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2018年 04月 12日

注目新刊:『知のトポス』第13号、『文芸研究』第135号、ほか

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弊社でお世話になっている訳者の皆さんの最近のご活躍をご紹介します。

★宮﨑裕助さん(共訳:ド・マン『盲目と洞察』)
新潟大学大学院現代社会文化研究科が発行する『世界の視点:知のトポス』第13号に、小原拓磨さんとの共訳、アレクサンドル・コイレ「フランスにおけるヘーゲル研究の状況報告」が掲載されています(99~159頁)。宮﨑さんは同号の編集後記も執筆されています。第13号の目次を掲出しておきます。

『世界の視点:知のトポス』第13号 目次
G・W・F・ヘーゲル「「精神の哲学」についての講義(ベルリン、1825年夏学期)」栗原隆/高畑菜子/岩下杜之訳
ゲルハルト・クリーガー「カントの批判における哲学と道徳(四)」宮村悠介訳
アレクサンドル・コイレ「フランスにおけるヘーゲル研究の状況報告」小原拓磨/宮﨑裕助訳
パウル・ツィヒェ「自然と芸術との間の人間」栗原隆訳
「編集後記」宮﨑裕助

★安原伸一朗さん(訳書:ブランショ『問われる知識人』、共訳:『ブランショ政治論集』)
★渡名喜庸哲さん(共訳:サラ-モランス『ソドム』)
明治大学文芸研究会が発行する紀要『文芸研究』第135号「特集:ピエール・パシェ」において、安原さんが論文「無言の言葉を聞く――『父の自伝』について」(37~43頁)とその仏語版を、そして渡名喜さんが論文「クロード・ルフォールとピエール・パシェ――抵抗の場としての内密性」(223~240頁)を寄せておられます。安原さんの論文はもともと、昨年年頭(2017年1月21日)に明治大学駿河台キャンパスで開催された国際シンポジウム「アジアにおける一個人――ピエール・パシェの作品を読む」において発表されたものです。安原さんは同シンポの第三部「中国における一個人」で司会も務められています。パシェ(Pierre Pachet, 1937-2016)は日本では単著未邦訳の作家で、特集が組まれるのも初めてです【4月13日追記:岩波書店『文学』第9巻第2号(2008年3月)にて小特集が組まれたことがあると耳にしました。一冊丸ごとの総特集としては『文芸研究』誌が初めて、ということになるかと思われます】。

★江澤健一郎さん(訳書:バタイユ『マネ』)
ディディ=ユベルマン『イメージの前で』の増補改訂版をまもなく法政大学出版局さんより上梓されます。巻末の「第二版への訳者あとがき」によれば、2005年刊行の同書英語版に掲載された序「悪魔祓い師〔The Exorcist〕」が新たに訳出され増補されており(23頁もの長文)、「訳書を全体的に見直して修正を行」い、「著作リストを最新作まで補完した」とのことです。以下の引用はこの序文からです。

「美術史家が研究するイメージの実態は、強力で魅力的だが、変質を引き起こす実体なのだ。その実態は安心させてくれる。つまりそれは、このうえなく素晴らしい回答を学者にもたらすが、しかし注意だ! その実体は、それを過剰に飲みこむ者、破滅するほどそれと密着する者にとっては、すぐさま麻薬、さらには毒薬になってしまうのだ」(xii頁)。「イコロノジーを「客観的な科学」にするために、パノフスキーは、何かを文字通りに悪魔祓いしなければならなかったのだ。その何かとは、彼がその「科学」によって明確にしようとした対象の、その力に固有なものである」(同)。このあとディディ=ユベルマンはディブック(悪霊)に喩えてイメージをめぐる知やその歴史について語っており、非常に興味深いです。

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河出書房新社さんから2016年11月に刊行された川崎昌平さんの『重版未定』が重版されたのを祈念して、下北沢のブックカフェ「B&B」で同年12月に開催されたトークイベント、川崎昌平×下平尾直×小林浩「小さな出版社と編集者の大きな夢」がついに「DOTPLACE」においてウェブ公開が開始となりました。小出版社の現実や業界論を率直に語ったものだったので活字化不可能かもと個人的には危ぶんでいたのですが、ご高覧いただけたら幸いです。第一回目はリンク先にてお読みいただけます。以後順次公開開始となるかと思われます。

なお、川崎さんはぶんか社さんから今月、最新作『編プロ☆ガール』を上梓されました。「編集プロダクション、それは出版社の奴隷」という帯文が業界人の肺腑を抉ります。巻末対談は「マガジン航」の仲俣暁生さんと。以下に目次を含めた書誌情報を掲出します。目次だけでもすでに面白いという。

編プロ☆ガール
川崎昌平著
ぶんか社コミックス 2018年4月 本体1,000円 4-6判並製192頁 ISBN978-4-8211-3571-4
帯文より:編集プロダクション、それは出版社の奴隷――。理念と現実の狭間で何を掴みとるのか!? 心を突き動かすハードボイルド出版業界漫画!

目次:
第0話 編プロにつくれない本はない
第1話 いいから今は休め
第2話 いいから今は寝ろ
第3話 いいから今は忘れろ
第4話 あれは白昼夢だ
第5話 これが悪夢だ
第6話 それは夢だ
第7話 本は犠牲なくして生まれない
第8話 本は無駄なくして編めない
第9話 本は後悔なくして世に出ない
第10話 怒られれば悔しい
第11話 褒められればうれしい
第12話 読まれなければ悲しい
第13話 本は過去を語る
第14話 本は現在を知る
第15話 本は未来をつくる
仲俣暁生×川崎昌平「編プロ深層対談」
あとがき

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by urag | 2018-04-12 15:21 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
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