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2018年 08月 17日

注目新刊:ロザリンド・E・クラウス『独身者たち』平凡社

◆ロザリンド・E・クラウスさん(共著:『アンフォルム』)
「女性作家のみを論じた彼女唯一の書物」(帯文より)である『Bachelors』(MIT Press, 1999)の全訳本がついに平凡社さんより発売されました。「9人の写真家を取り上げ、女性とアヴァンギャルド、とりわけシュルレアリスムとの関係という古くて新しいテーマを定位し直す」(版元紹介文より)と。クラウスは第一章でこう書いています。「書く主体には、ジェンダーの固有性があるという考え方。より正確に言えば、ジェンダーは必然的に書き手の層をはっきりと区別するため、女性作家が男性作家と同じ視点を共有するには、男性の視線と結託するか、あるいは皮肉を込めて距離をとり「擬態」という手段に訴えるか――この場合、模倣は厄除けの身振りとして自覚的に遂行される――しかないという確信。女の作家たちの作品をめぐる本書のイントロダクションとして、私はこうしたものに対して異議を差し挟んでおきたい。なぜならシュルレアリスムに関して、ことシュルレアリスムの写真実践に関しては、この運動のもっとも象徴的な――もっとも典型的で強烈だという意味で、もっとも象徴的な――作品のいくつかは、女たちによって作られているからである」(23頁)。「女たちの作品に特別な弁護は必要ない〔…〕、この後につづくエッセイでも、別段その必要はないだろう」(46頁)。

独身者たち
ロザリンド・クラウス著 井上康彦訳
平凡社 2018年8月 本体3,600円 A5判上製248頁 ISBN978-4-582-23129-8

目次
第一章 クロード・カーアンとドラ・マール――イントロダクションとして
第二章 ルイーズ・ブルジョワ――《少女》としての芸術家の肖像
第三章 アグネス・マーティン――/雲/
第四章 エヴァ・ヘス――コンティンジェント
第五章 シンディ・シャーマン――アンタイトルド
第六章 フランチェスカ・ウッドマン――課題群
第七章 シェリー・レヴィーン――独身者たち
第八章 ルイーズ・ローラー
原註
訳者あとがき
解説 『独身者たち』の領土――無産性の耀きについて(林道郎)
人名索引

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by urag | 2018-08-17 00:55 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
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