人気ブログランキング | 話題のタグを見る

URGT-B(ウラゲツブログ)

urag.exblog.jp
ブログトップ
2018年 06月 12日

荒木優太『仮説的偶然文学論』出版記念イベント情報2本

先月発売いたしました、荒木優太『仮説的偶然文学論』の出版記念イベントの情報をまとめます。話をじっくり聞きたい方は吉川さんとのB&Bでの対談を、荒木さんご本人とお話をしたい方は代官山蔦屋での人文カフェをお薦めします。

◎荒木優太×吉川浩満「クリナメンズ作戦会議

日時:2018年7月7日(土)19:00~21:00 (18:30開場)
場所:本屋B&B(世田谷区北沢2-5-2 ビッグベンB1F)
料金:前売1,500yen + 1 drink order / 当日店頭2,000yen + 1 drink order

内容:古代ギリシャの原子論者は、物体をつくる最小単位の原子(アトム)が雨みたいに上から下へと同じ速度で垂直落下していたはずだ、と考えた。けれども、それじゃ原子は他の原子と出会えずに物体になれない。そこで、エピクロスという人は、落下する原子自体のなかに必然のコースから外れて傾く力、すなわちクリナメンがあるといって古い仮説を修正した。正規ルートから逸脱するからこそ偶然の出会いがある。人生だって同じ。博打上等。レールに乗った将来なんて糞くらえ、盗んだバイクで走り出せ。が、とはいえ、道を踏み外すのは恐ろしい。できればみんな傾奇者クリナメンズになんかなりたくない。魅惑的でありながら恐ろしくもある偶然の傾きを的確にウェルカムするにはどうしたらいいのか?『理不尽な進化――遺伝子と運のあいだ』(朝日出版社)にて進化を司る「偶発性」の容赦なさと、それに避けがたくくっついている人間の形而上学的感覚をえぐりだし、Twitterアカウントその名も@clnmnをもつ稀代の論客・吉川浩満さん。そんな吉川さんに、学界の傾奇者こと荒木優太さんが新刊『仮説的偶然文学論』(月曜社)を片手に立ち向かいます! 傾いて偏ってるヤツも傾いて偏ってないヤツも、乞うご期待。

◎第4回代官山人文カフェ:荒木優太「人生を左右しない偶然について考えよう

日時:2018年7月20日(金)19:00~
場所:代官山蔦屋書店1号館 2階 イベントスペース
問い合わせ先:電話03-3770-2525
料金:コーヒー1杯付イベント参加券(1,000円/税込)をご予約頂いた先着50名様に参加券をお渡しいたします。

内容:「代官山人文カフェ」人文書の様々なテーマについてコーヒーを片手に語り合い、いっしょに考える。話を聴いて新たな視点を得たり、思考を深める。第4回テーマは「人生を左右しない偶然について考えよう」。偶然の出会いや事故によって人生は劇的に変わる...のですが、それ以上に私たちの日常は何気ない偶然の連続でできあがってもいます。今朝の電車が少し遅れたのも偶然、昼間訪れたコンビニのバイトがいつもと違う青年に変わっていたのも偶然、いまあなたがこの文章を読んでいるのもきっと偶然。偶然偶然、偶然ばっかり。それになのに私たちは、ある偶然を「運命だ!」「奇跡だ!」と騒ぎ立てる一方で、そうではない偶然はまるで当たり前のことのように無視してすごします。この区別のメカニズムを、荒木優太さんは最新著『仮説的偶然文学論』のなかで「偶然のフィルタリング」と呼んでいます。そもそも偶然を表象するということはどういうことなのでしょう? ちょっと印象に残ってる偶然エピソードを胸に、ぜひお立ち寄りください。

+++


by urag | 2018-06-12 08:41 | 書評・催事・広告 | Comments(0)


<< 注目新刊:戦慄のオニール『数学...      注目新刊:ジェノスコのガタリ論... >>