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2020年 04月 01日

注目新刊:フッセル『世界の終わりの後で』、金子遊『ワールドシネマ入門』

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弊社出版物でお世話になっている訳者、編者の皆様の最近のご活躍をご紹介します。

★西山雄二さん(訳書:デリダ『条件なき大学』、共訳:『ブランショ政治論集』)
フランスの哲学者ミカエル・フッセル(Michaël Fœssel, 1974-)が2012年にスイユより上梓した著書『Après la fin du monde : Critique de la raison apocalyptique』の全訳『世界の終わりの後で――黙示録的理性批判』を出版されました。フッセル(Fœssel)はかつてフェッセルと表記されることがありましたが、原音に近いのはフッセルです。アラン・フィンケルクロート(Alain Finkielkraut, 1949-)の後任として2013年より、エコール・ポリテクニークの教授をつとめています。専門は近現代ドイツ哲学および政治哲学で、カントを論じた著書が複数あります。『世界の終わりの後で』について西山さんは訳者あとがきで次のように紹介されています。「本書はフッセルの代表作をなす哲学的終末論である。第一部「系譜」では近現代の思想史の広大な文脈で終末論・破局論が論じられ、第二部「診断」では世界喪失の経験に関するアクチュアルな各論が展開されている」。目次詳細は書名のリンク先でご確認いただけます。

ミカエル・フッセル[著]西山雄二/伊藤潤一郎/伊藤美恵子/横田祐美子[訳]
法政大学出版局 2020年3月 本体4,500円 四六判上製386頁 ISBN978-4-588-01111-5

帯文より:世界の終わりは、今ここにあり身体的に知覚され経験されるカテゴリーである。政治的なもの、社会的なもの、人間的なものの交差する地点にあらわれる破局的主題と対峙し、近代の諸概念を問いに付す哲学の挑戦。

本文より:「「私たちは降伏などしない、絶対に降伏しはしない。私たちは没落していくかもしれない。だが、私たちは世界を道連れにするだろう」。ヒトラーがみずからの消失と世界の消滅の一致をかくもたやすく考えたのは、自分自身がいる現在時の彼方に何も見ていなかったからだ。より正確に言えば、、彼は「世界の時間」と「生の時間」の非適合を拒絶していたのだ(そして、こうした拒絶こそが彼の政治そのものの特徴だった)。外在的な出来事において作動している時間性と彼の欲望に律動を与える時間性にはずれがありうるのだが、このずれは彼にとってスキャンダルにみえたのだ。冒険家にとって、彼の意志に対する世界の抵抗は侮辱である。彼なりの解釈に屈することなく世界が存続するという考え方は、彼の破壊的な怒りを引き起こすのである。/ヒトラーは世界に対する怒りの極端な事例である。その経歴を通じて、彼は、現実が結局、自分の個人的な運命とは無関係であるかもしれないという考え方に取り憑かれていた」(315~316頁)。


★金子遊さん(編書:松本俊夫『逸脱の映像』)
昨年創業された新しい出版社「コトニ社」さんから著書を刊行されました。世界各国の映画監督14名にインタヴューを行なった、コンパクトながら豪華な一冊です。登場する映画監督は以下の通り。ペドロ・コスタ、黒沢清、トニー・ガトリフ、想田和弘、タル・ベーラ、オタール・イオセリアーニ、モフセン・マフマルバフ、ブリランテ・メンドーサ、アミール・ナデリ、アクタン・アリム・クバト、キドラット・タヒミック、ベン・ラッセル、リティ・パン、ラヴ・ディアス。目次詳細は書名のリンク先でご覧下さい。

​金子遊[著] 住本尚子[イラスト]
コトニ社 2020年4月 本体2,000円 46判並製256頁 ISBN978-4-910108-02-5

帯文より:さまざまな言葉、風土、食物、ファッション、生活習慣、信仰、音楽があふれる世界映画(ワールドシネマ)。そこは、社会問題や歴史や民族がうずまく多様な社会です。本書は、そのコミュニティに参画するための手引きでもあります。また、映画や映像を製作するためのモチベーションの源泉やテーマへの探求にも鋭く迫ります。自身も映像作家である金子遊(多摩美術大学准教授)が、クリエイティブの根幹について、世界各国の巨匠や名匠14人に話を聴きました。

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by urag | 2020-04-01 01:38 | ENCOUNTER(本のコンシェルジュ) | Comments(0)


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