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2022年 02月 15日

月曜社3月新刊:樋笠勝士編『フィクションの哲学――詩学的虚構論と複数世界論のキアスム』

2022年3月11日取次搬入予定 *人文・哲学

フィクションの哲学――詩学的虚構論と複数世界論のキアスム
樋笠勝士[編]
月曜社 本体4,500円 A5判上製344頁 ISBN978-4-86503-131-7

詩的虚構論、複数世界論、可能世界論が交叉する問題系をめぐり、古典古代から中世・ルネサンスへ、さらにバウムガルテンを経て、ロマン主義哲学、現代思想まで、その時代状況や思想背景を系譜的にたどる論文集。5部構成全12章にコラム4本を添える。シリーズ・古典転生、第25回配本(本巻第24巻)

目次:
編者まえがき――「フィクション」と「世界」|樋笠勝士 
第一部 詩学的虚構論の系譜
第一章 古代弁論術の伝統とフィクションの起源|堀尾耕一 
第二章 古代哲学における「観念的構想」の存在論的位置――ストア派とプロティノスにおいて|樋笠勝士 
第三章 〈理虚的存在〉ens rationisは虚構か?――中世から近世にかけての〈理虚的存在〉|山内志朗 
[コラム] アリストテレース『詩学』における上演効果の論点――メーイの解釈を補助線とする素描|津上英輔 
第二部 複数世界論の系譜
第四章 複数世界と虚構空間――可能世界、不可能世界、実世界の交錯|長尾伸一 
第五章 〈創造されなかった世界〉の論理――ライプニッツの可能世界論の前史として|桑原俊介 
[コラム] ジョルダーノ・ブルーノにおける無限宇宙と複数世界――神学的可能世界論の解| 岡本源太 
第三部 詩学的虚構論と複数世界論の交叉〔キアスム〕
第六章 バウムガルテンにおける認識能力論の再検討――認識と自由の問題に関する一考察|津田栞里 
第七章 神と詩人の世界創造――J・P・ウーツの教訓詩「弁神論」における神学的可能世界論と天文学的複数世界論の交錯|井奥陽子 
[コラム] バウムガルテンの「詩の哲学」|樋笠勝士 
第四部 詩学的虚構論と複数世界論の交叉〔キアスム〕の行方
第八章 美的仮象論の成立過程――カントからシラーへ|小田部胤久 
第九章 複数世界の論理的構成――エミル・ラスクのカテゴリー論とカントの超越論論理|大橋容一郎 
第一〇章 詩におけるイデアの直観とは何か――ショーペンハウアーの詩学と「生のイデア」|高橋陽一郎 
第五部 虚構世界論の現代的展開
第一一章 「この世界への信仰」を騙る「仮構」――ドゥルーズ哲学における非–可能世界的な虚構の問題|内藤慧 
第一二章 虚構内言明のパズル――フレーゲ的対象概念から|松本大輝 
[コラム] 虚構世界の真理と解釈|河合大介 
編者あとがき|樋笠勝士 
索引(人名・事項)

執筆者一覧(五十音順)
井奥陽子(いおく・ようこ)1985年生。東京藝術大学教育研究助手。ドイツ啓蒙主義美学。
大橋容一郎(おおはし・よういちろう)1952年生。上智大学教授。近世現代哲学・思想史、認識論、日本哲学。
岡本源太(おかもと・げんた)1981年生。岡山大学准教授。美学。
小田部胤久(おたべ・たねひさ)1958年生。東京大学教授。近代美学。
河合大介(かわい・だいすけ)1977年生。岡山県立大学准教授。分析美学。
桑原俊介(くわはら・しゅんすけ)1978年生。上智大学准教授。近代ドイツ美学。
高橋陽一郎(たかはし・よういちろう)1966年生。日本大学教授。近代ドイツ美学。
津上英輔(つがみ・えいすけ)1955年生。成城大学教授。メーイ(1519–94)の音楽思想、日常美学。
津田栞里(つだ・しおり)1993年生。一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程、日本学術振興会特別研究員、江戸川大学非常勤講師。18世紀を中心とした近代ドイツ哲学。
内藤慧(ないとう・さとし)1994年生。東京大学大学院総合文化研究科博士後期課程。ジル・ドゥルーズを中心とした現代哲学・芸術思想。
長尾伸一(ながお・しんいち)1955年生。名古屋大学名誉教授。社会思想、経済思想、科学思想、政治経済学。
樋笠勝士(ひかさ・かつし)1954年生。岡山県立大学特任教授。古代中世哲学、美学芸術学。本書編者。
堀尾耕一(ほりお・こういち)1971年生。東京古典学舎代表。西洋古典学、レトリック論。
松本大輝(まつもと・ひろき)1986年生。東京大学教務補佐員。分析美学。
山内志朗(やまうち・しろう)1957年生。慶應義塾大学教授。後期中世哲学、スコラ倫理学。

※アマゾン・ジャパンにて予約受付中
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by urag | 2022-02-15 13:57 | 近刊情報 | Comments(0)


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