、3本のコラムから成ります。詳細は書名のリンク先でご確認いただけます。 ![]()
by urag
| 2024-03-03 23:06
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