2016年8月3日(水)開店
ジュンク堂書店奈良店:図書300坪
奈良県奈良市西大寺東町2-4-1 ならファミリー専門店街 4F
トーハン帳合。弊社へのご発注は人文・文芸・芸術書数点ずつ。取次さんの出品依頼書によれば「
ならファミリー」は近鉄奈良線「大和西大寺」駅より徒歩2分に所在し、近鉄百貨店とイオンを核として約120の専門店で構成され、駐車場は2000台分という県下有数の商業施設。今秋にリニューアルを控えているとのことです。同施設1Fには6月28日までジュンク堂書店奈良準備店が営業していましたが、おそらくテストはまずまずだったのでしょう。4Fでオープン後の営業時間は10時から21時となります。
選書はジュンク堂と丸善の関西方面スタッフが担当されていますが、株式会社丸善ジュンク堂書店の工藤恭孝代表取締役社長の挨拶状によれば、運営自体は「奈良を基盤とされている啓林堂様にお任せし、さらに進化した「立地に相応しい洗練された店」を目指す」とのことです。出品依頼書には株式会社啓林堂書店の林田芳幸代表取締役社長の挨拶状が添付されていて、そこでは「ならファミリー」の近況やリニューアルの経緯についてや、啓林堂がジュンク堂から運営委託を受けたことについての説明が書かれています。近年の新規店挨拶で、ここまで「定型文」を良い意味で崩し、公開可能な範囲で詳しく説明している文書にはお目に掛かったことがなく、好感度が高いです。
要約すると以下のようになります。「ならファミリー」は県下最大のショッピングモールではあるものの、近年は近県や近隣の競合店の出現により、ピーク時より30%強売上が落ちている。オーナーの判断で、奈良県下一番店としてさらに成長すべく××億円を投じて専門店ゾーンを大幅拡大させ、今秋リニューアルオープンする、と。キーテナントとしてユニクロ、無印良品、ABCマートのほか、県内未出店のジュンク堂書店が要請された、とのことです。
運営受託については重要なので要約ではなくそのまま引用します。曰く「出店の決定前に、公私ともに大変お世話になっております丸善ジュンク堂書店の工藤社長様から弊社へ運営委託をご提案いただき、ジュンク堂書店様のシステム・ITに関するノウハウや商品調達力・物流機能と、弊社の地域に密着した店舗運営を共有することによって、奈良地区の出版文化振興に大きく寄与できると考え、業務提携を行うことに合意いたしました」と。
啓林堂書店は奈良県下に6店舗を構えており、メイン帳合はいずれも
トーハンかと思います。丸善ジュンク堂が地元チェーンと競合するのではない方向性を選んだというのはこれまでの歴史に比して特記すべきかと思います。運営委託はいわゆるフランチャイズとは違いますが、これは今後のジュンク堂や啓林堂のあり方に変化をもたらす試金石となるのかもしれません。