2019年 01月 21日
弊社出版物でお世話になっている著訳者の皆様の最近のご活躍をご紹介します。 ★近藤和敬さん(著書:『カヴァイエス研究』、訳書:カヴァイエス『論理学と学知の理論について』) ★江川隆男さん(訳書:ブレイエ『初期ストア哲学における非物体的なものの理論)』 ★宮﨑裕助さん(共訳:ド・マン『盲目と洞察』) 河出書房新社さんよりまもなく発売となるドゥルーズ論集に寄稿されています。 帯文:21世紀は「ドゥルーズの世紀」(フーコー)なのか。最前線のドゥルーズ論者が世代をこえて集結、その哲学を究め、拡張し、対決する――未来の哲学を開く記念碑的集成。 あとがき(檜垣立哉氏)より:ドゥルーズやドゥルーズ=ガタリが最新のフランス現代思想の輸入品として重宝がられた時代や、それを哲学史的文脈に置き直す時代はすでに終わった。本書はむしろ、そうした時代の重層性をかいくぐりながら、現在の日本の論者たちが、ドゥルーズあるいはドゥルーズ=ガタリをどのように自らの論脈にひきつけ破断させるのかをかいまにさせる場であるべきだろう。 目次: はじめに |近藤和敬 第Ⅰ部 ドゥルーズを究める 哲学の奇妙な闘い |宇野邦一 現行犯での伝説化――ドゥルーズの芸術論における映画の身分についての試論 |小倉拓也 『差異と反復』をさまようヘルマン・コーエンの亡霊 |合田正人 〈身体-戦争機械〉論について――実践から戦略へ |江川隆男 シモンドンと超越論的経験論の構築 |アンヌ・ソヴァニャルグ〔上野隆弘/平田公威訳〕 『差異と反復』におけるトリガーとしての問いの存在論 |小林卓也 第Ⅱ部 ドゥルーズを広げる 類似的他者――ドゥルーズ的想像力と自閉症の問題 |國分功一郎 ドゥルーズと制度の理論 |西川耕平 スキゾ分析の初期設定 |山森裕毅 ドゥルーズの霊性――恩寵の光としての自然の光 |小泉義之 『シネマ』の政治――「感覚-運動的な共産主義」の終焉をめぐって |堀千晶 儀礼・戦争機械・自閉症――ルジャンドルからドゥルーズ+ガタリへ |千葉雅也 第Ⅲ部 ドゥルーズに対する パースとドゥルーズ――基層における交錯 |檜垣立哉 持続は一か多か――ドゥルーズ『ベルクソニスム』の諸解釈をめぐって |岡嶋隆祐 生き別れの双子としてのシモンドンとドゥルーズ |宇佐美達朗 ドゥルーズのシモンドン読解について――1966年の書評を手がかりに |堀江郁智 ドゥルーズとデリダ、内在と超越――近年のフランス思想における二つの方向 |ダニエル・W・スミス〔小川歩人訳〕 ひとつの生、ひとつの生き延び――ドゥルーズ/デリダ |宮﨑裕助 思考-生-存在――バディウの批判から見るドゥルーズの後期思想 |近藤和敬 あとがき |檜垣立哉 編者・執筆者・訳者一覧 +++ さらに近藤和敬さんは以下の共訳書を先月上梓され、解説をお書きになっています。目次は書名のリンク先でご確認いただけます。また、先月末発売の『現代思想2019年1月号 特集=現代思想の総展望2019――ポスト・ヒューマニティーズ』において、近藤さんは「メイヤスーとバディウ――真理の一義性について」と題した論考を寄稿されています(87~102頁)。 帯文:一なき多の思考。存在論とは数学である。「神は死んだ」――もはや宗教の神に出会うのでもなく、形而上学の原理の下に隠すのでもなく、ロマン主義のメランコリーに賭けるのでもなく、存在を思考することはいかにして可能となるのか。主著『存在と出来事』のエッセンスから出発して、集合論と圏論を携えてプラトンからカントまでを一挙に横断し、数学=存在論を宣言したバディウ哲学の転回点! +++ ★小澤正人さん(訳書:ブルワー=リットン『来るべき種族』) 先月、下記のウェルズ論を上梓されました。 目次: 始めに 第一章 ウェルズの初期作品とユートピア思想 第二章 『モダン・ユートピア』とユートピア思想 第三章 『モダン・ユートピア』と優生思想 第四章 「盲人の国」における視力と知性:ユートピアの二面性 第五章 変えることができる――のか?:『ポリー氏の物語』における選択 第六章 『神々のような人々』とユートピア思想 終わりに 参考文献 +++ ★澤里岳史さん(共訳:ヴィリリオ『民衆防衛とエコロジー闘争』) ★河村一郎さん(共訳:ヴィリリオ『民衆防衛とエコロジー闘争』) ラクラウ(Ernesto Laclau, 1935-2014)の著書『On Populist Reason』(Verso, 2005)の全訳書を上梓されました。澤里さんが2016年に死去されたため、河村さんが翻訳を引き継がれたものです。目次詳細は書名のリンク先をご覧ください。なお、本書に解説を寄せられた山本圭さんはまもなく、シャンタル・ムフ『左派ポピュリズムのために』の訳書を明石書店から上梓されます。 帯文より:人民を構築せよ、〈左派ポピュリズム〉の可能性のために。、侮蔑的に論じられがちなポピュリズムを“政治的なもの”の構築の在り方として精緻に理論化した、ポピュリズム論の金字塔的著作。根源的、複数主義的な民主主義のために、政治的主体構築の地平を拓く。「エルネスト・ラクラウという思想家の原点かつ到達点」――山本圭氏(本書解説「『ポピュリズムの理性』に寄せて」より)。 解説より:『ポピュリズムの理性』の日本語訳の刊行は、紛いもなく反時代的なものだ。しかし根源的〔ラディカル〕であるとは、えてして反時代的なものだろう。自由民主主義のお約束の着地点に居直ることなく、政治からの疎外を、排除を、無力化を直視し、民主主義の理想が本源的に含んでいる楽観に、もう一度身を委ねようとするならば――。 +++
by urag
| 2019-01-21 13:13
| 本のコンシェルジュ
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